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★オンラインゲームファーストインプレッション★

カジュアルでありながら奥の深いゲーム性も併せ持つオンラインストリートバスケ
「クールにバスケ FREESTYLE」

  • ジャンル:インターネットスポーツ
  • 開発元:JoyCity Entertainment
  • 運営元:NHN Japan
  • 価格:アイテム課金(予定)
  • 対応OS:Windows 98/Me/2000/XP
  • 発売日:クローズドβテスト実施中


 NHN Japanが9月8日よりクローズドβテストを行なっているオンラインバスケットゲーム「クールにバスケ FREESTYLE」(以下、「FREESTYLE」)。ストリートの雰囲気と、スピーディーなゲーム展開、誰でも簡単に覚えられる操作性、初心者も気軽にプレイできる間口の広さ持つ作品だ。

 しかし、そういったハードルの低さを持つ一方で、バスケットボールの知識を持っている人が本作をプレイすると、一段と深いゲーム性が生まれてくる。この奥深さが韓国のユーザー間で高い評価を受けている理由だろう。筆者自身、プレイすることでその魅力を実感した。今回は「FREESTYLE」の概要と共に筆者の体験を紹介したい。


■ 「FREESTYLE」の基本操作と、ゲームルール

 「FREESTYLE」では基本的にカーソルキーと、W、A、S、Dの8つのキーを使う。カーソルキーでキャラクタの移動、Sキーはボールを持っていればパス、持っていなければスティール、Dキーはボールを持っていればシュートで、持っていなければブロックとリバウンドだ。初心者はカーソルキーによる移動と、このSとDのキーの役割を覚えればプレイできるだろう。

オンラインで対戦できる「FREESTYLE」。スピード感と簡単で覚えやすい操作性、奥深いゲーム性を兼ね備えた作品だ
ロード中に表示されるキーマップ。公式ページの説明を見なくてもこの画面だけでプレイ可能だろう
 Wキーはバックダウン、スクリーン、ボックスアウト、Aキーはドリブルによる突破やシュート牽制ができるが、これらのテクニックのほとんどがキャラクタを成長させスキルを取得しなくては使用できない。初心者はまず、パスワーク中心にチームと有機的に動き、チャンスにシュートを決めるということを心がければ充分だろう。

 ゲームはホスト役のプレーヤーがルームを作り、そこに他のプレーヤーが参加することで進行する。チームは最大3人まで、コートの半分だけを使うか、全面を使うかでルールが変わってくる。ハーフコートを使う場合は「どちらかが得点した場合に攻守が入れ替わる」、「相手のボールを奪った場合は一度ゴールを囲んで描かれる3ポイントラインの外に出さなくてはいけない」などの独特のルールがある。

 ゲームのスピーディーさ、駆け引きの楽しさが本作の醍醐味だ。ほぼ確実にパスが通る、反面ちょっとシュートを成功させるためにはタイミングが必要というゲーム性は、バスケットのルールを知らなくても充分楽しめる。アクションゲーム、スポーツゲームが好きなひとならば特にオススメである。

 オンラインで、他の人とチームを組んでゲームをするというのは、オフラインのゲームとはまた違った楽しさがある。1人でシュートを狙ってばかりでパスを回さない人にイライラするのも、絶妙な連携でシュートを決めた時、仲間から「Good job!」と声をかけられ喜びがこみ上げてくるのもオンラインゲームならではだ。

 日本でもヒットする可能性を充分に秘めた本作であるが、NHN Japanに日本でこのゲームを展開するにあたり、是非ともお願いしたいことがある。それは、「ゲームパッドに対応して欲しい」ということである。韓国と日本ではコンシューマゲームの歴史が違うからかもしれないが、本作はこれだけカジュアルなゲームながらゲームパッドに対応していないのだ。

 日本では特にこういったカジュアルゲームの場合はパッドでプレイしたいと願うプレーヤーは多いはずだ。なによりも、この「FREESTYLE」という作品が日本で受け入れられるために、ゲームパッド対応は必須となる要素だと筆者は思う。

ゲーム中、Cキーカメラを移動させ、ベストポジションを探すことでより快適にプレイできる。1~6までのキーにはメッセージが用意されていて、「Good job!」や「Sorry」といったメッセージを発信できる


■ スーパープレーヤーに成長していく「FREESTYLE」のキャラクタ

 「FREESTYLE」のキャラクタは身長、体格、性別など複数の項目を設定できる。この中で特に重要なのは、「ポジション」という項目だ。ポジションには中距離からの攻撃が得意な“フォワード”、スリーポイントシュートやドリブルでの切り込みなど遠距離からのアクションが得意な“ガード”、そしてゴール下の攻防に真価を発揮する“センター”の3つがある。自分の得意とするプレイスタイルに合わせて選択すると良いだろう。

自分の分身となるキャラクタゲームを進めることで外見も、性能もカスタマイズしていけるようになる
ゲーム開始時の演出。ストリートっぽい雰囲気が魅力だ
 とはいえ、ゲームを開始した当初実は筆者はこの3つがどんな存在で、どんな役割を与えられているポジションなのかまったく知らなかった。筆者のバスケットのポジションに関する知識は皆無だったのである。そんな筆者でもポジションの特性を覚えていくことでどんどん本作にのめり込んでいけた。

 筆者の感覚ではポジションはRPGにおける「職業」のような意味を持つように感じた。それぞれに決められた役割があり、得意な戦術がある。チーム内でそれを活かすことができれば、息のあった連携も可能だ。まずは好みで選び、それからそのポジションに合わせての戦術を研究したり、もしくは他のキャラクタを作ってみるというのも良いだろう。

 「FREESTYLE」では試合を重ねることで経験値を入手できる。経験値をある程度ためることでキャラクタはレベルアップし、ステータスが成長していく。試合では経験値と共に、BP(バスケットポイント)と呼ばれるポイントが入り、このポイントを使用することでよりキャラクタを個性的にすることができるようになる。

 BPを使えば、シューズやシャツ、アクセサリでキャラクタを飾り立てることができる。それに加えBPを使うことで、バックダウン、スクリーン、ボックスアウトといったテクニックを覚えることができる。ゲームのプレイを考える上では外見よりテクニックの方がはるかに重要だ。キャラクタの魅力を十分引き出すためにも、何よりも試合に勝つために、これらのテクニックは必須となっていくだろう。

 このBPを使った成長要素は、アイテム課金を前提としたシステムの一環である。このシステムは日本のプレーヤーの間で物議を醸し出しそうで少し興味深い。本作は誰でもすぐに参加できる手軽さ魅力であるが、レベルを上げ、スキルを多く入手したキャラクタの動きは初期キャラクタとまったく異なっていく。時間をかけて成長させたり、課金しているユーザーと、そうでないプレーヤーの戦力差がはっきりわかれていくゲームデザインなのだ。

 正式サービス時にはプレーヤー層がベテランと初期のキャラクタ達ではっきりわかれていくのかもしれない。日本で本作のプレーヤー達がどういった社会を作っていくかは興味深いところだ。

 “キャラクタのかっこよさ”についても少し触れておこう。本作はストリートスタイルのバスケットゲームであるが、キャラクタのモーションも非常にカッコイイのである。シュートを決めたときのポーズやアピールだけでなく、ダンクシュートや、背中越しのパス、高速ドリブルなど、普通のパスやシュートの操作しかしてないのに、キャラクタはスーパーテクニックを使ってプレーヤーに応えてくれる。まるで自分もスーパープレーヤーになったかのような気持ちになれる。この感触は本作の大きなセールスポイントであり、多くのプレーヤーに体験してもらいたいところである。

BPを消費して服を買う。キャラクタが団子状態になると自分のキャラクタを見失うこともある。おしゃれはそれを回避するためにも大事だ BPで能力をUPできるのも本作の特徴。課金時には更なるアップができるのだろうか 様々なスキル。多彩なスキルを使いこなすことで、よりテクニカルに戦って行けそうだ
BPを消費して服を買う。同じような格好をしたキャラクタが複数重なると自分のキャラクタを見失うこともある。おしゃれによる個性化はそれを回避するためにも有効だ BPで能力を上げられるのも本作の特徴。課金時には更なるアップができるのだろうか 効果的なシュートを決めるとキャラクタがアップに。爽快感がこみ上げてくる


■ 実際のバスケに興味を持つことで一層面白くなっていく試合の駆け引き

 ゲームの多くはプレーヤーの作ったルームに入り、すぐはじまるというパターンが多い。つまり、即席のチームを組んでプレイするという場合が多かった。この対戦スタイルは誰もが参加できるストリートバスケットの雰囲気をうまく表しているように感じた。

リバウンド成功! 役割を意識することで、より一層ゲームにのめり込む
センターという仕事を意識してスキルを選ぶ。キャラクタカスタマイズにも熱が入る
 パスを回し、シュートする、この2つの動作しかできずに、それでも楽しくプレイしていた筆者を変えたのは、「なんで君はセンターなのにゴールのそばにいないの?」というチームメイトの一言だった。

 瞬間的に筆者はパニックに陥った。センターって何? 筆者には最も基本とも言えるバスケット知識もなかった。自分のキャラクタのポジションがセンターだと言うこともそれまで自覚はなかった。何も考えず決めてしまったのである。キャラクタの特性にあったプレイをしないとこのゲームでは有利になれないのか? このままではチームに迷惑をかけてしまう、一体どうすれば?

 色々な疑問を抱えながらともかく筆者はゲームを中断し、ネットでバスケットにおけるセンターというものを調べてみることにした。キーワードで検索しても筆者にとっては理解しにくい専門的なページが多く、途方に暮れてしまったのだが、それでもぼんやりとセンターの仕事が見えてきた。どうやら、「リバウンド」が大事なようである。常にゴールの下でがっしり構え、相手や味方チームがはずしたボールを誰よりも早く確保する。「センターに求められる役割で一番重要なのはリバウンドだ!」、と書いてあるページを見て、筆者はとりあえずゲームで実践してみることにした。

 とにかくまずゴール下に。他の人がシュートをミスしたら飛び上がってそのボールを取る。それだけを心がけてプレイした時、ただ無目的にボールを追いかけていた今までのゲームの風景が全く違うものに変化したのだ。誰よりも早く動いてゴール下に位置する、リバウンドのチャンスは逃さない、遠距離で相手を引っかき回したガードのプレーヤーがボールをパスしてきたらすかさず決める決める。ポジションを意識しただけで、今まで以上にチームに貢献できるのである。

 リバウンドしやすいように、ゲームの視点も変えた。他のプレーヤーの動きが以前よりずっとはっきり見えてきた。プレイの目的、自分の役割を明確にすることでこれほどプレイの感触が変わってくるとは思ってもみなかった。

 そうやって動くようになって改めて気付かされたのはゲームを熱心にやりこんでいるプレーヤー達のうまさだ。フェイスアップを使って筆者をゴールの下へ行くのを阻む人、筆者の数倍リバウンドのうまい人、不注意なロングパスを巧みにカットする人……彼らのうまさがわかるほどに憧れもまた増してくる。

 センターの仕事もよりわかってきた。リバウンドを第一として、次に求められるのはそのポジションの確保と、相手のシュートをできるだけ失敗させること、すべてが難しく、特にボールの行く先を予測できず、ジャンプを失敗しリバウンドをとれない時が一番悔しい。筆者の中でリバウンドは完全に「自分の仕事」として心に刻み込まれていて、ゲームに一層のめり込んでいった。

 バスケットボールに関して少しでも知識がある人にとって筆者の経験は基礎中の基礎だろう。しかし、筆者は本作をプレイすることで、きちんとバスケットボールをプレイしているような気になれたのだ。本作は、バスケットの知識を活かせるゲーム性を持っているし、何よりもプレーヤー達との駆け引きにおいて、ストリートバスケをテーマにしたゲームならではのリアリティーがある。そのことを強く感じることができた。


■ オープンβに寄せる期待と乗り越えるべき今後の課題

 「FREESTYLE」は秋にオープンβテストを予定している。多くの人にオススメしたいタイトルであるが、ゲームパッドへの対応と共に、現在、ひとつの問題を抱えている。それはネット対戦しようとするときに、一部のプレーヤーが「仮想IPに問題があるためゲームをプレイできません」と弾かれてしまう問題である。

 キャラクター作成、ルーム選択まで可能で、いざゲームを始めようとするとこのメッセージが出てゲームが止まる。対象プレーヤーだけならまだしも、他の5人のプレーヤーもゲーム開始寸前で止められるという不快な思いをしてしまう。NHN Japanは、βテスト開始に対策を検討している旨のアナウンスを行なったが、9月13日現在、この件に関する続報は寄せられていない。

 対戦ゲームにおいてIPの不具合というのは比較的ポピュラーな問題といっていい。当然、韓国でも同様のトラブルがあったはずだし、何が原因なのかはわかっているものと見られる。しかし、何故その情報公開をためらうのか、これがよくわからない。クローズドテストとはいえ、現状ではテスターに対し、十分な情報提示が行なわれているとはいいがたい。同作の運営に不満を上げるとすれば、この1点だけである。

 原因がきちんと提示されれば条件を満たしていないプレーヤが気がつかずに参加をして他の5人がゲームを中断されるという現在の事態は避けられるし、判明した理由によっては、ルーターのポートを開放するなどユーザー側の努力で対応できる場合があるはずだ。

 「FREESTYLE」は韓国での人気も納得できる、非常にエキサイティングで楽しいオンラインスポーツゲームだ。それだけに、オープンβテストまでにはゲームパッドへの対応と、このIP問題は解決してもらいたいところだ。

とにかくゴール下に、とにかくリバウンドを、自分の役割を意識してプレイをする。少しでも入り口が見えてくると、もうちょっとバスケットのことを調べて、もっと活躍したいと思う気持ちがどんどん大きくなるのが面白かった

(C) 1997-2005 JC Entertainment. All Rights Reserved.


【クールにバスケ FREESTYLE】
  • CPU:Pentium III 800MHz以上(Pentium III 1.4GHz以上推奨)
  • メモリ:256MB以上
  • HDD:2.5GB以上
  • ビデオカード:Geforce2、Radeon 7000以上 (Geforce3、Radeon 7500以上推奨)


□NHN Japanのホームページ
http://www.nhncorp.jp/
□「ハンゲーム」のページ
http://www.hangame.co.jp/
□「クールにバスケ FREESTYLE」のページ
http://fs.hangame.co.jp/
□関連情報
【8月5日】NHN Japan、「FREESTYLE」の記者発表会を開催
アイテム課金制を採用したオンラインストリートバスケ
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050805/nhnjapan.htm
【8月3日】NHN Japan、オンライン専用バスケットボール「FREESTYLE」
日本国内での独占供給権を獲得。秋にβテスト予定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050803/free.htm
【2004年11月26日】KAMEX2004現地レポート
JoyCity Entertainmentブースレポート
「シェンムーオンライン」プレイアブルバージョンを出展!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041126/jce.htm

(2005年9月14日)

[Reported by 勝田哲也]


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