|
会場:システムソフト・アルファー本社ビル
発表会は会社内の一角で行なわれた。今回発表されたのは「インペリアルフォース 2」、「沈黙の艦隊2」、「スーパーエアーコンバット4」、「現代大戦略2005~(サブタイトル未定)~」、「大戦略VIII」の5タイトル。
システムソフトは数年に一度、「これはいける」という手応えを感じた時に、メディアを福岡に招待して発表会を行なうという。今回は特に「若い」スタッフの起用をアピールしたかったとのことで、新タイトルは彼らによって解説が行なわれた。システムソフトはこれからのタイトルは、新しい力を積極的に取り入れ、開発に役立てていくとのことだ。
■ こだわりのAIにより、歯ごたえのある戦いを実現「インペリアルフォース2」 「インペリアルフォース2」はシステムソフト・アルファーとイレギュラーズアンドパートナーズ株式会社の共同開発の作品。2005年9月末発売予定で、価格は10,290円、対応OSはWindows XP/2000/Me/98。
前作「インペリアルフォース」はNECのPC-9801シリーズ向けに発売されたSFシミュレーションゲーム。プレーヤーは1つの母星を拠点に周辺惑星に宇宙艦隊を派遣、他の星を次々と支配下に置き、他勢力と激しい争いを繰り広げていく。 「インペリアルフォース 2」では、基本路線は前作そのままに、AIの強化により複雑な戦況を生み出している。世界には20もの勢力が存在し、広大な宇宙を舞台に、それぞれの版図をのばすべく活発な活動を行なっていく。プレーヤーは彼らと激しい競争をしながら勢力を広げて行かなくてはならない。 センサーを強化した艦を集めた探索部隊で周囲を探索し惑星を探し出し、周辺惑星を支配下に置く。惑星を内政コマンドで発展させ力を蓄え、より強力な艦隊を作っていく。国の力が大きくなればさまざまな艦艇が制作できるようになり、武装も増えていく。いかに他の勢力より早く強力な艦隊を作り、勢力を拡大していくかが鍵になる。 ゲームの展開は「探索の世紀」、「国王の世紀」、「皇帝の世紀」の3つのフェイズにわかれる。「探索の世紀」とは各勢力が未知の惑星を求めて外に広がっていく時代。そしてすべての惑星が探索され尽くしたときに、群雄割拠の「国王の世紀」を迎えることになる。限られた惑星を奪い合い弱小勢力がつぶされていく時代だ。やがて「三国志」のような、巨大な勢力が争う「皇帝の世紀」となる。銀河帝国をうち立てるべく、巨大な勢力が大兵力で戦う時代になるのである。 今作のAIはプレーヤーと同じルールに厳密に従いながら、非常に効率的に戦いを進める極めて賢いものになっている。山本氏は、「このAIが作りたいがためにゲームを作ったといっても過言ではないほどにこだわりました」と語る。とても歯ごたえのある戦いが楽しめるという。デモプレイですら敵勢力にどんどん押しよられジリ貧の展開になっていってしまった。このバランスの調整が現在の課題とのこと。
ゲームの難易度は6種類を予定。難易度はAIの判断するためのタイムラグや、艦隊編成の合理性や運用方法などで変化をしていく。援軍の出し方といった「判断力」で差をつけていく。初心者はCPUの動きを見てより効率的な運用方法を学んでいくのも可能だという。ゲームのコツをつかみ、激しい争いを生き残るためにはプレーヤーはかなりの試行錯誤をしなくてはいけないようだ。「生き残るために、ぜひ“悩んで”ください」というのが、山本氏からのプレーヤーへのメッセージである。
■ コミックスのクライマックスシーンを体験! 「沈黙の艦隊2」 「沈黙の艦隊2」はかわぐちかいじ氏のコミック「沈黙の艦隊」を題材にしたリアルタイムシミュレーションゲーム。発売予定日は2005年9月末、価格は10,290円、対応OSはXP/2000/Me/98。
本作には「キャンペーンモード」と、「シナリオモード」の2つのモードがあり、キャンペーンモードで各シナリオをクリアしていくごとにシナリオモードで挑戦していくシナリオが増えていく。シナリオには、コミックスを原作とした様々な状況が再現されている。敵勢力との戦いの他、124話にある氷塊の回廊を抜けるシーンなども盛り込まれている。 潜水艦を操縦する操舵画面や敵艦などを探査するソナーなどは、潜水艦の操作パネルをそのまま再現。プレーヤーは数値を頼りにやまとを操る。3Dマップ画面に切り替えることで、敵や周りの状況をグラフィカルに認識できるが、この画面を見ながら潜水艦を操縦することはできない。 操縦は舵を動かして行なうほかに、直接目的座標をデジタル指定することも可能だ。潜水艦シミュレーターとしても随所にこだわりの要素が盛り込まれており、例えばソナーにはアクティブソナーやパッシブソナー、さらに曳航ソナーなども用意されている。魚雷の種類などにも原作ファンをうならせる細かい設定が採用されている。 3Dマップ画面により、潜水艦や艦船との戦いの駆け引きがより視覚的にわかりやすくなっているのも興奮させられる要素だ。3Dグラフィックスは潜望鏡画面でも使用されており、海に浮かぶ船を至近距離で観察することも可能だ。 原作では孤立無援のやまとが魚雷などの補給を受けられず、どんどん追いつめられていくが、ゲームでもその展開を忠実に再現。プレーヤーは残弾数も頭に入れて、効率的な戦いを目指さなくてはならない。本作は難易度設定が用意されており、「初級」ならば、最初の武器の支給数が大きくなっている。原作に近い困難な状況は「上級」で再現されている。
ゲームの合間には原作のコマを使ったムービーシーンが展開音や動きを持たせた独特の演出がされており気分を盛り上げる。また艦長室では海江田のようにじっくりとクラシック音楽を鑑賞できるなど、原作ファンにはニヤリとさせられる要素がたくさん盛り込まれている。
■ アクアシステム開発の最新鋭戦闘機フライトシム「スーパーエアーコンバット4」 システムソフト・アルファーのフライトシミュレーターシリーズの最新作「スーパーエアーコンバット4」は「銀翼」や「プチコプター」シリーズを制作したアクアシステムが開発を担当している。発売予定日は2005年11月、価格は10,290円、対応OSはWindows XP/2000/Me/98。
操縦のリアルさよりもカジュアルなゲーム性を追求した「フライトシューティング」的なベクトルを持つ作品となる予定で、ストーリーを追って戦場を転戦していくキャンペーンモードや、次々と出てくる敵と戦うアーケードモードを搭載。操作方法も初心者にわかりやすくした「シンプル」とマニア向けの「テクニカル」の2つが用意されている。ラダーやスロットルのついたジョイスティックの他に、ジョイパッドにも対応、キーボードでも充分プレイが可能だ。 ゲームではコクピット画面でのプレイが中心になるが、自機を背後から見る視点や機体前方から見る視点なども用意されている。ゲームでは戦闘の他に、ハリアーとF-35というふたつのVTOL(垂直離着陸機)ならではのホバリングや横滑りといった特殊な機動を活かした要素も盛り込まれるという。
筆者がユニークに感じたのはコクピット視点で、両側にミサイルがせり出して表示されるところ。現実ではあり得ない描写であるが、自分がどんなミサイルを積んでいるかをわかりやすくするための表現だという。リアルさよりも、間口の広い、カジュアルに戦闘機での戦いを楽しませようという姿勢がはっきりわかる演出である。
■ イラク撤退や日韓攻防の他、アメリカ本土での戦いも収録「現代大戦略2005」 「現代大戦略2005~(サブタイトル未定)~」は、軍事ジャーナリスト・清水 信一氏監修の元、時事ネタを盛り込んだ国家間の戦いを描くシミュレーションゲームシリーズの第5作。価格、発売日、スペックは未定である。
「現代大戦略2005」ではゲームシステムは、「大戦略パーフェクト2.0 DX」をベースとして改良を加える。今までのシリーズではマップはヘックスごとのグラフィックで描かれていたが、今回は「リアルマップ」を採用。実際の地図のような凹凸のある地形、都市によって市街地の大きさが変わったりと臨場感のある描写でマップを描き、そこにヘックスで区切りをつけ、さらに拠点などの概念を表示する。 このマップはあくまで視覚的なもので、ルール上は前作までと変わらない。プレーヤーは任意にヘックスのグラフィックの集合体である前作までのマップ表示に切り替えることができる。この他にもバリエーションのある戦闘シーンの表現を可能にするなど今作では視覚的な改良が多く加えられる。
また、初心者向けにルールや兵器を簡略化したシンプルモードや、登場兵器をより細かく見ることができる「3D図鑑」など、「大戦略パーフェクト2.0 DX」で盛り込まれた要素が本作にも追加される。
■ 発売まではもう少し先か? 「大戦略VIII」 2005年1月に制作が発表された「大戦略VIII」。現在もまだ価格、発売日とも未定のままである。開発状況を聞いたところ、「色々な問題に、ようやくめどがつきそうだ」とのことで、開発は難航している様子である。
ゲームは静止状態である2Dマップで戦略を練り、3Dマップで進行を見守っていく。刻々変化する状況を予測し、3D画面でその成果を確認する。実際に戦場にいるような臨場感を目指してゲームの開発は進んでいる。藤本氏がこだわっているのは地形の描写。高低差のある丘を登りきったとき、開ける視界に敵を見つける、といった戦場の雰囲気を再現したいとのこと。 画面ではトラックの移動のシーンなどを見ることができたのだが、目的地を指示すると道路をはずれて林を突っ切って進んでいく。ヘックス画面でのそういった動きは今までもあったのだが、3D画面で見ると道を外れ、林を突っ切っていくトラックの姿は少し不自然に感じた。今後調整が必要だろう。 また、今回のバージョンではまだ戦闘画面の描写がダミーのもので、実際に兵器同士が戦っているところを見ることができなかった。リアルタイムに進行し、敵と出会った時にどうやって戦いを仕掛けるのか、その自然な描写はまだ今後の課題だという。
3D画面でつぎつぎとカメラを切り替えていくと、陸、海、空のユニットがそれぞれ作戦に従って進行していく様子が描写されるのはとても興奮させられる。しかし、ゲームの「華」である戦闘シーンがまだなため、完成度に関してはまだまだという印象もある。今後の展開を見守っていきたいタイトルである。
□システムソフト・アルファーのホームページ (2005年8月3日) [Reported by 勝田哲也]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c)2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|