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会場:幕張メッセ
入場料:1,200円(前売1,000円) ■ 様々な新機軸が明らかになった「ファンタシースターユニバース」 「ファンタシースターオンライン」(以下、PSO)は、コンソール用のタイトルでは初めて商業的に成功したオンラインRPGである。その結果様々な“Episode”を産みながら、Windowsを含むあらゆるゲームコンソールへと移植され、中にはカードバトルタイプなどのバリエーションも生まれている。今回、「ファンタシースターユニバース」(以下、PSU)に接したPSOファンは、これが今までのEpisodeとは違う、しかし紛れもなくPSOの血を受け継ぐ完全新作タイトルだということを実感できたはずだ。
筆者がプレイ画面を見てまず最初に驚いたのは、ストーリーモードに登場するNPCがイベント時に全編フルボイスで喋ること。各NPCはコミカルでどれも個性が光っていることもあり、イベントシーン時の印象はテレビアニメそのものと言ってよい。これらは合計で3時間以上にも及び、ストーリーモード時にプレーヤーの分身となる“イーサン・ウェーバー”への感情移入を極めてスムースに行なえるのだ。
かつて初代PSOが登場した際は、体型をモーフィングで変えられる等、キャラクタ作成時のカスタマイズ機能の幅広さが大きな注目を集めた。PSUにおいてこのカスタマイズ機能はより強力になっており、ヒューマンを例にとっても10種類以上の項目がある。しかも眉の形だけで19種類、上着のデザインで50種類という、ちょっと類を見ない規模である。 いったい何故、これほどまで外見面にこだわるのか? そこで関わってくるのが、PSUの大きな特徴のひとつ“カットインチャット”である。これはチャットを行なった際、従来のような吹き出しによるメッセージだけでなく、マイキャラのバストアップ画像が、まるで漫画のコマ割りのような形で表示されるというもの。カットインチャットの画面では顔が大きく表示されるので、先程の眉の違いといった、遠目では分からないような違いも、はっきりと識別できる。
しかも、カットインチャット内の表情や背景の放射線エフェクト、また吹き出し出しチャットの枠線も複数パターンの中から選択できる。それによって言葉だけでは伝えることが難しかった、些細な喜怒哀楽の感情要素をこれまで以上にはっきりと伝えられるのだ。カットインチャットはいかにも日本的なゲームの進化といえるもので、キャラクタのカスタマイズ関連についてPSUは極めて高いポテンシャルを誇る。PSUが発売した暁にはかなり多くのプレーヤーが、キャラクタ作成時に長時間悩んでしまうのは想像に難くない。
戦闘以外の環境面については、各キャラクタが自分の部屋を持てることが明らかになった。PSUはMMOタイプのRPGではないという点もあり、恐らくはワールド内に物理的に存在するものではなく、例えば「ファイナルファンタジーXI」でのモグハウスのようなプライベートエリア扱いになるものと見られる。しかし、PSUでは友達を部屋に招待することも可能で、第三者に気兼ねなくチャット等を行なえるのだ。更に部屋には、これまた新システムの“パートナーマシナリー”が居て、アイテムの合成などを行なってくれる。
このように、PSUにちょっと触れただけでも、新機軸のシステムが次から次へと見受けられた。今回の東京ゲームショウではPS2版とWindows版の両バージョンが出展されていたが、これを見比べる限りでは両者の開発ペースはほぼ同一だと考えてよい。このままPSUのの開発が順調に進めば、ひょっとすると凄い事になるのではないか、というのがブースを見終えた後の筆者の率直な感想である。
■ 「RF Online」は正式サービス稼働日が決定。オープンβテストからキャラデータを完全引き継ぎ
正式サービスを発表するステージの壇上に立った総合プロデューサーの染谷光廣氏は、「現在稼働している3台のサーバー構成ではピークタイムにログインできない人がいる」と、ユーザーから想像以上の反響を受けている現状を語った。そのため、4台目のサーバー“カリスト”を9月20日に導入することを急遽決定したという。サーバーの構成台数はMMORPGの人気度を客観的に示すバロメータとしてもっともわかりやすく、現在は良い流れにあることが伺える。 更に、課金開始によってユーザーが離れてしまうことに対しては、いくつかのキャンペーンを打ち出すと発表。まずオープンβ時に育て上げたキャラクタは、正式サービス移行時にそのまま引き継がれる。次に“OBT(オープンβテストの略)プレミアムキャンペーン”と題して、特殊仕様のリングを全員にプレゼント。これは“SEGA Link”のロゴをあしらったデザインで、詳細は明らかにされなかったが特別な効果があるとのことだ。 次に、正式サービス稼働後11月15日までに課金登録を行なったプレーヤーには、ビデオカード等を抽選でプレゼントする。更に、10月18日~12月6日の間に課金を行なった全員に対し、士郎正宗氏のオリジナルデザインによるアイテムを配布。これらは3つの種族で絵柄が大きく違っており、ラフデザインを見る限りでは、いかにも“攻殻機動隊”や“アップルシード”に通じるテイストを感じさせられる。しかもSFとファンタジーを融合させた、「RF Online」の世界観にもよくマッチした印象だ。
染谷氏は、オンラインRPGはまだまだ導入時の敷居が高いという前提の上で、これらのキャンペーンを企画したという。確かに口コミで人気が広がるネットワークゲームといえども、完成度が高いだけではなかなかセールス面に結びつきにくいのも事実。それだけに、正式サービスに向けての怒濤のキャンペーンは、大きな力添えになることだろう。
引き続き「RF Online」のブースレポートを紹介しよう。ここで「RF Online」のゲーム概要を説明しておくと、SFとファンタジーの両面を取り込んだMMORPGである。メインテーマは種族間戦争(Race vs Race:RvR)で、ゲームに登場する3勢力は完全に敵対している。異なる勢力のプレーヤーとはチャットすら行なえない徹底ぶりで、例えば郊外を歩いていたらいきなり遭遇戦が始まったり、また時には100対100規模の大規模戦闘も発生するのだ。 このようにゲームデザイン的には「Dark Age of Camelot」に近いものの、グラフィックスが日本を含めたアジア圏を強く意識しており、受ける印象は異なる。ちなみに「RF Online」が作られた韓国では、既に累計アカウント数が120万以上という盛況ぶりで、国内でも例えば「リネージュII」等を好むプレーヤー層に対して強くアピールできるのではないだろうか。 そういった特徴を持つ「RF Online」ブースでは、やはり最大のアピールポイントである種族間戦争をテーマとしたイベントを定期的に実施していた。その内容はゲームに登場する3つの勢力に、プレーヤー2人づつが参加して対人戦を繰り広げるというもの。対戦にはハイレベルの専用キャラクタが用意され、1分間の準備期間の後に試合開始となる。 筆者が見ていた限りでは、各勢力特有のスキルの使いこなしが、多くの場合において戦闘の勝敗を分けていた。例えば足止めや弱体等の魔法に通じた“コラ”や、自分の体を強力な武器へと変化させる(その代わり動けなくなる)“アクレシア”のプレーヤーは、かなりの確率で勝ち進んでいたようだ。
実は今回のゲームショウで使用されたキャラクタは、通常とは異なり性能が大幅に引き上げられた特殊なバージョンである。時には一撃で2,000~3,000といった桁違いのダメージを与え、画面エフェクトが派手な点も相まって、「RF Online」を見るのが初めてだというプレーヤーからもイベント中はどよめきの声が挙がっていたのが印象的であった。対人戦という本来は第三者へ魅力を伝えづらいプレイスタイルを、うまく紹介したイベントだと思った次第である。
(C)SEGA, 2005 (C)SEGA Corporation, 2006
□セガのホームページ (2005年9月18日) [Reported by 川崎政一郎]
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