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EA、「スター・ウォーズ ギャラクシーズ」
日本語版プロデューサーインタビュー
“宇宙の戦い”を得た本作を満を持して日本に提供

10月28日収録



 10月28日、エレクトロニック・アーツ株式会社(以下、EA)本社にて、11月11日よりβサービスを開始する「スター・ウォーズ ギャラクシーズ」(以下、SWG)の日本語版プロデューサー河辺正純氏にお話を伺った。

 まず最初に見せてもらったものは日本語版SWGで、翻訳の進行度は50%程度で、β開始時までは現在は70%にしていきたいとのこと。これはローカライズの最終的な方針をβテスターのユーザーと共に決めていきたいという河辺氏のポリシーに基づくものだという。ログイン画面などはすでに追加パック「Jump to Lightspeed(以下、JTL)」が導入されたものだったのが印象的だった。

 ゲームのインターフェイスのほとんどは日本語化されていた。ヘルプもすべて日本語化されていて、これを読むことでプレイの足がかりとなるという。項目は非常に細かく設定されていて職業などの基本的な概念を学ぶことができるとのことだ。




■ローカライズについて

SWG日本語版プロデューサー、河辺正純氏
編集部:最初に河辺さんが関わってきた作品を教えてください。

河辺氏:実は私、この業界は非常に長いんです。EAでは、去年以降のルーカスアーツの作品はほぼすべて。「ニード・フォー・スピード アンダーグラウンド」も手がけました。古い話になると、「ウィザードリー」、「ウルティマ」、「バーズテイル」といった作品にも関わっていましたね。ずっとローカライズの仕事が多く、大きな作品に関わることも多かったです。MMORPGに関しては、今回が初めてになります。

編集部:MMORPGということで、何か勝手が違ったりはしますか?

すでに日本語化されているヘルプ画面。ゲームの様々な情報を入手でき、プレイの道標になってくれる
河辺氏:ベースの部分は同じですね。SOE(Sony Online Entertainment)も手慣れているので、困る部分は少なかったですね。単純にボリュームが多いので、それで大変というだけで……。隣に「ウルティマオンライン」(UO)の担当で、最近まで「Ultima X: Odyssey」を担当していた平岡もいますからね。

編集部:本作の翻訳で気をつけた部分はどこでしょうか?

河辺氏:それはやはり言葉ですね。「スター・ウォーズ」に関しては、用語が全部決まっていますので、それに準拠することが基本になります。ダースベイダーや皇帝、ルークなども出てくるので彼らの口調には気をつけました。しゃべり方に関しては映画の翻訳よりも小説を参考にする部分がありましたね。ファンにとって納得してもらうキャラクタのしゃべり方、ここには気を使いました。

編集部:ルーカスから表現についての厳しい縛りといったものはないでしょうか?

河辺氏:それはないですね。用語については決まっている部分が大きいですし、私はずっとルーカスのタイトルを扱っていたので、基本的にはこちらで決めた用語で大丈夫という形で、お任せいただいています。

編集部:人間型ではない生き物のしゃべり方などはどう再現したんでしょう?


河辺氏:グンガンをのぞいて、他のエイリアンは映画ではかなり普通の英語をしゃべっていたんですよ。それとは別に、ゲームの中には共通語の他に、それぞれの種族の言葉が選択できるようになっています。これを使うと、例えばウーキーはプレーヤーがチャットをしても、ウーキー語がわからないプレーヤーにとっては「ウーウォー」という表示に見える。ウーキー語がわかるプレーヤー達にはそれは正常な言葉として見えるんです。ハン・ソロとチュウ・バッカの会話のような、他の人には分からないような会話をしている雰囲気も出せます。口調というレベルではなくて、言語体系として設定されています。

編集部:「スター・ウォーズ」に関して日本では欧米に比べ関連書籍の数などで違いがあり、世界観などを知っている人が少ないと思います。そういったギャップを埋めるためのプランをEAでは何かお持ちでしょうか?

オンライン事業部マーケティングマネージャー 平岡氏:膨大な情報量もあり、映画にも密接に関わってくるので、それらをすべて紹介できるサイトを作ったりするのは非常に難しいです。私たちは、このゲームに関しては「スター・ウォーズ」をあまり知らなくても、楽しくプレイしてもらえるための情報を用意していきたいと思っています。

 このゲームをプレイすることで「スター・ウォーズ」の世界に興味を持ち、好きになってもらえるようにしていきたいと思っています。このゲームは、「スター・ウォーズ」世界の入り口としての要素も大きく持っている作品だととらえています。プレーヤーにこのゲームに興味を持ってもらうための活動はしていきたいと思っています。

編集部:それは、アメリカとはまったく違う展開になると言うことでしょうか?

平岡氏:異なるでしょうね。アメリカでは、スター・ウォーズは、いわば「ガンダム」並にメジャーな世界です。日本ならではの活動をしなくてはならないし、していくべきだととらえています。正式サービスと同時にスタートできればなあと、それを理想にしてはいるのですが……(笑)。

【スクリーンショット】
ロード画面とオプション画面。メッセージの多くは日本語化され、快適なプレイが楽しめそうだ。なお、スクリーンショットに使用されている用語などは今後プレーヤーの意見を取り入れて変更される。また、開発中なので未訳、文体の未調整部分があり、フォントは最終版ではないとのこと

■日本でのβテスト、正式サービスの展開について。

編集部:日本で11月11日からスタートするβテストについてお伺いしますが、ローカライズの完成度が100%ではなく、開発途中のもので提供するのは何故でしょうか? 欧米型のMMORPGでは比較的珍しいケースだと思うのですが?

河辺氏:βのユーザーの意見を参考に“より気持ちのいい日本語”を目指していきたいからです。つまり、現時点でローカライズに関して「これで確定」ということは何もありません。

 SWGは既に稼動して1年を経過しているゲームです。バグレポートなどの必要性はもちろんありますが、βテスター、そして正式サービスがはじまった後も、日本ならではのスター・ウォーズの世界というのはどういうものかを模索していきたいですね。

 こういった機能が欲しいとか、この単語はカタカナじゃなくてアルファベットにしようとか、そういった個人的な好みの面もお聞かせ願いたいですね。現在、スキルなどの表記はカタカナで統一していますが、迷っている部分もあります。語感を取るのか、わかりやすさを取るのか、「スター・ウォーズ」っぽさを取るのか? 英語の方がわかりやすいかもしれないですし、ユーザーの意見で考えていきたい部分です。

 たとえばユーザーの8割が、「全部漢字の方がかっこいいよ」とおっしゃるようでしたら、そうなります。ファンならではの意見が欲しいですね。「ここは納得いかん」という部分があったら、是非言ってください。

編集部:プレーヤーの好みで、英語やカタカナに切り替えることはできますか?

河辺氏:最初に英語を選べば全部英語表記になります。どこかだけを英語、どこかだけを日本語という選択は現状ではできません。

編集部:英語のクライアントで日本のサーバーでプレイすることはできますか? サポートは受けることはできるでしょうか?

平岡氏:アカウントを日本版で登録していただければ可能になります。サポートも日本語で受け付けています。英語版クライアントでも日本語会話は見えるようになる予定です。ただし、英語版クライアントでは日本語での発言はできないですね。

編集部:テスターの募集は何人くらいで行なっていますか?

平岡氏:数千人の規模で同時接続できる規模で募集しました。アカウント数でいくと、1万人以上という感じですかね。一般のMMORPGのテスト並に募集をかけています。

編集部:GMに関しては何人くらいいるのでしょうか?

平岡氏:数についてはノーコメントです。現在既にトレーニングに入っています。

編集部:コンパニオンというか、GMをアシストする役割の人もいるのですか?

河辺氏:本作では、初心者に対応できるシステムがあるんですよ。「ニュービーヘルパー」というシステムなんですが、初心者が教えを請いたいと思ったときに、ヘルパーをかって出ている上級者を検索できるシステムが搭載されています。検索のコマンドでは他にも、パーティーを組みたいメンバー、「スター・ウォーズ」の住人になりきるロールプレイがしたいというメンバーが検索可能になっています。

編集部:こういった本作ならではのシステムに関しては、サイトに紹介していく予定でしょうか?

平岡氏:そうですね、プレイの幅を広げる部分に関しては、こちらも積極的にフォローをしていく予定です。ただ、本作は情報が多すぎるくらいに詰め込まれています。プレーヤーが最初から多すぎる情報に翻弄されないように注意はしたいですね。

編集部:ダウンロードに関して、2つの時期に分けていますか、これの意図は?

平岡氏:単純に快適にダウンロードをしていただけるタイミングを分けただけで、スタート時の混乱を避けるためだけです。プレイに関しては11月11日より、同時に始めていただけます。サーバーに関しては最初は1つですが、β期間中に3つのサーバーをオープンする予定です。

編集部:NPCの会話などは既に日本語化されているのでしょうか?

河辺氏:ほとんどが翻訳されていますね。基本的にアルファベットの部分は、キャラクタの名前、モンスターの名前、それとコマンドですね。

編集部:βテストでプレイできるものは、米国の最新バージョンと同じものでしょうか?

河辺氏:実は若干こちらの方が新しいんです。テストセンターと同等のものとなっていますね。正式サービス時は米国のバージョンと同じものになります。βテストで行なった変更が、正式サービス開始時に、全世界のサーバーで反映されるというわけですね。

編集部:βテスト中には、エリアやスキルなどが制限されるでしょうか?

河辺氏:製品版と全く同じものです。制限はありません。

編集部:βテスターからの意見はメールで送ることになるのでしょうか?

河辺氏:ゲーム内に「フィードバックコマンド」と、「バグコマンド」があります。不具合があった場合にはバグコマンドですが、既に稼動一年を経過している作品ですので、あまり多くないとは思いますね。フィードバックコマンドは、要望や要請を送っていただくときに使うコマンドです。翻訳に関してのものなど、ゲーム内から、リアルタイムで、どんどん声を寄せていただきたいですね。要望に関しては、β時に公式ページからフォームで寄せていただいても結構です。

編集部:βテストから正式サービスまで非常に細かくスケジュールを規定していますが、この予定がずれ込むということはないのでしょうか?


河辺氏:それはないと思っていただいて結構です。順調ですよ、今のところは(笑)。

■「Jump to Lightspeed」について。

追加パックである「Jump to Lightspeed」で実現した宇宙空間。惑星間の移動から、戦闘まで惑星のみであった今までの世界が大幅に広がった

編集部:さきほど見せて頂いた映像では、すでにJTLが入っていたようですが、βテストの段階からJTLはプレイできるのでしょうか?

河辺氏:できます。JTLが導入されたことにより、クエストと職業が増えます。一番大きな点は、宇宙に飛び出せる点です。陣営を選ぶことでそれぞれの軍に所属する宇宙船がもらえるので、テストを始めてからものの十分で宇宙に飛び出すことも可能ですよ。

 ただし、この部分の翻訳はまだ取りかかっていないので、βテスト開始時は全部英語になっています。βテスト期間中にどんどん日本語化されていくはずなので、「お、やっと日本語になったとか」リアルタイムに翻訳作業を体験できるかもしれませんね(笑)。

 実は、日本でこのSWGをサービスする、ということに関しては、米国でゲームが始まったばかりの時からプランとしてはあったんです。ルーカスに認めてもらわなくてはならないと言う問題もあったんですけど、最初、本作には宇宙がなかった。スター・ウォーズといえばやはり日本のイメージでは「宇宙」ですから、それだと日本のユーザーにはわかりづらいかな? と考えていたんです。JTLが入り宇宙という舞台が手に入ったら、すぐにでもプレイをしたいじゃないか、ということで最短のスケジュールを組んだんですよ。

 そのためちょっと情報の露出も少なかったのですが、すべては英語版に遅れることなく、なるべく早く米国と同じ、宇宙を得たSWGをプレイしてもらいたかったんです。最小限日本語化できた時点で、宇宙に飛び出してもらおう、というスケジュールで制作しています。

編集部:JTLの導入は、日本語化とスケジュールが近かったから導入されるというわけではないのですか?

河辺氏:違います。これに関してはJTLの登場を待っていました。宇宙が最初からあった方が日本のユーザーには受け入れられると思っているんですよ。米国とは違い、初心者プレーヤーがいきなり宇宙に飛び出すことも、そればかりを楽しむという遊び方も、アリです。そういうプレーヤーさんにもいっぱい来てほしいですね。ジョイスティックを準備して、「俺は宇宙で戦うよ、それがメインだよ」というプレーヤーも歓迎します。

 私は実はルーカスが昔に出していた「X-Wing vs TIE Fighter」という作品の大ファンで、日夜やりまくってたんですね。JTLの開発スタッフの弁によれば、あの作品のテイストを大いに活かしたものにしたいといっていましたし、わりとそれはできてるんじゃないかなと思いますね。パッドなりスティックなりを用意して、バンバン撃ちまくって欲しいな、と、思っています。

編集部:JTLでは宇宙は戦闘するのみの空間でしょうか? 通常の方法より宇宙船を使った方が輸送コストが安くなり、戦闘に参加せずに行商に専念するといったことはできますか?

河辺氏:密輸業者のロールプレイは楽しめますが、ゲームとしてのそうしたメリットは今のところないですね。ただし、大型の宇宙船にパーティーで乗り込んで、砲手と共同で戦ったり、船の中でチャットを楽しんだり、みんなで遊覧飛行を楽しむといったことはできます。非常に面白い宙域もあります。観光も楽しいですよ。

編集部:日本のゲームプレーヤーにとっては、地上でもパッドの操作に対応して欲しいといったところがあると思うのですが、どうでしょうか?

河辺氏:現在のところ地上でのゲーム操作にはパッドやスティックは対応していません。ユーザーの希望次第ですね。

編集部:日本では、現在ジョイスティックが入手しづらい状況にありますが、EAとして対応していくプランはありますか?

平岡氏:タイアップなども計画していますが、ソフト発売に合わせられるかは未定です。自社ではなく、ジョイスティックメーカーとのキャンペーンを考えています。

河辺氏:マウスとキーボードでも宇宙の戦いは楽しめます。特にFPSをやりこんでいるユーザーは、針の穴を通すようなマウス操作をしますからね。ただ、通常の人はパッドかスティックの方が体感的にも楽しめると思います。

【スクリーンショット】
宇宙は宙域によって様々な表情を見せてくれる。プレーヤーは反乱軍か帝国軍のどちらかに分かれて激しく戦うこととなる。X-WingやTIE Fighterなど、ファンにはおなじみの特徴的な機体が宇宙せましと飛び回る
JTLの部分は開始時はまだ英語のままのところが多く、翻訳作業をリアルタイムに体験できるという。最短でプレイを始めて10分で宇宙に飛び立てるとのこと。ジョイスティックを利用すればより自在に機体が操れる

■ジェダイの騎士、日本オリジナルのイベントについて

編集部:βテスト中にジェダイの騎士を作ることは可能でしょうか?

河辺氏:ルール上は可能ですが、2週間という期間ではほぼ不可能でしょうね。

編集部:ジェダイの騎士という存在について、日本展開で何か特別なプランなどはあるでしょうか?

河辺氏:ジェダイという存在に関しては、ルーカス・アーツ自身非常に特別な存在だととらえていますので、こちらでアプローチできる部分は少ないです。現在はジェダイになることそのものが難しい存在で、ひとつのサーバーで何人がなれるのか? という条件になっていますね。これは原作そのものがそうなので、ルーカス・アーツやSOEのスタンスが変わらない限りタッチできないですね。

編集部:海外のプレーヤーが日本のサーバーにジェダイのキャラクタを持ってくるということは可能ですか?

河辺氏:キャラクタ移動サービスは行なう予定ですが、ジェダイに関しては、米国でもサーバー間のキャラクタ移動はできない決まりになっています。日本サーバーはしばらく、他の国のキャラクタが移動してくるのは制限します。また、日本のキャラクタが他のサーバーに移動する問題に関しては、SOEの方で、「サーバー間を移動できるのは、誕生から6カ月たったキャラクタのみ」という決まりを設定していますので、6カ月は無理ですね。

編集部:映画などに登場したキャラクタなどが出てくる日本独自のイベントなどは計画していますか?

平岡氏:裁量的にはかなりのものが任されていますが、世界観にふれるものなどは、必ずルーカス・アーツに対して意見を求め、了承を得てからということになります。最終的に許可を下すのはルーカス・アーツですね。彼らの確認が必要となります。最終的には「スター・ウォーズ」の世界はジョージ・ルーカスという個人に帰属するものですからね。

編集部:SWGにおける、ジョージ・ルーカスの関わりというのは、どんなものなんでしょうか?

河辺氏:そこは我々にもわからないですねぇ(笑)。ただ、コンセプトレベルでは関わっているそうです。

PRマネージャー 大塚さん:ゲームショウでSWGのスタッフが語っていたところでは、アップデートの時などに、ルーカス・アーツで会議をするのですが、それには必ずジョージ・ルーカスは加わっているそうです。大きな部分での情報は、彼は掴んでいて、了承を与えていると考えていいと思います。

編集部:SWGにおいて、ジョージ・ルーカスを全面に出さないのはある意味意外な印象がありますよね。

河辺氏:映画が終わったらジョージ・ルーカス監修のアドオンとか、やってもらいたいですねえ(笑)。

■「EverQuest II」について

編集部:業界として、「EverQuest II」(EQ2)のアメリカでのスタートが予想以上に早かったというサプライズがあると思うのですが、それに対して感想をお聞かせください。

河辺氏:EQ2は、SWGとおなじ、SOEのタイトルですが、SOEという会社のワーキングスタイルは、非常に日本的なんです。一緒に仕事をして感じたんですが、社員達はいつでも会社にいて、メッセンジャーが立ち上がっている。「いつ寝てるの?」という感じです。そのスタイルをずっと見ていたので、彼らならばこの早いスタートは可能だったと思いますよ。私はローカライズの仕事で米国のメーカーを多く見ていますが、このペースでずっと仕事している企業はアメリカでは珍しい。見たことがないです。

編集部:今後、日本で展開する欧米型MMORPGのビックタイトルとして、SWGと共にEQ2の存在が大きくクローズアップされると思いますが、SWGのプロデューサーとしてEQ2の存在についてどのようにとらえていますか?

河辺氏:EQ2並びにそれを日本で展開するスクウェア・エニックスは、一緒に戦っていく仲間だととらえています。オンラインゲーム市場は、現状まだあまりに小さい。この規模で終わるとは、私は考えていませんし、これからどんどん広がっていく市場だと思っています。ファンタジー世界で、非常にハードコアな側面もあるEQ2と、SF的な世界を持つSWG、クラシックな雰囲気を持つUOとは全部カラーが違うものです。ライバルではなく、一緒に市場を広げていく存在ですね。

■実際のプレイについて

編集部:これからプレイをする人達に向けて、アドバイスをお願いします。

河辺氏:まず、「システム的な心配はないですよ」ということですね。既に稼動しているタイトルなので。最初のローカライズは基本的なところにしています。“これから”という部分で大きいのは日本語化です。ここを私たちは、自分たちの思想だけで決めようとは思っていません。

JTLで追加された新種族「サラスタン」。映画の「エピソードVI:ジェダイの帰還」において、ミレニアム・ファルコンの副操縦士として活躍したニエンが有名だ。本作では映画に登場した様々な種族になってプレイすることができる。各種族にはそれぞれ職業に適性があり、サラスタンはパイロットに向いている種族だ
 是非βテストに参加して、プレーヤー自身で感じたことについて、どんどん意見を言ってもらいたいですね。オンラインゲームは、私たちだけで作るものだとは思っていません。一緒に、本作に「魂」を吹き込んでもらえればと、思っています。

 映画が好きであまりゲームをやっていないというプレーヤーさんも大歓迎です。「スター・ウォーズ」には色々な名所があります。ジャバの宮殿や、シードの滝や……。そういうものが完全に再現されている。グラフィックオプションを最大にして、周りを見回して欲しいです。映画と全く同じ世界に自分が立っているという興奮を味わってもらいたいですね。

 システムやインターフェイスについても意見を求めています。そのアイデアが凄く良い物であれば、米国のSWGのシステムから改良される可能性もあります。意見に関しては、まずこちらの会社で検討をさせていただきますけれども。

編集部:プロデューサーオススメの場所などは何処でしょうか?

河辺氏:完全に個人としての意見になってしまいますが、私は釣りが好きなんですね。シードの滝はその釣り好きの気持ちを刺激してくれる場所です。普段グラフィックオプションをフルにすると重いと思うんですが、ここはフルオプションで歩いてもらいたいです。非常に綺麗な場所ですよ。

編集部:本作には眼の飛び出した異星人「アイソリアン」など、外見的にちょっと日本人のセンスとは違うキャラクタも多く登場します。人気の面で、偏ってしまい、欧米のサーバーのような多彩な異星人が闊歩する世界にならないかもしれないという心配はありませんか?

河辺氏:そういう心配はありません。異星人にはそれぞれ職業について有利な点がある。それは成長していけばわずかな差異にすぎないんですが、それでも実利的な視点でこだわっているプレーヤーには大事なポイントです。日本のプレーヤーには、見た目よりも、キャラクタの性能を追求するタイプのプレーヤーも多いと思います。

編集部:本作はふたつの勢力が争っている世界ですが、プレーヤーの中には戦いたくないと言う人もいると思います。そういう場合はどうすればいいでしょうか?

河辺氏:自分がどちらに所属しているか隠す方法があります。PVPを望まないプレーヤーは、隠しておくことで襲われません。帝国軍、反乱軍のパワーバランスが生じた場合も、運営側は介入しません。ゲーム的にどちらかが「滅びる」ことにはなっていないんです。

編集部:本作が他のMMORPGとは一線を画す楽しさというものは、どんなものがあるでしょうか?

河辺氏:映画の世界観はもちろんのこと、やはりフライトシューティングの部分ですね。あらゆるMMORPGの中で、この要素を取り入れた作品というのは他にはまだ存在していない。本作の最大のウリだと思っています。その楽しさを体験してもらうために今まで待ってから提供するというスタイルにしたのです。

 MMORPGは、チャットゲームとしての側面、生産、観光など多彩な楽しさを持ちますが、本作はそこにシューティングという要素が加わっている。このJTLが加わったことで、SWGの基本部分が完成したと、私はとらえています。これから発展するための、基本がととのったと思っています。

 プレーヤーが共同で街を作る、プレーヤーシティーも大きな楽しみのひとつです。その街の市長は選挙で選ばれるので、品行方正とまではいいませんが、プレーヤー達に認められた人でなくてはならない。大きな街になることでどんどん機能が拡張し、便利になっていく。「社会にとけこむ」必要がある要素、というのは、プレイを、プレーヤー社会を楽しくしてくれると思っています。

編集部:最後にファンへのメッセージをお願いします。

河辺氏:シューティング要素を併せ持ったMMORPGというのは他にないと思います。映画が好きで「スター・ウォーズ」の世界が好きな人は、是非この世界を訪れてもらいたいですね。


【スクリーンショット】
戦闘画面。SWGの世界は危険に満ちている。時には他のプレーヤーと戦うことも。仲間と共に立ち向かったり、危ない地域を避けたりと、生きていくためにはさまざまなことを学ぶ必要がある
街。多彩な姿をした宇宙人が闊歩する、本作ならではの雰囲気を持った景色が楽しめる スピーターバイクに乗る。宇宙船だけではなく、映画に登場した特徴的なメカがたくさん登場する 写真に写るのは自立型ロボットである「ドロイド」だろうか? それとも人が乗るタイプのメカだろうか
 
世界は美しいグラフィックで描画されている。映画の世界を歩くという興奮は、本作ならではのものだ 踊るサラスタン。コマンドによってキャラクタはユニークな仕草をする。会話のアクセントに多用したい

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□エレクトロニック・アーツのホームページ
http://www.japan.ea.com/
□「スター・ウォーズ ギャラクシーズ」のページ
http://www.japan.ea.com/swg/
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(2005年11月1日)

[Reported by 勝田哲也]


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