TGS2004ブースレポート~エヌ・シー・ジャパン編~
今年も「リネージュII」一色、多くのファンが期待を寄せる
大規模アップデート「クロニクル2」
期間:9月24日~26日(24日はビジネスデー)
会場:幕張メッセ
入場料:1,200円(前売1,000円)
小学生以下無料
■ブースでは「クロニクル2」の変更点を効果的にアピール
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数多く設置された試遊台は、空くことがない。ギャラリーの目も真剣だ |
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イベントも「リネージュII」一色 |
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多くの人がプレイを待ち望む |
エヌ・シー・ジャパンの東京ゲームショウブースは、MMORPG「リネージュII」一色にそまっていた。大きな構えのブースの中に、たくさんの試遊台を設置。ひとつのタイトルをブース全体で非常に大きな規模で主張するという手法は、他のメーカーにはないものだ。
一般公開日である25日、筆者はあらためて「リネージュII」の人気の高さに驚かされることになった。試遊台はその人数の多さに、プレイ時間を5分という非常に短い時間に設定されていた。にもかかわらず、長蛇の列ができ、プレーヤーは背伸びをして、試遊台の画面を見つめているのである。
彼らの関心の高さには、大きな理由がある。韓国では既に開始された「リネージュII」の大規模アップデート「クロニクル2」の実装されたバージョンは、日本では現在、この会場でしか体験できないのである。試遊台のキャラクタ達は変更点が分かりやすいように最新の装備を身につけ、新しいスキルを使う。冒険する場所ももちろん新エリアだ。「来るべき世界」であるその情景は、目を奪われずにはいられないだろう。
「クロニクル2」の詳細については後述するが、今回のエヌ・シー・ジャパンは、アップデートの特徴を効果的にブース内でアピールしていた。会場でひっきりなしに行なわれていたイベントではモンスター達がコミカルなレースを繰り広げる「モンスターレース」、新モンスターの姿が楽しめる「ボス戦」、さらに新アクション「泳ぐ」を活用したトライアスロンなど、追加要素がビジュアル的に強いインパクトをもったイベントになっており、プレーヤーはもちろん、他の来場者も足を止め、大きなモニターを見る列に加わっていた。
会場の中央には、特撮映画、平成版「ガメラ」を手がけたスタッフによる、地を走る竜「ストライダー」の実物大模型や、「攻城戦」をイメージしたジオラマなども展示され、来場者の多くがカメラを向けていた。特に、ゲーム内のコスプレをしたコンパニオンがストライダーにまたがっていたときはさながら「撮影会」のようで、通行に支障を来すほどの大盛況となった。
「宝くじ」はユニークなアイデアを活かした出展。ゲーム内のアカウントを持っていれば引くことができ、抽選で1,000名に「クロニクル2」をいち早く導入した先行テストサーバーに入ることができるアカウントが当たるというもの。 ほかにも「Cグレード」といった強力なアイテムも商品として用意されている。「リネージュII」では強い武器は、常にプレーヤー達が求めてやまないもので、たとえ使用できなくても売却すればゲーム内で膨大な富を生むこともあって、こちらの賞品を目当てにくじを引いているプレーヤーも多かったとのことだ。
試遊台では、レベル75という、ゲーム内で現在最強の部類にはいるほどに強いキャラクタでゲームを体験できる。スタートする街から、テレポーターを使って飛ぶことができる場所はすべて新しいエリアになっており、プレーヤーは強いキャラクタで新エリアを見学することができる。たっぷり見たら、帰還スクロールを使えばすぐに街に戻れるということで、さまざまな場所を気軽に訪れることができるようになっている。
キャラクタの装備もプレーヤー達には新鮮なものばかりだ。キャラクタは複数の装備を持っており、そのどれもが目新しいものばかり。装備の中には既に今のゲームに登場するものもあるが、それらのアイテムは、今回のアップデートでグラフィックが変更される。現役のプレーヤーにはうれしいポイントなのだ。
試遊台をプレイしている人には新アクションである「泳ぐ」を試している人も多く見受けられた。今まではキャラクタを水の中にいれても底を歩くだけであった。息が続かなくなると、体力が減って死んでしまう。今回のアップデートで、キャラクタは身体を優雅にくねらせて泳ぐことができるようになる。
それでも、息の続く魔法をかけなければやはりおぼれてしまうという。頭を水面に出して息継ぎをしながら海を渡るということは無理だそうだ。今回のこのアクションで、深い海の中を自在に泳ぐことが可能になり、海底の洞窟などを探索できるようになるという。この方法でしかいけない場所も出てくるかもしれないとのことだ。
ブースでは、「リネージュII」以外のタイトルとして、「CITY of HEROSE」、「GUILD WARS」、「Alter Life」を映像出展していた。いずれもモニター一台で映像を流しているだけ。いずれのタイトルも2005年サービス予定とのことだ。
その一角を別にすれば、ブース内は本当に「リネージュII」一色であった。E3でたくさんのタイトルを意欲的に出展していたNC Softのブースとは対照的に見え、エヌ・シー・ジャパンの戦略をうかがわせた。
筆者は、昨年のE3、昨年のTGS、そして今年のE3とNCグループのブースの出展を見てきたのだが、「試遊台を中心に、来場者にゲームを体験させてアピールする」という姿勢が、より洗練されてきていると感じた。「クロニクル2」の特徴を、非常に効果的に演出しており、一貫したテーマによってブース自体が構築されている印象を持った。
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リアルに作られた1/1ストライダー。コスプレのコンパニオンと共にフラッシュを浴びていた |
攻城戦をイメージしたジオラマ。非常に細かく造りこんである |
イラストを担当するジョン・ジュノ氏のサイン会も開催された |
■待ち望まれる「クロニクル2」。実装は12月7日正午を予定
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「クロニクル2」の説明をするエヌ・シー・ジャパンの「リネージュII」ビジネスチームチームマネージャ越知氏(右)と、NC Soft 開発部のパク氏 |
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拡張されるマップ。さまざまな冒険者を対象にしているという |
24日に開催されたプレスカンファレンスでは、エヌ・シー・ジャパンの「リネージュII」ビジネスチームチームマネージャ越知氏と、NC Soft開発部のパク氏による「クロニクル2」の特徴が発表された。
「クロニクル2」は新エリアや新モンスター、新ルールなど他に、現在のルールの変更なども含まれている。項目は下記のようなポイントとなる。韓国ではすでに実装しているこのシステムは、日本では現在、12月7日正午を予定している。その前にテストサーバーとしてプレーヤーを限定した形で公開し、テストを重ねていくという。
1.マップの拡張
既存のマップの「ギラン城の村」から南東の部分が今回追加される新マップ。「静けさ、ささやきの草原」、「ワニの島」など、6つの地域の名前が挙がっている。パク氏によると、「クロニクル2」のテーマのひとつとして「水」が挙げられるという。「エヴァの水中庭園」、「水上都市ハイネス」といった地名もみてとれる。泳ぎを楽しむとともに、おぼれないように注意が必要となる場所も多そうだ。
パク氏によると今回のコンセプトには「幅を広げる」というものがあるとのこと。新エリアは、レベル30台の中級者から育て上げたキャラクタでも難しいような上級者向けの場所まで、さまざまな地域があるという。より多彩な冒険を楽しむことができるとのことだ。
2.ボスモンスターの追加
超上級者レベルへ向けられた開発者からの挑戦状ともいうべきボスが今回追加されるという。越知氏が「クロニクル2最強の敵」とコピーをつけたのがバイウムと呼ばれるモンスター。彼はかつて皇帝としてこの世界に君臨し、権力を使い天にも昇ろうとする高い塔を建てた。そのことによって彼は神の怒りに触れ、石像に変えられてしまったという。
「クロニクル2」では今まではいることができなかった「傲慢の塔」を上ることができ、その最上階にバイウムが待ちかまえているとのことだ。多くのプレーヤーの目標となるような、強力なモンスターとのことである。他にも、海賊の王としてザケンというボスモンスターの姿が発表されている。
3.ドラゴン育成システム
ゲーム最初期から計画されていたドラゴン育成システム。「クロニクル2」では今までプレーヤーのパートナーとして戦っていた小さな竜ハッチリンが、より強く、たくましいストライダーに成長するという。その条件とはハッチリンを55レベルまで成長させ、あるクエストを受けること。非常に困難な道になることが予想されるが、いずれ天かけるドラゴンとなって羽ばたく日を夢見て、パートナーを鍛えているプレーヤーには夢にまたひとつ近づいたこととなる。
ストライダーに乗ることができれば通常より早く移動できるようになる。さらに、今まで通り一緒に戦う仲間としても活躍してくれるとのことだ。
4.追加ゲームシステム
・荘園システム
このシステムが導入されると、城主はプレーヤーに“種”を販売することができる。プレーヤーはその種を持ってモンスターを倒すと、種は成長し植物となり、やがてアイテムを生みだすという。プレーヤーはその収穫物を販売して利益を得ることができる。
その収穫物は、城主が集めることでレアアイテムを生産できるようになるとのこと。レアアイテムは、多くのプレーヤーにとって必要なモノになる。「種」を使った、非常にユニークな、独特な経済システムが導入されるようだ。
・モンスターレース他、さまざまなミニゲーム
ギラン領地にモンスターレース場が開設される。お金をかけることで、一攫千金が狙える。今回のイベントで見ることができたのだが、フィールドのモンスターがそのまま闘技場で走るようだ。いつも倒していたモンスターの意外な一面も楽しめそうだ。他にも、死亡しても経験値ペナルティー減少のないフリー対戦ゾーン、ロト形式の宝くじ、ダイス(サイコロ)も導入されるとのこと。
・中継器
離れた場所を見ることができるシステムで、村などに設置される。安全な場所から攻城戦を観戦できそうだ。
5.この他の追加要素
・キャラクターの顔、髪型追加
・新規クエストの追加
・新規スキルの追加
・染料や文様による武器強化システム
・武器への属性付与
・既存モンスターのハランス調整
・モンスターの出現位置の調整/AI強化
・スキルや魔法のマクロ機能
他にもさまざまな追加要素やバランス調整がありそうだ。中でも韓国ユーザーの間で話題になっているのが敵モンスターのAI。まだ具体的な部分は不明だが、モンスターがそれぞれ役割を活かしたパーティーを組んでいるといった情報もあるという。
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エバの水中庭園 |
水上都市ハイネス |
ワニの島 |
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レース場 |
インナドリル場 |
コロッセウム |
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新しい場所での狩り |
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泳ぐ。さまざまなアクションがあり、日本の古式泳法のようなものまであるとか |
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追加されるさまざまな武器、防具 |
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「破壊された城塞戦」と名付けられたスクリーンショット |
□エヌ・シー・ジャパンのホームページ
http://game.watch.impress.co.jp/
□「リネージュ II」のページ
http://www.lineage2.jp/
□関連情報
【5月13日】E3ブースレポート
新しいMMORPGを模索するNCSOFTブース
リチャード・ギャリオット氏の新作をプレイアブルで出展く
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040513/e3nc.htm
(2004年9月25日)
[Reported by 勝田哲也]
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