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会場:The Supper Club
このイベントには、Xbox 360春のタイトル群、そして、Xbox Live Arcadeのコンテンツが自由に遊べる30台の試遊台を出展。マイクロソフト・バイスプレジデントのピーター・ムーア氏をはじめ、Microsoft Game Studiosのジェネラルマネージャー、シェーン・S・キム氏などが来場した。
会場に並んだ試遊台は、ベットのように横になりながらくつろいでプレイできるように配慮されており、以下のような新作群を遊ぶことができた。
・「DEADRISING」(CAPCOM) そして、Xbox Live Arcadeのコンテンツとして、「STREET FIGHTER II' HYPER FIGHTING(日本版では『ストリートファイターII' TURBO』」などがプレイできた。
Xbox 360版「Lara Croft Tomb Raider: Legend」は、昨年のE3のレポートにあるとおり、開発元が変更になり、ララ・クロフトも大人びたモデリングになった。逆に、アクションは相変わらずというか派手なものが用意されている。バク宙などはお手のもので、鉄棒での大車輪アクションも取り入れられているほか、転がっている石を蹴り飛ばすなどのアクションもあった。二丁拳銃での攻撃は、ロックオンを切り替えながら戦う。また、崖っぷちでは、移動をミスしてもいきなり落下することなく、落下中に崖につかまる動作が取り入れられ、そこから対岸にジャンプするときも、方向転換しながらのジャンプなどが可能となっていた。また、フリーカメラにより、ある程度自由に周りの状況を確認することができる。
■ 水口氏にセッション前にインタビュー
水口氏は、現地時間の22日、「NINETY-NINE NIGHTSのすべて: 次世代キャラクターデザイン」と題するセッションをディレクターのサンユン・リー氏(Phantagram)と共に行なうことが明らかになっている。 会場で簡単ながら、水口氏に話を伺うことができた。 ――水口さんのファンに「N3」をアピールしたいところはどこでしょう? 水口氏:このゲームはいろんなチャレンジがあったんですが、個人的には、「戦争」というテーマをゲームに取り入れることが最も大きなチャレンジでした。これは僕にとって、最も勇気のいるテーマなんですね。 このゲームの一番大きなサプライズは、一般的なゲームでは“勧善懲悪”じゃないですか。プレーヤーが人間なら、ゴブリンを倒すと「やったー」と爽快感が得られると。それは、僕らは、ゴブリンをプレーヤーとしてセレクトした瞬間に、始めて「N3」のスイッチが入るんです。今まで信じていたものがすべて敵になってしまう。自分が考えてきた正義が逆転する瞬間があって、その瞬間に入るスイッチをみんなに体験してもらいたいんですね。何が正義かって、当事者にとっては正義だけど、敵にとっては逆ですよね。 これはもう、9.11以降いろんな戦争があって、僕らはその戦争をいろんなメディアで見ることができますよね。そういう時代に生きていて、見ているうちに、何が真実なんだかわからなくなってくるんです。起こっていることは1つなんですけれど。それをエンターテインメントにすることをすごくまじめに考えた答えが、「N3」なんですね。これは、僕が手がけたゲーム、例えば「スペースチャンネル5」。あれはすごくハッピーで楽しいゲームですが、僕の中では、その根底にあるものは「N3」とはあまり変わらないんです。僕の手がけたゲームを遊んできてくれた方たちには、「N3」にもそこを感じ取ってもらえればうれしいです。 ――そのテーマをスタッフで共有して再現することは相当難しかったのではなかったですか? 水口氏:今回は、Phantagramという非常に優秀な開発スタジオとコラボレートすることで、プロフェッショナルな仕事ができたんですよ。例えばシナリオを「これで行かせてください」と提出すると、いろんな質問が来るんですけど、「じゃ、これでやりましょう」と、プロデューサーとしての自分を信用してもらって、作ることができたので、そこがよかったですね。驚くほど異論なく、「水口さんがそういうのならやりましょう」とやってくれたので。 ――ちなみに、ゲームボリュームはどれぐらいになったんでしょうか?
水口氏:すでにマスターアップしていますが、かなりのボリュームですね。多分、クリアした後も、何回も遊びたくなると思います。それぞれのキャラクタに違ったドラマがあって、「これはどうなんだろう?」、「あれはどうなるんだろう」と気になると思います。体験版は基本的な遊びしかできないので、製品版を楽しみにしてください。全部のキャラクタを遊んでもらいたいですね。全部のキャラクタを遊んだときに、このゲームの世界がはじめて見えてくると思いますので、よろしくお願いします(笑)。
水口氏:これはこれで楽しさがありますね。ハリウッドの映画を作る感覚ですね。「ルミネス」や「メテオス」はインディーズバンドかな。両方楽しいんですよ。これからもどっちも続けていこうと思っています。次回作はちょっと休んでから考えます(笑)。 ――次世代機でのソフトの立ち上げはどうでしたか? 水口氏:チャレンジもできるし、制約もあるし。思い切っていろいろアレンジしようという思いが強かったですね。僕自身の感覚はあまり変わらないですが、いろんなメーカーの方々と仕事をすることは、コミュニケーション能力が必要なんだ、そういうスタッフを確保することが重要なんだということを痛感しました。これからもっともっと日本でもいろんな会社が出てきて、開発者も独立して海外のスタッフと仕事をすることが多くなると思いますが、たぶん、いかにいい方向に話をまとめあげていくか、これもコラボレートのための大きい機能として必要なんだろうなと思います。そういった意味で「N3」は、うちのスタッフが本当によくやってくれたと思いますし、そしてPhantagramのスタッフも大人で、マイクロソフトの方々にも制作に集中できるようないいマネジメントをしていただいたと思います。 ――ありがとうございました
□Game Developers Conference(英語)のホームページ (2006年3月22日) [Reported by 佐伯憲司]
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