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会場:幕張メッセ
入場料:1,200円(前売1,000円)
今回は、そうしたイベントのなかから「ワールドエアフォース(仮称)」、「おとなのギャル雀2」、「Train Simulator 京成・都営浅草・京急線」をピックアップしてご紹介しよう。本日開催されたイベントは、「おとなのギャル雀2」をのぞき明日(18日)もほぼ同様のスケジュールで行なわれる。余裕がある人は、ぜひとも会場に直接足を運んで雰囲気とともに楽しんでいただきたいところだ。
■ ワールドエアフォース(仮称) ~田中石城氏、河上聖治氏トークセッション~
田中氏が「ワールドエアフォース」の開発に参加することになったのは、空撮カメラマンの「徳永克彦」氏から紹介されたからだという。前シリーズ同様、当初は徳永氏が監修を手がけるはずだった。しかし、多忙で手が回らなくなったため「手伝ってもらえないか」という話だったが、なんと田中氏はビデオゲームが大嫌いだったというから驚き。 かつては食事も忘れるほどインベーダーゲームに大ハマリした田中氏だが、終わってしまえば何も残らない、さらにはジャンボ機でレインボーブリッジの下をくぐろうと機長を殺害してコクピットを占領する事件の発生に、ゲームが「アクチュアルとバーチャルの区別がつかなくなってしまう」大人を育てたことへの嫌悪感があったという。だが、河上氏から「実際に飛んだことがない、飛べない子供たちに“空を飛ぶっていうのは、こういう感覚だよ”って夢を持たせるっていうのはいいんじゃない?」といわれ、それなら納得できると協力に同意することになった経緯を説明する。 数々の厳しい訓練を経て、退役までに20機以上の機体に搭乗した田中氏だが、もっとも乗り心地がよかったのはF-15だという。「すわり心地、思い通りに動く。ただし、機体性能が人間の生理機能を超えてしまっているため、ずっと乗っていると身体がもたない」というコメントには、操縦性能と背中合わせの過酷さを垣間見たようで、なにやら戦慄に近いものを覚えてしまう。 田中氏の協力が生かされているのは、宙返りをしたときの開始および頂点高度、パワーなど「定年になった今も身体が覚えている」などの実体験に基づくチューニング。河上氏は「実際に飛んだことがないため、今までわからないことがたくさんあったが、話をきいてびっくりした」という。地上では実感に乏しい“G(重力)”の世界。エレベーターの上昇中で1.1~1.2G。4Gになると、膝の上に置いた手が自分の力で持ち上がらなくなると同時に血液が下がるため視野が狭くなったり、モノクロあるいは真っ暗になる。5~6Gになると息ができなくなり、9Gに至っては頭部と心臓の高度さ(!)を低くすべく首をすぼめるようなしぐさをしなければならないという。 ここまでくると想像すらつかない世界だが、現役当時の田中氏にとって9Gは日常茶飯事。F-15にはVTRがあり、(戦技訓練終了後)整備員が8.5~8.6Gくらいで終わっているHUD表示を見て「隊長、今日はGが少ない!」などと突っ込まれるという逸話には、もう言葉さえ出ない。これを1日3回も繰り返すとさすがにぐったりするというが……常人なら骨格がバラバラになっていることだろう。
こうした細部までこだわりを見せる一方で、「ゲーム」として一般の人に対する配慮もきちんとなされているという。河上氏の実演によるアーケードモードでは、自由に視点が動かせるコクピットビュー、機体背後から繊細な挙動が確認できるリアビューを切り替えつつ、手軽に空中戦が楽しめるシーンが展開された。機体グラフィックもさることながら、流れる雲、奥行きのある背景には思わず見とれてしまう。田中氏は、旋回中のシーンでHUDに表示されるG表示を見て反射的に身を縮めてしまう(対G姿勢)といい、なかば冗談にせよ、これは本作の映像表現がそれほどまでにリアルであることの証左ともいえる。
■ おとなのギャル雀2 ~出演アイドル3+2人が登場!~
松嶋さんが演じるのは、ちょっと不器用な不思議ちゃん系キャラ。ゲーム内の衣装でステージに登場するも、ご本人は「ちょっと恥ずかしい」という。山本さんのキャラは、小さいときから父親にサバイバルゲームを叩き込まれた勝気な女の子。強気な腕組みポーズなど、今まで自分のグラビアにはないところに注目してほしいとコメント。清水さんは、亡くなった父を目指すコメディアンの女の子役。普段の自分と似ているところもあり、演じていて楽しかったとのこと。 公式サイトで明らかにされている出演アイドル6人の紹介が終わったところで、ファンには嬉しいビッグサプライズ。ステージに登場したのは、なんと夏目理緒さんと岡田ひとみさん。おふたりは前作に引き続き「おとなのギャル雀2」に出演。夏目さんは前作と同じ役柄だが、ちょっと色気も出てきたお姉さんっぽいキャラ。岡田さんも前作同様のお嬢様役だが、なんとママになっているという。
初公開となるプロモーションムービーの上映、特製プレゼントがもらえる“おとなのギャル”ジャンケン大会と、詰め掛けた大勢のファンは大満足といった表情。唯一残念なのは本イベントが本日限りということだが、参加しそびれた人は11月23日に「おとなのギャル雀2」を購入してギャルたちと甘いひと時を味わうべし。そして、続編の発売とともに来年もイベントが開催されることを祈ろう。
■ Train Simulator 京成・都営浅草・京急線 ~向谷実氏トークショー~
向谷氏が「3つの会社、というと語弊が出ちゃう。東京都交通局だけは“局”がつくんで、我々がこれを説明するときは3社局といってます」という、京成電鉄、東京都交通局、京浜急行。通常、こうした複数社が関与するタイトルは何かとやりにくい部分がある。この場合、3つの鉄道会社すべてが「やってくれ」とはならないわけで、向谷氏によれば「この話をまとめるときに“キーになった会社”がある」という。 その答えは“京浜急行”。なぜ京浜急行がまとめ役に尽力してくれたかといえば、だいぶ前にリリースした「The 京浜急行」の受けが大変良かったことが関係してくるという。「Train Simulator」シリーズは、制作すると“モチーフとなった鉄道会社内でかなり売れる”というのだ。「もう時効だから」と前置きしたうえで、向谷氏は「『The 京浜急行』を作るとき、ある各駅停車のダイヤを入れてある。実はこのダイヤが、車掌さんから運転手さんになるときの卒業試験に使われるダイヤなんです。(車掌さんが)『The 京浜急行』でそのダイヤを事前に自宅で学習して、その成果をもとに運転手さんになった方が“いない”とはいいきれない。そういうお付き合いもありまして、京浜急行さんとは良い関係が築かれている。京急さんからお話をしていただくことで、3社乗り入れが実現した」と、その経緯を明かしてくれた。なんというか、これはもう“ちょっといい話”の部類ではないだろうか。 本作での“一番のこだわり”は「電車のすれ違いなんですよ」と強調する向谷氏。駅の停止位置近辺で間違ってすれ違うと、ゲームにしたときに不自然な部分が出てしまうという。それをどうやって回避するかということで、事前にダイヤの打ち合わせを徹底的にやる。そういった経緯もあって、“距離”という点では在来線最長、最大の車両数、とてつもなく多いダイヤを実現できたという。マニュアルにもこだわりが貫かれており、ATSのかかり具合の下見表などを用意して、ただ厚いだけではない“中身の濃いマニュアル”になるよう頑張ったという。違和感のない映像はもちろん、足りない分を補う電流計の動きといった微細な部分の再現に至るまで、全編これ隙なしといった雰囲気だ。 ステージの最後には、完全な新ネタと前置きして「とうとう、私どもの技術が業務用運転シミュレーターに採用されることになりました。(観客より拍手) やった!」という嬉しい報告が行なわれた。まだ鉄道会社などは公表できないが、2006年3月あたりには完成する見込みだという。 これから色々と作っていかなければならないというが、「私どもが作っている部分で大事なのは、完全なCGとはまた別に……それはそれで立派なものがあるんですが、鉄道運転の安全を維持するために“実際の運転手さんの視点で見ている”実際の映像を使ったシミュレーターがあることは、凄く効果があると思うし、お役に立てることだと思う。以前からそういう気持ちで一杯でした。それが今回はじめて公式の形で採用されることが決まったんで、今後は鉄道会社さんと我々の間で“どういったものが要望されているのか、必要なのか”を勉強して、そこで得た新しい技術や知識を、次世代ゲーム機やネットなど、色々なところに応用できるよう努力していきたいと思います」と力強いコメント。
シメの言葉として向谷氏から「みなさんに支えてもらわないともたない。ある意味では“鉄道を愛している人たちのために”同じ温度で楽しんでいただけるソフトだと自負しておりますので、ぜひ皆様がたのご支援でこのシリーズを続けさせていただきたい。さらなる我々の発展に期待していただくとともに、これからもご支援のほどよろしくお願いいたします」とまでいわれては、もはや何をかいわんやといったところ。向谷氏および音楽館とともに“さらなる高み”が見たいのなら「Train Simulator」シリーズをサポートし続ける“義務がある”とさえいえるのではないだろうか。
□タイトーのホームページ (2005年9月17日) [Reported by 豊臣和孝]
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