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★オンラインゲームファーストインプレッション★

100人のプレーヤーが入り乱れる戦場を体験
クローズドβテストで見えた真の姿をレポート

「ファンタジーアース」

  • ジャンル:MMORPG
  • 開発/運営元:スクウェア・エニックス
  • 利用料金:未定
  • 対応OS:Windows 2000/XP
  • 発売日:今冬発売予定(クローズドβテスト中)



 2005年10月27日よりクローズドβテストが開始された「ファンタジーアース(以下、FE)」は、数千人のプレーヤーが同一サーバー内でプレイする「MMO」規模のタイトルでありながら、戦闘システムや操作面にアクションゲームの要素を兼ね備えた「アクションRPG」でもある。

 従来のオンラインRPGのようなモンスターを倒す「狩り」も可能だが、その醍醐味はなんといっても100人規模のプレーヤーvsプレーヤー(以下、PvP)による戦争である。そして、戦争の勝敗によって国ごとの支配領土が変化し、国の文化レベルが変化、プレーヤーがプレイできるフィールドの数までもが変化するという、オンラインストラテジーの要素も兼ね備えている。

 本作の要素をこうして並べてみると、国産のMMORPGとしては非常に斬新で、一見コアゲーマー向けのタイトルに見えるかもしれない。だが、それは逆で、アクションによる戦闘は、従来のエンカウント方式の戦闘とはまた異なる楽しさがあり、取っ付き易さと親しみやすさは群を抜いている。本作のシステムやバランスは、全て戦争と領土争いにフォーカスが合わせられており、シンプルなシステムでPvPに没頭できる内容になっている。

 本稿では、現在実施されているクローズドβテストでのプレイ模様を中心に、FEがどのようなゲームに形成されているのか、その詳細をお届けしていこう。クローズドβテストに参加できなかったユーザーにも、2次募集のチャンスが残っている。本稿にて、FEがどのような楽しさと感触を持つタイトルなのかが伝われば幸いである。


■ 種族固定ながらカスタマイズ性の高いキャラクタメイキング

 FEは、世界に5つ存在する国のいずれかに所属して他国のプレーヤーと戦争で争い、領土を広げていくという「絶え間ない戦乱」がテーマのタイトルだ。プレーヤーは国家に所属する戦士となって、戦場に赴く。プレーヤー同士の対戦がメイン要素のタイトルのため、そのバランスを壊さぬよう、システムや成長要素が従来のMMORPGタイトルと比べて独自性の高いものになっている。

 まずはキャラクタまわりの仕様から見ていこう。フェイスタイプやヘアスタイル、瞳の色やヘアカラーなどを組み合わせて自分だけのキャラクタを作成できるのは多くのオンラインRPGタイトルと同様だ。グラフィックスの雰囲気も魅力の一つであるFEだけに、外観は気になるところだろう。そちらは写真と合わせてチェックして頂きたい。

 FEの特徴的な要素としては、まず種族の選択という概念が存在しないことだろう。ファンタジー系のRPGに付き物な「ヒューマン」や「エルフ」、「ドワーフ」といった象徴的な種族はプレーヤーの選択肢には見られない。男女の性別はあるものの、全てのプレーヤーは同じ種族になる。多数の種族が選べるタイトルだと、種族ごとの個性としてステータスに差が設けられることが通例だが、PvPの対戦をメインとする本作ではその差から生まれる種族格差が排除されている。その代わりに外見、特に体格の項目は大きく大胆に変化する。また、装備しているアイテムが全てグラフィックスに反映されるため、外見を自由自在に個性化できる。

ボディタイプを選択中の2枚。左の画面では最も体格の小さい「少女ボディ」を、右の写真では反対に最も身長の高い「グラマーボディ」を選択している
左はフェイスタイプと瞳のカラーを設定中。どちらの項目もバリエーションが豊富だ。右はヘアタイプとヘアカラーを設定中の画面
こちらは筆者がプレイしているキャラクタの姿。左がプレイ初期のもので、右が現在の姿だ。キャラクタもさることながら装備のインパクトが強く、ガラッと雰囲気が変わる

 キャラメイクの次に行なうのはクラスの選択だ。選択できるクラスは、近接戦闘型の「ウォーリアー」、遠距離戦と近距離戦を装備によって使い分けることができる「スカウト」、遠距離魔法攻撃型の「ソーサラー」だ。「おや?」と思った読者もいると思うが、FEには回復魔法を操るクラスが存在しない。実は過去の情報公開では、回復魔法を駆使する「プリースト」というクラスも存在していたが、その後の開発を経た現在のバージョンでは上記3クラスに統合されている。

 「ウォーリアー」はその名の通り、重厚な鎧を身にまとい、巨大な武器を振り戦う近接戦闘型のクラスだ。「スカウト」は弓と短剣を扱うことができるクラスで、遠距離からの攻撃においては弓を使用し、奇襲的な攻撃スタイルを取る場合は短剣を扱うトリッキーなクラスだ。「ソーサラー」は、遠距離専門のクラス。強力な魔法を詠唱し、大打撃を与えるクラスだ。ただし魔法を発動させるには、詠唱状態という準備段階が必要になる。

左から「ウォーリアー」、「スカウト」、「ソーサラー」。写真中にあるクラスの説明は具体的で分かりやすいのが嬉しい。ソーサラーは説明にもあるとおり、魔法を発動させるために詠唱状態を作る必要がある


■ 全てのバランスがPvPを軸に構成されている本作。スキルと装備が成長のポイント

 キャラクタメイキングが終了すればあとは所属国を選択し、いよいよゲームスタートとなる。ゲームログイン時にまず表示されるのが、移動先選択の画面だ。本作はフィールドが歩いて移動することで別のフィールドに接続されるタイプのゲームではなく、個別に存在する国の首都やフィールドを移動先選択画面で選択するだけで移動できる。フィールド間の移動は一瞬で済むというわけだ。また、フィールド内にいる場合も、コマンドからフィールドアウトを選択すれば10カウントの後に、どこからでも移動先画面に移ることができる。

 移動先画面では、各フィールドに何人のプレーヤーがいるか、どの国が支配している領土なのか、そして戦争中であるのかそうでないのかを確認できる。狩りがしたい場合は平和状態となっているフィールドに、戦争に参加したければ戦争が行なわれているフィールドに移動すればよい。ちなみに首都もしくは自国の占領フィールドから隣接しているフィールド以外で、他国に占領されているフィールドには入ることができない。平和状態のフィールドで狩りを行い装備やアイテムを整えていくためにも、戦争に勝って領土を守り、さらに領土を広げて自国を発展させていく必要があるのだ。

こちらが移動先画面。左はβテスト開始間もない時のもので領土も多いのだが、右の写真の翌日になると、かなりの領土を奪われている。暗く表示されているフィールドではプレイができない

カセドリア連合王国首都「アズルウッド」内を移動中の1枚。左上のレーダーに施設が表示される
 首都のフィールドでは、基本的に施設の利用が主になる。ゲームスタート直後はトレーナーと呼ばれるキャラクタからクエスト形式のチュートリアルを受けることはできるが、プレイしている中ではその後にクエストのようなものは発生していない。クエストという概念のものはチュートリアルのみなのだろう。実際のところプレイをしていると、戦争以外の要素はどちらかと言えばサブ的で、あまり目立たない印象を受ける。やはり本作のメイン要素は「戦争」なのだ。狩りをしてお金を稼ぎ、首都で武器防具やアイテムを購入、準備を整えて戦争に参加するというのが本作のベーシックなプレイの流れになりそうだ。

 首都で利用する施設はアイテム売買を行なうショップだけではない。狩りや戦闘を行なうと装備品の耐久度が低下するので、いざという時に行動不能に陥らないようこまめに「修理屋」で修理をする必要がある。また、本作では死亡時に経験値の一部と所持しているお金の一部が失われてしまうので、せめてお金だけでもこまめに「バンク」に預けるのがオススメだ。ちなみに戦争での死亡では経験値は失われない。他にも、減少したHPやスタミナを全快にしてくれる「宿屋」、戦争で活躍すると取得できる「リング」とお金で高品質な装備やアイテムを購入できる「リングショップ」、ジェムクリスタルというアイテムで装備を強化することができる「エンチャントショップ」という施設もある。

 こちらは戦争向けの施設になるが、国王からのメッセージや目標を確認できる「マネージャー」、その目標を達成した時に取り扱うアイテムが増えていく国直営の特別なショップ「オフィシャルショップ」なども定期的にチェックしたい施設だ。さらに戦争で得た報酬のリストから戦闘報酬を渡してくれる「プライズクリーク」も戦争後に忘れずにチェックしたいところ。

マネージャーと話すことで確認できる「国情報」の画面。戦争での勝率や国民数、さらに現在の戦略目標を見ることができる 戦争に没頭していると忘れがちなのが、プライズクリークで受け取れる戦闘報酬だ。戦争は経験値も報酬ももらえるなど、参加するメリットが大きい こちらは修理屋で修理をしている画面。装備している短剣の耐久度が4分の1ほどに減ってしまっている。耐久度が無くなると修理しなければ使用できなくなるが、アイテムは失わない

 インターフェイスは、キーボードとマウス、またはゲームパッドによる操作をサポートしている。筆者は両方でのプレイを試してみたが、移動や攻撃といったアクション操作はゲームパッドが勝るものの、それ以外の操作についてはキーボードのショートカットやマウスを使ったほうが手早く行なえる。中でも筆者的に決定的だったはマウスホイールを使用してスキルの切り替えができるところ。特に戦争中にはスキルの切り替えを頻繁に行なうため、現在ではキーボードとマウスの操作でプレイを行なっている。キーボードでの操作はW/A/S/Dキーに前進後退、左右の移動が割り当てられる。

 移動で印象的なのは、左右の移動がそこそこ速いのに比べ、前進に関しては多少遅めに感じるところ。そして、サイドステップが存在することだ。戦闘がアクション方式である本作では、どんなに強力な攻撃でも物理的に避けてしまえばノ-ダメージになる。サイドステップはAまたはDキーの2度押し、もしくはQ、Eキーで可能だ。前進スピードが遅めという点は、戦争時の進行リズムが速くなりすぎないように調整していたり、クラスごとの得意距離からくる戦闘バランスを取るためにも遅めのスピードにされているように感じられる。

スペースキーでジャンプ! 予想外に高くジャンプできる。ふわりと飛ぶようにジャンプする様はファンタジックだ。実際には崖を登ったりと高低差のある場所でジャンプすることが多い ゴブリンが投げてきたナイフをサイドステップで回避! 攻撃のスピードは種類にもよるが、速すぎず、遅すぎず、集中していれば避けれるが、ぼやっとしてると避けれないような、ちょうど良い印象だ 食料を食べてスタミナを回復。スキルを発動させるために必要なパワーを回復する元であるスタミナには、普段から気を配りたい

 モンスターへの攻撃は、すべてスキルを発動させる形式を取っており、剣を振る、弓矢を放つといった基本動作も攻撃スキルのひとつという扱いになっている。スキルを発動させると、そのスキルに個別に設定されている「パワー」を消耗する。パワーは時間と共に自然回復するが、しゃがんでいる状態だと回復スピードが速くなる。またパワーの回復にはスタミナが必要で、スタミナを減少させてパワーが回復される仕組みになっている。そのスタミナは食品系のアイテムを消費することで補充可能だ。ちなみにスタミナが0の状態でもパワーは回復していくものの、そのスピードはかなり遅くなってしまう。万全な状態をキープするには、食品をこまめに取る事が重要になる。食品はモンスターを倒すと結構高い確率でドロップするし、首都のショップでも比較的安価で購入できる。あまり食料不足で苦労はしないはずだ。

攻撃可能な距離ではターゲットロックが赤くなる。写真では弓を使用しているため、かなり遠距離から攻撃している。▲マークが内側を向いているので相手は格下の敵だ
スキルの設定はフィールド内のどこでも可能。SPを消費することで新たなスキルを身につけたり、スキルのレベルを上げることができる
 攻撃対象の選択は、まず、画面中央に表示されている十字サイトに対象を合わせてターゲットにする。そしてターゲットが合わさった状態でTabキーを押すと、ターゲットがその対象にロックされる。また、敵をロックした状態では内側に▲マークが表示される。相手のレベルが自分よりも下の場合は▲マークが内側に表示され、逆に外側に▲マークが向いている場合は自分よりもレベルが上の敵だ。攻撃範囲外ではターゲットリングが黄色く表示され、範囲内に入ると赤い表示に変わり、攻撃可能になる。ただ、この現在の方式だと、戦争時などで混戦状態になった時に他のキャラでターゲットが隠れてしまうことがあり、少々見づらい。今後の改良に期待したいところだ。

 新たなスキルは、スキルポイントを消費することで習得可能で、スキルポイントそのものはレベルアップすると入手できる。各スキルには習得に必要なスキルポイントが設定されており、さらに習得したスキルのレベルをステータスポイントを消費して上げることもできる。スキルのレベルを上げると、スキル使用時のパワー消費が少なくなったり、攻撃力がアップしたりするなど性能が向上する。そのため、スキル選びには、オールラウンドに習得できるものを揃えていくのか、自分が頻繁に使用するものを強化していくのかという悩みが発生するだろう。それを考えるのもまた楽しいところだ。

 習得したスキルによっては新しく取得できるスキルがリストに新たに追加される。ただし、現時点では条件は定かではないが、プレイ時にはレベルアップのタイミングなどではなく、スキルポイントを消費した際に習得可能スキルが増加した。一定量のスキルポイントを消費したり、関連したスキルを習得すると増加するのかもしれない。

 成長要素という話で気になるのは、レベル差があるプレーヤーとPvPをしても勝負にならないのではないか? という不安だろう。レベルキャップが20までとなっているβテストの現状ではレベル差によるPvP性能差はほとんど感じられない。それというのも、レベルアップしてステータスが増加するということがないのが大きい。HP・パワー・スタミナともに最大値は変化せず、攻撃力や防御力といった数値は装備するアイテムによって決定される。

 βテストの内容で販売されている装備品には、一定以上のレベルで装備可能になるアイテムもあるが、その性能差は控えめなバランスになっているようだ。今後の運営の中で20以上ものレベル差が発生してくる場合には変わってしまうかもしれないが、装備による格差は多少のアドバンテージにはなるものの、決定的なものにはなっていかないような気がする。それよりも、アクション要素を多く持つゆえに、スキルの使い方や動きに代表されるプレーヤースキルのほうが勝敗に大きく影響しそうだ。さらに言えば、戦争中は1対1というシチュエーションにあまりならないので、統制のとれた集団行動を行なったりといった戦術のほうが重要になりそうだ。


■ 最大の醍醐味である戦争に参加! 戦場を駆けて敵を打ち倒し、国を勝利へ導け!

平和状態のフィールドで狩りをしていると、突如宣戦布告がなされ戦争が開始された!
 ここからは、実際のプレイ模様を中心に、本作の醍醐味である「戦争」にフォーカスを当てていこう。筆者が選択したクラスは「スカウト」、国はカセドリア連合王国だ。

 最初に参加した戦争は、突然予期せぬ状態で始まった。というのも、そのとき私はまだモンスター相手にチュートリアルの課題であるアイテムを求めてフィールドを駆け回っていた時であり、そのフィールドがカセドリア国とゲブランド国がぶつかりあう最前線のフィールドだということを理解できていなかったのである。

 戦争を開始するには、5人パーティが「キープ」を建設する必要がある。キープを建設する場所は、キャッスルの近くや急な斜面ではできない以外は基本的に自由だ。このときも私がのんびりと狩りをしている間にキープが建設されたのだろう。私の画面には突如、宣戦布告の文字が表示され、軍に参加するのか、このフィールドから離脱するのかという選択を迫られた。戦争に参加する初のチャンスとばかりに私は「軍に参加する」をクリックした。すると画面は切り替わり、本陣ともいえる「キャッスル」の前にキャラクタはワープした。

 戦争の勝利条件は、「敵のキープを破壊する」、「戦況が優勢の状況を一定時間維持する」、「戦争開始から2時間が経過すると防衛側の勝利」の3つ。1つ目の条件である「敵のキープを破壊する」というのは、単純にどこかに建設されている敵軍のキープを探し出して破壊するというもの。死亡時のリスタート地点である「キャッスル」と「キープ」は別の建造物なのでその点には注意が必要だ。

 2つ目の勝利条件に「優勢の状況を一定時間維持する」とあるが、要するに相手を敵陣営よりも多く倒したり、建築物をより多く建てると優勢になる。現在建築できるのは「オベリスク」と呼ばれる先端に巨大な水晶がついたような塔だ。建築物を建てるには、クリスタルが必要で、フィールド内に点在する巨大なクリスタルの近くでしゃがんでいると採取することができる。オベリスクを建てる場合はクリスタルが15個必要になる。オベリスクの先端の水晶は赤か青の色をしており、その色は戦争中の両軍の色を示している。もちろん敵軍が建てたものは破壊可能だ。ちなみにオベリスクの効果は敵影をレーダーに映し出すというもの。β中はオベリスク以外の建築物は開放されていないが、他の建築物にも異なる効果があるのだろう。

 戦争に勝利するには、敵を倒して自軍の建築物を建設し、同時に敵の立てた建築物を減らせばよいということになる。私は最初の戦争参加時にはその辺りがまだ上手く理解できておらず、なんとなく自軍のプレーヤーが進んでいく方向についていくという状態だった。まず、戦争開始直後にプレーヤーが向かうことになるのは「巨大なクリスタル」だ。巨大なクリスタルの周辺に多くのプレーヤーがしゃがんでいる。見よう見まねで私も座ってみると、クリスタルを1個取得できた! そのまま座り続けているとクリスタルはどんどん取得することができた。

 オベリスクの建設に必要なクリスタルの数である15個が貯まったらいよいよ前進だ。自軍のプレーヤーがフィールドを進み、次々にオベリスクを建てていく。私も建ててみようと、あまりオベリスクが建っていないあたりに移動した。メニューから建築を選択し、オベリスクを選んで決定ボタンを押す。すると、地中から、ズズズッとオベリスクが出現し、ほどなくして完成! これでこの地域の敵影がレーダーに見えるようになり、戦況も多少優勢になったというわけだ。

巨大なクリスタル付近でしゃがみ、クリスタルを採取。クリスタルを消費してオベリスクを建設した!

 オベリスクの建設合戦がある程度済んでからは、いよいよPvPによるバトルと互いのオベリスク破壊活動が繰り広げられる。ウォーリアーが先陣を切って敵軍に進み、弓を持ったスカウトは距離を保ちつつ敵を射抜く。短剣を構えたスカウトが横から敵に奇襲をかけ、ソーサラーの魔法が派手なエフェクトと共に炸裂する。吟遊詩人の語るようなファンタジー世界の戦争が目の前で繰り広げられる様はなんとも言えず感慨深い。ゲームの王道とも言える中世時代風の戦いやファンタジーが好きな人にはたまらない光景だろう。もちろん私もその1人だ。と、一人感動していたところ、不意に近づいてきた敵軍に囲まれて倒されてしまった。弓は近距離に飛び込まれると攻撃範囲外になってしまい反撃できないのだ。

 倒されてしまうとキャラクタの姿は透明になり、カウントの後にリスタートポイントであるキャッスル付近で復活する。戦争中に倒れた場合、経験値の減少はないものの、所持していたゴールドが減るというペナルティが課せられる。

 また、リスタートに関連した話として、キャラクタの前進スピードはあまり速くないため、一度でも敵に倒されてしまうと前線に復帰するまでに結構な時間のロスを強いられる。それは言い換えると、敵を倒せば敵軍の戦力を低下させることができるということにもなる。

戦争シーン。ウォーリアーがぶつかり合い、矢が飛びかい、魔法が乱れ飛ぶ。魔法の爆発がかなり派手で視界をふさぐ効果ももたらしている。左下は敵側のオベリスクを破壊している写真で、右下は死亡してしまい復帰までのカウントを取られている状態だ

 不慣れながらも、敵と戦ったり、オベリスクを破壊してみたりとしているうちに、画面上に「敗北」というなんとも嫌な響きの文字が踊るウィンドウが出現した。このフィールドにおける戦争に、私が所属するカセドリアは負けたのだ。戦争終了時には活躍したに応じて加算されたスコアに基づき、経験値が与えられる。スコアは敵軍のオベリスクを破壊したり、敵を倒したりすることで加算されるものだ。また、戦争中にスコアを多く取得し、Kill数にも秀でているプレーヤー上位10名はランキングにも掲載される。国のためにも、経験値のためにも、そしてランキングインするためにも、なんとか上手く活躍したいものだ。

 戦争終了後、そのフィールドは約10分「休戦状態」となる。休戦状態となったフィールドには敵モンスターも出現せず、宣戦布告をして戦争を開始することもできない。文字通り休戦タイムというわけだ。休戦直後は直前までの敵味方に関係なく様々なところで「おつかれさまー」と挨拶が交わされていた。休戦中は戦争の模様や戦術を語り合ったりするコミュニケーションの時間として有用に使用されているようだ。

戦争終了時に表示されるウィンドウ。参加人数や自分が取得したスコア、さらに戦争で得た経験値が確認できるほか、ランキングに切り替えると活躍した上位10名のスコアを見ることができる。写真右は戦争終了後に休戦状態となっている模様だ

スキルを入手していくと、これまで表示されていなかった新たなスキルが出現! スキルを多く取得していくうちに自分だけのキャラクタの個性が明確化されていく
 初体験の戦争を終え、フィールドアウトした私は、一路首都へ向かった。武器を修理し、チュートリアルのクエストを終えて報酬をもらった。その報酬で装備を整える。ここで弓から短剣へと装備を変更した。さらにレベルが多少上がってスキルポイントが貯まっていたので、通常よりも強力な短剣攻撃を繰り出す「ファストスティング」のスキルを新たに取得。すると取得できるスキルに新たにふたつのスキルが加わった。敵に毒のステータス異常を与える「ヴァイパーバイト」と敵の攻撃を一定時間封じる「アームブレイク」だ。ここでは「アームブレイク」を習得してみた。戦争で活躍するためだ。

 戦争を求め、まずは移動先選択画面に移動。多くのプレーヤーが集まっているフィールドに移動してみたところ、予想は的中し、そのフィールドでは、間もなくキープが建設され戦争が開始されるようだ。ほどなく宣戦布告が表示され、迷うことなく軍に参加。キャッスルに移動してみると、プレーヤー同士がパーティを組んでいる最中のようだ。私もチャットでパーティに参加したいことを告げるとパーティ勧誘のアイコンが出現。どなたかがパーティに誘ってくれた。メリットがはっきりしているうえに、レベル格差といったものも無い本作では、パーティを組む敷居はとても低い。希望すればすぐに誘ってもらえるのだ。

 パーティに参加するメリットで最も大きいのがスコアの共有だろう。個々が稼いだスコアはパーティメンバー全体に加えられる。ソロプレイでスコアを稼いでいるときの何倍ものスコアが稼げるし、スコアを元に取得される経験値も跳ね上がる。また、パーティメンバーの名前は白く表示され一目で確認できるので、サポートしやすいのだ。

 この戦争では、私はある戦法を実行した。それは、ハイドという姿を隠すスキルを使い、敵にこっそりと近づき、先ほど取得したスキルのアームブレイクを当て、敵の攻撃を封じるというもの。相手が何が起こったのか把握できないまま倒せればよし、分が悪くなったら味方の軍勢がいる方面に逃げて、相手プレーヤーを誘い込むというものだ。この戦法がなかなかいい感じに機能してくれて、最初の戦争に比べてぐっと上手く立ち回ることができた。

 そのほかに意識したのは、数的不利に陥っている同軍のメンバーを助けるということ。キャラクタステータス的な性能差が大きくない本作では、数で劣るシチュエーションになるとほとんど勝つことはできない。それゆえ、視覚的に敵の数が多くなってくると、敵プレーヤーは撤退せざるを得なくというわけだ。同軍のチャットをチェックし、敵軍オベリスクの破壊や援軍の要請に駆けつける。この後は言うに及ばず。次々に戦場を渡り、転戦を重ねていくのだった。今思えばすでにこの時、FEの持つPvPの魅力にハマっていたのだ。

武器を弓から短剣に持ち替え、近接戦闘と集団行動に重点を置いたプレイの模様だ。左上の写真では敵プレーヤーが一人クリスタルを採取しているところに、ハイド状態で近づいている。敵の攻撃を一定時間封じるアームブレイクを最初に当てるようにしたところKill数がアップした。また、右下では弓のスキルと思われる移動速度を低下させるエフェクトが写っている


■ 「PvPによる戦争」にフォーカスされたバランスとデザインは、テンポが良く気軽に楽しめる

絶え間なく続く戦乱の世を駆け抜ける! 6つの大陸を舞台に5国が入り乱れるという正式サービスも期待したい
 現在筆者は、お金を狩りで稼ぎ、装備とアイテムを整え、経験値は戦争で取得するというプレイスタイルができあがっている。全ては戦争に勝つためであり、戦場で活躍するためだ。次から次に展開される勃発する戦争に参加して、戦場を駆け回る。いろいろな戦法を試しつつ、仲間と協力していく、回数を重ねるごとにいろいろな事が理解できていくような感触だ。自分のキャラのレベルが上がり、装備が変わったときのグラフィックスの変化も楽しみのひとつだ。

 全体的にはライトな印象を受ける本作だが、それによってすんなりと戦争に没入することができる。現時点ではあまり他の要素が多くないという言い方もできるのだが、それゆえにシンプルかつストレートに戦争に熱中することができるのだ。対戦相手が同じプレーヤーである以上、戦略や戦法の変化には終わりがないだろう。気軽にテンポよくPvPを楽しめる部分に筆者は強い魅力を感じているが、どっぷりとプレイしても、もちろん楽しめるのは間違いない。

 休憩中に移動先画面を見ていると、リアルタイムに情報が切り替わり、次々にいたるところのフィールドで戦争が開戦され、勢力図が変化していく。プレーヤーの流れが次にどのフィールドを舞台にしていくのかを想像するだけでも中々に面白い。これがストラテジーの魅力だろう。その中のひとつの戦場に参加してアクションゲームライクに活躍できる本作の魅力は、さらにFEならではの楽しさを与えてくれそうだ。

 ちなみに、βテスト開始初日と翌日にはラグが大きく発生していたため、アクション的な部分が厳しいという状態があったが、日を追うごとにそれは改善され、現在ではかなりスムースにプレイすることができる。

 1回の戦争に参加するだけなら非常に短時間にプレイできるし、狩りに関しても手軽に楽しむことができる。プレイ要素をあまり詰め込まず、テンポよく楽しめる点が好感触のFE。今はまだβテストが開始されたばかりの状態ではあるが、今後の進化が楽しみなタイトルなのは間違いない。

(C) SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.


【ファンタジーアース】
  • CPU:Pentium 4 1.3GHz以上(Pentium 4 2GHz以上)
  • メモリ:512MB以上
  • HDD:3GB以上
  • ビデオカード:VRAM 64MB以上 (128MB以上推奨)


□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.com/jp/
□「ファンタジーアース ザ リング オブ ドミニオン」のページ
http://www.playonline.com/fe/
□「スクウェア・エニックス メールマガジン」のページ
http://www.square-enix.com/jp/online/
□関連情報
【10月24日】スクウェア・エニックス、「ファンタジーアース」の最新情報を公開
クローズドβテスト開始直前の最新画面を一挙大公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051024/fantasy.htm
【10月20日】スクウェア・エニックス、「ファンタジーアース」βテストを10月27日より開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051020/fe.htm

(2005年11月7日)

[Reported by 山村智美]



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