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「TAO~魔物の塔と魔法の卵~」の開発にあたったプロデューサーの木本氏と、プランナーの泉田氏に、製作秘話を伺った。 ――「TAO」のプラットフォームにDSを選んだ経緯は? 木本 ターン制のRPGというシステムは10代の子供向けなので、PSPかDSかと選ぶときに、DSの方が面白いんじゃないかと。魔法の入力というのが特質なので、今回はDSを選びました。 ――DSでの開発はいかがでしたか? 木本 泉田さんの提示するストーリーやビジュアルに対して、DSの限界があって、「できるのか?」というのが1つの苦労ではありました。また、泉田さんはペン入力の遊び方で、だいぶ苦労されてましたね。 泉田 スタートからおしまいまで全ての操作をタッチペンオンリーで行かせたいと思ってたんです。だからインターフェイスの設計も苦労しました。アイコン的に、ここのシーンでは「捨てるが無いとまずいんじゃない?」って言うのが、結構ギリギリまでありましたね。 ――図形認識に関してはスムーズに進行したんでしょうか? 木本 何度もエラーを出すとプレイする方はストレスが溜まるので、タッチペンには苦労したとプログラマは言ってました。形が違っていてもわりと補完してくれるので、かなり認識しやすくなりました。今回は魔法入力に特化しているのと、ターン制な分、急いで入力する必要が無いのがゲームに合っていて良かったと思います。 ――ゲームのボリュームは? 泉田 だいたいのプレイの想定時間を50時間で設定していて、急いでやれば30時間ちょっとです。 木本 ターン制になっていて、マップがフロアごとに別れていて、エリアごとにイベントがあるので、どうしても時間はくいます。それに対してストレスが貯まるか、という点に注意して、細かい達成感を与えることで「やらされてる感」を軽減しています。 5階ごとに中ボスがいて、8エリアあって、最後に大きなボスを倒す。ボリューム的には普通のRPGです。町を渡り歩くというのではなくて、例えば今まで非協力的な道具屋のおやじが、あるイベントをクリアすると協力的になって道具を売ってくれるといったことが新しい町に進むイメージと同じで、町の中で行動範囲が広がっていきます。 ――戦闘のシステムに関しては? 泉田 剣で斬ることもできますが、基本は杖で魔法を発動させます。 木本 ターン制になってるので、モンスターが魔法を使ってきたらよけるわけにいかないですから、嫌なんですが、それはそれで面白さになってます。 泉田 魔法は、基本的には◯や△などの簡単な図形で、5種類ずつ配列された中、上級魔法だけはそれぞれちょっと複雑になってるんです。45種類と言ってもわりと覚えられると思います。 例えば雷はギザギザを描くんですけど、1個だと初期段階、2個だと少し強くて、3個だと広範囲に攻撃が行き渡ります。プレーヤーに感覚的にわかってもらえるよう、変更を加えて今の形に落ち着きました。 ――マップに関しては? 泉田 基本的なデザインはスタッフに任せた部分が多くて、わりと面白いことをしてくれました。例えば女性スタッフがデザインしたマップに、真上から見ると男性と女性が手をつないだ形になっていて、横に「LOVE」と描いてあるものがあったんです。アイテムを設置するのは私だったので、丁度手をつないでいるところに、指輪代わりの宝石を置こう、とか。 マップの出口の探し方や中ボスの倒し方など、村でまめに話を聞くとヒントをくれます。攻略法があって、ヒントは町で聞くというおきまりのパターンにしています。 木本 アイテムをとりに行くために手前に茂った草を燃やして進まなければならない場所があるんですけど、どうやって行くんだろうと考えて気づいて学習してもらって、それは次に出口を探すために火を使ってもらうための前フリです。そんな意地悪な作りではないですよ、一応全年齢ですし。 泉田 本筋には絡まないんですけど、隠しアイテムも用意してあります。それをどうやったら手に入れられるか、ヒントを言ってくれるのが占いの館です。上まで昇った後で、改めて下の方も探すと。 木本 マップにトラップを一杯用意したんで。ひととおりくるっとそのフロアを回ってもらいたいという気持ちもあります。だから寄り道しながら遊んでもらう要素も用意しています。 ――難易度の設定でも苦労されたんではないですか? 木本 ルールはターン制なので、難易度調整はエントリーしているモンスターの強さや、レベルアップのパラメーターで調整しています。 ――ここを遊んでほしいというところは? 泉田 いろんなギミックのあるマップの攻略を楽しんでほしいですね。 木本 自分の捕まえた魔物を2匹まで連れていけるので、さっさとクリアするのもアリですけど、のんびり魔物を育てながら進むという遊び方もできます。魔物の種類もそうですし、魔法の種類にもボリューム感があるので楽しめるかなと。 集めることが強制ではないけれど、遊んでいるうちに勝手に集まっていって、そっちの方向性に向かって遊びを極めたくなったらそうしていけばいい。そんな遊び方ができます。 泉田 モンスターを召還して連れている状態なら、敵を倒さなくても経験値が入りますから、ターン制を利用してモンスターが弱いうちは背後に置いておき、自分が前に出て戦って味方のレベルを上げるということもできます。お気に入りのオプション君みたいな感じです。 木本 システム的にはレベルが上がったときに、魔法と体力を同時に回復してくれるので、無理してギリギリまで死にそうになっても、もうすぐレベルが上がるから頑張る、という懐かしい感じの遊び方ができます。死んだら前にセーブしたところに戻されるけれど、塔なのでいちいち宿屋に帰ってセーブするのも嫌だし。結構いい感じに面倒くさいですね。 ――一同(笑) 泉田 驚かされるステージもありますよ。出口の近くに宝があって、それ取ろうとすると穴におっこちるとか。落とされても、基本的にクリアしたフロアはどこでも行ける魔法があるんですけど、ただ衝撃を受けるんです(笑)。 木本 いろんな要素がありますから、飽きないようにできていると思います。是非遊んでみて下さい。 ――では最後に、興味を持たれている読者の方に、アピールしたいことがあればお願いします。 泉田 一番力を入れたのはマップなんで、そこの攻略を味わってほしいですね。ステージのギミックは結構凝ってるんで、後半は結構難しいですけど、ゆっくりあせらず気長に遊んでほしいです。 木本 泉田さんがギミックを考えて最後の方は結構パズルっぽくなってるので、スタッフが「最後の方、難しくしすぎたかな?」というコメントを出していましたが、逆に「こんなの全然難しくない」と感じてもらえるといいなと思います。 (C)2005 Konami Digital Entertainment
□コナミのホームページ (2005年12月28日) [Reported by 河本茉澄]
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