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【連載第31回】ゲームライフに役立つグッズをレポート
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UMDの内部に入った汚れを取ろう! 乾式と湿式クリーナーの2製品を試す |
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。
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PSP用メディアと言えば「UMD」だ。携帯用ゲーム機PSPに、汚れや傷が付くのが非常に怖い光ディスクのメディアを使用するということで不安がよぎったもの。だが実際のUMDはディスクを専用のケースで覆ったものであり、安心感の強いものだった。
PC用のDVD光ディスクメディアで言うと、DVD-RAMが専用のカートリッジごとドライブに挿入するタイプのものでUMDに近い存在。だが、カートリッジ形式のメディアとしては、UMDには一点だけ他と異なる部分がある。それがシャッターの存在だ。カートリッジに取り付けられたシャッターはディスクの挿入時に開閉するようになっており、普段はホコリの侵入からディスクを守ってくれるというものだ。
しかし、UMDはそのシャッターの機構がなく、カートリッジからは読み取り部のみディスクが常に露出しているというものなのである。コストの都合からか、もしくは、これぐらいの露出であれば大きな問題は起きないという判断なのかは定かではないが、なんとなく読み取り部からのホコリや汚れの侵入が気になってしまうのがユーザーの心情だろう。
というわけで、今回のゲームグッズ研究所では、そんなUMDのディスクに付着してしまったホコリや汚れをクリーニングできるというゲームテックの「ほこりとるとる廻して取るP」とサイバーガジェットの「CYBER・クリーニングキット(PSP用)」の2種類を紹介する。
● 「乾式」と「湿式」のUMD用クリーニングキットが登場!
・「ほこりとるとる廻して取るP」
メーカー:ゲームテック
価格:1,260円
発売日:2005年08月26日
ゲームテックから発売されたばかりのUMDクリーニングキット「ほこりとるとる廻して取るP」だ。あとに紹介するもう1種類のクリーニングキットと比べ、ディスククリーナーとクリーニングクロスが同梱されている比較的簡単なセットだ。
ディスクのクリーニングキットには大きくわけて2種類が存在する。乾いたクリーナーヘッドでクリーニングを行なう「乾式」と、専用のクリーニング液をクリーナーヘッドに塗ってクリーニングする「湿式」だ。「ほこりとるとる廻して取るP」は前者の「乾式」である。一般的には「湿式」のほうがクリーニング効果は高いのだが、「乾式」はクリーニングの手軽さが魅力なので、一長一短というところだろう。
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付属品はディスククリーナー本体とクリーニングクロスの二つ。右の写真に見える青いクリーナーヘッド部がUMDをキレイに拭いてくれるという仕組みになっている |
実際のクリーニング工程も簡単。ディスククリーナーにUMDをセット、ケースを閉じてロックし、クリーナー底面部を指で回すとUMD内のディスクが回転! クリーナーヘッドがディスクをキレイにしてくれるという仕組みになっている。
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実際の手順は簡単。ディスククリーナーにUMDをセットし、フタを閉め、背面部を手で回せばクリーニングされる。背面部には指をかけることができる窪みがあるので回転させやすい |
・「CYBER・クリーニングキット(PSP用)」
メーカー:サイバーガジェット
価格:オープンプライス
発売日:2005年08月20日
こちらはほぼ同時期に発売されたサイバーガジェットの「CYBER・クリーニングキット(PSP用)」だ。「ほこりとるとる廻して取るP」が「乾式」のクリーニングキットだったのに対し、こちらは「湿式」。付属品にはディスククリーナーとクリーニングクロスのほか、スペアのクリーナーヘッドが2個、クリーニング液が同梱。さらにMS-Duoの端子を掃除できるMS-Duoクリーナーカードがおまけでついている。
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付属品が豪華な印象の「CYBER・クリーニングキット(PSP用)」スペアのクリーナヘッドの存在が嬉しい |
クリーニングの工程は「ほこりとるとる廻して取るP」とほぼ同様だが、大きく異なるのが「湿式」特有のクリーナーヘッドにクリーニング液を塗るという点だ。実際にクリーニング手順を記してみると、まず、ディスククリーナーのクリーナーヘッドにクリーニング液を少量塗り、キレイにしたいUMDをクリーナーにセット。フタを閉じてケースにある取っ手を回すと、中のUMDが回転してクリーニングが行なえるというものだ。
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左の写真にあるフタの黒いものがクリーナーヘッド。ここにクリーニング液を塗布するのだが、付けすぎないように注意しよう |
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クリーニング液を塗布したあとはUMDをセット。フタにある取っ手を持ち、ぐるぐると回してクリーニングを行なう |
「ほこりとるとる廻して取るP」と比較して、同梱内容が豪華な湿式クリーニングキットとなっている。価格はオープンプライスだが、サイバーガジェットの通販サイトでは1,200円で販売されているので実売価格はほぼそれに準じていると考えてよいだろう。価格の比較では今回紹介している2種類はほぼ同価格、「ほこりとるとる廻して取るP」にはない、スペアのクリーナヘッドやMS-Duoクリーナーカードの存在が嬉しいという点では、「CYBER・クリーニングキット(PSP用)」に軍配が上がりそうだ。
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こちらは付属のMS-Duoクリーナーカード。これを差し込むだけでメモリースティック DUOスロットの接点をクリーニングすることが可能だ |
・「指紋汚れ」と「スープ汚れ」の2種類のUMDでクリーニング性能を検証
では、実際のクリーニング効果を見ていこう。効果を見るためにはディスクが汚れてしまったUMDが必要不可欠! ということで、研究所では2枚のUMDを用意してみた。1枚は指紋をベタベタベタベタと光ディスクにつけたもの。うっかりUMDを扱う際に読み取り部から光ディスクに触ってしまったというシチュエーションを想定したものだ。もう1枚はある食べ物のスープを数滴ディスクにたらすという難易度の高いものだ。こちらはスープを付着させてから1日時間を置いて乾いたものを使用してみた。今回はこの2種類の汚れたUMDを2枚ずつ、合計4枚用意した。
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指紋を執拗につけたUMD。写真では分かりにくいが指紋がベッタリとついている |
指紋汚れをつけたUMDからクリーニングを実施。まずは乾式の「ほこりとるとる廻して取るP」だ。UMDをセットしディスククリーナー底面部を指で回す。UMDは磁石で固定されており、クリーナーヘッドの密着度も高いようだ。指で回すと記述したものの、手ごたえが強いため手のひらで底面部を回すほうが楽だった。
10周ほどUMDを回転させて取り出してみるとあらかたキレイになった。多少、最後にヘッドが触れていた部分に汚れが見えるものの、これは構造上いたしかたないだろう。ホコリなどが集まってしまったような状態だ。付属のクロスで取り去ってしまえば問題はない。
お次は、湿式の「CYBER・クリーニングキット(PSP用)」で清掃を開始。クリーナーヘッドにクリーニング液を塗るのだが、ここでは塗る量に注意したいところ。あまり塗りすぎるとディスクに液が残ってしまうためだ。実際は1、2滴ほど塗れば充分である。
UMDをセットし、ハンドルを回してグルグルとディスクを回転させる。クリーニング中の手ごたえは「ほこりとるとる廻して取るP」より少し弱いものの、充分ヘッドが密着しているのを感じることができる。こちらも同じく10周ほど回転させたところでUMDを取り出す。指紋汚れはキレイに取れており、心なしか乾式のものよりも光の反射などが美しいように感じられる。感触の違いがあったものの、執拗につけた指紋汚れはどちらもキレイにすることができた。通常の使用でついた汚れ程度ならばどちらの製品でも問題なくクリーニング可能と言ってよいだろう。
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ラーメンのスープを垂らすという、高難易度の汚れがついたUMDでもクリーニング性能をテスト |
お次はラーメンのスープを2、3滴たらしてしまったという、ちょっと通常では考えられないレベルの汚れがついたUMDをクリーニングしてみよう。乾式の「ほこりとるとる廻して取るP」にこのスープ汚れUMDをセットし、グルグルとクリーニングを行なってみたところ、残念な結果が出てしまった。なんと、スープ汚れはグルリとUMDを1周する形に広がってしまい、さらに汚くなってしまったのだ。正直ラーメンのスープ汚れはやりすぎたのだろう。
このままではイケナイということで、乾式クリーニングの大事なテクニックである「温かい息ハァハァ」を駆使し、UMDのディスク面を入念に湿らせて何度も何度もクリーニングを実施。回数を重ねるごとにキレイさを取り戻すUMD。およそ6、7回息で湿らせたクリーニングを行なったあたりで充分なキレイさを取り戻すことができた。ディスクを湿らせるのは非常に重要なテクニックだ。
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左の写真は円状に汚れが広がってしまったところ。写真右は息で湿らせて何度かクリーニングを行なった結果だ。まだ多少汚れの跡が残っているがだいぶキレイになった |
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クリーニング液を多めにつけることで汚れが取れたものの、液がディスクに残ってしまった。乾いているスペアヘッドでふき取り、事なきを得た |
同じく別に用意してあったラーメンスープ汚れのUMDに湿式の「CYBER・クリーニングキット(PSP用)」でチャレンジ。こちらはクリーニング液を使用するということでかなり期待が持てる。さっそくクリーニング液を2、3滴クリーナーヘッドに付けてクリーニングを実施。取り出したUMDを見ると、乾式ほどではないものの輪になったスープ汚れが残ってしまっていた。やはりラーメンスープは強烈すぎたようだ。
再度クリーニング液をつけなおしてクリーニングを実施するも、スープ汚れはなかなか取ることができない。そこで、クリーニング液を多め塗り、グルグルとクリーニングを実施。UMDを見てみると、スープ汚れはほとんど取れたものの、今度は拭き取りきれないクリーニング液がディスク上に残ってしまった。そこでクリーナーヘッドをスペアのものに交換。乾いたクリーナーヘッドでさらにクリーニングを行ない、残ったクリーニング液を取り除くことに成功した。結果は、多少手間がかかったもののキレイなUMDの姿を取り戻すことができたのであった。
・UMDの手入れはドライブの負担軽減にも繋がる?! 汚れが気になったらすぐにクリーニングしよう!
今回はUMDのクリーニングキット2種類を試してみたがいかがだっただろうか。通常考えられる指紋汚れ程度ならば、どちらの製品もスッキリと取り去ることができた。UMDはカートリッジにディスクが収められているため、クリーニングクロスだけだと、できなくはないのだが掃除がしづらい。手軽にクリーニングを行なうことができる製品の登場はありがたいところだろう。
スープをたらしたUMDという、ある意味暴挙とも言える実験を行なったものの、どちらの製品でも工夫次第でキレイなUMDにすることができたのは嬉しい結果だった。ちなみに、クリーニングクロスで光ディスクやレンズを清掃するときと同様に、クリーナーヘッドにホコリなどが付いてしまっていないかには気をつけよう。もしホコリなどが付いている状態でグリグリとクリーニングをしてしまうと、ディスクに傷が付いてしまいかねないからだ。
光ディスクの汚れは、ドライブの読み取り側に負担をかける可能性もある。汚れが見えるようなUMDがある、という方は、ぜひこれらの手入れを行なって頂きたいところだ。
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□ゲームテックのホームページ
http://www.gametech.co.jp/
□サイバーガジェットのホームページ
http://www.cybergadget.co.jp/
(2005年8月31日)
[Reported by ゲーム環境向上委員会]
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