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ガンホー代表取締役社長森下一喜氏インタビュー
「ラグナロクオンライン」の今後の戦略を聞く

8月21日収録

会場:ディファ有明

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントのプライベートショウ「RAGNAROK ONLINE Japan Championship 2005」が成功裏に幕を閉じた。出展をあえて「ラグナロクオンライン」1タイトルに限定し、さらに扱うコンテンツもGvG(Guild vs Guild)に絞って、延べ2,000人の参加者というのは、掛け値なしに凄い数字であり、コミュニティの育成を重視してきた同社の戦略が結実した結果とも言える。

 ガンホーイベント恒例の社長インタビューでは、同社のフラッグシップコンテンツである「ラグナロクオンライン」の戦略的な部分を中心に話を伺ってみた。

■ 「RAGNAROK ONLINE Japan Championship 2005」の手応え

編: RJC2005を開催してみての感想をお聞かせ下さい。

森下一喜氏: ギルド戦に焦点を当てたイベントを開催したのは今回が初めてです。昨年はいろんな物を展示して見せていく、その中のひとつとしての対戦イベントという位置づけでした。また昨年の大会では韓国に行くことが前提だったので、年齢制限など様々な参加条件がありました。今年はそういう条件を撤廃した影響で、昨年よりずっと多い応募がありました。

 募集開始した初日は結構スローペースで「厳しいかな」とも思ったのですが、結果としては予想を上回る参加があって、正直なところほっとしています。それとともに、それだけの人気があるコンテンツであることを実感しました。

編: 来場者にカップルや女性が多かったのが他のゲームイベントに比べて特異なイベントだなと感じたのですが、これについてはいかがですか?

森下氏: 「ラグナロクオンライン」のプレーヤーには女性の方も多いですね。「A3」、「TANTRA」といったタイトルに比べると「ラグナロクオンライン」自体は戦闘や戦争がメインというわけではなく、コミュニティー中心の和やか雰囲気がある作品です。RJCはギルドそのものの意味合いも攻城戦などだけではなく、オフラインも絡めた遊び方として提唱したかったのです。ギルドとして頂点に立つのだけが目的ではなく、チームワークや顔を合わせての協力プレイとして付加価値をつけていこうと思っています。

編: RJCは森下社長の思い通りのイベントになりつつあるという感じでしょうか。

森下氏: 「ラグナロクオンライン」は今年で3年目になりますが、ユーザーに飽きさせないような取り組みを育てていきたいというのがひとつ。それからMMORPGは終わらないマラソンみたいなものですから、RJCのようなスポーツ感覚で競える要素をオンラインゲームの中に取り入れていければと思っています。

 韓国ではすでに(「ラグナロクオンライン」の)プロゲーマーもいて、ギルドの頂点に立つカリスマギルドのような存在も出てきています。日本でもこういった市場が大きくなっていけば、「ラグナロクオンライン」でギルド戦はあまり興味がないなと思っている人にも、よりわかりやすく見えてくるようになるでしょう。

 昨年は他にも色々なイベントが絡みながらやっていたので、RWCの予選も何をやっているかわからない、というところもあったのですが、今年はギルド戦だけに焦点を絞る形でそれに対して掘り下げてユーザーに対して説明をしていく、ということを今後もしていければと思います。

編: このGvGトーナメントという、イベントにGvGを使うというアプローチは今後も続けていく?

森下氏: 続けていきたいですね。ただ、GvGだけではなく、RJCというのは「ラグナロクオンライン」の夏の祭典のひとつですので、ただみんなで集まるようなオフラインイベントもありだし、「ラグフェス」のようなイベントもあり続けるべきだと思います。

編: もともと「ラグナロクオンライン」のイベントは、「RAG-FES」を協賛するという形で始まり、協力関係を維持したまま現在に至っていますが、コスプレなども含めたそういった同人コミュニティーとのパートナーシップは今後どうなっていくのでしょうか?

森下氏: もちろん続けていきます。「RAG-FES」はユーザーが主導で、自分たちが運営したい、という熱意で動いているイベントです。私達はそれに当然バックアップしていきます。今回のように公式イベントと一緒にやっていこうというものも当然あります。

 同人などはユーザー自身がもり立てていこうという思いがあるからこそ成り立っている部分があります。そこを企業がやって制限をかけてしまえば伸びなくなってしまう。我々はあくまでバックアップをしていきたいと思っています。

編: 「ラグナロクオンライン」のイベントで驚かされるのは、コスプレをするユーザーの多さですよね。今後もどんどん増えていったらどうなるのだろうという(笑)

森下氏: コスプレするユーザーが増えているのはいいことだとは思いますよ。ユーザーさん全員がコスプレをするというのはないと思いますけど(笑)。「ラグナロクオンライン」自体に最終的な目的は設定されていないので、例えばあるユーザーはギルド戦での頂点を目指し、単純にゲームの中で目的を見いだすとか、コスプレや同人に楽しさを見つけるとか、イベントそのものを自分たちで企画するとか、どんな楽しみ方もできると思います。「ラグナロクオンライン」の楽しみ方のひとつとしてコスプレがあるという認識をしています。

 我々としては、様々な目的を持った人たちが分け隔てなく集まれるような場を提供していければと考えています。その結果、コミュニティの動きがどんどん活発化していけばと考えています。実際ゲームの中にもいろんなコミュニティが点在していますし、劇団をやっている人までいます。「そういうコミュニティーもあるんだね」とユーザーが気づいてくれるような、色々な集まりがあって良いと思います。

 みなさん全員がコスプレを楽しむと言うことはないとは思いますが(笑)、キャラクタに愛着を持って自らコスプレしてくれることはうれしいことですし、企業としてはありがたいことです。こういったファンに対しても是非やってもらいたいということで色々なコスプレグッズも売っていますからね。

編: ただ、世間一般の感覚から言って、これほどコスプレイヤーを優遇するゲームメーカーというのもないと思いますよ。

森下氏: ないですか、ないかもしれませんねえ(笑)。ただ、そこはパッケージとオンラインの違いだと思いますね。ビジネスモデルの違いだと思います。オンラインゲームのビジネスモデルは長期的なものです。これを成立させるにはファンを育てていくしかない。ユーザーにはやっぱりどっぷりはまってくれるようになってもらいたい。

 パッケージビジネスの場合は単発単発でゲームが面白ければいいということはあるかもしれません。例えば「2」が出たからと言って「3」が出るとは限らないわけですし、しかし私達は「ラグナロクオンライン」をずっと続けていかなくてはならない。そこは考え方もビジネス的なポリシーも全然違ったものになります。


■ 「ラグナロクオンライン」の今後の展開

真っ黒に日焼けして精悍さを増した森下社長。
編: ビジネスモデルというお話が出ましたが、「ラグナロクオンライン」の月額課金というビジネスモデルは今後も変えていくつもりはないのでしょうか?

森下氏: 変える方針は今のところありません。今の1,500円を変えるというよりは、どれだけ自分たちの時間をこのコンテンツに割いてくれるかという事で考えれば、この間の携帯コンテンツの発表でも言ったことですが、1,500円プラスαの部分を充実させていきたい。移動中でも携帯でゲームを動かして、家に帰るとオンラインで反映されている。こういった形のビジネスモデル。お客単価のビジネスモデルに、プラスαの部分を加えていきたいと考えています。

 将来的な価格体系については、もちろん、マーケットの動向に応じて柔軟に考えていかなくてはいけないと思っています。アイテム課金というビジネスモデルについては、「ラグナロクオンライン」はもともとそういったモデルを考えて作られていないので、慎重に考えなくてはいけない。ただ、オンラインゲームのビジネスが変化していく中で柔軟に考える部分は残しておきたいですね。

編: ガンホーは「エミル・クロニクル・オンライン」(ECO)や「ヨーグルティング」など多数のMMORPGをラインナップとして持っていますが、今後の「ラグナロクオンライン」の位置づけはどう変化しているのでしょうか。

森下氏: 筆頭タイトルには変わりません。ガンホーが会社として立ち上がったファーストタイトルであり、会社としての看板タイトルです。ただし、今後のタイトルも基本的な概念としては同じ扱いです。すべて同等に扱っていきます。ECOがオリジナルタイトルだからといって特に優遇するということはありません。

 各タイトルごとにチームが結成され、小島のチームや飯野のチームがあったりと、各チームが競争して切磋琢磨して共に成長していこうと。売りきりのビジネスではなく、あくまで育てていくと言うことを念頭に置いています。

 ただ、個人的には「ラグナロクオンライン」はファーストタイトルで、これで会社を立ち上げたということで格別の思い入れはあります。しかし、会社の経営者としてはすべてのタイトルを平等に育てていきたいと考えています。

編: 今後の「ラグナロクオンライン」の展開について教えてください。

森下氏: 収益が「ラグナロクオンライン」に依存しているとよく言われるのですが、リスク情報としては確かに入れているのですが、我々企業としてはさしたる問題にしていません。「エミル・クロニクル・オンライン」が利益を上げれば経常利益率は上がっていくけれども、「ラグナロクオンライン」ものばしていこうと思っています。

 今年は「ラグナロクオンライン」はRJCという形で新しい挑戦もしているし、「ラグナロクオンライン」自体にも、プロモーションやマーケティングの所で大がかりなことを考えています。

編: といいますと?

森下氏: 年内に明らかにする予定ですが、具体的なことはまだ言えません。

編: ヒントだけでもお願いします。

森下氏: ライトユーザー層やゲームをやらない人たちに対して「ラグナロクオンライン」をアピールしていくという考え方です。

 例えば今年、ドミノピザさんとのタイアップで、ピザを頼むと無料のプレイチケットとチラシが入っていて「ラグナロクオンライン」の名前がピザの入れ物に貼られているという事をして露出の機会を増やしました。

 他にも今までのアピールはアニメファンやマンガが好きな人や、ネットカフェに行く人に向けてのものが多かったのですが、今後はコンビニなどでもっと一般層へアピールできればと思っています。

 そのほかにも、都内ではなく地方に多くのチェーン店を構える「WonderGOO」さんと提携して、地方にもユーザーをどんどん広げていこうと思っています。「WonderGOO」さんは携帯電話もやって、本や雑誌も売っていて、レンタルビデオもやっている。ゲームソフトも音楽CDも売っています。地方のメディアステーション型のお店で、「ラグナロクオンライン」をやったことのない人や聞いたことはあるけどよく知らないという人に、1コーナー全部をガンホーのゲームで埋めていきます。

編: それは「ECO」と同じようにアピールしていくということでしょうか?

森下氏: 今回はたまたま「ECO」のキャンペーンとして発表しましたが、「オンラインゲームゲート」として「WonderGOO」の店内にコーナーが設置されます。本当は「ガンホーゲート」にしたかったんですけどね(笑)。

 プレイステーション 2や任天堂のハードのコーナーと同じ形で設置されます。それぞれのコーナーには試遊台や最新作のソフトが展示されていて、その横に同じようにガンホーのタイトルを紹介していきます。今回はECOのキャンペーンで「WonderGOO」との提携を発表しましたが、「ラグナロクオンライン」をはじめとしたすべてのタイトルの紹介を行ないます。ここで地方から新しいユーザーを発掘していきたいと思っています。

 年内の“大がかりなもの”は、そうした展開とはまたチャネルが違うのですが、新しいものを用意しています。

編: それは例えば週刊誌などへの連載ですか?

森下氏: そういうものではないですね。

編: 露出を増やすと?

森下氏: 露出というか新たなフックを用意してあげると。

編: マルチプラットフォーム展開というわけではないですよね。

森下氏: そういうわけではないですね。ドミノピザはヒントのひとつです。チケットがついていますよね。新しいユーザーにも楽しい体験が待っているし、既存の方にも意味があるという……。

編: コンテンツ的な部分での今後の戦略はどのようなプランを考えているのでしょうか?

森下氏: 今回のような遊びの提唱をもっと広げていく一方で、ゲームとしての深さをもっと出していきたいと当然思っています。アップデートでは補えない部分がどうしても出てきてしまうので、既存ユーザーのレベルがどんどん上がっていく上でのフォローもしていきたいと思っています。

 現在も続けていますが、不正行為に対する対策も続けて行かなくてはいけません。ゲームとして深みを出していきつつ、不正行為の対策を行なっていく。これが基本的な方向です。

編: 深みを出すというのは具体的にどんなことでしょうか?

森下氏: これは見せ方としてはいろんな形があると思います。例えばRJCで、攻城戦には参加していなくてもギルドとしてこういうスポーツ感覚の対戦もあるんだと提案するとか、イベントできっかけづくりをやるとか。

編: しかしRJCやGvGに関しては、もともとGravityのアイデアで、それを使っている部分がありますね。私はどうしてもアマツプロジェクトを思い出してしまうんですけれども、ああいうガンホー発のプロジェクトはもう今後出てこないのでしょうか?

森下氏: 今は不具合に対処するというプロジェクトがずっと続いています。グローバルプロジェクトに関してはアユタヤまで行きましたので、またどこかのタイミングで、これはできるかどうかわかりませんが、日本独自のシナリオを含めてちょっと出したいなあと思っています。

編: 日本独自のシナリオですか?

森下氏: そうです。「A3」のフラグシップと同じように、弊社もゲームアーツと協力関係にありますから、そういう新しいストーリー性のあるものを加えられれば面白いかなと思っています。韓国や日本のゲームメーカー、アジアの中でデベロッパー同士が協力的な体制が作っていけたらと思いますね。


■ 次回の「RJC2005 Winter」は地方開催

編: 今回、RJC2005は日本単独開催と言うことで、世界の強豪との戦いが見られないのはちょっと寂しい感じがありますね。

森下氏: 今回に関してはRWCという形で行なわないという開発元の意向だったので、各国ごとになりました。もともと日本ではRJCを開催しようと考えて計画をしていました。我々の考え方としても、まず日本でギルド戦というものをきちんとクローズアップしていきたいと思っていました。

 昨年は、制限事項も多かったし、韓国に行っても勝てなかったりと、満足できる結果が残せませんでした。そこで、まずは日本できちんとギルド戦を提唱し、じっくりやっていこうと思いました。RJC2005からがPvPやギルド戦を提唱していくスタートだと捉えています。

編: 去年のイベントではいろんなコンテンツが出展されて、本当にGvGが好きな人が来ているかどうかわからない部分がありましたが、今回GvGに特化したことで、本当に好きな人が集まっていることがわかりました。これは運営側としても大きな収穫だったのではないですか?

森下氏: 昨年のRWCでも参加はしていないけど興味がある人が結構いるんだなと思ったんです。去年の東京ゲームショウでも一番お客さんが集まったのがギルド戦のエキシビジョンマッチだったんですね。「意外とみんな興味がないというわりには人集まってるじゃないか!!」というのがあって、だとするとGvGだけでもいけるんじゃないかと目算は立ちましたね。

編: これだけ盛況だと、今回で終わりではなくて次の大会も考えていると思います。次は世界大会に戻るのでしょうか。それとも引き続き日本単独の開催ですか?

森下氏: 日本独自の大会は、日本独自でやり続けます。各国のパブリッシャーが協力した世界大会というのは、やりましょうよという話になれば、我々としてもぜひ参加したいと思っています。オリンピックのように4年に1回とか、そういう形でもいいなとは思っていますけれども。

 RWCに関しては、Gravityから話を聞いてみると想像以上に大変だったみたいで、日本が主催するとなるとこれは大変な覚悟がいるなと。運用方法とかがきちんとできれば良いんだろうと思うのですが……。2年に1回とか、3年に1回とかRWC Yearという形で開催できれば良いなとも思います。それとは別に日本では独自のRJCを定期的に開催して、ギルド戦やPvPをもっと盛り上がるような状況にしていけば、世界戦でも勝てるようになると思います。

編: 定期的というのは?

森下氏: できればまた冬にもやりたいなと。

編: イベントの中身はどのようなプランを考えているのですか?

森下氏: まだRJC2005も終わってませんから(笑)。やるとすれば次回はRJC2005 Winterという感じになるでしょうが、今回のいろんな反省点を含めて、来たお客さんにももっと楽しんでもらえるようにしていきたいですね。

 私が考えていることは、今回は東京で開催したので、次は他の地域で開催するのも良いのかなと思っていますけど。実際今日観戦に来たお客さんは都内の人が多いのか、地方から来てくれた人が多いのか知りたいですね。

 RJCに限らず、本当は都内だけではなく各地でイベントを開催できるぐらいの市場規模になってくれればもっとやりやすくなってくれると思うんですけれどね。昨日たまたまテレビを見ていたんですが、北海道、東京、大阪とかでイベントを開いている。昔からこんなことは言っていたんですが、そういうふうになれればいいなあと。

編: RJCの全国キャラバンという形ですか。今の10万人では足りませんか?

森下氏: そうですね、そうなるためにはもっと市場を広げないとなあと。もっと大きくなってほしいと思います。

編: もっと大きくとはどれくらいでしょうか?

森下氏: 「ラグナロクオンライン」単独では考えにくい部分があるのですが、同時接続者数で今の倍、20万人いてくれれば、今の状況とはだいぶ違ってくると思います。

編: そういえば、今回のイベントではGravityのキム会長の姿が見られませんでしたね。「ラグナロクオンライン」における両社のパートナーシップが薄れてきたのかな、という印象もあるのですが。

森下氏: まったくそういうことはありません。基本的には何も変わっていません。

編: やはり両社とも大きくなって、なかなかスケジュールがつかないというような側面もあるのでしょうか?

森下氏: そうですね。Gravityは、Nasdaq上場企業ですから、市場規模が違います。「アメリカの労働省を訪問したり、何カ国も回って大変なんだよ」なんて話はよく聞いてますから、昔のようにいつもキム会長がいるということは難しいですね。こちらが韓国に行って話をしたりとか、定期的に会って話をしたりとかはしています。


■ 「ラグナロクオンライン2」以後の「ラグナロクオンライン」

編: 今回イベントに参加してみて、あらためて「ラグナロクオンライン」の人気の高さを実感しましたが、ユーザーがやはり気になっているのは次のバージョン、「ラグナロクオンライン2」(以下、RO2)だと思います。ガンホーさんが手がけるのか、そうでないか、そもそもやる気があるのかないのか、というところも含めて、ズバリいかがでしょうか?

森下氏: やる気はありますよ。それが最終的にはどういう形になるかは、今は何も発表できませんけれども。

編: 東京ゲームショウでGravityは「RO2」に関して、発表を行なうということをアナウンスしていますが、その席に森下さんはいらっしゃるのでしょうか?

森下氏: すごく遠回しに聞いてきますね(笑)。危うく応えそうになりました。ブースは隣同士と言うことで、仲良くやっていこうと。今の時点では何も言えません。

編: 前向きに考えて良いのでしょうか?

森下氏: それも答えられません、今の時点では何も言えません。

編: ファンの多くは、2はどこがやるのか、その時1はどうなってしまうのか、という2段構えの興味を持っていると思います。私が知る限り、1と2でパブリッシャーが違うというのは聞いたことがないのですが?

森下氏: どういう結果になるのかはお楽しみにしてください。とにかく今は本当に何も言えないですよ!!(笑)。「RO2」に関しては今はどういう展開になるかはわからないけれども、ぜひお楽しみにしてください。

編: 質問を変えますが、ガンホーさんがやるやらないに関わらず、近い将来「RO2」は、日本でもリリースされるでしょう。「RO2」以降の「ラグナロクオンライン」の展開というのはどのようなものになるのでしょうか?

森下氏: 「ラグナロクオンライン」はこのままきちんとやっていくというスタンスは変わりません。仮にガンホーが「RO2」をやったとしても、基本的に作品は別物です。「ラグナロクオンライン」の運営も続けていきますし、当然「RO2」は「RO2」で伸ばしていく。ユーザーが移るということもあるとは思いますが、戻ってくるユーザーもいると思います。お客さんが築いてきたコミュニティというものを、ずっと続けていけるようにしていきたい。

編: そうすると考え方としては、「RO2」は「ラグナロクオンライン」の後継作ではあるけれども、ワンソースマルチユースの一環のような、1もあって、2もあって、モバイルもあるようなイメージですか?

森下氏: 一応後継作ではあるのですが、オンラインゲームは後継作品という考え方がないじゃないですか。作品としては別の作品ですよね。ゲームというのは本来そういうものだと思うんですよ。例えば弊社に近い話で言えば、「グランディア」は1、2、3と出ていますが、作品としてはコンセプトを「冒険」としていて、その中において、恥ずかしいぐらいに冒険という子供的な少年のあこがれというところで作っています。

 2も3もそれは変わらないんだけれども、作品としてはまったく別物ですよね。今回の3だって、冒険というコンセプトや、食事のシーンのこだわりなどは入れていて、“魂”的な部分は共通している。けれども3は空の話ですし、作品としては別なんだよと。

編: 仮にガンホーさんが「RO2」を手がけるとして、同時並行して「ラグナロクオンライン」も今まで通り続けていくということですね。

森下氏: そうです、やっていきますよ。

編: 最後に「ラグナロクオンライン」ユーザーに対してメッセージをお願いします。

森下氏: RJCはこれから日本でもちゃんと定期的に開催していきたいと思っています。今回初の試みとしてPvPに焦点をおいてやってみたのですが、今後はもっと気軽に参加できるようにしていきたいと思っていますので、ちょっとでも興味があればギルドを誘って、定期的なイベントとして参加してもらえれば嬉しいなと思います。

 今後いろんなコンテンツが出てきますが、我々としては「ラグナロクオンライン」はファーストタイトルとして一番大事なタイトルなので、これはこれできちっとのばしていきたいと思っています。これからも一緒に育てていければいいなと思います。

編: ありがとうございました。

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(C)2005 GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

□ガンホー・オンライン・エンターテイメントのホームページ
http://www.gungho.jp/
□「ラグナロクオンライン」のページ
http://www.ragnarokonline.jp/
□関連情報
【8月22日】ガンホー、「RAGNAROK ONLINE Japan Championship 2005」を開催
上位職開放で大いに盛り上がったPvP大会、Episode 5.0は今秋実装
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050822/rjc_01.htm
【8月22日】RAGNAROK ONLINE Japan Championship 2005」レポート
ロキサーバーのCafeが優勝、現行ルールによる最も優れた戦術とは?
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050822/rjc_2.htm

(2005年8月24日)

[Reported by 中村聖司]



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