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任天堂、「ニンテンドーワールド Touch! DS」開催 |
会場:ポートメッセ名古屋 第2展示館(名古屋会場)
入場料:無料
開場直後の入り口の様子。比較的流れは速かったが、それでもあまりの人の多さのため、入場にはやや時間がかかっていたようだ |
このイベントでは、NDSが初めて一般公開され、多数のタイトルが試遊できた。名古屋のほかにも、今後は大阪、東京、札幌、福岡での開催も予定されているが、やはり初めてNDSに触れられる機会とあって、関東や関西などの遠方からの来場者も多かったようだ。
イベントが開場となる朝9時には、大勢の人が行列を作り入場を待っていた。来場者で目立ったのは、小学生くらいの子供連れの家族。また入場が無料ということもあり、小中学生を中心とした10代の若い年齢層の来場者が圧倒的に多かった。
名古屋会場に出展されたタイトルは、NDS用が27タイトル(223台)。このほかGC用が22タイトル(57台)、GBA用が27タイトル(78台)出展されており、合計すると70タイトルを超える。試遊台の数では合計で約350台も設置されているが、通路はかなり広めに取ってあり、人の数の割には移動に不自由するほどの混雑にはなっていなかった。
しかしいざ試遊台の前に来てみると、人気タイトルでは1時間待ちという看板が立てられているところもあり、ひとりで全てのタイトルを試遊するのは1日がかりでも無理な様子だった。今後の会場を訪れる予定の人は、どうしても触りたいというタイトルをいくつかチョイスしておいたほうがいいだろう。
ちなみに試遊台については、NDS用の一部のタイトルで、クラブニンテンドーのプラチナ会員限定の試遊台が用意されていた。プラチナ会員にはこのほかにも特別イベントの参加権や、帰り際に記念品がもらえる(名古屋会場では金色の小さなマリオ像だった)などの特典が用意されていることから、かなりの数の入場者がプラチナ会員として入場していたようだ。それでも専用の試遊台は比較的空いているたので、プラチナ特典チケットを持っている人は忘れずに会場に持ってきていただきたい。
会場に置かれている試遊台は、ほとんどが筐体に固定されており、手で持ち上げてのプレイはできない。その中で唯一、「大合奏! バンドブラザーズ」では、固定されていないものを実際に手にとってプレイできた。このゲームは十字キーとボタン、タッチパネルを使ったシンプルな音楽ゲーム。いい音でプレイしてほしいということから、コンパニオンとスタッフが腰から小型スピーカーとNDSを下げて、移動できる状態での試遊が行なわれていた。
このゲームの詳しい内容については、「NINTENDO DS PREVIEW」のレポートに掲載されているので、ここでは省略させていただいて、NDS本体のほうを見ていきたい。
本体のデザインは、以前発表されたものから変化は見られない。十字ボタンと4つの丸ボタン、右上のスタート・セレクトボタンがあり、右上には電源ボタンがある。電源を入れるときはこのボタンを押し、切るときはやや長めに押す。下部やや左よりにはマイクもついており、「大合奏! バンドブラザーズ」など音声入力に対応したタイトルも発表されている。
本体を閉じると、やや無骨ともいえるすっきりしたデザインになる。一見するとPDAや電子辞書のようで、良くも悪くもゲーム機らしくないが、その分高級感はある。
さらに裏返してみると、下部にNDS用ソフトを挿す「SLOT-1」、上部にGBA用ソフトを挿す「SLOT-2」という2つのスロットが用意されている。またタッチパネルの操作に使うタッチペンは、「SLOT-1」の横に用意されている。ペンを差し込むと「カチッ」とひっかかって固定できるが、あくまで本体とは分離しているので、気をつけないと失くしてしまうこともありそう。実際にこの写真を撮影する際、ペンがないことにスタッフが気づいておらず、あわててスペアのタッチペンを取り出すというハプニングもあった。特に小さな子供は失くすことが多そうなだけに、タッチペン単品での販売を期待したいところ。
さて、実際に手に持った感触としては、普段持っているGBASPとそれほど差を感じなかった。重量は倍近くになり、横幅も大きく広がっているのは見てもわかるとおりだが、横に広くなった分だけ持ちやすくなり、逆に安定感が増したという印象だ。
本体の強度は、見た目では上下のパーツのつなぎ目が弱そうに見えなくもないが、開閉時の感覚はGBASPと変わらない。特に開閉時の違和感もなく、弱いという印象もなければ、逆に開くときの重たさも感じられなかった。無理に逆方向に曲げようとしたり、上から踏んだりしない限りは、子供が少々乱暴に扱っても問題なさそうなレベルだ。
タッチパネルの強度については、長時間使用しなくては判断しづらいので、雑感としてお話したい。タッチパネルをあまり強く押さえたりはしなかったが、「さわるメイドインワリオ」などのタイトルでタッチペンを使って叩くようにしても、表面には何の跡も見えない(もっとも、この程度で何か見えては困るが)。逆に言うと、軽く触れる程度でもきちんと操作を認識してくれる。感度は十分で、タッチパネルとしての不満は感じなかった。
強いて弱点を挙げると、手でさわったときにはどうしても指紋が残ってしまうという問題がある。しかし柔らかい布のようなもので軽く拭くだけでかなり綺麗になっており、その辺りもよく研究されていると感じる。付属のタッチペン以外のものを使って傷をつけない限りは、かなりの長寿命が期待できそうな印象を受けた。
【NDS本体】 | ||
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本体を開いたときの様子 ※ 画面は「大合奏! バンドブラザーズ」です |
閉じたときの様子。閉じると印象が一変し、シンプルで高級感のあるデザイン | 本体裏面。下のNDS用スロットの横に、タッチペンを挿入しておく場所がある |
NDSのバルーンが真上に浮かぶ「さわるメイドインワリオ」の試遊コーナー。本イベントで最多数の試遊台を出展 |
NDSタイトルの中で一番人気だったのは、任天堂の「さわるメイドインワリオ」。試遊台の数も会場内でダントツに多かったが、それでも長い行列が絶えない人気ぶりだった。タッチパネルやマイクというNDSの機能を、多数のミニゲームで堪能できることから、NDSというものを知るためには是非1度触っておいてほしい作品だ。
「きみのためなら死ねる」は20代以上の来場者に大人気。ここだけ空気が違う |
それでは、本イベントの主役たるNDSのタイトルから、「NINTENDO DS PREVIEW」で既に詳しく紹介したものは除いて、注目のタイトルを紹介する。
筆者は犬好きでも動物好きでもないが、この犬のかわいらしさや、ゲームならではの犬とのふれあいの楽しさには驚かされた。犬は3Dグラフィックスで描かれているが、決して「いかにも3D」といった角ばった印象ではなく、動物らしい丸みや柔らかさを感じさせるタッチで表現されている。
ボタンは使用せず、タッチパネルとマイクで操作する。まずマイクに向かって呼びかけたり手を叩いたりすると、犬たちが走りよってきて画面の端に前足をかけるような動きを見せる。これが、本物の犬が自分の体に走りよってきたように感じられる見事な演出だ。さらに走りよってきた犬をタッチペンでなでるようにすると、気持ちよさそうに寝転がり、ひっくり返って舌を見せたりする。こんなに素直に喜ぶ犬は、実際にはそういないかもしれないが、それだけにゲームで「いいとこ取り」をして楽しめるのは嬉しい。
さらに、フリスビーやテニスボールなどの道具を使った遊びもある。フリスビーを投げると3匹の犬が競い合って拾いに行き、くわえたらマイクに手を叩いてやると、手元に持ってきてくれる。どうこう操作しろと言われなくても、タッチペンでなでてやりたくなるところがまた面白い。
アイテムを使った遊びの中でも一番気に入ったのが、なわとびだ。いったいどう使うのかと思っていると、手前を自分が持ち、反対側を1匹の犬がくわえてくれる。そしてタッチパネルでぐるりと円を描くと、なわとびが見事に回り、残りの犬がジャンプして飛び越える。何ともゲーム的な演出だが、犬たちの見事なアクションに拍手を送りたくなるほどだ。
しっかり本物っぽさが感じられる犬のかわいさだけでなく、アイテムの使用方法や犬のなで方など、マニュアルがなくても直感的に遊べてしまうゲーム性がすばらしい。動物好きならば決して見逃せないタイトルだ。
発売は任天堂。開発進行度は50%。2005年春発売予定で、価格は未定。
□「Nintendogs(仮称)」のページ
http://www.nintendo.co.jp/ds/software/nintendogs/
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操作は全てタッチペンのみで可能となっており、3Dフィールドの移動は行きたい方向にタッチペンを当てるだけというシンプルなもの。十字キーでの操作にも対応しているが、出展されているバージョンではシビアな入力は求められないので、タッチペンでの操作のほうが直感的でわかりやすい。
途中にある立て札などを調べたいときは、調べたい場所をタッチしてから、タッチパネル上の「調べる」ボタンをタッチする。ちなみに調べたい場所を2回すばやくタッチしても調べることができた。マニュアルには書かれていない操作だが、PCユーザーならばダブルクリックする感覚に近い。
道中には、壊れた立て札の部品を集めて元通りにするというような謎解きも用意されている。実際にプレイできたのは序盤のごく一部だけだったが、このような謎解きを繰り返しながらストーリーが展開していくという。
どこどこを調べる、といったコマンドを入力するテキストアドベンチャーを、調べる場所まで全て自分で指定するようにした、といった感じのテイスト。NDSでアドベンチャーゲームを作るとこうなるのか、というお手本ともいえる内容だ。またシナリオや3Dグラフィックスを取り入れた映像からは、強い個性が感じられる。アドベンチャー好きならば一度触ってみる価値はあるだろう。
発売は任天堂。開発進行度は70%。今冬発売予定で、価格は未定。
□「アナザー(仮称)」のページ
http://www.nintendo.co.jp/ds/software/another/
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この作品の特徴的なところは、NDSの新機能をむやみやたらに使用しない、と割り切っている点。上下の2画面があっても、両方を同時に見ることは少ないとして、マップの移動時などは下の画面を一切使用しない。また通常の操作でタッチパネルは使用せず、十字キーで操作する。
タッチパネルが使用されるのは戦闘時。多数の兵士を連れてぶつかり合うというシリーズの伝統ともいえる戦闘システムだが、タッチパネル上に表示されている王子のマークを、敵キャラクタのほうに向かってはじくようにタッチペンを動かすことで、敵に強力なアタックが加えられる。何度も弾くほどにパワーが上がるので、戦闘時はひたすらタッチパネル上をこすり続けることになる。何となくアクションゲームをやっているような気分だ。
そしてもう1つ、タッチパネルを活用するのが、エッグモンスターだ。謎のたまごからモンスターを呼び出して自分の代わりに戦わせる、というのはシリーズではおなじみのシステム。今作ではエッグモンスターのどこを使って攻撃するか、あるいは敵のエッグモンスターのどこを攻撃するかを、9つに区切られた部位からタッチして選ぶ。その部位によって、攻撃方法が変わるという仕組みだ。
「どうすればタッチパネルなどの新機能を使った面白いゲームができるか」という発想ではなく、「面白いゲームを作るために必要ならば新機能を使いましょう」という開発スタンスが見て取れる。ユーザーとしては面白いゲームが遊べることが最も大切なことであり、この割り切った考え方はとても好感が持てる。
通常時は使用しないというタッチパネル部分には、劇場の席が映し出されており、人がひっきりなしに出たり入ったりする。舞台上で繰り広げられる演劇、といった設定もシリーズではおなじみだが、この画面には今のところ特に意味はなく、「真っ暗でもいいけれど、何かないと寂しい」ということ作られたそうだ。だが試遊した人たちの様子を見ると、下のパネルに何かないかと一生懸命にタッチする人が多かった。どうでもいいようなお笑い要素を期待してしまうのが「半熟英雄」ともいえるだけに、なにかそれらしいネタを仕込んでほしいものだ。
発売はスクウェア・エニックス。開発進行度は50%。発売日、価格ともに未定だが、同社の担当者は「NDS初のRPGタイトルとして発売したい」と意欲的なコメントも聞かせてくれた。
□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.co.jp/
□「エッグモンスターHERO」のページ
http://www.square-enix.co.jp/hanjuku/
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という設定のパズルゲーム。隕石は数種類の色に分かれており、ほうっておくとフィールドにどんどんたまっていく。これを宇宙に打ち上げるには、同じパネルを3つくっつける。すると隕石はロケットのように噴射をはじめ、上方へと飛び始める。ただし隕石の移動は上下のみで、左右には移動できない。
操作はタッチペンのみで行なう。隕石を上下に動かすだけというシンプルな操作なので、決してタッチペンでなくてはならないという内容ではないが、今触りたいと思ったブロックを直接動かしたい場所まで持っていけるという点では、実にタッチペン向きのシステムといえる。このようなパズルゲームでは展開がスピードアップするほど、操作でストレスを感じるものだが、この作品に関してはそのような心配は無用といっていいだろう。
ゲームシステムのほうも、3つ並べるだけというシンプルさで遊びやすい。隕石を上下にしか移動できないという制約のおかげで、隕石を移動する順番の重要性が高まり、パズルを組み立てる楽しさも十分。さらにロケットを派手に噴射させて大量の隕石を飛ばすという爽快感も味わえる。ゲームシステム、タッチパネル操作の両面で秀作と呼べる作品だ。
発売はバンダイ。開発進行度は50%。発売日、価格ともに未定。
□バンダイのホームページ
http://www.bandaigames.channel.or.jp/
□「メテオス」のページ
http://planetmeteos.com/
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会場には専用のステージが設けられ、多数の来場者の目を引いていた。このイベントでは8台のNDSが使用され、出題されたクイズの回答を「ピクトチャット」で素早く答えるというクイズ大会が催された。視界進行役の2人組の冴えわたる軽快なトークにも乗せられてか、チャットツールとは思えないほどの盛り上がりを見せていた。
□「Nintendogs(仮称)」のページ
http://www.nintendo.co.jp/ds/software/pictochat/index.html
※ スクリーンショットはこちら
そんな中、スタッフが小さなパンフレットを配布しているGC用のタイトルを発見。全体を見回しても配布物は最初にもらったカタログぐらいしかないイベントだったが、ここだけは熱心に配布を行なっていた。それが「ちびロボ!」だ。
ちびロボは、床の汚れを掃除したり、熱帯魚に餌をあげたりする自立行動型のロボット。一家に1台の便利なロボット、といったところだろうか。全長は10cm程度しかなく、非常に小さい。主人公となるのは、サンダースン家に誕生日プレゼントとしてやってきたちびロボ。プレーヤーはこのちびロボを操り、サンダースン家の家族を幸せにすることが目的となる。
といっても、まずは家の中がどうなっているかを知るため、探検することから始まる。会場でプレイできた序盤部分では、敵キャラクタなどもおらず、ゆったりとしたゲーム展開。床にあるよごれを歯ブラシで掃除したりしながら、家の中を歩き回る。
このゲームのユニークなところは、このロボットの動力にある。どうやら充電式のようで、時間が経つごとに画面下のバッテリーゲージが徐々に減っていく。充電するには、自分でコンセントを見つけて、プラグを差し込むことになる。移動中もプラグを後ろにずるずるとひきずったままで、ちびロボ自身のユニークな形状とあいまって何ともかわいらしい。
家族をハッピーにすることで、ちびロボランキングが上がっていく。目標は、あまたのちびロボの中でも、一番たくさんハッピーを振りまいた証であるランキング第1位。家族を幸せにするために、小さいロボットがせっせと動き回るというストーリー設定、とても夢があっていい話じゃないですか。
発売は任天堂。開発進行度は50%。価格、発売日ともに未定。
【ニンテンドーワールド Touch! DS 開催スケジュール】
・名古屋会場(終了) : 11月3日 ポートメッセ名古屋 第2展示場
・大阪会場 : 11月7日 インテックス大阪 6号館Bゾーン
・東京会場 : 11月13日、14日 東京ビッグサイト 東4ホール
・札幌会場 : 11月23日 アクセスサッポロ 大展示場
・福岡会場 : 11月28日 西日本総合展示場 新館A・B
□任天堂のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/
□ニンテンドーDSのページ
http://www.nintendo.co.jp/ds/
□「ニンテンドーワールド Touch! DS」のページ
http://www.nintendo.co.jp/n10/nwt/index.html
□関連情報
「ニンテンドーDS」記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/backno/news/ndslink.htm
(2004年11月4日)
[Reported by 石田賀津男]
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