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会場:ディファ有明
「ラグナロクオンライン」ファンにはお馴染みの同人イベント「RAG-FES 10」が併催されたこともあり、ディファ有明の入り口には開場前から100人を超えるファンが列を作った。協賛メーカーとしては、バンダイネットワークス、ブロッコリー、ムービック(アニメイト)、セガ・ロジスティクスサービスなどが入り口通路に即席のブースを設け、関連商品の即売を行なった。 開会式では、ガンホー代表取締役社長森下一喜氏が挨拶。前日に家族で流れるプールに行き真っ黒に日焼けしていた森下氏は、猛暑をふまえ来場者の健康に気を配りつつ、控え室となっている2階エリアにいる選手達へ向けて「チームワークを見せてほしい」と発破を掛けた。またゲストとして、ラグナロ娘の乾曜子さん、七園未梨さんの2人、そしてRAG-FES事務局代表の前川浩史氏も登壇。前川氏は「ガンホーさんの協力がなかったらとっくに干されている前川です」と挨拶し、場内の笑いを誘った。 いまや「ラグナロクオンライン」に欠かせない存在となったRAG-FESは今回で都合13回目の開催。参加サークルは78組で、「過去のRAG-FESと比較しても多い方ではないが、先週がコミケだったことを加味すれば上々の数字」だと前川氏はいう。ディファ有明から徒歩圏内の東京ビッグサイトでワンダーフェスティバルが開催されており、両イベントを掛け持ちで行き来した来場者も多かったようだ。 さて、メインイベントであるRJCは、開会式終了後の午前11時から終日かけて実施された。応募ギルド総数は500以上におよび、抽選に選ばれた256ギルドからさらにオンライン予選を勝ち抜いた16ギルド(内2ギルドは欠場)が最強ギルドの名を賭けてトーナメントを戦った。トーナメントの詳しい模様については、別途お伝えするつもりである。 「ラグナロクオンライン」の本格的なPvPイベントは、昨年7月に実施されたRAGNAROK ONLINE World Championship(RWC)、そして昨年9月の東京ゲームショウに続いて今回で3度目となる。RJCという名前からもわかるように、RWCのような世界大会ではなく、日本限定の大会となっている。 レギュレーションもRWCから大きく変貌している。もっとも大きな違いは2-2次職、そして上位2次職も選択可能になったところだ。RWCでは、ナイト、ブラックスミス、ウィザードといったところが花形だったが、今回はモンク、アサシンクロス、プロフェッサーといった昨年選択できなかった職業が花形となり、より戦術性の高い戦いが展開された。 RWCは、制限時間をフルに使った持久戦、相手のミスを待つ消耗戦という側面の強い試合展開が目立ったが、RJCは上位職が多数開放されたことにより、打撃力が格段に向上し、早い場合だと2、3分で大勢が決するようなスピーディーな試合が増えていた。中でもモンクの阿修羅覇凰拳は、下準備に時間が掛かるものの、まともに食らえば一撃必殺という史上最強の攻撃スキルで、多くのギルドがモンクを攻撃の軸にしていた。守りの要は、セージの上位二次職プロフェッサーで、モンクとプロフェッサーを中心としたスリリングな攻防が見ていておもしろかった。
「ラグナロクオンライン」のPvPは、同じ職業でも、パラメータの振り方、スキルの取捨選択、使用カードの選択によって、まるっきり性能の違う職業になるため、編成を見ただけでは試合展開が読めないところにおもしろさがある。決勝トーナメントで気づいただけでも、仲間を回復しながら阿修羅覇凰拳を撃つモンクや、クローキング(身を隠すスキル)して背後から阿修羅覇凰拳を撃つモンクなどがいて、そうしたトリッキーな戦術を使うたびに会場が大きく沸いた。「ラグナロクオンライン」は、必ずしもPvPを主体としたMMORPGではないが、PvPシステムの水準は非常に高いと言っていいだろう。
あとで制作担当の廣瀬氏に話を聞いてみたところ、実装時期を含めた具体的な内容の紹介や、ファンを「おっ」と言わせるサプライズ情報は東京ゲームショウで発表するという。具体的な発表内容はこれから詰めていくとのことだが、ぜひ注目したいところだ。 決勝戦はフェンリルサーバーのPenrirと、ロキサーバーのCafeの2本先取マッチとなった。使用マップはRWC決勝と東京ゲームショウの特別イベントで使用された天空マップ。数々の強豪を下して勝ち上がってきた両ギルドだけに慎重な試合展開が予想されたが、3試合ともモンクの阿修羅覇凰拳を皮切りに一瞬で試合が動いた。1本先取を許したものの、2、3試合目を連続で取ったCafeが優勝となった。優勝したCafe、準優勝したPenrirにはそれぞれ、神器やMVPボスカード、天使/悪魔のヘアバンドなど、ゲーム内アイテムが贈られた。 廣瀬氏はRJCについて、「ワールド(サーバー)の垣根を越えたPvP大会が開催できた」とホッとした表情でコメント。圧倒的過ぎる存在感を示したモンクについては、「阿修羅覇凰拳が強いことは判っていて、採用するかどうか揉めた部分ではありますが、ディスペルなど防ぐ手段は複数あったので最終的に採用を決めた」という。今後の課題としては「応募したのに抽選で参加できなかったギルドがいたのが残念。スタッフに限りがあるので限界はあるが、何か対策を考えたい」とのこと。ちなみに、森下氏は、閉会の挨拶で次回開催を確約した。次回RJCはよりよいイベントになることを期待したいところだ。
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□ガンホー・オンライン・エンターテイメントのホームページ (2005年8月22日) [Reported by 中村聖司]
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