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「アトルガンの秘宝」の魅力をマイペースで伝えていく本連載。E3終了直後にお届けする連載第二回では、「アトルガンの秘宝」の魅力のひとつである新エキストラジョブ“青魔道士”、“コルセア”、“からくり士”の取得クエストから入り、新ジョブプレイの模様を紹介したい。
取得クエストのパートでは、ネタバレにならないようにストーリーの詳細は避けてヒントの提示に留め、筆者が感じた“取得クエストの魅力”を伝えるレポートにしている。取得クエスト紹介後は、それぞれのジョブの体験レポートを紹介している。今回は3ジョブともにレベル20まで、俗に言う“ジュノデビュー”までを目安にプレイしてみた。
青魔道士を取得するクエスト“渇望”は、マップ名でいうところのアトルガン白門、アルザビ辺民街区の異教横丁に佇む占い師“ワーウード”から開始される。彼の占いは、占いというよりも性格診断的なもので、その問いは、軽々しく答えられる性質のものではなく、難しく、悩ましい選択を迫るものが多い。彼が問いの答えから掴もうとしている冒険者の資質がなんなのか、薄気味悪く感じるほどである。
問いかけに挑むにあたり思い返して欲しいのは、このクエストの名前が“渇望”であるということだ。道はいつでも、欲する者に開かれる。ワーウードの問いに答え、ギルを要求された場合は、返答に“渇望”が足りないということ。その場合は、ヴァナ・ディール時間で、日を改めて再び話しかけるともう一度仕切り直しできる。
● ワーウードに求められるアイテムのキーワード 筆者の場合は「血のように赤い貴石」を求められた。少々の手間はかかるが、近東に訪れるほどの冒険者ならば簡単な注文だ。久しぶりに訪れた懐かしい場所で「血のように赤い貴石」を入手。アイテムをワーウードに渡すと、彼の態度は急変、会話が進んでいった結果、話は妙な方向に進展していく。
問いかけの内容からして只者ではない雰囲気を漂わせていたばかりか、おかしなアイテムをそれとなく要求、いざ持ってきてみると、どこか挙動不審な態度を見せる。この先には何かが待ち受けていると誰しもが直感するはずだ。答えを、そして力を欲する冒険者であるならば、この先に待ち受ける展開が気になるのは間違いないと思うが、この先は実際にプレイしてのお楽しみだ。
■ 敵のアビリティ発動に喜び、ラーニングに期待するという、これまでにないゲームプレイ
青魔道士といえば、モンスターが駆使してくる“技”をラーニングして、青魔法として習得できるのが最大の魅力。そのため、青魔道士の戦闘中に、敵が技を使ってくると、「ラーニングしないかな?」と期待してしまう。これまでのレベル上げでは、使われること自体が嫌だったが、青魔道士に限って、むしろラーニングしたいからガンガン使って欲しい、という思いに変化する。これまでにないちょっと不思議で面白い感覚だ。 ちなみにロンフォール地方でいうと、ウサギ族の二本足で強烈な一撃を見舞う“フットキック”や、甲虫族の巨体を羽ばたかせて体当たりをかけてくる“パワーアタック”などが有力なラーニング候補だ。
筆者の場合、順調に経験値を稼ぎ、レベル6を超えてきたとき、その瞬間は起こった。戦闘終了時に「パワーアタックをラーニングした! 」というメッセージが表示されたのだ。続けざまにラビット系からフットキックを習得。さらにレベルが上がってきてラテーヌ高原に移動すると、通称ミミズことワーム系のモンスターから土竜巻をラーニングできた。これは新感覚の楽しさだ。
レベルも12に上がり、そろそろバルクルム砂丘に移動してパーティーに参加してみようとも思ったが、まだラーニングした青魔法が少ない。ソロプレイ中には他の冒険者の青魔道士も数多く見かけたのだが、彼らはクロウラーが使う防御力アップのアビリティ“コクーン”や、蜂ことビー系が使うHP回復アビリティ“花粉”を使っている。それを羨ましく感じた筆者は一度サンドリアに戻り、そのままウィンダスへラーニングの旅に出発した。 サルタバルタに出てみると、手頃な強さのクロウラーや蜂を数多く発見した。これらに戦闘を仕掛け、武器をあえて外して、活かさず殺さずの状態を続ける筆者。TPが貯まってきたモンスターが“コクーン”や“花粉”といったお目当てのアビリティを使ってくる。お目当てのアビリティを発動させたあとは戦闘を終了させる。これを繰り返してみたところ、ほどなくしてコクーンと花粉をラーニングすることができた。 続いてバストゥークに移動して、同じようにクゥダフと戦闘を繰り返す。クゥダフからは“ヘッドバット”という相手にダメージを与えた後にスタンさせる便利な技を習得した。三国周辺にそれぞれ異なるラーニング可能な技を持つモンスターがバランス良く分布している印象だ。 お目当ての青魔法を習得し、再びサンドリアからバルクルム砂丘へと移動していると、オークに発見され戦闘。その中でブンブンと腕を振り回す範囲攻撃“バトルダンス”を思いがけずラーニング。意識していないアビリティがふとした時にラーニングできると実に嬉しい。
青魔法には、個別にステータスアップ値が設定されており、ラーニングしてセットすることで、自身のステータスもアップする。文字通りラーニングすることで強くなるのだ。例えば、マンドラゴラから習得したアビリティ“種まき”は、セットすることでCHR+1、HP+10される。低レベル時にはHP+10はなかなか大きい。また、バトルダンスとヘッドバットはどちらもDEX+2とステータス的にも見逃せない性能を持っている。
コクーンはスキルによって効果が変化していくものと思われるが、防御力は砂丘レベルでも20ほどアップしており、装備によっては100近い防御を得ている冒険者もいた。盾役として十二分だ。ただし、青魔法はMPを消費するため、戦闘の合間合間にヒールするナイト的な立ち回りが必要になる。 筆者はサポートジョブを白魔道士にして回復役としてパーティーに参加した。ダメージを与えつつスロウの効果を与える“スプラウトスマック”や、前述の“ヘッドバット”で攻撃に参加しつつケアルを盾役に唱えていた。青魔法だけでなく、片手剣による攻撃もなかなかの戦力になっていた。青魔法によるステータスアップが加わっていることもあるが、ソロとしても、パーティーとしても戦闘能力は高い印象である。 青魔道士の高いパフォーマンスと面白さを味わいながらゴブリンと戦闘していたところ、他のゴブリンがリンクしてしまうというピンチがやってきた。敵を眠らせる手段はこの時点では誰も持ち合わせておらず、パーティー内に敗走の気配が忍び寄った。そんな中、からくり士のメンバーが、リンクしたゴブリンにオートマトンを仕向けて引き付けておくと話し、オートマトンをリンクしたゴブリンに仕向ける。 オートマトンの耐久力に期待しつつ、戦闘が展開される。厳しいながらも勝利が近づいてきた中、ゴブリンが爆弾の構えを開始。筆者含む青魔道士のメンバーはそこで続けざまに“ヘッドバット”を発動! ヘッドバットのスタン効果によって爆弾投げは見事ストップ。オートマトンの活躍も良い結果を導き、パーティーは危機を乗り越えることができた。青魔道士ならではの強味を活かせたと感じられた瞬間だった。
大羊族やフライ族を相手にしたときには、シープソングやカースドスフィアのラーニングに期待がかかる。パーティー内の青魔道士と、戦闘後にラーニングできたかどうかを話し、一喜一憂するのもまた楽しい。青魔法のラーニングにはこれまでにない、新しい魅力が溢れていることを実感できた次第だ。また、青魔法には他の魔法やアビリティにはないちょっと癖のある性能があるため、それらを使いこなしていくというテクニカルな要素もまた魅力的だ。
そんなコルセアにジョブチェンジするためのクエスト“海鳥は賽を振る”は、アルザビ辺民街区の茶屋シャララトにいるNPCラティーブとの会話から開始される。なにやら慌しく会話するラティーブとワスード少年。聞けば、ラティーブの息子であり、ワスードの兄であるムティーブが、不滅隊によって連行されてしまったというのだ。兄を助けに行こうと騒ぐワスード少年と、不滅隊に逆らっては商売ができなくなると少年を制すラティーブ。皇国部隊である不滅隊の行ないは、国民に過剰な圧力を加えているようで、あまり好ましく思われていないところがある。 ラティーブの元を走り去り、兄を救いに行くワスード少年。店を離れられないラティーブに代わって、皇民街区へと続く門の前にいる門兵の元へと様子を見に行くと、ワスード少年が門兵に直訴しているところだった。相手にされず諦めて門兵の元を去ろうとするワスード少年……。と、そのとき! どこからともなく煙幕が発生! 見上げるとそこには夜空に浮かぶコルセアの姿! 目を地上に戻すとコルセアを捕まえるべく集合した不滅隊がずらりと登場! ニヒルな捨て台詞を残し去っていくコルセア! その姿に心奪われるワスード少年!
このコルセア初登場シーンは、思わずテンションが上がってしまうほど非常にかっこよく、そしてユニークだ。ぜひとも触れて頂きたいイベントのひとつである。
さて、こうして去っていったコルセア一味。彼らこそコルセアにジョブチェンジするための鍵を握っている。コルセアといえば海賊の末裔であり、海に浮かぶ船こそ彼らのアジトにふさわしい。コルセアに憧れを抱くワスード少年と、コルセアになりたい冒険者。そしてコルセアたちを追い続ける不滅隊の策略。これらの要素がどのようなシナリオを紡ぐのかは、やはりプレイしてのお楽しみ。
このコルセア取得クエストを体験すると、コルセアとは具体的にどういうジョブなのかが感じ取れる。アトルガン白門でのコルセア初登場イベントもそうだが、ならず者として不滅隊に追われているものの荒くれ者という印象ではなく、ギャンブラーの大胆さや冷静さ、そしてニヒルでスタイリッシュな印象を併せ持っている。仲間を助け、無益な戦闘を行なわず、それでいて勇敢だ。このクエストを完了した後に、コルセアというジョブをプレイして体験して得たコルセアのポジションや特徴に、クエストの内容は通じるところがあると感じた次第だ。
■ 銃とロールでスタイリッシュに立ち回ろう。“大器晩成”コルセアプレイ
早速ファントムロールを発動してみると、自キャラクタの周囲に数字の描かれたカードがルーレットが回るような効果音と共に回転し、1から6までのいずれかの数字が出る。この数字がロールの効果を左右する値となるのだが、さらにアビリティ“ダブルアップ”でロール値は上乗せが可能だ。ロールの最大値は11で、これを超えるとBUST! と大きく表示されてロールの支援効果は消失してしまう。 また、ロール値には、ラッキーナンバーとアンラッキーナンバーが、それぞれひとつずつ設けられており、ラッキーナンバーを引いた場合は最大値11に次ぐ効果が得られる。反対にアンラッキーナンバーでは、高いロール値でも効果は低い。コルセアズロールでは、ラッキーナンバーは「5」、アンラッキーナンバーは「9」。アンラッキーとは言えど効果は得られる9でダブルアップを終えるか、もうひとバクチ打つかは悩ましいところだ。 ラッキーナンバー、アンラッキーナンバーはロールごとに異なっており、総じてラッキーナンバーは低い合計値に、アンラッキーナンバーは高い合計値に位置している。最初のロール発動でラッキーナンバーを引けたときは文字通りラッキーなのだが、そうでなかった場合に、最大値である11を目指してダブルアップするか、アンラッキーナンバーをひかぬよう留めるかの判断は難しいところだ。進むか退くか。いつでもバクチはそこが肝心。まさしくギャンブルの醍醐味だ。 魔法と同様に適正レベル以上の状態でアイテムを使用すると習得できるロールだが、“ファントムロール”というアビリティから個別のダイスを発動するというアビリティになっている。このため、吟遊詩人の歌や他ジョブの魔法にはある詠唱時間がなく、アビリティとして即発動される。また、前述のとおり“ファントムロール”から個別のロールを選択して発動するため、“ファントムロール”の再使用タイマーが全てのロールに適用される。つまり、ひとつのロールを発動すると、連続して他のロールを発動させることはできないのだ。“ファントムロール”の再使用時間は1分、そしてロールの効果時間は5分となっている。吟遊詩人のようにパーティーへと支援効果を配るコルセアだが、立ち回るリズムは異なる。 コルセアのソロプレイはなかなかに険しい道のりだった。それというのも、装備可能な武器や防具が少なく、かつ、ステータス自体も高くないことが大きい。ジョブにもよるが、低レベル時には多くの場合、丁度いい強さの敵や、場合によっては同じ強さの敵に勝てるが、コルセアはなかなかそうはいかない。 コルセアのソロ性能を他ジョブの例で言うと、吟遊詩人や、不意打ちを習得する前段階のシーフに近いソロ性能を感じた。“海賊”といういかにも前衛ジョブ的なイメージがあったコルセアだが、やはりギャンブラーとして捉え、サポートをメインにする中衛のポジションが良さそうだ。
コルセアズロールを発動させて、経験値取得量がアップした状態で戦闘してみると、通常よりも2~16ほどの取得量アップを確認できた。もちろん増加量のふり幅はロールの合計値による差である。増加量は固定値ではなかったので、7%~24%といったパーセンテージの効果になっている。経験値取得量をアップさせるアビリティというのは他のジョブにはない唯一の魅力だ。この状態で楽な強さのモンスターを相手にすれば、ロール値によっては丁度いい強さの敵から得られるのとほぼ同等の経験値を得ることもできる。コルセアズロールを駆使しつつ、楽な強さをスピーディーに倒していくことで低レベルのソロプレイを乗り越ることができた。
レベル8で回避率がアップする“ニンジャロール”や、レベル11で命中・飛命がアップする“ハンターズロール”を習得すると、ロールを2つ発動させるのが基本状態になる。ちなみにコルセアをサポートジョブにした場合は、ロールはひとつだけとなる。また、サポートジョブに詩人をつけてみたところ、歌とロールは効果枠が共有されているのか、歌とロールを合わせて2つ維持することはできたのだが、ロール二つ + 歌ひとつ、というような三つにはならなかった。歌とロールは一人だと合計2つまでとなる。
パーティープレイ時のファントムロールには上記のようなプレッシャーがあるため、それだけに、ラッキーナンバーや11を多く引くことができた時には、他ジョブにはない達成感がある。役割をこなしつつ楽しむことが醍醐味のパーティープレイだが、最大の役割である“パーティーへの支援効果”が効果的にできたことに喜びがあるのだ。 基本的には吟遊詩人に近いポジショニングのコルセア。そこにレベル15からは、コルセアでも装備可能な銃が登場する。コストがかかる点はあるものの、銃のダメージ値はコルセアが持つ攻撃手段の中でも最も大きい。そして銃による攻撃には、レベル40から使える“クイックドロー”のアビリティによって銃弾にカードの魔力をこめるという、独自の弱体効果サポート要素を持たせることができる。 これらの雑感をまとめていくと、ギャンブル要素を楽しみつつファントムロールでパーティーを支援し、その合間合間に銃でのアタックと弱体支援を行なうという、これまでにない立ち回りをするジョブであることを感じる。そしてそれらは「大器晩成」であるということだ。レベル20で習得できる“ヒーラーズロール”によるヒーリングMP値アップや、レベル40で習得できるリフレシュ効果ロール“エボカーズロール”や、クイックドロー。さらにレベル50では、パーティーメンバーのアビリティをひとつ再使用可能にするアビリティ“ランダムディール”が登場。高レベルになればなるほど魅力的なサポート効果が用意されている。
楽しさとしての最大の魅力は、もちろんファントムロールのギャンブル性だ。この楽しさはぜひとも体験してほしい。筆者はコルセアのポジショニングに近い吟遊詩人がメインジョブのひとつなのだが、それと似て異なる楽しさがある。パーティーを支援して、結果を出していくサポートの魅力は同様だが、連続でラッキーナンバーや11を引いたときの喜びは、アビリティを発動している本人が最も嬉しいのだ。
からくり士ジョブ取得クエスト“オートマトン”は、意外なことに西方四国のバストゥークより始まる。バストゥーク商業区の大きな噴水がある広場には、シャマルハーンという初老のエルヴァーンが派手な赤い装束を身にまとって佇み、その傍らではバルキーンという名前のオートマトンがくるくると舞っている。話しかけてみると、カナ交じりの声でオートマトンから話しかけられた。テキストだけとは言えロボット的な声を想像できる。
どうやら彼らはオートマトンを操作する芸“からくり芸”をしつつ旅する旅芸人のようだ。からくり士になるにはどうすればいいのか? と、シャマルハーンに聞いてみると、彼から直接指導を受けることはできないものの、彼の弟子であり近東の皇都アルザビで今一番の売れっ子からくり士であるというイルキワラキを紹介された。
話しかけてみると、彼は大きな悩みに直面していたのだ。なんと彼は、人形を失ってしまったというのである。からくり士のことを教えてほしいと伝えると、「人形抜きにからくり士は語れない! それは、耳と尻尾を抜きにミスラの良さが語れないのと同じなのである!」と、彼はわかったようなわからないようなリクツを並べ立てる。 彼の力説はその後も続くのだが、要するにからくり士のことは、人形がないと話ができないということだった。このイルキワラキとの会話は、タルタルが持つパニック状態になればなるほどユニークでキュートになっていくという魅力が見事に描かれている。他の新ジョブ取得クエストもそうだが、近東で描かれるシナリオは、エンターテイメント性が高く、いずれも非常に魅力的だ。
さて、人形が無ければ作ってもらえばいいじゃない、という考えで、思い浮かぶのがナシュモ行きの港近くにある“オートマトン工房”だ。オートマトン工房は、オートマトンの研究と改造が行なわれており、工房には違いないのだが、研究所のような側面も持っている場所だ。オートマトンを入手すべく工房を訪れた冒険者には、オートマトンの悲話が待ち受けている。イルキワラキは再びオートマトンを手にすることができるのか? からくり士になるための資格とは果たしてなんなのだろうか。
■ 主役はオートマトン! カスタマイズでより強く賢く戦うオートマトン
レベル1の時点で、オートマトンを呼び出すアビリティ“アクティベート”、オートマトンをしまうペットコマンド“ディアクティベート”、さらに戦闘指示にあたる“ディプロイ”をはじめ、行動の方向性を指示するペットコマンド“マニューバ”がファイアやアースといった8属性分揃っている。アビリティやペットコマンドの面では、レベル1の時点で8割方備わっているジョブである。 からくり士本人が得意とする武器は格闘。ただしからくり士が装備可能なものは、格闘の代名詞であるモンクや、武器のデパート戦士が装備する格闘武器に比べて、ライトなものに絞られている。装備可能な防具を見てみると、鎧の類はなく、布系の防具が中心となる。本稿で紹介している新エキストラジョブの中で、最軽装だ。これはからくり士の中心戦力が“オートマトン”であるがゆえである。
まずはアタッチメントなどを使わずに戦闘してみる。ディプロイの指示でオートマトンを敵にけしかけると、まずオートマトンは、離れている敵にディアを使用した。これは汎用のヘッドとフレームをつけている場合はオートマトンのMPがある場合に限り、必ず行なうようだ。敵との距離が縮まると、ニョロっと伸びている両手を振りまわし、格闘攻撃をはじめる。このオートマトンが格闘攻撃をしている様もまた、一生懸命なものの、どこかユニークだ。
順調に経験値を稼ぎ、さくさくとレベルが上がっていく。筆者はからくり士の前にはコルセアをプレイしていたのだが、それだけにソロ性能の差を大きく感じる。なにしろ、からくり士には自分以上に性能の高いオートマトンがいるわけで、都合、二人分の戦力がある。レベル10近辺でのソロプレイでは、丁度いい敵はおろか、同じ強さの敵、好展開に恵まれたときには強い敵にも勝利することができた。オートマトンの性能の高さを強く感じた。
余談だが、オートマトンの強さに感心しながらソロプレイを続けていたところ、同じ強さの敵を相手にしている最中、オートマトンが倒されてしまったことがある。その後は、からくり士本人だけで戦闘を行なってみたが、楽な強さの敵にも苦戦してしまった。からくり士は、オートマトンが強いのであって、からくり士本人はむしろ弱いのである。 このピンチを救ってくれたのは、やはりオートマトン。オートマトンは倒されてしまったものの、前回のアクティベート時より20分が経過しており、すぐさま再アクティベートが可能だったのだ。敵対心こそ消失しているが、HPやMPは全快状態のオートマトンが再び現れて戦闘に参加してきた。オートマトンがすでにいる状態で、アクティベート再使用時間の20分が過ぎたあとであれば、オートマトンは一度倒されてもMAX状態ですぐさま戦線復帰できるのだ。この点は有効に使うとかなり大きな違いがでる。アクティベートは戦闘を始める直前に行なうのではなく、できるかぎり速いタイミングで行なっておくのがよい。 アクティベートに関連することでひとつ気をつけたいのが、レベルアップ時にオートマトンを再アクティベートしないと、オートマトンが成長しないという点だ。これは竜騎士の飛竜と同じ感覚なのだが、アクティベートは通常再使用に20分かかるが、オートマトンのHPが全快の場合、再使用時間なしに使うことができる。レベルアップ時には、ヒーリングでオートマトンのHPを回復させて、再アクティベートしよう。 かなりの高ペースでレベル10に到達した筆者は、一度アルザビに戻った。アタッチメントを装着させてみたいという目標もあるが、レベル10になると、フレームをオートマトン工房で作成してもらえるクエストが発生するのである。この時点で作成できるフレームと、その作成に必要になるアイテムは以下のようになっている。作成時にはアイテムとは別途、代金としてアトルガン白銀貨が3枚必要になる。
・白兵戦フレーム:ホワイトキャンサー
・射撃戦フレーム:ヘーゼルサジタリウス
・魔法戦フレーム:カーマインスコーピオー 上記3種類の特化フレームに加えて、既に装着している汎用フレーム「コバルトエアリーズ」が存在する。それぞれに戦闘のスタイルが異なるが、白兵、射撃、魔法と紹介にあるとおりで、それぞれが持つ戦闘スタイルはわかりやすい。全部もらっていろいろとあれやこれやと試してみたくなるところだが、1度のクエストで作成してもらえる特化フレームはひとつだ。
ちなみに、フレームの素材は高値で取引されているものがあり、新ジョブに注目している冒険者が多い今は、高騰といっていい状態のアイテムもある。あえて作成を依頼せずに万能タイプであるコバルトエアリーズを使って、適切な時期やタイミングを待ってみるのも悪い選択ではないかもしれない。
さて、筆者が購入して実際にオートマトンに装着させているアタッチメントは、ステータスアップ系の5つと、挑発効果のあるアビリティを発動する“ストロボ”、ストンスキンと同じ効果を発動する“S・アブソーバー”、通常時にはHPをアップし、ライトマニューバ中にはリジェネが得られる“オートリペアキット”だ。他のアタッチメントにも興味はあるのだが、この時にはまず、“盾役として活躍するために最低限必要なアタッチメント”をテーマにセレクトした。
再び適正レベルの狩場に戻りアタッチメントの効果を実践する。戦闘前にアースマニューバを使い、土属性のアタッチメント発動率を高める。そのままディプロイで敵に攻撃を開始! 百裂拳のような効果音をあげて、戦闘開始時にS・アブソーバーが発動した。続いてファイヤマニューバ発動、ストロボがマニューバによって発動し、敵の矛先がオートマトンに向けられた。数回ストロボが発動してオートマトンにターゲットが固定されたあたりで、ライトマニューバを発動する。ストンスキンが切れてHPを削られてきているオートマトンは回復行為を積極的に行なう。
アタッチメントを装着していくことで、マニューバによる行動の指示や戦法の組み立てが非常に豊かになる。筆者が試したなかでは、S・アブソーバーの効果が驚くほど高い。ジュノレベルまでのならば、同じ強さの敵と戦っても被ダメージ0のまま勝利を収めるシーンを多々見かけるほど。ソロプレイ時には最低限ストロボとS・アブソーバーの2つは欲しいところだ。
からくり士といえば、やはりオートマトンのカスタマイズ性が注目のポイントであり、からくり士というジョブが持つ楽しさのポイントであると感じる。とにもかくにもオートマトンがいて、はじめて話が始まるジョブだ。それだけオートマトンに戦力も魅力も集中していると、自然にオートマトンへの愛着も高くなる。自分が組み込んだアタッチメントを駆使して活躍してくれる頼もしくキュートなパートナーとして、からくり士の最大の魅力になってくれるのだ。
■ ジョブの本質がストーリーに融合している取得クエストに/clap さて、本稿では新エキストラジョブ3種類の取得クエストとプレイ模様を紹介した。青魔動士はモンスターのアビリティであろうがなんであろうがラーニングしていくという強さへの渇望があり、そこにこれまでのジョブにはない楽しさも盛り込まれている。コルセアはビジュアル的にもスタイリッシュな魅力があるが、仲間を支援するべく熱いギャンブルを張っていくのが斬新だ。銃をメインの武器として捉えることで、支援を行ないつつアタッカーをするという、これまでにない立ち回りもある。からくり士の魅力は、その全てがオートマトンに集約されていると言っていいだろう。
これらの本質的な部分が、それぞれのジョブ取得クエストにはキーワード的に埋め込まれている。それでいてシナリオの魅力も高く、クオリティの高さを感じる。ジョブを変えることでまったく異なるプレイができるのが「FF XI」の大きな魅力のひとつ。「アトルガンの秘宝」より追加された、この魅力的な新規ジョブにも、ぜひともチャレンジし、楽しんでもらいたい。なお、新ジョブに関しては、今後も筆者は個人的に育成を続けていくつもりなので、魅力をさらに発見できた場合は、本連載の中で追ってお伝えしていこうと思う。 (C)2002-2006 SQUARE ENIX CO.,LTD All Rights Reserved.
□スクウェア・エニックスのホームページ (2006年5月19日) [Reported by 山村智美 / Pomm]
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