株式会社トミーおよびトミーグループ各社は、年始から春に向けて発売される商品に関する商談会「2006 トミーグループ新春商談会」を都内で開催した。

　トミカ、プラレールといった伝統的なブランドを持ち、ディズニー、ポケットモンスター、スター・ウォーズといった安定したキャラクタ戦略、低価格ながら本格的、カスタマイズも可能で、身近な車種をラインナップしたことで大ヒットを記録した「エアロアールシー」などなど、このところのトミーの流れを今回も踏襲しているラインナップだったが、個別に見ると面白く、期待のタイトルがいくつか散見できた。

　従来製品の中でも、「エアロアールシー」はオプションパーツとしてついに「マルチバンドユニット27MHz(仮)」と「同40MHz」を12月に発売することが決定した。これによって6台同時走行が可能になり、より幅広い楽しみ方が可能になったといえるだろう。

　注目の商品のひとつが、話しかける側の声のトーンや強弱を判断し感情を認識したうえで、対応して返事してくれる「ともだちピカチュウ」。外見は少し大きめのぬいぐるみといったサイズ。同じ言葉……たとえば「ピカチュウ?」と話しかけても、こちらの声から感情を判断し、楽しそうに受け答えてくれたり、悲しそうにしたり様々な対応をとる。

　うれしいときは、ほっぺをぴかぴかと光らせ音声でもうれしさを表現。逆に悲しいときはほっぺたの光も弱々しくなるという。こちらが怒っていれば、ほっぺたがピカッとひかり、こちらの感情を読み取り怒っているような音声でいっしょになって怒ってくれる。感情に合わせて150種類以上のおしゃべりをするということで、音声だけとはいえ、かなり感情豊かに感じることだろう。

　さらに仲良くなるとはなうたを歌うなど更なる展開もある。また、バトルモードが用意されており、ここで声をかけると「10万ボルト」などの技の声を発し、共に戦っているかのような雰囲気を味わえる。

　「ともだちピカチュウ」は時計機能ももっており、底面をあけ起床時間や寝る時間を設定すると、起きる時間には朝の挨拶をするし、就寝時間になると眠くなり寝息を立てて寝てしまう。

　発売は2006年2月を予定しており、価格は8,379円。

【ともだちピカチュウ】
「ともだちピカチュウ」外見は少し大きめのぬいぐるみ。底面をあけると時間の設定などができる	ディスプレイの例。「ピカチュウ」がたくさん
同じ言葉を話しかけても、落ち込んで話しかけるのと明るく話しかけるのとでは、結果は違うはず。「ともだちピカチュウ」はトーンや強弱で感情を判断	起きる時間と寝る時間を設定すると、ピカチュウのおはようの挨拶や、眠たくなって寝息を立てたり……といった行動をとる

　2006年3月の発売を目指して開発中なのが「EQトレーナー」。“EQ”とはEmotional Intelligence Quotientの略で、心の知能指数ともいえるもの。エール大学のピーター・サロペイ心理学部教授とニューハンプシャー大学のジョン・メイヤー心理学部教授によって「EQ理論」として発表されている。「EQトレーナー」は、株式会社EQ Japanとトミーによって開発されている。

　考え方が否定的になってしまったり、人との会話がうまくいかない、イライラする、人の気持ちを汲み取ることができない、落ち込みやすい……これらの精神状態は誰もが陥りやすもの。こういった状態はEQ値が低い状態と言うことで、同社担当によれば、「恋愛はもちろんのこと、人と接することが多いビジネスシーンでこそEQが必要!!」なのだという。

　「EQトレーナー」では、出された質問やシチュエーションに対して5つの選択肢から答えを選択し回答、毎回40問に答えていく。これらの設問は毎日変わり、会話バリエーションは100を超えるため、毎回違った気持ちで接することができるという。インターフェイスにはニンテンドーDS同様ペンタッチ入力を採用している。

　単四電池3本を使用し、本体色はシルバー。対象となるのは大学生から社会人ということ。発売時期は3月頃を予定しており、これはこの時期は環境が変わりがちで、イライラしたりすることが多いため、「EQトレーナー」が必要な状況であるためだという。価格は5,250円。

【EQトレーナー】
出される設問に5択で答え、自分のEQ値を判定してくれる。インターフェイスはタッチペン方式。「EQトレーナー」の大きさは一般的なPDA程度	「EQトレーナー」は、大学の教授の「EQ理論」に基づいて、株式会社EQ Japanとトミーで共同開発されたもの	「EQが低いためにうまくいかない!」ということで、常に平常心を保ち、EQの向上に努めるために「EQトレーナー」を毎日プレイして欲しいとアピールしていた

　一頃の小型RCカー全盛は過ぎ去り、最近では空飛ぶタイプのラジコンが注目を集めている。しかし基本的に大型のものが多いのだが、この「エアロソアラ」はかなりの小型化に成功した。外見を見ると、もうほとんど紙飛行機レベルにコストダウンされており、本当に小さなモーターが取り付けられている。それ故、推進力は弱く、ガンガンと上昇を繰り返すことは不可能に近いようだ。

　それでも右に左に家の中で遊ぶには十分。回転半径が小さく設計されていると言うことで、完全に屋内で楽しむ設計となっている。充電はコントローラから行ない、3秒程度の充電で約30秒から40秒の飛行が可能。

　デザインはまだ決定段階ではないとのことだが、手のひらに収まる程度のカワイイコントローラで操作することができる。IRバンドはAタイプとBタイプの2種類が用意されている。発売は2月を予定しており、価格は2,100円。

【エアロソアラ】
非常に小さく、ほとんど紙飛行機に超小型モーターを付けたかのような「エアロソアラ」。6畳程度の部屋でも遊ぶことができる。逆に外で遊ぶとわずかな風の影響でフラフラし、操作が難しくなるかもしれない

【CHATTY TOM】
英語をしゃべるクマの“トム”くん。「英語しかわからない」という設定になっており、否応なく英語で受け答えしなければならなくなる。おなかに小型液晶ディスプレイがありグラフィックスなどが表示され、音声とグラフィックスの両面から英語を学ぶことができる。カセット取り替え式で、子供用だけでなく、「トラベル英会話」など英語を様々な面から学ぶことができる

□「CHATTY TOM」のページ
http://www.tomy.co.jp/tom/

【ハピットたいむ】
ミニゲーム集の「ハピットたいむ」。同社の「いつもいっしょネ」のアンケートで「ゲームをいろいろやりたい」という意見と「時計機能が欲しい」という意見が多かったという。そこで、その2つを強化したのが「ハピットたいむ」。7種類のミニゲームがあり、子どもから大人までを対象にしているため、難易度を選択してゲームをプレイ。ゲームを遊ぶと“ファンポイント”をもらうことができる。このポイントを使い、35種類のレアアニメを集めることができる。また、毎正時にキャラクタのアニメを見ることができるデジタルからくり時計としても利用可能。ミッキー、ミニー、チップとデール、スティッチの4種類。これもWEBアンケートで人気の高かった順に4体選択したのだという

□トミーのホームページ
http://www.tomy.co.jp/
□関連情報
【4月14日】トミー、「2005 トミーグループ夏商戦商談会」開催
キャラクタ商品中心のラインナップ
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050414/tomy.htm

(2005年10月27日)

[Reported by 船津稔]