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本連載は、4月20日に発売された「ファイナルファンタジー XI」の最新拡張ディスク「アトルガンの秘宝」にフォーカスをあて、ヴァナ・ディールの新たな魅力に迫っていくというものである。ハイエンドの攻略情報ではなく、マイペースで新しい発見の喜びや楽しさを伝えていくことに主眼を置いている。本連載で、冒険者のヴァナ・ディールライフがより豊かになれば幸いだ。 「アトルガンの秘宝」では、多数の冒険者が近東の地「エラジア大陸」に向かって駆け出した。獣人たちとの戦争が激化し、多くの傭兵を求めているという新天地「アトルガン皇国」。傭兵を束ねるどこか怪しげな企業「サラヒム・センチネル」。新たな文化圏にて習得できるこれまでにない魅力を持った新ジョブ。いずれもヴァナ・ディールで暮らす冒険者の心を躍らせるものばかりだ。
第1回となる本稿のテーマは、ズバリ「いざ、アトルガンへ!」。「アトルガンの秘宝」開放直後の盛り上がりを交えつつ、近東の拠点となる「アトルガン皇国」や「港町ナシュモ」といったタウンエリア、そして新ジョブによる新たなパーティープレイの模様などをレポートしていく。
登録に関するトラブルは、実は今回が初めてではなく、古くはβテスト開始から、正式サービス開始や拡張ディスクが発売されるたびに起こってきたことだ。今回の場合は、拡張ディスクのリリースにあわせて、Xbox 360版の正式サービスもスタートしている。逆に言うと、アクセス集中はあらかじめ予想できていたわけで、その対策が十分ではなかったのは残念である。 さて、近東への道はジュノ下層にある天晶堂から始まる。冒険者にはお馴染みの天晶堂には、「アトルガンの秘宝」リリース直前のバージョンアップにより、これまでにはいなかった「Faursel」という名のエルヴァーンのNPCが登場。近東への誘いはここから始まるのではないか!? と期待させてくれた。発売後は、その彼を求めて数十、数百という冒険者がなだれ込んでいった。 話を聞くと、マウラに入港をはじめた近東への往復船「兵員輸送船」を手引きしたのも天晶堂だ。一刻もはやく近東に赴きたい冒険者がのどから手が出るほど欲しい「渡航免状」を持つのも、彼らだという。欲しいものがあればそれ相応のものを用意するのが天晶堂のルールである。以下は渡航免状と交換するために必要となるアイテムだ。皇国の物の価値ではいずれも高値で売れる品々のようだ。
・下級リスト(以下の6アイテムを揃えて渡す) ここで注目していきたいのは、“渡航免状”と交換するアイテムリストが、下級、中級、上級と選択肢が分かれている点だ。このランクはそのまま冒険者の取得難易度となっており、さらに選択肢を複数用意することで間口を広げる効果と、ユーザーの分散化も図っている。過去の経験が良く生かされた非常に柔軟なクエストだ。 また、上記以外の交換方法として「500,000ギルを払う」というものがあるのだが、これは通常の渡航とは異なり、ダイレクトにエラジア大陸へ行ける反面、危険な道のりとなる。50万ギルが高く感じず、また好奇心旺盛な方ならば、ぜひお試し頂きたい。 ちなみに筆者の場合は、友人と共にウガレピ寺院へと赴き、獣人拠点の宝のカギ、もしくは、偉大なジョブの証の取得を試みた。ウガレピ寺院は同じ目的と思われるパーティーが複数いたものの、混雑は感じなかった。必要アイテムの分散は功を奏していたと言える。 渡航免状を手に入れ、続いて向かうのは港町マウラである。マウラといえば、その昔サポートジョブの取得が盛んだった頃にセルビナと並んで冒険者で賑わった街だ。だが、脚光を浴びる機会がなく、ひっそりとした存在であった。しかし、アトルガン皇国へと傭兵候補の冒険者を運ぶ「兵員輸送船」がマウラの港に入港することになったことにより、再び大勢の冒険者で賑わっていた。 ただ、マウラの港には、アルザビ行きだけでなく、これまでどおりセルビナ行きの機船も交互に入港しているため、あわてた冒険者がセルビナ行きに乗り込んでしまうというハプニングも見られた。到着したアルザビ行きの機船に、殺到していた冒険者が吸い込まれていく。筆者はしばらくこの光景を眺めていたのだが、冒険者が次から次へとマウラに集っては、機船に吸い込まれていく。北米の冒険者だろうか、出航のアナウンスに歓喜のシャウトで応えていた場面も多く見られた。プレーヤーの心理をこれほどまでにも高揚させる「FF XI」の力を再認識した次第だ。 筆者もいよいよ乗船。アルザビ行きの船では、ジャズテイストのピアノの旋律が印象的な新しいBGMを聴くことができる。FFXIといえば、数あるMMORPGの中でもBGMやSEにインパクトがあるのだが、「アトルガンの秘宝」でもそれは変わらない。今まさに近東の地へ向かっている! 新しい冒険がこれから始まる! という冒険者のかきたててくれる。
マウラから真東へと航路を取る機船。冒険者でごった返す船上では、新たな獲物を求めて海釣りに挑むもの、釣り上げられたモンスターと戦う様子を眺めるものなど、賑わっている。釣り上げられたモンスターの中で目を引いていたのは巨大なアンコウのような姿の新モンスター「オロボン」だ。物珍しさに冒険者が集まる。ほどなくして船の進行方向に陸が見えてきた。まるで大航海時代に新たな大陸を発見したがごとくの興奮が湧き上がる。それに気付いた冒険者は次々に船の先端に駆けつけ、次第に巨大になっていく大陸をみつめていた。ついにたどり着いた新天地。胸躍る瞬間である。
■ 施設の充実度、利便性の高さはジュノ以上!? “アトルガン白門”
アトルガン皇国では現在“アトルガン白門”と“アルザビ”の2エリアにアクセスできる。西側にアルザビ、東側にアトルガン白門、そしてさらに東には“皇民街区”という、現在は入ることができないエリアが続いている。アトルガン白門は、碁盤の目のように大小8つのブロックで構成されている。 ブロック間は城壁で区切られており、開いている門と壁際の二階部分の通路を通って行き来する。城壁は度重なる戦争のせいか、崩れてしまっているところもあり、空を見上げると修復中なのか補強中なのか、木材の骨組みのようなものも見える。区画をぐるりと覆っている城壁にはそこかしこに階段が設置されており、城壁周辺の通路にも施設が点在している。 中央にあるのはサーペントキングスクエアという噴水のある広場で、北には港町ナシュモへ、南にはマウラへの機船が停泊する港が設けられている。北のナシュモ行き港の近く、階段を昇ったところには“オートマトン工房”が、南のマウラ行き港の区画には同様に、傭兵を雇う企業“サラヒム・センチネル”がある。それぞれ重要な施設なので必ず訪れておきたいところだ。 北西の区画には競売所がある。この競売所はジュノと共有されているため、利便性は高い。南西の区画には、モグハウスをレンタルできるレンタルハウスがある。メインストリートを挟んでいるとはいえ、競売所との距離も離れておらず快適だ。南東の区画には気になる施設が目白押しである。どちらもまだ機能していない施設だが、「闘獣場」がある。 また、南東の区画にある城壁の通路を南に抜けた先には「茶屋シャララト」という、今までにない施設がおかれている。住民の憩いの場所として、そして情報が行き交う場所として利用されている場所のようだ。人気のメニューは「アトルガンコーヒー」と「チャイ」。伝統の味を守るコーヒーと新しく安価なチャイが人気を二分しているようだ。雰囲気は大きく異なるが、ウィンダスにあるララブのしっぽ亭に近い場所と言える。 さて、アトルガン白門の施設群でも、最も重要といえるのが、メインストリートの東に設置されている“公務代理店”と“六門院”である。この2つは「アトルガンの秘宝」コンテンツの中でも「ビシージ」と並ぶ目玉である「アサルト」に関連した施設だ。“公務代理店”で各種“公務”を請け負い、“六門院”にあるポータルから作戦エリアへと出発していくことになる。
ちなみにアサルトに参加するためには、アトルガンミッションを進行させる必要がある。アサルトについては次回以降に改めて詳しく紹介していく予定だが、それほど高いハードルではなく、すでにアサルトを存分に楽しんでいる冒険者も多く見られる。
■ 合成ギルドがひしめく近東の合成のメッカ“アルザビ”、キキルンが運営する港街“ナシュモ”
これは、アルザビの街中が防衛戦“ビシージ”の舞台になることを示している。現時点では、他の街と変わらずNPCがショップを開き、そして暮らしているだけに、このエリアが獣人たちに侵入される日が来るのかと思うと、ちょっと信じられない気がする。ビシージで襲われた結果によっては、特定のNPCが獣人にさらわれてしまうこともあるという。 アルザビには先述したとおり、各種合成ギルドが並ぶ。それゆえに合成職人の冒険者にとってはアトルガン白門よりもアルザビのほうが魅力的な場所かもしれない。合成ギルドにはアトルガンの秘宝導入によって開放されたばかり新素材も入荷しており、それらは競売で高値で取引されている。また、現在は稼動していないが、チョコボを借りれるチョコボ屋もある。将来的には近東エリアでもチョコボで移動できるようになるのだろう。 魔法を修行中という、どこかで聞いたような話をするNPCのタルタルがまた印象的だ。とおいとおい“中の国”にあるジュノ大公国へと人を運ぶ魔法を修行中という。「アトルガンの秘宝」をみっちり堪能するためにアルザビにホームポイントを設定した冒険者にとっては願ってもない修行をしているキャラクタだ。ただ、あくまで“実験中”なのがポイント。その謎かけは、実際に彼の実験台になってみるとわかる。便利ながらもユニークさも兼ね備えたNPCだ。 続いて、アトルガン白門よりナシュモ行きの機船に乗り込み、一路ナシュモへ。マウラからアトルガン白門へと航路を渡っているときもそうだが、これまでにないほど機船での移動を試みる機会が多くなりそうなのもアトルガンの秘宝に感じた印象だ。機船での移動時間は地球時間にして15分と多少長め。これまであまり釣りに眼を向けていなかった冒険者も、海釣りに挑んでみるのが良さそうだ。 ナシュモは体験レポートでも紹介したとおり、疫病により人がいなくなった廃村にキキルンたちが住み着き、運営しているという、獣人都市といっても過言ではない街だ。街の作り自体はアトルガン皇国に似ており、2つの区画が城壁によって区切られており通路で行き来できる。 一見、利便性は低そうに見える街だが、ここもまたキキルンのNPCを介して競売が利用可能で、ジュノの競売所と共有されている。また、北側の区画中央にはモーグリがおり、金庫やポストへのアクセス、ジョブチェンジが可能だ。アラパゴ諸島への玄関口となる市街エリアだけに、十分な施設は整っているようだ。
大きな特徴はショップにある。コルセアが使う各種カードやダイス、さらにからくり士のオートマトンに組み込む各種アタッチメントが豊富に販売されているのである。コルセアやからくり士といった新ジョブを育て始めるのであれば、ナシュモを訪れたときに忘れずに買い揃えておきたい。
■ 「アトルガンの秘宝」導入により変化した冒険者のトレンド 「アトルガンの秘宝」といえば、近東のエリアもさることながら“新エキストラジョブ”への注目度も高い。早々に“青魔道士”、“コルセア”、“からくり士”といったジョブを近東で取得し、レベルアップにいそしんでいる冒険者も多数いる。 既存のジョブ同様、サンドリア、ウィンダス、バストゥークといった西方の三国周辺で、新ジョブのレベルアップにいそしむ冒険者の姿が多数見かけられる。既にソロプレイの過程を抜け、低レベルのパーティープレイではお馴染み“バルクルム砂丘”でパーティープレイによる狩りに入っている冒険者もいる。Xbox 360版をはじめとする新規ユーザーとのパーティープレイも効果的に組まれているようだ。 実際にバルクルム砂丘で、新ジョブが多数組み込まれているパーティーの模様を見てみると、6人パーティー中、半数が新ジョブというパーティーも珍しくなく、新しい光景が繰り広げられている。当然のことながら、新たな戦術も生まれている。たとえば、青魔道士を盾役とし、クラブ系が使用する“メタルボディ”を駆使しつつ、青魔法と片手剣でアタックをかけていた。中衛としてコルセアがファントムロールで支援し、からくり士のオートマトンが7人目のパーティーメンバーとして戦闘に参加していた。
一方、アトルガンエリアに目を移すと、いま冒険者の間で盛んなのは、なんといってもアサルトだ。アサルトへの参加メンバーを募るシャウトも飛び交い、早くも冒険者の間にはアサルトの楽しさが定着しつつあるようだ。アサルトは、前述のとおり“公務代理店”から任務を請け負い、六門院のポータルから前線に移動して作戦を遂行するという、これまでにないカジュアルなコンテンツだ。
筆者も早速チャレンジしてみたところ、短時間で、手軽に楽しめるBCコンテンツのような印象を受けた。ポータルさえ開通してあれば移動時間がほとんどいらずに突入できることが大きい。ただし、簡単にクリアできるものではなく、しっかりとした準備、作戦は必要になる。アサルトについてはまた機会を改めて詳しく紹介したい。
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□スクウェア・エニックスのホームページ (2006年4月28日) [Reported by 山村智美 / Pomm]
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