★Xbox 360ゲームレビュー★
アクションゲームライクな暴走上等レース
「ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド」 |
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- ジャンル:レース
- 発売元:エレクトロニック・アーツ株式会社
- 価格:7,140円 (PSP:5,040円、PC:オープン価格)
- プラットフォーム:Xbox 360、PS2、PSP、GC、Windows
- 発売日:発売中(12月10日:Xbox 360、12月22日:PS2、PSP、GC、Windows)
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公道レースは危険が一杯。だがいくらぶつけてもクルマが壊れることはないのでガンガン攻めるべし! |
走り屋たちの公道レースをモチーフにしたレースゲーム「ニード・フォー・スピード」シリーズ最新作。近年、コンシューマのレースゲームはシミュレータ寄りの内容が好まれる(または売れる)傾向が長く続いたため、こうした「全開バリバリ、ブっとばすぜイヤッハァー!!」といった作品は浸透しづらい雰囲気が漂っていたが、今回はマイクロソフトの新ハード“Xbox 360”のローンチとなったこともあり、その注目度は過去のどのシリーズよりも高かったような気がする。
さて。そんな「ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド(NFSMW)」だが、同日発売タイトルにナムコ「リッジレーサー6」が存在したせいか、発売直前に友人知人の一部から「レースゲーが2本出るけど『NFSMW』ってどうなの?」との質問が相次いだ。北米やPCゲーマーにはメジャーでも、いかんせん日本国内では決して知名度が高いとはいえないシリーズ。個人的には「テイストが全然違うんだから、気になるほうを買えばいいじゃん」と思うのだが、どちらも一般に“カジュアルに楽しめるレースゲーム”と認知されているようで、予備知識を持たない人たちは、その一点をとっかかりに「どちらがいいのか」という二者択一で考えてしまいがちなのかもしれない。
繰り返しになるが、同日発売とはいえ「リッジレーサー6」と「NFSMW」は、同じ“カジュアル”というくくりで語られたとしても、肝心のゲーム性については「いや、そりゃもう別物ですから」と言うほかなく、当然どちらが良いとか上といったこともない。どちらを選ぶかは、あくまでも好みの問題。ならば「NFSMW」のゲーム性をダイレクトに伝えたほうが、より違いがわかるのではないだろうかと思い、つたないながらも筆者なりのレビューをお届けさせていただこうと考えた次第だ。なお、本作はマルチプラットフォームタイトルで、ハードごとに対向車の数、BGM、風景描画などが異なる。とはいえ、ゲームの本質的な部分やテイストには一貫性があるということで、今回はあえてXbox 360版をピックアップしてみた。ゆえに「俺、Xbox 360持ってないから関係ないや」などと思わず、他機種ユーザーも“ひとつの指標”としてお目通しいただきたい。
なお、掲載したスクリーンショットについては、撮影環境の関係上、残念ながら全ての写真をハイデフ環境下で撮影できなかったことをお断わりしておくとともに、ご了承願いたい。
■ メインモードに集約された魅力 ~ブラックリスト上位を目指してひた走る~
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豪快かつ爽快な走りは一度体験したらヤミツキ |
本作は、「暴走行為の気持ち良さ」とでもいうべき“背徳のエンターテインメント”を強く意識して作られている。操作系は、ステアリング、アクセル、ブレーキ(長押しでバック)、サイドブレーキ、シフト操作、視点変更(4段階)、コース復帰のほかに、暴走行為を力強くサポートしてくれる“ニトロ”と“スピードブレイカー”ボタンが用意されている。
ニトロは、カジュアル志向のレースゲームでおなじみの超加速ボタン。追い越しはもちろん、ぶつかったときやカーブを曲がるときに強引に体勢を立て直すといった使い方もできる。スピードブレイカーは、映画「マトリックス」で定番化したスローモーション状態を作り出せるボタン。緊急時にこれを使えば、障害物回避や急な方向転換もお手のもの。どちらも、ストリートレーサーとして生き抜くうえで必要不可欠なマストシステムとなっている。
ゲームモードは、ブラックリストのランカーを片っ端から倒していく「シナリオモード」、指定の条件を満たすべくさまざまなイベントをクリアしていく「チャレンジシリーズ」、すぐにレースが楽しめる「アーケードモード」、最大4人でオンラインプレイが可能な「Xbox Live」などが用意されている。
ここで注目したいのは、チャレンジシリーズ以下のモードを構成する要素の大半が「シナリオモード」に含まれていること。シナリオモードは、プレーヤーは架空の街を舞台に公道レースでしのぎを削りあうストリートレーサーになり、ブラックリスト最上位のモスト・ウォンテッド(最重要指名手配者)を目指すというもの。ブラックリストに名を連ねるランカーに挑戦するには、公道レース(バトル)の勝利数、パトカーとのカーチェイス(マイルストン)、違法行為を繰り返すことで蓄積していくバウンティ(罰金)総額といった“3つのノルマ”を満たさなければならない。
ノルマ達成とは、これすなわちストーリー中にチャレンジモードをプレイしているようなもの。さらには、アーケードモードで選べるクルマを増やすには“シナリオモードで新車をゲットしなければならない”という条件がつく。デフォルト状態のアーケードモードで選べるクルマは、わずか3種類。本作には40種類以上のクルマ (パトカーも含む) が登場するが、自ら運転するにはシナリオモードで文字どおり“勝ち取る”必要があるのだ。このあたりは「いかにも北米仕様」といったハードル設定だが“暴走という背徳的快感への誘い”という意味では、決して悪いやりかたではない。
障害物や対向車、さらにはパトカーが散在する架空の市街地を、ただひたすらにブッ飛ばす。残虐路線ではないので歩行者は皆無だが、それでも壊せるオブジェクトは例をあげたらきりが無いほど。ただひたすらに走って壊して、パトカーを煙に巻いて逃げ切る爽快感。シンプルな繰り返しだが、それだけに没頭しやすく熱くなれる。多少語弊はあるかもしれないが、シナリオモードには“本作の魅力がすべて詰めこまれている”といっても過言ではない。対人戦やタイムアタックなどのストイックなプレイは、“本編”を堪能してからでも決して遅くはないというわけだ。
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ボタン1発で強烈な加速を生み出すニトロ。強引な体勢の立て直しにも有効 |
スローモーションになるスピードブレイカー。危機的状況で頼りになる |
本作の魅力が凝縮されたシナリオモード。ほぼすべての要素が内包されている |
■ 暴走は派手だが、新車やアイテムゲットは“小さなことからコツコツ”と……
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ランカーに挑戦するには一定のノルマをクリアしなければならない |
シナリオモード開始時、プレーヤーはライバルの姦計に落ちて愛車を奪われてしまう。少ない所持金で購入できる新車は、どれもベーシックなものばかり。暴走のお供に最適なニトロさえ付いていないので、最初はクルマの基本性能とプレーヤーのドライビングテクニックだけが頼りだ。
ランカーとの対決に必要なのは“所定のノルマ”で、制限時間はない。とはいえ、チンタラ街中を流していても意味がないので、まずはランカーにチャレンジするためにノルマをひとつずつクリアしていくことになる。高性能なクルマやアイテムはランカーを倒してロックを解除しないと手に入らないため、バトルでお金を溜めて一足飛びのアップグレードを狙うことは不可能。やることは派手だが、そのプロセスは果てしなく地味といえなくもない。
公道レース「バトル」の形式には、ストリート、スプリント、ドラッグ、ラップKO、スピードトラップ、トールブースの6種類がある。いずれも勝つと賞金が手に入る。挑戦できるバトルの種類や数はランカーごとに異なるが、初期をのぞけばノルマ数以上のバトルが必ず用意されるので、得意なバトル形式を選んでチャレンジしていくといったことも可能だ。
- ストリート … 周回コースを所定の回数だけ走る
- スプリント … スタートからゴールまでを片道で競う
- ドラッグ … 強制マニュアルシフトで画面にタコメーターとシフトアップのタイミングが表示される
- ラップKO … 基本はストリートと同じだが1周ごとに最下位がレースから除外される
- スピードトラップ … 各ポイントで最高速を測り、その合計がもっとも大きい人が勝者。ゴール順位は無関係
- トールブース … 一定間隔で配置されている料金所を規定タイム以内で順次走破していく
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ライバルカーが出現するレースは必ず1位を取る必要がある。2位以下はビリと一緒 |
強制的マニュアルシフトになるドラッグ。一般車の出現位置を覚えて避けていく |
スピードトラップ、トールブースは敵車がいないためクリアしやすいノルマだ |
■ 逃げ切れば天国、捕まれば地獄 ~パトカーとの壮絶チェイス~
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違反を目撃されたが最後、完全に振り切りクールダウンゲージを満たすまで追跡は終わらない…… |
パトカーに勝負を挑んで、ストリートレーサーとしての腕や度胸を満天下に知らしめる「マイルストン」は、バトルのような所定の形式ではなく、パトカーとの接触回数、障害物の回避数、スピード違反の速度、一定時間以上(あるいは以下)逃げる、バウンティ(罰金)総額など、さまざまな条件が用意される。これはバトルにもいえることだが、最初のうちはどれも難易度が低くあっけなく達成できるものばかりで「なんだ、こんなモンか」と拍子抜けするかもしれない。
だが、真の恐ろしさはゲームを進めるに従って少しずつ実感として重くのしかかってくるはずだ。というのも、警察活動には“ヒートレベル”と呼ばれる指針が存在し、プレーヤーがおちょくり続けるごとに画面左側のマップ外周にあるゲージが少しずつ増加。レベルが上がると執拗かつ尋常ではない追跡が日常化し、最終的には悪夢のような包囲網が敷かれることになる。
こうした追跡は、マイルストンはもちろん、非イベント時でもパトカーの目前でスピード違反、逆走、接触事故などの悪事を働くと瞬時に実行される。一度追跡が始まるとすべてのパトカーを完全に捲いて画面下にある“クールダウンゲージ”を満たすまで永遠に終わらないため、段取りに手間取ると数を減らしては増援の繰り返しといった悪循環に陥ることも珍しくない。
追跡を振り切るには、単純にスピードで引き離すほか、スピードブレイカーでわき道に逃げ込む、体当たりで破壊、対向車にぶつけるといったダイレクトプレイのほか、市街地のあちこちに仕掛けられている「パースートブレイカー」と呼ばれるアイテムでパトカーを1台ずつ潰す方法がある。パースートブレイカーは画面左下のミニマップに赤い三角形で表示され、クルマを体当たりさせてオブジェクトを破壊するだけで発動する。タイミングが悪いとマイカーが巻き込まれることもあるが、一定以上のスピードでぶつかればまず間違いなく後続のパトカーを巻き込んでくれる。オブジェクトによっては、愉快なカットイン映像も拝める特典つきだ。
パトカーに捕まると、逮捕シーンの映像が挿入され罰金(バウンティ)を払わされることになる。ゲーム開始時、プレーヤーは逮捕を逃れられるアイテムをいくつか持っているため、これで一時凌ぎをすることも可能。ただし、それも底をつくとやがては罰金を払わされることになるし、同じクルマで3回つかまるとクルマを没収されるという最悪のペナルティが待っている。あまり頻繁につかまるようなら、ヒートレベルを下げて逃亡の練習をしたほうがいいだろう。
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画面左下のミニマップは常時チェック。抜け道、逃げ込める場所など超重要情報が満載 |
アイコンのあるオブジェクトに体当たりすれば発動するパースートブレイカー。スタントカメラをオンにしておけば味のあるカットイン映像が拝める |
ヒートレベルはクルマごとに設定されており、後述のカスタマイズで外観を変えたり、あるいは別のクルマに乗っているあいだに時間の経過で減らすことが可能。ただし、すぐに下げてしまうよりは、ドライビングスキルを磨くべく高難易度のヒートレベルに挑戦し続けるのも悪くない。ただノルマをこなすよりエキサイティングだし、なにより“細部まで作りこまれた広い市街地をひたすら暴走する”という本作の醍醐味が心ゆくまで堪能できるのがいい。
逃亡のコツは、画面左下に表示されるミニマップを常時視野に入れておくこと。ここには、追跡してくるパトカーの位置はもちろん、抜け道も含めた周辺の地形、さらには進行方向に設置されたスパイクベルトなど、必要な情報がすべて表示される。逆にいえば、この注意を怠ると警察の不意打ちで瞬時にジ・エンドということも往々にして有り得るわけだ。ヒートレベルは最大5まで上昇し、MAXともなれば一瞬たりとも気が抜けない。
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ヒートレベルが4以上になると追跡というよりは猟犬に噛み殺される寸前といった気分が味わえる。不意に前方をブロックされることも多々あるためスピードブレイカーで慎重に弱点を突き瞬時に離脱すべし |
■ ランカーと勝負 ~決着後が本当の勝負?~
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ブラックリスト入りする連中の腕は伊達じゃない。キッチリ勝負を決めよう |
ノルマとパトカーに追いまわされつつ必要条件を満たしたら、いよいよブラックリストのランカーと勝負。ランカーは最低ランクの15位から順次対戦する仕組みで、ひとり倒したら次のランカーにチャレンジするためのノルマを満たすというサイクルでストーリーが展開していく。
勝負はバトル形式。ランク15位~6位までが2試合、5位~2位までが3試合、最終決戦の1位とは5試合をこなす必要がある。ノルマのバトルと異なりタイマン勝負だが、当然のように一般車が通行しているためランカー以上に気を使わなければならないこともしばしば。負けてもノーペナルティで即リマッチ可能なため一発勝負の緊張感はないが、そのぶん気後れすることなくガンガン走れるのがいい。
ランカーの速さは、ノルマのバトルで戦うCPUカーよりも明らかに1ランク上。腕に自信があれば必要なチューニングを施すことで初期3種類のクルマで互角以上に戦えるが、多少なりとも立ち回りを楽にしたいなら相応のクルマを入手しておくべきだろう。なお、ランカーとの勝負に勝つと“ボーナスアイテム”がもらえる。画面に6つ伏せられて配置されたマーカーは、左側3つがボーナス、右側3つがアイテムにわかれている。内容はランダムで、ボーナスなら「お金」、「倒したランカーの愛車」、「逮捕免除」、アイテムなら「ビジュアル」、「パーツ」、「パフォーマンス」の各カスタマイズアイテムが、それぞれ入手できる。
ランダムということで、運が悪いと欲しいものが手に入らないケースもしばしば。ここで入手できるボーナスアイテムは、いずれも市街地のショップで売られてない特別なものばかりなので、できれば欲しいものをしっかりゲットしておきたい。お金がない序盤であれば「ランカーの愛車」などはまさに垂涎の一品。クルマによってはその時点でロックされている高度なカスタマイズが施されていることもあり、暴走ライフを豊かにする意味でもできれば入手しておきたいアイテムのひとつ。
結局は運次第なのだが、同じ種類のマーカーを2回ひいても出なかったときは、オートセーブされる前に速攻リスタートして再度ランカーにチャレンジするという手もある。「苦戦して倒したランカーともう一度戦うのは嫌だ!」という人もいそうだが、一度倒したランカーに再チャレンジは不可能なことから、ゲームを最初からやり直すよりは多少マシかと思われる。天運に従うか、あるいは徹底的に抗うかはプレーヤー次第だ。
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ランカー戦は雰囲気を盛り上げるべく迫真の映像が挿入される。これがまた実にカッコイイ |
どうしても勝てない人は、きっちりマークして最後にニトロで追い抜く戦法がオススメ |
ランカーに勝つとボーナスゲット。ランダムにつき欲しいものが引けないことも…… |
■ 簡単操作で愛車を自在にカスタマイズ
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自分好みのクルマに仕上げよう。そのほうが俄然ゲームが盛り上がる |
ディーラーから購入したクルマはもちろん、前述のランカーから入手した愛車含め、すべてのクルマは街中のショップでカスタマイズが施せる。カスタマイズ項目は「パーツ」、「パフォーマンス」、「ビジュアル」の3系統に大別される。パーツは、ボディ、スポイラー、リム、ボンネット、ルーフの各アイテムを個別に変更可能。一部高級車は選べるパーツが極端に少なくなっているが、大半のクルマはふんだんに用意されたパーツから好きなものを選ぶことができる。
パフォーマンスはエンジン、トランスミッション、サスペンション、ニトロ、タイヤ、ブレーキ、ターボの各項目をチューンナップできるというもの。選んだアイテムごとにクルマのステータスが変化するため、パフォーマンスの上昇率が一目でわかるのがいい。初期3車種でも、ロックをすべて解除して最大限のチューンナップを施せばラストまで十分勝負できるだけの戦闘力を持たせられる。
ビジュアルは、ペイント、バイナル、リムペイント、スモーク、デカール、数字、カスタムゲージと、クルマに彩りを添えるカスタマイズ要素。ド派手なものから地味なペイントまで、クルマの印象をガラリと変えられるのがいい。すでに軽く触れているとおり、簡単なペイントでも警察のヒートレベルを下げられる。これを複数回繰り返せば、MAXのヒートレベル5でもあっさりレベル1まで戻すことができる。手持ちのクルマが少なくて困ったときはペイントを活用するといいだろう。
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一部の超高級スポーツカーのみパーツが少なめだが、それ以外は多彩なアイテムが用意されている。組み合わせはまさに無限大 |
■ 市街地をまるまる再現した力技に脱帽
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ゲームを進めるごとに行動範囲が広がっていく。でもパトカーはどこにでもいるのね…… |
ストリートレーサーとして自由気ままに走れる爽快感……それは、ひとつの市街地をまるまる再現するという驚異的な力技により成り立っている。ある意味ハチャメチャではあるのだが、「NFSMW」をプレイしていると、限られた範囲をただ走るだけでは絶対に満たされない“ある種の開放感”が身体の隅々にまで浸透していくような錯覚を覚える。やっていることはオブジェクトにバキバキぶつかって暴走しているだけに見えるかもしれないが、些細な枠にとらわれない走りが、ただひたすらに爽快で気持ちいいい。ミスを極力減らして走るのが一番早いのだが、そんなことさえ気にせず楽しめるゲーム性は「NFSMW」ならではのものだ。
北米仕様の冗長さをのぞけばほとんど不満はないのだが、強いて難点をあげるなら“CPUのてのひらで踊らされている感覚”が、やや濃厚な点が気になった。これはランカーに限らずバトルのCPUカーにもいえることだが、パトカーを除く敵対カーのロジックは「常に接戦になる」よう調整されている印象が強い。最終周回などごく希に例外的な動きをすることもあるが、CPUカーは「引き離されると劇的に差を詰めてくる」一方で「あまり差がつくとどこかで微妙に減速する」ことが多い。極端な話、CPUカーとつかず離れずのポジションをキープできるドライビングスキルがあれば、ゴール直前でニトロを全開にするだけで大半のランカーはあっけなく陥落する。
気づかない人は正攻法で延々とプレイできるのだろうが、多少なりともレースゲームをやりこんだことがある人にこの手の“補正”はたいてい察知されてしまうもので、逆手に取られたが最後「あぁ、やっぱりね」となってしまいかねない。それなりに工夫すれば初期3車種でもクリアできてしまうのがその最たる例で、このあたりはもう少しナチュラルにならなかったのかなぁと思ってしまう。操作性、ビジュアルともに抜きん出たクオリティを誇っているだけに、この1点だけが本当に惜しい。逆説的には、こうした恣意的な調整が気にならない人には“カジュアル志向の完璧なレースゲーム”として長く遊べる1本になるはずだ。
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□エレクトロニック・アーツのホームページ
http://www.japan.ea.com/
□「ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド」のページ
http://www.japan.ea.com/nfsmw/
□関連情報
【2005年9月22日】EA、Xbox 360「ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド」
本体と同時発売決定。価格は7,140円と現行機並み
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050922/nfsmw.htm
【2005年11月1日】EA、「ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド」
Xbox 360版とPS2版に特典映像DVDを同梱
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051101/nfsmw.htm
【2005年11月16日】EA、「ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド」 タイムアタックイベントを横浜で開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051116/nfsmw.htm
【2005年11月21日】EA、Xbox 360「ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド」 「ホット・インポート・ナイト」に出展。今後も日本全国で試遊会を実施
http://watch.impress.co.jp/docs/20051121/nfs.htm
(2006年1月16日)
[Reported by 豊臣和孝]
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