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「2004東日本玩具見本市」開幕 |
会場:都立産業貿易センター台東館
東京玩具人形問屋協同組合は、クリスマス年始にかけての商戦時期をターゲットにした玩具の見本市「2004 東日本玩具見本市」を開催した。8月25日から26日の2日間にわたって開催されるが、招待者、業界関係者のみを対象とした見本市のため、一般来場者は入場することができない。
ロボット、小型ラジコンとヒット商品の流れがあったが、ここ1年ほどそういった大きな流れは見あたらない 。多くのキャラクタ商品が発売される中、今年も特に大きな流れは見受けられないが、テレビに接続してすぐに遊ぶことができるゲーム機の処理能力がワンランクアップしたことや、ラジコンでも面白い商品がいくつか登場している。今回はそういった商品を中心にレポートしていく。
■ テレビに接続してすぐ楽しめるゲームにニューウェーブ続々
コナミの体感ゲーム「Poems 熱血! パワプロチャンプ」など
コナミ株式会社がハドソンと共同開発したマイクロプロセッサ「Poems」。これまで、テレビにつないですぐに遊ぶことができるゲーム機はエポック社が開拓し、現在では多くの会社が参入してきた状態だが、新世代株式会社の「XaviX」をベースにしたものが中心となっており、ほぼ寡占状態と言っていい。
しかし、ついに大きな対抗馬が登場した。それがコナミとハドソンが開発した「Poems」だ。32bit CPUを持ち、最大使用時32,000色、音は32chとなっている。また「XaviX」は新世代がエポックなどに納品する形で開発が進められているが、「Poems」は自社開発であるため、商品の価格を抑えることに成功している。
今回発表されたのは「熱血! パワプロチャンプ」と「爽快! ゴルフチャンプ」、「絶体絶命でんぢゃらすじーさん」の3作品となっている。「パワプロチャンプ」と「ゴルフチャンプ」は11月下旬の発売を予定。「絶体絶命でんぢゃらすじーさん」は12月上旬を予定している。
「熱血! パワプロチャンプ」は、COMとの対戦、もしくは2P対戦となる試合モード。バッティングセンター、パネルシューター、ホームラン競争、ウイニングショット攻略などのミニゲームモード。そしてパワプロらしいモードとして「サクセスモード」が用意されている。サクセスモードでは、野球少年となってリトルリーグの地区優勝を目指すモード。本体メモリにセーブもできるので、のんびり育てることができる。
試合では、チームはもちろん球場、回数などかなり細かい設定が可能。本格的だ。基本的に、ピッチャーが投げたボールをタイミング良くバットコントローラを振ることで打ち返す。画面上にはボールのコースが丸いカーソルで示され、丸い本体の上でバットコントローラを振ることでセンサーが読み取り、バットを振るスピードでパワーが決まるようだ。ちなみにこのゲームでのプレーヤーの役割はバッターのみ。2人対戦では2人のプレーヤーが交互に打ち合うことになる。グラフィックスはパワプロそのままで、誰でも違和感なく野球を“体感”することができる。
「爽快! ゴルフチャンプ」も基本は同じで、クラブを丸い本体の上で振ることでセンサーが読み取り、画面内のボールが飛ぶ仕組みだ。左右方向キーで飛ばす方向を選択。クラブは自動で選ばれるが、自分で選択することもできる。よく見るコンシューマ機用ゴルフゲームと遜色ない画面でプレイは展開し、グリーンではキチンと芝目も表現され、最後カップインの瞬間は3D表示で緊張感を煽る演出となっている。
天候が変化するなど、ゴルフゲームの要素はすべて満たしていると言っていい。試合モードは「ストロークプレイモード」、「マッチプレイモード」、「トーナメントモード」、そしてドライビングコンテストとスターゲットパットのふたつを楽しめる「ミニゲーム」。
会場で若干プレイしてみたが、やはり体を動かしながらのプレイは爽快感があってイイ。いつも遊んでいる「パワプロ」も体を動かしてのプレイはまた違った面白さだ。さて、価格だが、前述の通りこれまでの製品に比べて安く予定されている。「熱血! パワプロチャンプ」は5,229円 (予価) で、「爽快! ゴルフチャンプ」はさらに手頃で4,179円 (予価) となっている。
一方、エポック社はテレビに接続して楽しめる子供用パソコン「スーパーテレビパソコン」を発表。同社展示員によると「インターネットに繋がっていないだけで機能的には普通のパソコンと同じ」というほどの自信作だ。こちらの商品には新世代が兼ねてから開発中だった「Super XaviX」と呼ばれる新チップが搭載されている。
グラフィックス機能が向上し、グラフィックの美しさはこれまでとは全く違う出来となっている。同社はリリースにおいて“写真画質”と表現している。「スーパーテレビパソコン」は、テレビと接続するだけで100マス計算や4コマ漫画の作成などが可能となる。さらに「とっとこハム太郎 ハムハムおんがくぱらだいちゅ!」や「ドラえもん 超能力ゲームコレクション」、「ダブルマウスパーティ」など別売のカートリッジをセットすることでゲームなどを楽しむことができる。
キーボードのキー配列は普通のパソコンのキー配列と同じで、そういった意味では子供のキータイピングの訓練になるだろう。さらに漢字変換機能付きワープロ機能も搭載している。さらにマウスを2個接続することができる。これは対戦ゲームなどのソフトウェアが用意されているため。
本体は、10月16日に12,600円で発売される予定で、専用プリンタも10月30日に8,379円で発売される予定となっている。別売のカートリッジは4,179円を予定。
■ ジャンボジェットのラジコン登場
シー・シー・ピー「R/C エアプレイン JUMBO JET (仮)」
株式会社シー・シー・ピーはジャンボジェットのラジコンを展示、人気を集めていた。ジャンボジェット機というだけあって、かなり迫力のある大きさ (70×70cm) で、両翼にセットされたダクテッド・ファンのパワーもなかなかのもの。
会場で流されていたビデオではグライダーのように投げることで飛行がスタート。ダクテッド・ファンを2基ともまわすことで推進力を得る。コントローラを両方前方に倒すことで推進力が増して上昇。手前に引けば下降から着陸態勢を再現することもできる。もちろん片方のダクテッド・ファンだけをまわすことも可能で、右側のファンをまわすと左旋回、左側のファンだけをまわすと右旋回となる。
機体の底面のふたを開けるとNiMHバッテリーがあり、この充電池を取り外してACアダプタにより充電を行なう。乾電池による充電ではコスト高になるということで、そういった意味でもこのエンジンのハイパワーさ加減が伺い知れるというモノ。30分の充電で5分の飛行が可能。
ボディはEPP (発砲ポリプロピレン) 製。コントローラはデジタルプロポーショナル方式を採用。これはゲームのコントローラの世界ではアナログコントローラと同じで、倒した分だけパワーを調節できる。細かなコントロールが可能になるという。コントローラの到達距離は約200mとしている。
ヘリコプターなどの空を飛ぶラジコンはそれだけでワクワクするガジェットだが、さすがにジャンボジェットともなるとその迫力が違う。まさに大空を飛行する楽しさを味わうことができるだろう。発売時期は10月中旬から下旬を予定し、価格は8,980円 (予価) 。
【シー・シー・ピー】 | ||
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両翼にそれぞれダクテッド・ファンを装備。片翌ずつ別々に制御できるため、右旋回、左旋回も可能。このファンにはかなりのパワーを感じた | コントローラの操作可能範囲は約200mの予定。会場で公開されていたビデオではかなり遠くまで飛ばしていた |
一時期の小型ラジコンの勢いはすっかりなりを潜め、最近よく目にするのは1万円前後の飛行機、ヘリコプターのラジコン。ロボットタイプのラジコンも一時期ほどの勢いはないが興味深いものがいくつか出展されていた。
ニッコーはR/Cヘリコプター「Sky Watcher (仮称)」を展示。少し前まではかなり高価だったが、これだけのセットですでに9,429円となっている。また、ドラえもんの誕生日となる9月3日発売予定の「くるくるまわるR/Cドラえもん」もタイトル通りクルクルとスピン回転をしながら立ち上がる。かなり面白い動きで、単純ながら楽しめそうだ。
そして、米Wow Weeが開発したロボット「RoboSapien」だが、現在並行輸入が行なわれているが、なんとタカラから発売となる。名前が「ロボサピアン HUMA (ヒューマ)」となり、パッケージの箱もタカラ独自のデザインに変更されている。基本的な仕様に変更はなく、独特の動きで来場者の注目を集めていた。9月に15,750円で発売される予定。
■ 噂をかってに作成して友達と通信でやり取り
タカラの小型グッズ「きぐるみキグミー」
タカラから面白い液晶ミニゲーム……というかグッズが発売される。完全に若い女性にターゲットを絞り込みマーケティングの果てに生み出されたような製品で、いくつか質問に答えることでかってに噂を作成するという「きぐるみキグミー」。本体には本当に小さな液晶画面がセットされ、コミュニケーションはそこからタッチペンによって行なう。ただし周りはフワフワの着ぐるみにくるまれているため、全体的なデザインは可愛らしい。
会場では完成品が展示されていなかったが、パソコン上に再現したソフトウェアで試すことができた。例えば名前、好きな食べ物、好きな場所……などを入力。すると「きぐるみキグミー」がかってに噂を作成。最後に憶えるか忘れるかを確認してくる。20個程度の噂を憶えることができるようだ。また、オシリの部分に端子が付いており、他の「きぐるみキグミー」と接続することで通信することができ、噂のやり取りを行なうことも可能。
これだけでは終わらない。若い女性の重要アイテム“携帯電話”にも反応するのだ。例えば、携帯電話にストラップのようにくっつけると、携帯電話に着信があったとき「いまのだれから?」といった風に液晶にコメントが表示されるのだという。
まさに若い女性の好みそうな要素を詰め込んだ「きぐるみキグミー」。11月末に2,499円で発売される予定。
明らかに若い女性をターゲットにしたマーケティングから生まれた商品だが、いくつかの質問に答えることでかってに噂が作成されるシステム、それを通信で広めることができる面白さなど良くできている。さらに携帯電話に電話が着信するとこれに反応。「いまのだれから?」といったコメントが液晶に表示されるという |
ハンディカラオケの市場を開いてきた「e-kara」。曲を収録したカセットを取り替えるスタイルはずっと一貫している。バンダイがインターネットに対応し曲をダウンロードするスタイルを取っているが、タカラもインターネットから曲をダウンロードし、カセットに焼き付けるというサービスを開始した。それが“webトースター”だ。
今回発表されたのは、この“webトースター”機能を搭載した「e-kara mix」だ。これまでは別売となっていた“webトースター”をパソコンとUSB接続して曲をダウンロードしてカセットに焼き付けていたが、「e-kara mix」を使えば、これ1台ですべてが可能となる。
「e-kara mix」ではスイッチを“カラオケ”にセットすればカラオケを楽しむことができ、“ダウンロード”にセットしパソコンとUSB接続することでセットしたカセットに曲がダウンロードされ焼き付けることができる。
また、インターネットに接続できないユーザーのために、おもちゃ屋さんなどに“webトースター”を設置する「e-kara Factory」も9月からスタートする予定となっている。画面をポンポンとタッチしていくことで簡単に曲をカートリッジにダウンロードすることができる。曲のダウンロードは1曲15秒程度で、まさに瞬間的と言っていい。
カラーはクリアブルー、クリアホワイト、クリアピンクの3色 | USBでパソコンと接続すれば“webトースター”機能でカセットを作成することができる | おもちゃやさんなどの店舗にwebトースターを設置する「e-kara Factory」も9月からスタートする予定となっている |
【その他出展商品】 | ||
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トミーのプロジェクタ「おはなしシアター ファンタジウム」。カセットを挿入することでスライドと声・BGMを再生。子供に絵本を読んで聞かせるスタイル | エポック社のエキサイトスポーツ新作「テニス×フィットネス」。ラケットがふたつ用意されていて2人で楽しめる。“フィットネス”を謳っているだけにカロリー計算もしてくれる |
(2004年8月25日)
[Reported by 船津稔]
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