東京ゲームショウ2005レポート

入場料：1,200円
　　　　 小学生以下無料

　今回のステージイベントは、「新 鬼武者」の小野義徳プロデューサーによるゲーム説明と、同作品に登場するメインキャラクタのボイスを担当した声優陣によるトークショーからスタート。続いてラジオ番組「新鬼武者プロジェクトプレゼンツ 赤鬼のパンツ! 青鬼のパンツ!」の公開録音を実施し、さらに「逆転裁判 蘇る逆転」のプロモーション映像を公開するという構成で行なわれた。

　人気声優たちが立て続けに登場し、なおかつ人気タイトルのショー会場オリジナルシナリオを放映したこともあって、ステージは終日満員の大盛況であった。

■小野プロデューサー&声優陣が一挙終結!『新 鬼武者』の魅力に迫る

　『新 鬼武者』のトークショーは、午前中の第1回目を「蒼ステージ」、午後の第2回目は「赤ステージ」と題し、出演者をそれぞれ分けての2部構成で行なわれた。

　「蒼ステージ」では、まず小野義徳プロデューサーからのコメントからスタート。「今回でシリーズ4作目となりますが、すべての面において今までとはまったく違う構成にしようと考え、キャラクタを全員取りかえました」という本作品のコンセプトから説明し、さらには「新たにレアアイテムを集める要素を追加しました。より奥深いゲームの世界が楽しめるようになっていますよ」とゲームシステムに関する興味深いコメントも飛び出した。

　小野氏からのゲーム紹介が終わると、主人公の結城秀康役を担当した楠田敏之氏、南光坊天海役の石川英郎氏、そして柳生十兵衛茜役のゆかなさんの3名が登場。オーディションが行なわれたのは製品発表の前だったため、演じるキャラクタどころかゲームのタイトルすら伏せた状態で選考が進められたことや、収録中あまりにもシリアスに演じすぎたため、かえってリテイクが入ってしまったというエピソードなどを語っていた。

　一方「赤ステージ」では、楠田氏とお初役の小林早苗さん、ロベルト役の波多野渉氏の3人が登場。小林さんは収録時にモーションキャプチャーの映像(全身タイツのカプコンスタッフが出てくるらしい……)を見ながら役を演じるのが難しかったとコメント。さらに波多野氏からは、なんとスペイン語のセリフが登場する前代未聞の場面があり、収録に悪戦苦闘したことなどを熱く語っていた。

　最後に5人の声優陣が総登場し、実際の収録ですら実現しなかった本邦初公開の一斉アフレコを実演。波多野氏によるスペイン語のセリフも早速披露し、来場者にサービス精神旺盛なところを見せてくれた。

「新 鬼武者」の魅力を語る小野氏。「今回のメインキャラクタは、すべてこれまでのシリーズにはない完全オリジナルですが、ゲームが進むと過去のシリーズと何か関連することが出てくるかも……(意味深)」

「2002年にデビューして以来、主役に選ばれたのは今回が初めてなのでカプコンさんには感謝しています。人生賭けて頑張っていますよ!」(楠田氏)	「爺さんの役をやると聞かされて最初はビックリした。不安だったけどやってみたらできちゃった。声優をやっててよかったな～(笑)」(石川氏)	「女の子で柳生十兵衛という剣士の役ができるなんて思ってもみなかった。嬉しいですね」(ゆかなさん)

「主人公の秀康と、(敵の)豊臣方との間で揺れ動くお初の心の葛藤がうまく出るように演じました」(小林さん)	「初めのうちはスペイン語のセリフが全然読めなくてもうたいへんだった(笑)。掛け声も日本語版とスペイン語版の両方を収録してありますよ!」(波多野氏)

　ステージのセッティング変更後、現在ラジオ大阪、およびTBSラジオで放送中の番組、「新鬼武者プロジェクトプレゼンツ 赤鬼のパンツ!青鬼のパンツ!」の公開録音へと移行した。

　あらかじめ会場に持ち込んだリスナーからのハガキを声優陣が読み上げ、ときにはアクションを交えながら参加者の笑いを誘っていた。特に石川氏は兜をかぶって刀を振りかざし、文字通り読者のネタをメッタ斬りにするパフォーマンスを披露するなど、八面六臂の大活躍を見せた。さらにエンディングでは楠田氏が自らの失敗を責めるるお約束(?)の“自爆オチ”によるボヤキネタも披露していた。

公開収録の様子。石川氏が音頭をとり、読者のネタを次から次へとメッタ斬り! 楠田氏の独り寂しい“自爆オチ”がなんとも切ない……(面白い)

■幕張にて臨時法廷を開廷! 爆笑の「逆転裁判 蘇る逆転」プロモーションビデオ

　こちらのイベントは「TGS2005特別法廷」と題し、ニンテンドーDS用ソフト「逆転裁判 蘇る逆転」のプロモーション映像を流すだけであったが、その内容の濃さたるや半端ではない! なんと、わざわざこの日のために約20分間の特別シナリオを準備し、しかもフルボイスでの収録。本編制作時に勝るとも劣らない、スタッフの並々ならぬ意欲を感じさせた。

　さて、今回の法廷は主人公の弁護士、成歩堂龍一の助手である綾里真宵が、あるとき「逆転裁判 蘇る逆転」を遊んでいたことを御剣怜侍検事に突っ込まれるという設定で、本編では絶対にあり得ない完全なバラエティ志向。開廷すると、いきなり御剣が「(綾里が)直接プレーした場面は見なかったが、あのポケットに入っていたのは間違いなくゲームボーイアドバンスSPだ」と指摘すれば、すかさず成歩堂が「異議あり!」と叫び、綾里が持っていたのは実はニンテンドーDSであり、御剣がゲームボーイアドバンスSPと勘違いしたことを見事に暴き出すという内容だった。

　実は御剣はニンテンドーDSの本体すら存在していたことを知らず、おまけに成歩堂から「マニュアルには危険だからお尻のポケットにいれるな、と書いてある。そんなことをしたら違法だ!」などと突っ込まれ、散々な役回りを負わされる始末であった(笑)。

　白熱……もとい会場の傍聴席を爆笑の渦に巻き込んだ前代未聞の臨時法廷。はたして裁判長がくだした判決やいかに!? この後の結審を迎える“笑撃”の場面は実際に見てからのお楽しみ。このままお蔵入りしてしまうのがもったいないほどの完成度の高い「お笑い裁判」は必見だ!

大真面目にニンテンドーDSのことを知らなかった御剣を追及する成歩堂。この前代未聞の対決には、誰もが爆笑すること間違いなし!!

□カプコンのホームページ
http://www.capcom.co.jp/
□「カプコン 東京ゲームショウ」特設サイト
http://www.capcom.co.jp/game/event/tgs_2005/
□「東京ゲームショウ2005」のページ
http://tgs.cesa.or.jp/
□関連情報
【8月10日】カプコン、DS「逆転裁判 蘇る逆転」
タッチパネル操作をイメージしたFlash体験版を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050810/saiban.htm
【8月8日】カプコン、DS「逆転裁判 蘇る逆転」第5話の体験版を
iモード「逆転裁判i」にて無料で配信
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050808/saiban.htm
【7月8日】カプコン、DS「逆転裁判 蘇る逆転」
描き下ろしコミックなどを同梱した限定版を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050708/saiban.htm
【5月21日】【E3 2005】カプコンブース編
～新旧名作をそろえて来場者にアピール～
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050521/cap.htm
【3月12日】カプコン、法廷の舞台はGBAからNDSへ
NDS「逆転裁判 蘇る逆転」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050312/sai.htm

(2005年9月17日)

[Reported by 鴫原 盛之]