★PCゲームファーストインプレッション★
現代兵器がぶつかり合う戦場を描いた
BFファン待望のシリーズ最新作
「BATTLEFIELD 2」 |
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「BATTLEFIELD 2」は歩兵だけではなく、戦車や装甲車、さらには航空機やヘリまでが登場する戦場で多くのプレーヤーと共に戦う「バトルフィールド」シリーズ最新作である。前作では主に第二次世界大戦を中心とした20世紀の戦いが描かれたが、今回は現用兵器が多く登場する近未来が舞台となる。プレーヤーはアメリカ、中国、中近東連合の3つのいずれかの勢力に属し、戦っていく。
日本では7月に発売が予定されている「BATTLEFIELD 2」。今回のファーストインプレッションではオフラインプレイの感触を中心にお伝えする。新しい3Dエンジンによって表現されたリアルな戦場と現代兵器による新たな戦いは今までのシリーズとは一味違ったゲーム性をもたらしている。初心者にも前作からのファンにもお勧めしたい作品である。
■ 現用兵器による派手な戦い。カジュアルな戦争体験ゲーム
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美しいグラフィックで描き出される最新兵器達の戦い。カジュアルなゲーム性は、初心者でもすんなりと体得できるだろう。大人数でプレイしたいゲームである |
さまざまな役割を与えられた歩兵と、装甲車や戦車、ヘリに航空機、携行ミサイルや銃座、迫撃砲……。「BATTLEFIELD 2」(以下、BF2)の戦場は本来は数百人以上が入り乱れるような大規模な戦場の要素をぎゅっと濃縮したアクションシューティングである。プレーヤーは戦場を走り、時にはこれらの兵器を駆使し、敵と戦っていく。
歩兵と撃ち合っていると前方からいきなり戦車が現れて、あわてて逃げたり、必死に側面に回り込んで手榴弾を投げてみる。仲間と共にバギーに乗り込みでこぼこの道を高速でつっこみ、助手席で機銃を乱射する。建物の屋上に上りスコープを覗いて通りかかる敵兵を狙撃する。ヘリに乗って上から装甲車にミサイルをぶち込む……。本作では戦争映画に登場するさまざまなシーンをつまみ食い的に体験できる。
本作はリアルさよりもいわゆる「戦争ゴッコ」の延長線上にあるゲームである。歩兵で戦車にどう立ち向かうか? 陣地をいかに死守するか? ほんの数秒で目的地上空に到達してしまう航空機をうまく操り戦場で活躍させるか? 戦場でのドラマのさまざまな要素を詰め込んだ本シリーズの感触は独特のものがある。この思い切ったアレンジが本シリーズが人気を集めた理由だろう。
また、非常に潤沢な最新兵器を扱うことができるのも本作の大きな魅力だ。グレネードランチャーを装備したM16や、使い捨ての対戦車ミサイル、C4プラスチック爆弾、F-15Eストライクイーグルから、M1A2エイブラムズなどなどアメリカの現用兵器が数多く登場する。前作をプレイした人はもちろん、FPSの操作になれている人ならばこれらの兵器はどれも直感的に使用できる。あくまで体感だが、過去の戦いを扱っていた今までの作品より各兵器のインターフェイスが洗練されたように感じた。特にミサイル系の兵器は誘導してくれるため、命中しやすい。歩兵の攻撃力も高めで、戦車など乗り物に乗ったプレーヤーもその防御力を過信できないだろう。
本作ではアメリカ軍の他、中国軍、中近東連合軍でプレイできる。T-90や、mi-28ハヴォックといったロシアの兵器のほか、中国製の戦闘機J-10なども登場する。歩兵装備も個性豊かだ。筆者は特に中国軍の装備が新鮮だった。実際の性能はどうなのかはわからないが、本作ではこれらの兵器はアメリカ軍のものにひけをとらない。リアルさよりも各陣営のバランスを優先させている印象がある。
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多彩な乗り物が登場するBF2。各ビークルは味方にすれば頼もしいが、敵にまわせば恐ろしい。今作では歩兵の攻撃力も上がっているため、乗り物に乗っていても安心できない印象がある |
■ 突撃、狙撃、仲間の救護……さまざまな役割を要求される戦場
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7つの役割がある歩兵。それぞれの能力を使いこなせば、戦いはかなり有利になる |
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司令官になることで特別なコマンドメニューを使用できる。一般兵でも敵発見の報告や支援の要請を司令部や他のプレーヤーに伝えることができる。情報の共有が勝利の鍵となるだろう |
多彩な乗り物が登場する本作だが、主役はあくまで歩兵である。今作では特殊兵、狙撃兵、突撃兵、援護兵、工兵、衛生兵、対戦車兵と多くの役割が用意されている。それぞれきちんと役割が異なり、自分なりのプレイスタイルを追求できるようになっている。
バリバリ戦いたい人はアサルトライフルを手にした突撃兵がおすすめだ。積極的に前に出て、弾をばらまく。敵がかたまっている場所や、ビーグルなどにグレネードランチャーをたたき込むのも楽しい。彼らを援護するのがマシンガンを持った援護兵。援護兵は予備の弾薬を渡すことができ、他のプレーヤーにも頼られる存在だ。
ここ数年の戦争ゲームで注目度の高い衛生兵はBF2でも重要な役割を持つ。本作ではダメージを受け体力が0になった時も、“負傷”ですむ場合がある。この時一定時間内に衛生兵が蘇生を行なうと、倒れたプレーヤーはその場で復活することができるのである。通常の復活は限られた陣地でしかできず、復活後の最前線への参戦が遅れてしまう場合があるが、彼らがいればそうしたタイムラグを最小限におさえられる。オンラインプレイでは特に戦線を維持するための重要な役になるだろう。
戦車や装甲車には対戦車兵が頼りになる。彼らはメインの武器として対戦車ミサイルを携行しているが、自衛のためにサブマシンガンも持っている。歩兵同士の戦いでもそこそこ戦うことができる。工兵はビークルなどを修理できる存在。今作では戦車はかなり敵に狙われやすい存在となっている。工兵の協力があれば長く使うことができるようになるのだ。
特殊兵はC4を持っているのが特徴。戦車などの乗り物を壊すことができるほか、敵の司令官近くで彼らは効果的な活躍ができる。本作では砲撃がかなり恐ろしい威力を持つのだが、C4は敵兵がつかうアンテナや砲撃を行なう高射砲などを破壊できるのだ。狙撃兵は高い建物などに上り、敵を迎え撃つのが役割。面白いのは装備に対人地雷があること。自分が腰を落ち着ける場所に効果的に設置することで自分を守り、よりかっこいい狙撃手を演じられるだろう。
そして今作で重要な役割を果たすのが「司令官」の存在だ。基本的な能力は1歩兵と同等だが、専用のコマンド画面によって司令部に指示を出すことで砲撃などの支援要請を行なうことができる。戦場全体を見渡し、的確に指示を出すことを求められるのである。的確な指示を出す司令官をもつ部隊はその力を何倍にもするだろう。
今回感心させられたのはオフラインゲームでのNPCの動きだ。看護兵を呼んだり、救援を要請をしたり、司令官として他の兵士に命令を下すことができるのだが、ちゃんと周りを見回し的確にコマンドを入れることでかなり効率よく戦える。特に衛生兵を後ろに従えておくと非常に心強い。
オンラインゲームではさらにこの役割を演じる楽しさが増すだろう。途中から参戦する場合などは足りない役割を積極的にこなすことでより活躍の場が与えられるだろうなあと感じた。倒れている味方兵に電気ショックを施し次々と蘇生させる衛生兵など、かなり面白いプレイができそうだ。
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M249分隊支援火器をもつ援護兵。バギーやジープも蜂の巣にできる |
頼りになる看護兵。オンラインプレイでは渋い活躍ができそうだ |
突撃兵のグレネードランチャー。戦車には少し役者不足だが、大きな攻撃力を持つ |
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特殊兵が持つC4。司令部の通信機器などを破壊できる他、戦車にも有効な武器だ |
より安全かつ最適な狙撃ポイントを探し、敵を撃つ狙撃兵。人気の高いプレイスタイルだ |
司令官の要望により実行される砲撃。大迫力の画面である |
■ 原発周辺やペルシア湾の島など個性豊かな地形を再現したマップ
シングルプレイでは最初10のマップをプレイすることができる。最大16人という比較的小規模なところが少し寂しいが、バラエティーは豊かで、さらに操作説明も表示されるので初心者にはぴったりの入門マップとなる。
ちなみに、本作はオンラインでは最大64人の対戦が可能になっている。プレイを繰り返し勝利を重ねることで評価が上がり、ロックされた武器が使えるようになる。さらに初期状態では16人までしか参加できなかったマップが広がりより大規模な戦いに参加できるようになるのだ。
オフラインゲームは基本要素を覚えることができるだけではなく、兵器の配置を頭にたたき込むのにも最適である。本作はゲームがスタートする時にはどうしても乗り物の取り合いになる部分がある。ゲームがスタートした瞬間望んだ乗り物を確保するためにも覚えておいて損はない。
大連の原子力発電所を巡って戦う「Dailen Plant」は敵陣地との距離の近いマップだが、ただ力押しをしようとしても負けるだけだ。特にアメリカ側に立つと中国側の陣地に多く戦車が出現するバランスになっているので苦戦は必至である。仲間と共にじりじりと前に進み、きちんと陣地を確保しつつ、戦車に対処し、あわよくば敵戦車を奪う。敵と味方の距離が近いだけに砲撃要請で味方を傷つけないように注意しなくてはいけない。
「Zatar Wetlands」は中央の湿地帯で戦車、ヘリ、装甲車が入り乱れる激しい戦闘が繰り広げられる。戦車兵で突っ込んでもいいが、周りの施設や兵器を効果的に使いたい。筆者はヘリのガンナー席に着き操縦をCPUにまかせて飛ぶというのが楽しかった。橋近くで激しく戦っているのを見ながら川を泳いで渡りきり、敵を背後から急襲するの有効だ。
ペルシア湾の入り口となる島が舞台となる「Operation Clean Sweep」では、アメリカ軍はボートや装甲車で次々と島に上陸してくる。彼らを援護するのはストライクイーグルである。ジェット機が地上すれすれで飛び回るというのは現代戦ではちょっとあり得ないシチュエーションだが、地上軍のすぐ近くでストライクイーグルとフランカーが激しく戦う構図は興奮させられるものがある。本シリーズでプレーヤーの腕の差が大きく出るのがこの飛行機の戦いである。優秀なパイロットがいることで大きくパワーバランスが変わるマップとなるだろう。
このほかにも要塞化された場所を攻めるものや中央の大きな島を取り合うものなど比較的小さな地域ながら凝った地形が用意されている。これらのマップで腕を磨き、来るべき戦いに備えるのが良いだろう。
シングルプレイも「そこそこ」楽しめる本作だが、やはり本作の楽しさはオンライン対戦にある。筆者はかつて本シリーズの最初の作品である「BATTLEFIELD 1942」を夢中になってプレイしていた。マシンガン片手に無謀に突っ込んだ挙げ句、何の戦功も挙げられないままやられてしまったり、爆撃の基礎も体得していないのに飛行機に乗りたがったりという決してうまいとはいいがたいプレーヤーだったが、リアリティよりも楽しさを優先させたこの新しいゲーム性にハマってしまった。戦車もジープも戦艦も飛行機もあるというごった煮状態のこのゲームに魅了されたのだ。
BF2ももちろんこの面白さを踏襲している。さらにキャラクタの表現がより豊かになり、インターフェイスも改良されており、より遊びやすいゲームになったという感触がある。BF2が発売されて筆者がオンラインの戦場に出れば、またうまいプレーヤーに蜂の巣にされる毎日かとも思うが、もうすこしうまく立ち回れるかもしれない。とにかく本作が発売されるという7月が非常に楽しみである。
司令官システムも期待している。経験豊かなプレーヤーが戦場で的確に指示を出してくれれば、何の作戦もなく戦っていた時とは違うプレイを楽しめるに違いない。本作はボイスチャットにも対応しており、迅速な指示を出すことができる。マイク付きのヘッドセットも用意しておきたいところだ。
ちょっと心配な部分は本作の要求スペックがちょっと高めなところだろうか。ビデオカードのVRAMが256MB必要となる。それだけのグラフィックスが生み出す戦場というわけである。本作の登場を心待ちにしていたプレーヤーなら問題はないと思うが、購入する人はカードやメモリの性能をチェックしておこう。
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マップにはさまざまな地形に多彩な最新兵器を配置してある。これらをどう使いこなし、戦い抜き、生き残るか? シングルプレイも充分楽しい本作だが、本当の興奮はオンラインプレイによってもたらされると筆者は思っている。発売日が楽しみだ |
(C) 2005 Digital Illusions CE AB. All rights reserved. Battlefield 2 is a trademark of Digital Illusions CE AB. Electronic Arts, EA, EA GAMES and the EA GAMES logo are trademarks or registered trademarks of Electronic Arts Inc. in the U.S. and/or other countries. All other trademarks are the property of their respective owners. EA GAMES is an Electronic Arts brand.
【BATTLEFIELD 2】
- CPU:Pentium 4 1.7Ghz以上(推奨:2.0Ghz)
- メモリ:512MB以上(推奨:1GB)
- HDD:2.3GB以上
- ビデオカード:VRAM 256MB以上
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□エレクトロニック・アーツのホームページ
http://www.japan.ea.com/
□「BATTLEFIELD 2」のページ
http://www.japan.ea.com/teaser.phtml?ProductCode=EMW-4165
□関連情報
【1月6日】EA、100人以上の対戦に対応したシリーズ最新作
WIN「バトルフィールド2」3月24日に発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050106/bf2.htm
【2004年5月16日】Electronic Artsブース特別レポート
現代戦を描いた新世代の“BattleField”
「BattleField 2」がクローズドで登場!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040516/bf2.htm
【2004年4月26日】エレクトロニック・アーツ、現代の戦場を舞台にした
ミリタリー3DアクションWIN「バトルフィールド2」を発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040426/bf2.htm
(2005年5月31日)
[Reported by 勝田哲也]
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