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フロム・ソフトウェア、新作ソフト内覧会を開催 |
株式会社フロム・ソフトウェアは、自社専用イベントスペースにて、プレスおよび流通関係者を対象に今冬リリースを予定している新作タイトルの内覧会を開催した。
プレゼンテーション開始に先立ち、代表取締役の神直利氏は「フロム・ソフトウェアがゲームに参入して10年になろうとしている。色々と“恩返しをしたい”と考え、業界関係者と色々な話をしてきたが、現実的にはなかなか厳しくて……業界はさらに厳しくなっていく方向なのか、と(思われる)。その当時から、プロジェクトなどを(ユーザーや流通に)もっと近いところで色々なことをやっていきたいと思っていた。これからも、より良い関係を築いていきたい」とコメント。
これまではエンドユーザー向けに利用されてきた同社イベントスペースだが、今後はこうした業界関係者向けの利用が増えていくことが予想される。「東京ゲームショウ」に代表される大会場特有の“華やかさ”はないが、プライベートショーは“より繊細な対応が可能”であり、コアユーザーを大切にする同社にとってはスケールメリット的な面でも適しているように思われる。良い関係が構築されれば作品の質的向上にもつながるため、今後のさらなる発展を期待したい。
■ PS2「義経英雄伝(発売予定:2005年1月)」
谷口プロデューサーは「史実にのっとったリアルな“義経”を再現しよう」と考えて制作にあたっているという。ただし、すべてを完全に再現するのは難しいため、壇ノ浦の合戦などといった欠かせないエピソードを中心にステージを構成し、それ以外はCGムービーなどでシナリオが展開される予定。義経の人物像については、敵はもとより味方も考えつかないような奇策を実行してしまう特徴を、うまくゲームに活かしていきたいとしている。
本作は、キャラクタのアクションもさることながら“戦術を指示できる”というシステムにウェイトが置かれている。一見すると某社のゲームに似ているが、対象へのアプローチが異なるため、操作感覚の時点で(当然だが)まったくの別物。敵味方含め、キャラクタのグラフィックや動きは実に繊細。配下への指示を怠ると戦況が悪化していくなど、そこかしこから感じられる生真面目な作りこみが、とても“フロム・ソフトウェアらしい”作品であることを感じさせてくれる。
ド派手なアクションゲームが好きな人には不向きだが、良質な3DアクションにRTSの戦略性がマッチした新機軸の作品として、歴史ファンはもとより幅広い層に注目してほしい作品といえる。ただ、NHK大河ドラマで「義経」を知ったミーハーな人が本作を手に取った場合、果たしてどう感じるのかが気になるところだが、このあたりは調整次第といったところ。なにはともあれ「鹿も四足、馬も四足」や「腰越状」といったキーワードに即反応できる人は、迷わず購入するべきだろう。
■ PSP「アーマード・コア フォーミュラフロント(発売予定:未定)」
「ACFF」は、従来シリーズのように機体を操作するのではなく、パーツ同様にAI(人工知能)をアセンブルして戦わせるシミュレーションゲーム。世界地図のようなマップに表示される各種大会を、世界選手権さながらに転戦していく。機体のアセンブルは、従来のシステムをほぼ踏襲。パーツ総数も従来シリーズと同等になるという。AIの性格設定は、攻撃や防御の志向、敵戦力の分析など多岐にわたる。
システムがガラリと変わったように、作品自体のイメージも従来シリーズのように“重く暗い”ではなく、モータースポーツのように“明るくてスポーティ”な世界観に様変わりしているという。
従来シリーズのファンからは賛否両論あるだろうが、デモプレイを見る限り、プレーヤーが操作から開放されることで多彩なカメラワークやフィールド内での動きが楽しめるなど、これまでの「アーマード・コア」にない新たな魅力がたくさん散りばめられていることに気づかされる。このあたり、複雑な操作が苦手で本シリーズを避けていた人にもおすすめしたい作品だ。
(C)1997-2004 FromSoftware,Inc. All rights reserved.
※ 画面は開発中のものです
■ Xbox「メタルウルフカオス(発売予定:12月)」
竹内氏は「『O・TO・GI』で得たノウハウを活かして新しいものが作れないかと思った」とゲームのコンセプトを説明。ストーリーも従来の同社作品にはない突飛なもので、主人公が第47代アメリカ大統領、敵は副大統領というから驚き。副大統領にクーデターを起こされた大統領が、自ら特殊装甲(パワードスーツ)を身にまといアメリカの正義(自由)を取り返すといったストーリー。アメリカ人は大喜びするだろうが、欧州やアジアでどう受け止められるかが気になるところ。
ストーリーの破天荒さもさることながら、ゲーム内容も非常にアグレッシブ。「O・TO・GI」同様、ステージ内のオブジェクトは基本的に壊し放題。弾薬が尽きたらダッシュで体当たりするもよし、ジャンプして踏みつけるもよし。バルカン砲が直撃して爆ぜる歩兵に至っては「……大丈夫かコレ」と心配になるほどだ。武器は、機体背後に搭載された巨大なバックパックに複数が搭載されており、いつでも変更可能。武器をマウントする際のアクションが、とてもスピーディで気持ちいい。ボタンで切り替わる順番を覚えておき、タイミングよく使い分けながら敵を瞬殺できたときの陶酔感は“最高!”のひとこと。
気になるXbox Liveへの対応だが、現時点ではスコアランキングやコンテンツダウンロードなどが明らかにされている。オンラインプレイの対応は未定だが、このあたりはぜひとも実現していただきたい。記者個人としては、本日イチオシのタイトル。
■ PS2「アーマード・コア ナインブレイカー(発売予定:10月28日)」
ゲームモードは、従来シリーズでメインだった「ミッション」がなくなり、「トレーニング」と「アリーナ」のふたつで構成されているのが特徴。トレーニングで機体の操作を覚えながら、アリーナで上位ランクを目指す。トレーニングは必須項目ではなく、いきなりアリーナに挑戦することも可能。ただし、トレーニングは初歩的な内容から完全上級者向けの超ハードなものまで約150種類のプログラムが用意されており、結果を競うWebランキングの開催も行なわれる。よって、腕に覚えがある人でもひと通りチャレンジしておいたほうが良さそうだ。
「アリーナ」は、直接対決でランカーACを倒していくモード。今作のアリーナは、敵ACとランカーが自動生成機能される新システムを搭載。自分の腕前にあわせたり、機体タイプなど複数の項目を指定してさまざまなライバルを作り出すことが可能になった。従来シリーズでは常に同じ顔ぶれのランカーしか登場しなかったが、今作では常に新鮮な顔ぶれと対戦することができる。
ミッションがなくなったことで、機体のアセンブルパーツは最初からすべてが揃っている。前作「アーマード・コア ネクサス」のデータ引継ぎも可能。新パーツの追加はもとより、既存パーツもバランスが再調整されており、再び熱い戦いが楽しめることは間違いなし。
□フロム・ソフトウェアのホームページ
http://www.fromsoftware.co.jp/
□製品情報(ARMORED CORE NINE BREAKER)
http://www.armoredcore.net/acnb/
□関連情報
【9月3日】フロム・ソフトウェア、PS2「ARMORED CORE NINE BREAKER」ランカーエンブレム全種が当たるキャンペーンを実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040903/acnb.htm
【7月29日】フロム・ソフトウェア、PS2「義経英雄伝」2005年1月発売。義経や弁慶を操って奇襲を成功させる合戦アクション
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040729/yoshi.htm
【7月28日】フロム・ソフトウェア、3Dメカアクションの最新作。PS2「ARMORED CORE NINE BREAKER」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040728/acnb.htm
【7月12日】「PlayStation Meeting 2004」レポート PSP参入メーカーは59社に増加 「TALKMAN(仮称)」、「どこでもいっしょ(仮称)」をプレゼン
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040712/psm_2.htm
(2004年9月21日)
[Reported by 豊臣和孝]
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