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PS2「ファイナルファンタジーXII」試遊レポート
ステージイベントでは植松氏がテーマソングを発表

7月30日~31日 開催

会場:幕張メッセ 9~11ホール



■ 発売日は2006年3月16日!

ムービーの最後で突然発表された発売日
 「スクウェア・エニックス パーティ 2005」の目玉タイトルとなる、プレイステーション 2用RPG「ファイナルファンタジーXII(以下、XII)」。事前の告知どおり、200台もの試遊台が設置された。10時の会場直後から多数の来場者が列を作ったが、流れは比較的スムーズ。ブース内では15分から20分程度試遊できた。

 試遊レポートの前に、発売日決定のニュースがある。速報でも紹介したとおり、発売日が2006年3月16日になると発表された。大々的に書かれていたわけではなく、ブース正面のスクリーンやメガステージで流されたムービーの最後に、何気なく表示されていた。あまりにあっさりした発表だったので逆に心配になったが、これで間違いないそうだ。ただし価格はまだ未定という。

 まだ半年以上先の発売ということで気の長い話ではあるが、これまで数度の延期発表があったことを考えると、発売日が確定したことはひとまず歓迎できるニュースだろう。



■ 「FF XI」ベースのシームレスバトルシステムを採用

ブース内には200台の試遊台がずらりと並ぶ。2つのステージを選択してプレイできた
 まず、この記事中に書かれている情報は、あくまで記者がプレイした内容から書いたもので、オフィシャルな情報ではない。また出展された試遊台もあくまでデモバージョンなので、製品版とは異なる内容になる可能性がある。この点はご了承いただいた上で、可能な限り詳細なレポートをお届けしよう。

 この会場が日本初公開となった試遊台は、戦闘に特化した内容。ウェイトモードがデフォルト設定された「フォーン海岸」と、アクティブモードが設定された「ミリアム遺跡」の、2つのステージを選択してプレイできた。使用するキャラクタも異なり、「フォーン海岸」では、ヴァン、パンネロ、バッシュの3人、「ミリアム遺跡」はアーシェ、フラン、バルフレアの3人が登場した。

 オフライン用としては「ファイナルファンタジーX」の次という位置づけになる本作だが、戦闘システムはまるで異なる。決定的な違いは、フィールド画面と戦闘画面の区分けがないこと。フィールド上には最初から仲間キャラクタやモンスターが表示されており、モンスターに近寄って攻撃の指示を出すと、戦闘画面に移ることなく、そのままの画面で敵に走りより、武器を抜いて攻撃を始める。

 キャラクタの操作は、左アナログスティックで移動、右アナログスティックで視点変更(三人称視点のカメラ位置移動)。ある程度のアレンジはされているが、操作方法やキャラクタの挙動は、オンラインゲームになった「ファイナルファンタジーXI(以下、XI)」に酷似している。

 「XI」と似た要素は他にもある。例えば、全てのモンスターが好戦的というわけではなく、近寄っても襲ってこないモンスターもいる。また、エレメンタル、ボムといった魔法生物が、プレーヤーが使用した魔法に反応して攻撃してくることや、キャラクタの魔法詠唱時のモーションなども、「XI」のテイストが感じられる。本作のベースに「XI」のシステムやアイデアがあることは間違いない。

 とはいえ本作はオフラインゲームなので、そこはきちんと調整されている。仲間キャラクタは基本的に、プレーヤー(パーティメンバーの誰かをリーダーとして設定し操作する)にあわせてオートで動くが、個別に行動の指定も可能。またウェイトモードでは、コマンド選択を表示している際にゲームの進行が停止する。対してアクティブモードでは、コマンド選択中も仲間やモンスターが行動を続けるため、オフラインゲームでありながら、非常に「XI」に近い印象を受ける。



■ 「緑魔法」や「召喚」システムなどの新要素

 コマンド選択画面から「魔法」を選ぶと、さらに小分類メニューが表示される。今回確認できたのは「白魔法」、「黒魔法」、「時空魔法」、「緑魔法」の4種類。この中で「時空魔法」はあまりなじみがないし、「緑魔法」という分類はこれまでにも聞いたことがないものだ。

 気になる「緑魔法」を開くと、「プロテス」と「シェル」があった。これだけでは判断できないが、どうやら補助系の魔法が含まれているようだ。また「時空魔法」では、「スロウ」と「ドンムブ」という、敵を阻害するタイプの魔法が使用できた。「白魔法」は補助魔法を除いた回復系、「黒魔法」は純粋な攻撃系といった内容。

 またコマンド選択画面には、「召喚」という項目があった。使用できたのは、ヴァンとアーシェの2人だけで、かつMPがフルの状態に限られていた。使用するとMPが0になり、派手な演出とともに召喚獣が現われる。召喚獣が登場している間は、他のパーティメンバーは姿を隠し、召喚したキャラクタと召喚獣の2人でパーティ扱いとなる。

 召喚獣は非常に高いHPと攻撃力を持つ。ただし行動は指示できず、完全にオートで動く。MP量の表示はなく、代わりにその部分にタイマー表示があり、時間がなくなると召喚獣は消えてしまう。強力ではあるが、発動時にMPがフルでなくてはならず、かつ使用後は0になることを考えると、迂闊に使っていいものではなさそうだ。召喚獣が消えた後は、自動的に通常のパーティ構成に戻る。

 ヴァンが召喚したのは「ハシュマリム」という、両手が大きなハサミ状になった人型の召喚獣で、これまた派手な演出とともに「大地の怒り」という大技を発動していた。またアーシェは「ベリアス」という、大きな仮面をつけた人型の召喚獣を呼べた。こちらは「ペインフレア」という魔法のような攻撃を仕掛けていたが、「大地の怒り」のような大技は出なかった。あくまでオートで動くため、大技の発動条件は確認できなかった。



■ ユーザーフレンドリーな仕掛けの数々

 システムが大幅に変わっただけでなく、シリーズを重ねてきた上で、より遊びやすくするための仕掛けも色々と仕込まれている。

 「ファイナルファンタジー」シリーズでは、モンスターの属性が非常に重要で、中には特定の属性魔法を吸収してHPを回復するものもいる。本作では、敵を魔法などで攻撃しようとすると、画面上部に敵の弱点属性が表示されるようになった。これに合わせれば、確実に効果的な攻撃を仕掛けられる。

 戦闘中はパーティメンバーがほぼオートで動くが、どの敵を攻撃しているか、あるいは誰を回復しようとしているかがわかりにくい。そこでキャラクタの頭上から色のついた線が伸び、誰をターゲットしているかを視覚的に表示する。

 戦闘で減ったMPは、アイテムで回復できるが、歩いたり戦闘したりしているだけでも徐々に回復していった。ただし回復量は微々たるもので、静止していると回復しない。ダンジョンなどでMPを節約しながら進んでいけば、長時間の行動も可能になるかもしれない。

 フィールド上でモンスターに近寄ると、そのモンスターのHPがバーで表示される。このHPバーの色で、交戦的なモンスターか、攻撃してこないのかが判別できる。また戦闘中の敵のHPもリアルタイムに反映され、残りHPが一目でわかる。

 マップには時々、宝箱などが落ちているが、これに接近すると「!」マークが画面に表示され、近くにアイテムがあることを知らせてくれる。柱の裏側や岩陰など、視界に入りにくい場所にあっても、近寄れば勝手に反応して知らせてくれるので、取り逃す確率は下がるだろう。

 このほか、攻撃が連続してヒットすると、画面右下に「CHAIN 3」などという表示が見られた。これにどんな効果があるかは確認できなかったが、パーティメンバーと連携して攻撃するような仕組みが備わっているのかもしれない。

 またユーザーフレンドリーというわけではないが、面白いシステムが確認できた。「フォーン海岸」にいるモンスターのマンドラゴラだが、同じフィールドにいるモンスターのスレイプニルと仲が悪いらしく、出会うと戦闘を始めてしまう。「フォーン海岸」ではスレイプニルを倒すことが目的となっており、マンドラゴラと喧嘩しているスレイプニルを攻撃すれば、簡単に倒せてしまうという仕組みだ。これも「XI」っぽさを感じるが、モンスター同士が戦っているというシチュエーションは見ていて面白い。

 そしてふと気になったのが「逃げる方法」。戦闘がシームレスに起こるので、「逃げる」コマンドは存在しない。自分でキャラクタを動かして、遠くに走り去ることになる。このとき、R2ボタンを押すと「ESCAPING」という文字が表示され、オートで行動していた仲間も攻撃をやめてついてくる。R2ボタンを押さないと、リーダーだけが逃げてしまうことになるので注意。ある程度距離を取ると、敵は諦めてもとの場所に引き上げていった。



 今回は戦闘パートのみ、かつ数十分程度の試遊だったが、それでもこれほど多くの仕掛けが見つかった。画面の美しさや滑らかさは、「さすがはファイナルファンタジー」と感じられるクオリティの高さ。またプレイ中のデータロードが全く感じられないなど、体験版でも驚くほどきっちりした作りこみがなされている。

【スクリーンショット】
試遊台のほか、ブース前のスクリーンやMEGAシアターでムービーを公開。MEGAシアターではキャラクタを紹介する新しいムービーが見られた



■ 植松氏作曲のテーマソングを発表

 初日の14時30分から開催されたステージイベント「ファイナルファンタジーXII プレミアムステージ Vol.1」には、植松伸夫氏が登場。宣伝プロデューサーで「THE BLACK MAGES」のギター担当でもある岡宮道生氏とのトークショーが行なわれた。

 ステージではまず、「THE BLACK MAGES」の活動についての紹介が行なわれた。5月のE3に合わせて行なわれたロサンゼルスでのコンサートや、1月に行なわれたライブなどを、映像を交えながら紹介。「ファイナルファンタジー」シリーズの戦闘の音楽を中心にロックアレンジした曲を演奏するバンドだが、植松氏から「アレンジは、やりたいメンバーがやっている」という意外な一言も飛び出した。

 そして主題の「XII」については、発売日決定の発表に加えて、テーマソングが発表された。作曲は植松氏が担当。植松氏自身、「車の中でこれだけを繰り返し聴いている」というほどの満足のできだという。歌うのは、アンジェラ・アキさんという女性シンガーソングライター。インディーズでは既に高い評価を得ており、9月14日に「HOME」という曲でメジャーデビューを果たす。

 アンジェラさんの起用を決めた植松氏は、「大きな映画やゲームで、有名な人とタイアップするのはありがちでしょう? それはそれでもいいんですが、僕はあまりそういうことを考えない。その時に出会った歌声でひかれた人を選ばせてもらっています」と理由を説明。「アンジェラさんの声を聴いた時、これだと思った。でもアンジェラさんは声だけじゃなく、弾き語りのピアノがすごく好き。ものすごく力強くて、説得力があるんですよ」と、アンジェラさんを高く評価しているようだ。

 完成した曲のタイトルは「Kiss Me Good-Bye」。アンジェラさんが作詞した英語の曲になっている。発表と合わせてステージで紹介されたアンジェラさんは、「初めて曲を聞かせてもらったとき、何てステキな曲だろうと思いました」と感想を述べた。

 会場では、既に2週間前に完成しているというその曲が披露された。実際はベース、ドラム、ギター、ストリングスが入ったものになるそうだが、会場ではアンジェラさんのピアノ弾き語りによるライブ演奏で発表。ゆったりした曲調で、アンジェラさんの透明感のある歌声が、ピアノでさらに際立つように感じられた。「これはこれで録音しておきたいぐらい」と植松氏もお気に入りの様子だった。



 このステージの後、CD販売コーナーにて、植松氏のサイン会が行なわれた。ファンひとりひとりと声を交わしながら手渡しした植松氏は、「またコンサートをやってほしいとみなさんから言われましたが、来年からのコンサートも企画しています」と発表。詳しい内容は明かされなかったが、今後の発表にも注目していきたい。

 なお、31日16時からは、サウンドコンポーザーの崎元仁氏が登場するステージ「ファイナルファンタジーXII プレミアムステージ Vol.2」が開催予定となっている。こちらの様子も後日お伝えする。

ステージイベントは事前に整理券を配布。それでも立ち見が出るほどの人気だった ステージに上がった植松氏。「THE BLACK MAGES」の紹介から開始 「THE BLACK MAGES」でギターを担当する岡宮氏とトーク
「XII」のテーマソングを歌うアンジェラさんは、メジャーデビュー前の新鋭アーティスト 完成版とは異なる、ピアノ弾き語りでテーマソングが披露された 植松氏はその後もサイン会を実施。終始笑顔でファンに答えていた


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□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.com/jp/
□「スクウェア・エニックス パーティ 2005」のページ
http://www.square-enix.co.jp/party05/
□「ファイナルファンタジーXII」のページ
http://www.ff12.com/
□関連情報
【7月30日】スクウェア・エニックス、「スクウェア・エニックス パーティ 2005」開催
「FFXII」の発売日は2006年3月16日に決定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050730/sep.htm
【2004年5月6日】スクウェア・エニックス、PS2「ファイナルファンタジーXII」
発売時期を変更
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040506/ffxii.htm
【2003年11月19日】スクウェア・エニックス「FF新作制作発表会」を開催
「ファイナルファンタジーXII」がヴェールを脱ぐ!!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20031119/ff12.htm

(2005年7月30日)

[Reported by 石田賀津男]



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