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KAMEX2004現地レポート

JoyCity Entertainmentブースレポート
「シェンムーオンライン」プレイアブルバージョンを出展!

会期:11月25日~28日 開催

開催場:韓国総合展示場(COEX)


 韓国のメーカーならではのMMORPGのノウハウによって、セガのアクションRPG「シェンムー」に新しい展開をもたらすという、「シェンムーオンライン」を制作しているのが、JoyCity Entertainment(以下、JCE)である。ブースではこのタイトルのプレイアブルバージョンを出展。さらに現在韓国で話題を集めているストリートスタイルのオンラインバスケットゲーム「Freestyle」の試遊台も大規模に設置し、初出展ながらGravityに次ぐ大きな出展を行なっていた。


■現在は30~40%「シェンムーオンライン」の完成はまだ先か?

中国の街を意識したブース。コンパニオンはチャイナ服で出迎えてくれる
ゲームの中に再現されたゲームセンター。本作が「シェンムー」であることを象徴している場所だ
細かく書き込まれた街、街を行き交うキャラクタ。実際の街を歩いているかのような体験ができる
 10台以上の試遊台を用意して、非常に力の入った出展を行なっていた「シェンムーオンライン」。プレーヤーがゲームをスタートすると、ムービーが流れ、美しい'80年代の香港の街があらわれる。本作は、「シェンムー第2章 香港」をMMORPGとして再構築、その世界の住人として様々な冒険が楽しめる作品である。

 街を歩いて最初に驚かされたのは、きちんと「シェンムー」らしさを再現した世界を構築していることだ。街の書き込みは非常に細かく、煉瓦造りの建物があり、ちょっと古くさい'80年代のファッションセンスの人々が闊歩している。当時の生活の描写にとことんまでこだわり、実在感を追求した「シェンムー」ならではの世界が、本作でも確かに感じられる。

 NPCたちが太極拳をしていたり、会話をしようとクリックすると拡大、老人のしわまで細かく書き込まれたテクスチャなど、ファンにはたまらない要素が随所に込められている。街を細かく歩けば、セガのアーケードゲームが展示してあったりと、「シェンムー」の世界の感触をそのまま再現していて、ニヤリとさせられた。

 今回出展されたバージョンではこの魅力的な街を歩くほかに、レーダーに赤く映る「敵キャラクタ」との戦いを楽しめた。敵キャラクタは街のちんぴら風で、工事現場でぞろぞろと歩いていて、ちょっと不思議な雰囲気だ。造形がリアルなだけに、いかにもMMORPGの敵キャラ然として歩いている姿には、ちょっとしたおかしさもある。

 戦闘の開始方法は相手に向かってカーソルを合わせてクリック。タイミングを合わせればコンボが決まり、さらにファンクションキーを押すことで必殺技が発動するシステムになっている。現時点では、3Dの描画にちょっと難があり、視点がころころと強制的に変えられ、相手にカーソルを合わせ続けるのが難しい。エキサイティングして連打すると、画面の奥の他のキャラクタをクリックしてしまいフクロにされてしまう結果に。

 インターフェイスに難はあるものの、戦いの描写には独特の高揚感がある。敵に強烈な攻撃がヒットすると光が出てくる様は「鉄拳」シリーズを彷彿とさせる派手さ。東京ゲームショウで公開されたムービーでは主人公達が「波動拳」のような気孔波をだしてユーザーを驚かせたが、バットを握り、光と共に攻撃する姿や、巨大な光の弾を相手にぶつけたりと、ゲーム的なケレン味を増している。

 かなり“超人”的な格闘の描写になってはいるものの、単純な攻撃に対して敵がきっちりガードしてくるため、相手の隙を見て攻撃をしたり、技をかわしたりとかなり駆け引きの要素もあると感じた。ムービーではPvP、さらに、多対1やチーム戦なども紹介しており、戦うことが非常に楽しみだ。コツをつかめば、格闘ゲームの強者のように隙のない戦いができるだけではなく、多人数の攻撃を華麗にさばき、反撃する拳法の達人のような活躍も可能になりそうだ。非常に魅力的な可能性を秘めたシステムといえるだろう。

 現在のところは、試遊台のあちこちでシステムが強制的に止まってしまったり、地形にハマって動けなくなってしまうなど、不具合も目立った。開発はまだまだこれからということだろう。

戦いの風景。様々な技、武器を使いこなすことができる
 スタッフに話を聞いたところ、現在はまだ「battle system program」ともいうべき段階で、全体から見た完成度は30~40%、まだまだこれから作り込んでいく。本作は韓国の他、中国、日本での展開が考えられているが、一番最初の韓国でのβテストが始まるのは2005年5月くらいになる。現在の設計では同時接続者数は1サーバーにつき4,000 ~5,000人。本作のゲームエンジンは「big world engin」というもので、基本エンジンはアメリカのものを使用しているとのこと。

 日本では期待されているタイトルであることを伝えると、スタッフはうれしそうに、「『シェンムー』オリジナルが持つ魅力をベースとして、私たちが持つMMORPGの技術により、コミュニティーや、対戦の駆け引き、仲間との協力など新しい魅力を加えていきたいと思っています。期待していてください」というメッセージを語ってくれた。

 「シェンムーオンライン」の試遊台の近くには、XORBISという会社によるコントロールデバイスも参考出展として展示されていた。モニターの前に大きなセンサーを設置することで、マウスの動きが制御できる。今回はゲームのキャラクタの3Dモデルを手で回転させることができた。しかし、現在のところゲームと連動させるのは少し難しいとのこと。格闘に特化している「シェンムーオンライン」なら、使い方によってはユニークな展開が可能かもしれない。

【シェンムーオンライン】
拡大するとよりリアルな表示に。顔のしわなど、「シェンムー」を踏襲するリアルさ 街を歩くとバトルポイントに。工事現場には敵キャラクタがうろついている バトルスタート。単純な攻撃は簡単にガードされてしまう
ファンクションキーを使うことで派手な必殺技が炸裂する 装備などを変えることができる 大きな本を持った女学生など、NPCは多彩だ
海に入り、ゲームが進められなくなってしまった。不具合が明らかになることも 会場で流れていたムービーでは子供のキャラクタの姿も ユニークなデバイスを参考出展。果たして採用されるのか?


■アーケードライクなオンライン対戦専用バスケットゲーム「Freestyle」

「Freestyle」の試遊台では向かい合ったプレーヤーと対戦が可能
簡単な操作で多彩なアクションが楽しめる
会場に設置されたコートでは有名プレーヤーを呼ぶだけではなく、自由にバスケットを楽しめた
 KAMEX2004の出展タイトルの中には、3Dアクションゲームも少なくない。「ポトリス」以降、アクション要素を持ったオンラインゲームを制作し続けている韓国ゲーム業界だが、今回出展された「Freestyle」は その完成度で、筆者に強い印象を与えた作品だった。

 本作は1on1から最大3on3まで可能なストリートバスケットゲーム。3Dグラフィックスで描画された空間を舞台に、攻撃側と防御側プレーヤーがひとつのコートを中心にボールを奪い合う。操作はカーソルキーと4つのボタンで行なう。A:defence/(移動しながらだと)drive、S:steal/pass、D:shoot/randam、W:screenとなっている。

 キーに対するレスポンスが非常に良く、アーケードゲームを思わせる快適な操作性は、欧米のスポーツゲームにも劣らない。それでいながらカートゥーンレンタリングされたキャラクタはいままでのリアルな絵柄とは違ったライトなプレイ感をもたらしてくれる。レンタリングの画風もかわいすぎるものではなく、青年マンガ風な大人っぽいもので好感が持てる。キャラクタのデザインはHip-Hopを意識したストリートファッションに身を固めている男女。背の高さや動き、ジャンプ力などで違いがある。

 従来の欧米のバスケットゲームとの最大の違いは「オンライン専用」ということ。シングルプレイ用のモードはなく、対戦者が入ってきた時点でゲーム開始となる。プレイした感触からいえば、1on1ではボールをとったりとられたりが激しく、少し大味な印象を受けた。これは筆者だけではなく、対戦した来場者もまだ操作に不慣れなことも大きいだろう。

 会場で流されていたムービーでは華麗なパスワークやフェイントで相手を幻惑し、一気に切り込むなど実際の勝負さながらの派手なシーンが次々と展開、実際にこういったプレイができれば楽しいだろうなあと思わせた。

 本作を見て感じたのは、「ボイスチャットの必要性」である。特に仲間内にしか届かないチャットが行なえれば戦略的に非常に有効になる。本作ではプレイ中とてもチャットはしてられない。一瞬の油断がミスになる本作にはキーを使わないボイスチャットこそがふさわしい。

 しかし、現在では残念なことに搭載の予定はないとのこと。制作者が、プレイをしているときにできるだけキー使わないようにしていることは明かで、本作は韓国産の3Dゲームでありながら、視点移動にマウスを使わず、Cを押すだけでいくつかの固定視点にチェックできる。プレイをしながら素早く最適な視点に変更できるようにしているのだ。マウスに手を伸ばしている間はキャラクタ移動が不能になる。そういった欠点に気がつく制作者が、ボイスチャットの重要性に気がつかないはずがない。技術的なブレイクスルーに期待したいところだ。

 本作がゲームパッドへの対応を考えられていないところも考えさせられた。韓国ではゲームデバイスに対応したゲームは少ないが、本作には非常にマッチする予感があるだけに、残念だった。

 本作は現在クローズドβテスト中、12月10日からオープンβテストに移行するという。現在のプレーヤーは2,000人ほど、オープンβでは最高で20万人を獲得したいと考えているという。本作は音楽にも非常に注力していて、使用している曲は韓国で非常に高いグループのものとのこと。「シェンムーオンライン」で日本にパイプのあるJCEだけに、こちらの作品の日本展開にも期待したいところだ。

【Freestyle】
ストリートスタイルのバスケットゲーム。オンライン専用で、キャラクタのカスタマイズや成長要素もある

□KAMEX2004のページ
http://www.kamex.or.kr/2004/eng/
□JoyCity Entertainmentのホームページ
http://www.jceworld.com/
□関連情報
【2004年09月24日】TGS2004ブースレポート ~セガ・サミー編~
PC「シェンムーオンライン」国内サービス開始は2005年!?
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040924/tgs_ss.htm

(2003年11月26日)

[Reported by 勝田哲也]


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