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韓国にて「Ragnarok World Championship」が開催 |
会場:COEX太平洋館
韓国Gravityは、世界で展開するMMORPG「ラグナロクオンライン」をモチーフにした世界大会「Ragnarok World Championship」を、7月17日より、韓国ソウルのCOEX太平洋館において開催した。昨日は選手向けのオリエンテーションを兼ねた夕食会が開かれ、本日はAリーグの決勝まで行なわれた。本日Aリーグで出場したGuardian-Chevalier(予選1位)は、3回戦目にあたる準々決勝でマレーシア(予選1位)に破れた。大会は明日まで開催される。
開場を待つ来場者の列。1000人ほどの長い列ができた。入場見込みは10万 |
開会式の前に行なわれたステージイベント |
開会の挨拶を行なうGravity会長Kim Jeong-ryul氏。RWCはKim氏の夢のひとつだったという |
題材となっているのは同社の代表作である「ラグナロクオンライン」で、ゲーム内で定期的に開催されるギルド攻城戦が直接のモチーフとなっている。ただし、ギルド攻城戦は、対戦チーム同士でレベルや参加人数、そして攻城側、防衛側といった具合に多くの違いがあり、純粋な腕を競い合う戦いにはならない。また、国によってゲームのバージョンに大きく差があるため、最新バージョンでそのまま大会を行なってしまうと、先にサービスを開始した韓国や日本が著しく有利になってしまうという弊害がある。
そこでRWCでは、RWC専用のクライアントを採用し、対戦人数は9人、レベルも同じ、資金は300万Zenyといった具合に、対戦ギルド同士の条件をまったく同一にし、純粋にプレーヤースキルや作戦を競う内容にしている。国ごとのバージョンの違いについては、もっとも有料化が遅い地域に合わせている。わかりやすい例としては、日本では使用可能な2-2次職を「使用不可」としているといった具合である。
さて、前日の16日に開催されたオリエンテーションでは、まず始めにGravity会長のKim Jeong-ryul氏を始め、台湾のSoft-World、フィリピンのLevel-upなど、各国のパブリッシャーが挨拶を行ない、大会の開催を祝した。
続いて大会スケジュール、大会ルールの説明が行なわれ、組み合わせ抽選会および大会マップの発表となった。会がもっとも盛り上がったのは、組み合わせ抽選会で、各代表ギルドも思い思いのパフォーマンスを披露しながらくじを引き、その場所、対戦相手を見て一喜一憂する姿が見られた。
日本代表ギルドであるGuardian-Chevalier(予選1位)と321Colors(同2位)は、共にA、Bリーグのシードというもっとも有利な位置に着けた。シードといっても、シードの隣の組以外はすべて2回戦スタートなので、実はそれほど有利でもないのだが、各キャラクタに与えられた300万Zenyで決勝までやりくりしなければならないことを考えれば、相対的に有利とは言える。優勝候補である韓国、台湾といった強豪国とも比較的離れており、順当にいっても準々決勝以降の対決となる。
【オリエンテーション】 | ||
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前夜に行なわれたオリエンテーションの様子。COEXインターコンチネンタルホテルの披露宴を借り切り、世界中から訪れた選手のみならず、プレス、パブリッシャーなど300名近くを収容。後半はKim会長を中心に各所で壮行会的な乾杯が繰り返された |
【日本チーム】 | ||
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オリエンテーションでの日本チームの模様。抽選中、向かって左がGuardian-Chevalier、右が321Colors。どちらもシードを獲得したときは場内が大いにざわめいた |
【FAN ARTコンテスト】 | ||
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各国で入賞した「ラグナロクオンライン」のイラストを集めたコンテストも開催された。真ん中は臆面もなく組織票を投ずる台湾/香港勢。右のイラストは、個人的にもっとも上手だと感じた韓国代表のイラスト |
来場者が長い行列を作っていた理由のひとつは、会場限定のオリジナルグッズ、そしてもうひとつが初日終了後に行なわれるスペシャルコンサートのチケットを手に入れるためだという。このコンサートにはコヨテイ、MCモンといったトップアーティストを含む、総勢10組のアーティストが参加。このイベントは選手のために企画されたものというが、選手達はそれどころではないというのが実情で、コンサートの来場者は主に一般客だった。
開会式の後、早速Aリーグの1回戦、2回戦がスタートした。2回戦を勝ち上がったのは、台湾、中国、マレーシア、日本といったユーザー人口の多い国ばかりで、まずまず順当の展開となった。同時接続者数でいうと、台湾/香港は35万、中国は14万、マレーシアは/シンガポールは4万4,000、そして日本が10万となる。この中では、早くからサービスを開始してきた台湾と日本が有利ということになる。
ところがBブロックの1位を決める準々決勝で早くも番狂わせが起こった。マレーシアoNe batZ(予選1位)対日本Guardian-Chevalier(同1位)の一戦。試合の詳しい模様については別途お伝えするが、ユーザー人口の多さから優勝候補のひとつに上げられてた日本がまさかの敗退を喫してしまった。
結局、Aリーグを制覇し、RWC決勝の座を最初に射止めたのは、Soft-World率いる台湾/香港連合チームという合計35万のユーザーを擁する最激戦区を1位で勝ち上がってきたThe Gates of Hell。ギルド攻城戦はまったく素人である私から目から見ても、その強さが実感できるほどだった。
得意とする戦術は、敵を1カ所にまとめ、複数の敵をストームガストで同時に凍らせ、その状態を維持しつつ、1人ずつボックス状態にして倒していくという理想的な包囲殲滅戦。基本的に同作のPvPは、敵に対する無数の妨害行為が用意され、HP回復ポーションの連続使用で前衛ひとりでも粘りに粘れるという、攻めにくく守りやすいという長期戦スタイル。このため事前に考えた作戦をなかなか思うように展開できないのが普通なのだが、それをやってしまうあの強さは尋常ではない。まずまず優勝候補の筆頭といっていいのではないだろうか。
引き続き明日はBリーグの戦いが行われる。RWC決勝は台湾The Gates of HellとBリーグ勝者との戦いとなる。AリーグとBリーグの国の構成はまったく同じなので、初日と似た顔ぶれが揃うことが予想されるが、唯一の例外といえそうなのが、韓国1位のAngelである。Angelの出身サーバーは、サクライと呼ばれるテストサーバーで、韓国はサクライをパブリック化している唯一の国となっている。テストサーバーなので、あらかじめ高レベルのキャラクタが使え、成長速度は通常の3倍など、他国よりも遙かにPvPに親しみやすい環境にある。彼らの戦いぶりは本大会の注目ポイントのひとつだろう。
日本は、先述したように予選1位のGuardian-Chevalierがすでに敗退してしまったため、残るは予選2位の321Colorsのみとなる。321Colorsは日本予選2位とはいえ、9人のところを6人で勝ち上がってきたという大会随一の武勇伝を誇るチーム。今回も8名で1人足らないのだが、「(日本予選よりも)2人も増えました、勝利を確信しています(笑)」とまことに屈託がない。彼らの奮闘に期待したいところだ。
【Guardian-Chevalier】 | ||
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Guardian-Chevalierは、2回戦はインドネシア(予選1位)との戦いを接戦でものにしたが、マレーシアとの3回戦で破れてしまった。右下の写真は劣勢に陥ったGuardian-Chevalierの戦いを見守る321Colorsのメンバー(奥の列) |
【Aリーグ決勝】 | ||
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初日、結びの一番となったAリーグ決勝マレーシア対台湾の一戦。もっとも多くの観戦者が集まった試合となった |
【スペシャルコンサート】 | ||
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多くの来場者で賑わったスペシャルコンサート。リハーサルも含めると計4時間にも及ぶビッグイベントだ。ただし、選手にとってはそれほどありがたいイベントとは映らなかったようだ |
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□「ラグナロクオンライン」のページ
http://www.ragnarokonline.jp/
□「Ragnarok World Championship」のページ
http://www.rochampionship.com/
□関連情報
【6月29日】「Ragnarok World Championship 2004」日本代表決定戦レポート
Freyaサーバーの「Guardian-Chevalier」が見事に優勝を手に
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040629/ragrwc.htm
(2004年7月18日)
[Reported by 中村聖司]
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