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年内正式サービス開始予定
今後のスケジュールとしては、クローズドβテストの情報を近いスケジュールで発表。その後にオープンβに移行し、年末までには正式サービスを開始する予定だ。クローズドβテストは少人数のものではなく、「負荷テストを行なうくらいの人数を募集する」とのこと。クローズドβテストでは基本的なゲームの要素や、プレーヤーのレベルの上昇率といった要素を確認する。小島氏は、「ECOは今までのように韓国でスタートしていたゲームではなく、1から作ったもので、すべての要素を検討しながら作っていきたい。ユーザーと一緒に粘土細工のようにこねていきたいですね」と語った。 クローズドβテストで基本システムを確認した後、オープンβテストでECOならではの要素を盛り込み、テストしていく。また、ガンホーは様々なイベントでもECOをアピールしていく予定で、東京キャラクターショー、コミックマーケット、東京ゲームショウなどに出展していく。現在のところ、ECOの課金システムは未定である。アイテム課金、月額課金という考え方は今後の要素で見えてきそうである。
■キャラクタ、世界観の根底にある“暖かさ”をゲーム全体で表現している作品 最初に見せていただいたのはキャラクタ選択画面。歯車のようにも、風車のようにも見える丸い舞台に男女3人のキャラクタの姿が確認できた。岩田氏は男の子を選択。キャラクタモデルは頭が大きくかわいらしい。テクスチャやポリゴンモデルは緻密さよりも、特徴的な部分を柔らかなタッチで書き出したという印象を持った。ピンとたった頭の毛や、大きな目など羽々キロ氏のテイストをきちんと再現していたおり、感心させられた。ちょこんとした小さな鼻もきちんとポリゴンモデルで再現されていて、細かい陰影で確認できる。頭身そのものはイラストより少し上に作られていた。
岩田氏はキャラクタを操作して建物の外へ。マップは光のサークルでつながっており、ここに入ることで移動する。移動した先は大きな街の一角、大陸の中央にあるアクロポリスシティーである。灰色の石畳に、卵形のような丸い建物。光を放つ街灯があったり、街の標識がステンドグラスだったりと、中世を意識して組み上げているというよりも、19世紀のヨーロッパのテイストにSF色を取り入れたような世界観を感じた。 右上にミニマップが表示され、拡大もできる。この街は大陸中央に位置するアクロポリスシティー。クローズドβで実装される一番大きな街で、他には小さな村がいくつかあるという。ゲームの中で首都となり、多くのプレーヤーが集まるところだ。街には真っ黒な建物もあり、そこには太った怪しげな司祭らしき人もいた。 街の外のフィールドには緑の草原があって、そこに蛇のようなモンスターや、大きな芋虫のようなモンスターがいた。序盤での経験値稼ぎとして相手になるモンスターだろう。芋虫型のモンスター、クロウラーはアゲハチョウの幼虫を太らせた感じで、表面の模様が細かく描き込まれていた。 続いてはダンジョン。キャラクタの周りに赤茶けた地面が見えるが、画面端は闇に包まれている。フィールドとうって変わってモンスターは攻撃的で、コウモリ型のモンスターは近づいてきてかまいたちのような攻撃を加えてきた。敵の数も多く、キャラクタは同時に数匹のモンスターに襲われていた。 キャラクタはダンジョンでは群がってくるモンスターを蹴散らしながら進んでいく。モンスターのやられモーションの中には凝ったものもいて、ツボ型モンスターなどは粉々に砕ける。やられるとアイテムを落とす敵も多く、骨やフライドチキンといったものも確認できた。 キャラクタが移動するモーションは手足を大きくふる元気なものだが、移動スピードは少し遅く感じた。キャラクタとモンスターの動きは連動して作られているので、簡単にモンスターが振りきられてしまったり、逆にすぐに回り込まれてしまうということがないようにバランスを考えているところだ。 ユニークなのが天使族のキャラクタで、羽根をゆるやかに羽ばたかせ、移動の時も足を使わずスライドするように移動していく。現在のところ人間、悪魔、天使の3種族ともに歩行速度は共通で、悪魔は小さな羽根を持っているが人間と同じように走って移動する。天使族は常に浮いているだけに他のキャラクタと比べても違ったどこか神秘的な雰囲気もあって、小島氏は「天使、人気でそうですね」とニヤリ。 筆者はデモプレイを見て、本作がきちんとイメージイラストを3Dグラフィックスで表現していることに感心させられた。羽々キロ氏のキャラクタの服装や髪型といった部分だけではなく、世界観をデザインしたというスタッフのテイストもきちんと活かされているのだ。ただ細かく書き込むのではなく、独特の暖かさを持たせたグラフィックスは、この作品その物の雰囲気をきちんと表しているな、と思った。女性や子供からも人気を集めそうだ。
■韓国産MMORPGをベースにした親しみやすいゲームデザイン 移動やキャラクタのターゲットもマウスだけで行なえる。「ラグナロクオンライン」をはじめとした韓国産MMORPGと親和性の高いシステムで、MMORPG経験者はすぐにプレイを覚えられるだろう。
ダンジョンのデモプレイではキャラクタの周りにわらわらと敵が集まり、それをがんがんやっつけていく展開となった。戦士系のキャラクタは防御力にものをいわせ、ばったばったと敵を倒していくことになるだろう。岩田氏によるとモンスターのAIは特に「リンク」に特徴をもたせている、どういった条件で、どこまでリンクするかといったポイントに本作ならではのアイデアを詰め込んでいく。 ECOのキャラクタはレベル制で表現されており、キャラクタレベルの他、ジョブレベルがある。ジョブをいろいろ変えてすすめていくゲームというよりも、キャラクタはひとつのジョブにつき、それを極めていくイメージだ。最終的には「上位職業」への転職も可能になるようだ。 スキルには、物理的なダメージを与える以外、能力値を一時的に上げるもの、座って回復する以外、瞑想のような休憩スキル、他にも戦闘の幅を広げるようなスキルが用意されている。ヘイト値も設定されていて、敵を挑発するスキルもある。今回詳細が不明なのは、未だジョブシステムが明らかになっていないからである。職業に深く関係する「ギルドシステム」とともに、気になる要素である パーティーの最大人数は現在調整中だという。ソロプレイでも楽しめるようなバランスになっており、「ファイナルファンタジーXI」や「エバークエスト」シリーズなどのゲームの様に必要なジョブを決め、パーティーを組まないとどこにも行けないというバランスにはならないようだ。このパーティーシステムにもユニークな試みをしていくつもりだという。 ECOの操作系は他のゲームをプレイした人にもなじみやすいようにオーソドックスなものを目指していく。現在はマウスを使った韓国産MMORPGのシステムを採用しているが、欧米型のキーボードを併用した操作系でも遊べるように検討中である。
■徐々に重要な意味を持ってくるアクロポリスシティーを治める4つの騎士団
ゲームの進行にはアクロポリスシティーを囲んで存在する4つの国が大きく関わってくる。4つの国はそれぞれアクロポリスシティーに騎士団を出していて、騎士団はそれぞれはちょっと仲が悪かったりする。騎士団に入ることで後に実装される国元の情報が得られたりと、世界に対する知識が深まるようになっている。現在は、大きな流れていくストーリーに巻き込まれていくよりも、少しずつ世界に対する知識が深まっていくようなストーリーラインを考えている。 プレーヤーはそれぞれの騎士団に入ることができ、初期からちょっとしたメリットがあるという。しかし、他の騎士団に入ったプレーヤーとの関係がどうなるかなど、まだ考える部分を残している。騎士団に入らずにプレイを続けることもできるし、ちょっとしたデメリットを覚悟すれば騎士団をやめることもできる。いくつかの騎士団に入ってみて、どの騎士団が自分に合っているかを考えることも可能だ。 シナリオ要素はβテストで煮詰めていく。発表会で紹介された先史文明の遺産“キカイ”はECOの大きなストーリーに関わってくるため、テスト中はまだ秘密になっているという。
■スカートのフリルにまで制作者の心遣いが感じられる多彩な装備アイテム
武器は剣や盾や槍、鎧も金属製のものなどがあり、帽子なども用意されている。女の子用の服装は特に細かい。さまざまな上着やスカート、学校の制服のようなもの、長さの違うソックスなど非常に多彩なものが用意されていた。眼鏡やニーソックスといったファンタジー的な要素から多少はずれるものも確認できた。 武器のモーションはそれぞれ違うものが用意されていて、棍棒や剣は振り下ろす形だが、槍型の武器は両手に持って腰を落として突く。また、うなづくといった“エモーションコマンド”があり、男女や種族で変わるいろいろな仕草が用意されている。 アイテムは装備することでどんな効果があるのか、という質問に対して岩田氏は、「僕もそういう質問を女性スタッフにしてみたんだけど、『たくさんのアイテムは効果とか実用性だとかそれだけじゃないの』といわれましたよ」とのこと。コスプレ要素も大きいようだ。オシャレという要素とともに、「ネタ」的な装備アイテムも多く用意されている。 今回見せてもらったアイテムはまさに「何でもあり」で、ユニークなものが多かった。お気に入りの格好を思う存分追求できそうだ。
トータルコーディネートで利点が生まれるセットアイテムも用意されているようだ。実利的な装備と、街の中でのオシャレ装備を使い分けるプレーヤーも多そうである。多くの人が集まる場所ではファッションチェックも面白そうだ。
■みんなで熊になってダンジョン攻略? キャラクタが変身するマリオネットシステム
マリオネットシステムは正確にはキャラクタが所持しているマリオネットに「乗りうつる」システム。熊のぬいぐるみの他、手足を持った魚やブリキのロボットなどが発表会で紹介されていた。マリオネットに乗りうつることでログアウト時にプレーヤーの命令を実行するという能力を持っていることがアナウンスされている。テスト開始時には5種類以上のマリオネットが用意される予定だ。 今回、乗りうつることでマリオネットの「属性」を身につけられることが明らかになった。能力値も変化するので乗りうつる前より下がってしまう恐れもあるが、属性を考えて敵に当たれば戦いがだいぶ有利になる。みんなで熊になってダンジョンへ! とか、水の中に潜るためにみんなで魚に!と言った状況も考えられるだろう。また、「ネタ」に使っても面白い。外見を変えることで普段とちょっと違うキャラクタをロールプレイするのも楽しそうだ。 気をつけたいのがマリオネットには耐久力が設定されている点だ。マリオネットは使えば使うほどくたびれてしまう。ここにもバランスは調整中であるが、長く使うためには大事に扱ってやる必要がありそうである。 (C) 2005 BROCCOLI/GungHo Online Entertainment,Inc./HEADLOCK Inc.
□ブロッコリーのホームページ (2005年6月15日) [Reported by 勝田哲也]
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