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SCEJ、PS2「GT4」完成披露会開催
NIKEとのコラボ、富士SW新コース、新BMW3シリーズなど新要素公開

11月9日 開催

【グランツーリスモ4】

12月3日 発売予定

価格:7,665円

「GT4」のパッケージ
 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントは、プレイステーション 2用ドライビングシミュレータ「グランツーリスモ4(GT4)」の完成披露会を東京・明治神宮外苑の聖徳記念絵画館前の特設テントにて開催した。会場には、マスコミ関係、流通関係、そして「GT4」開発に協力した自動車業界関係者など600人あまりが招かれた。

 イベントはイントロにイタリア語のコーラスが入った「GT4」バージョンの「MOON OVER THE CASTLE」の作曲を担当した安藤まさひろ氏、伊東たけし氏が率いる「T-SQUARE」の演奏とともに始まった。安藤氏によれば、レコーディングはアメリカのスカイウォーカースタジオにて行なわれ、イントロのコーラスに関しては、山内氏がかねてからやりたかったものを実現したという。

 さて、披露会は赤坂泰彦氏を司会に、開発を担当した株式会社ポリフォニー・デジタル プレジデントの山内一典氏による「GT4」のプレゼンがメインとなった。

「GT4」に登場するマシンの実車が会場前にずらりと並べられた

■ 収録車種は700オーバー!!

収録車種は700を超えた
「GT4」のタイトル画面
Van Halenからクラシックまで収録されたサウンド
 まず、「GT4」の収録車種についてだが、東京ゲームショウ2004時点での発表会からさらに増加(以前は650台以上とアナウンス)し、700台を超えたと発表された。中古車もかなりの数が用意されているという。コースは50コースと変わりなく、新たに「ソウル」のコース(山内氏いわく、比較的シンプルなコースだとか)などが紹介された。また、現在改修中の「富士スピードウェイ」は、A、Bコーナーが追加される前、後と収録されていること、「ツインリンクもてぎ」ではオーバルトラック、ロードコースともに登場するなどの紹介があった。写真撮影を可能にする「フォトモード」では、専用の15コース+走行可能な50コースでの撮影が可能と変更点はなかった。また、エプソンの対応プリンタを接続することでプリントアウトできることは今までもお伝えしてきたが、今回、USBメモリを接続することで、画像をアウトプットできることが明らかになった。

 実際に山内氏によって、「GT4」の新モードである「B-SPEC」や、「グランツーリスモ・リゾート」と名づけられたメイン画面(ゲーム開始時に入力した名前で、自分の家に『○○○'S Home』と名前が付く)、カーショップ(中に入ると、国別でマニファクチャが表示され、メーカーを指定、車種を指定すると、新車、旧車、そしてワンメイクレースのメニューと分かれて表示される)、そして車の購入履歴、ライセンス取得暦などが残るガレージ(1,000台が収納可能)、「GT AUTO」での洗車シーンでは洗車後に店のスタッフがふき取りを行なう場面などが紹介され、ピットシーンともども「GT4 プロローグ」から進化している人体モデル制御などを紹介。「フォトモード」で撮影するデモも行なった。

年代別、国別、駆動方式別などガレージの閲覧は自由に行なえる。チューニングパーツも充実。洗車するとスタッフが拭いてくれる

■ NIKEとのコラボ、富士新コース、BMW新3シリーズ先行収録!

 「僕らは社外の人たちと積極的にコミュニケーションしていきたい」という山内氏。歴代のコラボレーションとして、「トヨタ プリウスバージョン」をはじめ、これでもかというほどの「GT」のコラボレートの歴史が語られた後、改修中の富士スピードウェイの完成形が収録されることが明らかになった。実際に現場に行き、さらに建設会社から建物の図面など、建設計画を情報収集して再現したという。

新しく生まれ変わる富士スピードウェイ。先んじて「GT4」で走ることができる

 そして、トヨタのショールーム「MEGA WEB」に、12月4日から「GT4」の技術を活用した「MOTER SPORTS SIMULATOR」を新設。高解像度かつ6軸式の本格シミュレータを導入するという。さらに、体感型シアターアトラクションにおいて、富士スピードウェイの新コースが収録されている。

 さらに、次期BMWの3シリーズモデルを実車販売に先駆けて収録していることも明らかになった。昨年のジュネーブモーターショーからスタートしたBMWとのクロスマーケティング活動の一環で、Concept M5、1シリーズに続く第3弾となる。「ヨーロッパのBMWディーラーには『GT』の体験版が設置してあったりする」ということで、パートナーシップはまだまだ続きそうだ。

野太い排気音を発してコースを駆け抜ける新BMW 3シリーズ

 また、ヨーロッパ限定だが、日産ヨーロッパから、350Zの特別仕様車「NISSAN 350Z Gran Turismo 4 Limited Edition」が来春発売されるという。特別デザインの18インチホイール、ブレンボ製ブレーキ、シートも特別製。ボディカラーはSunshine yellowとBlackの2タイプ、合計700台の限定販売を予定している。山内氏は「自分たちが作ったゲームの名前が入った本物の車が発売されるということは夢みたいで本当にうれしい」と語っていた。エストリルサーキットでの実車映像も公開されていた。

「GT」ファン、かつ「Z」のファンにはたまらない限定車

 次々行なわれたコラボレートの発表の最後、「GT4」とNIKEのコラボレートが発表された。山内氏がとあるきっかけでNIKE本社に訪れた際、「こういったドライビングシューズがあったらいいな」というコンセプトを話したところ、NIKEのスタッフから「それをやろう」と実現したものだという。そして生まれたドライビングシューズは、フロントが薄いが、リアは「SHOCKS」という衝撃吸収構造になっている。日本は白、アメリカが赤、ヨーロッパは青とカラーが限定されている。

 また、「GT」のシンボルであるタイヤのドレッドパターン、そしてNIKEの伝統であるワッフルパターンの反射素材で描かれたマークが入ったTシャツも制作。このマークをEyeToyカメラで認識させると、「GT4」にNIKEデザインの「NIKE ONE」というオリジナルカーが出現する。クラウチングスタートをしているアスリートをモチーフにしたという「NIKE ONE」は、2022年に発売されるという設定のもと、中に両手を広げてうつぶせに乗り込み、足は外に露出している構造となっている。インホイールモーターによる特別仕様の車で、ある条件を満たせば通常の「GT4」にも出現するという。デザインはNIKEでサングラスなどをデザインしているHill Flank氏。

 このシューズとTシャツ、オリジナルパッケージ仕様の「GT4」がカーボン調アルミケースに同梱されている「NIKE/GRAN TOURISMO 4 Limited Edition」を12月3日より、33,600円で限定1,000個発売する。販売店舗だが、「PlayStation.com」では11月19日から予約開始、ほかにNIKE商品取り扱い店舗で販売する(詳しくは公式ページ参照)。

カーボン調アルミケースに封入される「NIKE/GRAN TOURISMO 4 Limited Edition」。そしてNIKEとのコラボレーションで生まれた「NIKE ONE」

NIKEのCo-PresidentであるMark Parker氏がキャストをプレゼント
 続いてスペシャルゲストとして、NIKEのCo-PresidentであるMark Parker氏がスコットランドから来日、壇上に招かれた。Mark氏は「ポリフォニー・デジタルのスタッフと一緒に仕事ができて大変光栄に思っている。山内氏は私にとっても特別な友達で、彼のイノベーションに感銘を受けた。『GT4』は“魂”を表現していると思う」と挨拶した。そして、「NIKE ONE」のキャストを山内氏にプレゼント。シューズのプロトタイプを作る切削のスタッフがアルミの塊から作ったものだという。

■ 次のステップは「GT for Boys」

次のステップは「GRAN TURISMO for Boys」
冒頭とラストを飾った「T-SQUARE」のライブ
 最後に山内氏は「もっともっと小さな子供たちにクルマの面白さを知ってほしい。ゲームというエンタテイメントの力を使って、20年ぐらいの射程で、長い目でクルマ好きを増やしたい。こういった形で僕たちを楽しませてくれているクルマに恩返ししたい。ゲームは5年もするとライフサイクルは終わる。『GT4』のシステムにもライフタイムがあるから、“子供たちのための『GT』”を『GT4』の後に考えたい。なるべく低いコストで、できれば無償で何かこういうソフトを届ける方法はないだろうかと考えている。自動車メーカーの方々やメディアの協力なしにはこういったプロジェクトはうまくいかないだろうと思っているが、未来のクルマ好きを作る、そのためのプロジェクトを進めていきたい」と今後の展望を明らかにしてプレゼンテーションを締めくくった。

 また、山内氏は「僕たちは幸いにして若いころからクルマを知っていて、クルマに興味を持っていられた。子供のころには絵本やミニカーがあって、そういったものが力を持っていたから、それによってクルマ好きになれた。今の時代はそういったものがない。だから、他のエンタテイメントに負けないぐらい強度のあるクルマ向けのエンタテイメントを子供に向けて送らなければならない。そのために『GT』のシステムを使おうということ。これは採算度外視でいいと思っている。8歳や7歳以下といった形で年齢を限定して遊んでほしいと思っているが、具体的な施策はこれからの課題。働く自動車なども入れていきたい」と語っていた。

 最後に再び登場した「T-SQUARE」のライブが行なわれ、テンション高く完成披露会は幕を閉じた。

■ ダメージ表現は「GT5」? PSP版「グランツーリスモ モバイル」は来春発売

忙しい合間を縫って、久夛良木氏も駆けつけた
記者会見で「グランツーリスモ モバイル」に関しても言及された
 「GT4」のオンライン対応に関しては“近い将来”ということ以外はコメントされなかった。また、EyeToyカメラの対応に関しては、「今回は実験的好奇心から採用した。現行のもので次の仕掛けを考えてはいないが、『GT5』など近い将来、イメージを認識してゲームに反映させるということはやってみたい」とした。「『GT4』はPS2でできることはほとんどやった。規模という意味でも“やりきった”と思う」という。

 これからの展望としては「リアリティという意味でダメージ表現などは非常に大事だと思っている。それを完成させるという意味ではもっと大変な努力がいる。『GT5』ではそれがテーマだと思う。激突したときにはちゃんと物理計算に基づいて変形するといったことは絶対やりたい。『GT5』に期待してください」と語った。

 また、PSP版「グランツーリスモ モバイル」に関しては、「PSPの特徴というのは、PS2でできることを若干スケールダウンする形になる。ゲームのスケーラリビティをうまく使うことでPSPのパッケージに入ると思う。PSPの「GT」は他の「GT」と変わらない世界だが、自分が思うPSPの一番の効力は、ワイヤレスLANではなく、本体ごと持っていってのリアルなコミュニケーションだと考えている。今は想像できないが、携帯型のゲームマシンに『GT』が載ることで、人と人とのリアルなコミュニケーションが『GT』の遊び方を変えるかもしれないということに期待している」と述べた。

 途中で応援に駆けつけたソニー・コンピュータエンタテインメント代表取締役社長 兼 グループCEOの久夛良木 健氏は、「ポリフォニー・デジタルのスタッフには英気を養っていただいて、PSP版『GT』もちゃんと春に出そう」とハッパをかけていた。

会場脇には「GT4」の試遊台、そしてスバルドライビングシミュレータが設置。EyeToyを使ったNIKEとのコラボTシャツなども展示されていた


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□プレイステーションのホームページ
http://www.playstation.jp/
□製品情報
http://www.playstation.jp/scej/title/gt4/
□プレスリリース
http://www.playstation.jp/news/2004/pr_041109_gt4.html
□関連情報
【10月26日】SCEJ、「GT4」と新型PS2の同梱セット「PlayStation 2 レーシングパック」12月3日発売
「BB Pack」は11月3日より値下げ
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041026/ps2.htm
【9月24日】「GT4」の発売日は12月3日! チーム監督モード「Bスペック」導入
オンライン対応は別バージョンに
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040924/gt4.htm
【5月14日】「グランツーリスモ4」の新要素「フォトモード」を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040514/gt4.htm
【5月14日】GT4プロデューサー、山内一典氏インタビュー
~ GT4でクルマ好きの集うコミュニティ作りを……
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040514/gt4_2.htm

(2004年11月9日)

[Reported by 佐伯憲司]


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