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★ピックアップ アーケード★
また、今回追加された新しい選手、ATLEについての使用感も順次紹介していく予定だ。ただし、筆者は選手の特徴を肯定的に考えていこうと思っている。ATLEだから、オールマイティーに使えて当たり前、といったような基準では考えない。もちろんパワーの弱さなど、使いにくい部分は容赦なく指摘するつもりでいるが、選手は個性があってこそ魅力が出てくるもの。個人的な使用感になるが、そんな選手の魅力をできるだけ紹介していきたいと思う。 ※注 …… 本記事の内容は、あくまでも筆者自身がプレイして感じたことに基づいて記述しているものです。状況やカードなどさまざまな要因により、記事どおりにすべてが機能するわけではないことを、あらかじめお断りしておきます。
■ 攻略とはAIの理論的な考察に他ならない
【SIDE-B】では、そのような理論面からの考察をお届けしよう。まずは失点を少なくすべく、守備面から取り上げていくことにする。
■ 前バージョンはどんな特徴があったか 6月半ばまで稼働していた前バージョンでは、サイドにスペースがあってもウイングが突破しない、キーパーがクロスをキャッチしやすいという大きな特徴があった。FWふたりの連携で崩すということが難しく、そのためにふたりのFWを左右に大きく開いたいわゆる「クワガタ」タイプや、3TOPという布陣が流行することになる。また、ディフェンダーを置いておかなければサイド突破をしない(なぜか前方にパスしてしまう)ため、4バックより3バックのほうが有利という状況となっていた。
また注目すべきは、サイド攻撃が難しくなってFWの攻撃力が落ちているぶん、DFの能力も下げられていたという点だ。ゲームを作る立場から考えてみると、FWの攻撃力が下がっているなら、DFの能力を下げないと得点の入らない試合ばかりになってしまう。そのためDFがハイボールの競り合いに弱く、FWと競っているにも関わらず得点を上げられてしまう場面も多々見られた。DFが信用ならないぶん、中盤を支配してペナルティエリア近くに人を入れない、クロスを上げさせないことが重要となっていたわけだ。
■ 今バージョンの変化
そのぶん、DFの守備能力も上がっている。クロスに対して良い体勢で競っておけば、一部強力なFWをのぞけばクリアできる可能性は高くなった。ただしFWの単独突破能力が上がっているため、パワーに劣るDFは使いにくくなっている。GKに関しては、セービング能力が格段に上がっていることに注目。飛び出しのみで選ぶのではなく、セービングの能力をより重視し、使う選手を選んでおきたいところだ。
■ 今バージョンの守備の基本とは 【最終ラインについて ~一転して不利になった3バック】
また、高いディフェンスラインのリスクも大きくなっている。以前はサイドのラインを抜いても、中央に無駄なパスをしてしまい、結局得点にならないことが多かった。しかし今回はサイドを一気に突破し、そのまま中央に切れ込んだり、絶妙な高速クロスが上がってくる。またスルーパスの精度も上がっているので、極端に上げたラインは不利になったといえるだろう。
これらを総合すると、低いフラットラインの4バックが基本戦術となる。守備的に戦いたい人は5バック、攻撃的にプレスをかけていきたい人は、両サイドが上がった形の4バックがお薦めだ。ほとんど2バックのような形になるが、サイドバックに運動量の多い選手をおけば、比較的高いラインでプレスを効かせることができる。あえて3バックでいくなら、中盤の両サイドに守備的ハーフを置くのが無難だろう。
【プレスの押し離しの重要性が増す】
守備時にプレスボタンを押すのは、ボール奪取の基本になる。しかしずっとプレスを押しっぱなしにしていると、大きな危険を招くことにもなる。相手を追いかけて前方やサイドにディフェンダーが大きくつり出されると、最終ラインの人数がひとり足りなくなる。するとディフェンスラインが薄くなり、スルーパスやクロスからの攻撃に対応しにくくなるのだ。残りのディフェンダーはラインを構築し直してスペースを埋めようとするが、それでかえって相手の選手をフリーにさせることが多くなる。今バージョンでは選手を残しておけばクリアできる可能性が高くなるため、ラインを崩すのは非常に損な行為だ。
そこでボール奪取をするエリアを決めておき、そのエリアに入ったらプレスを押してディフェンダーまたは守備的MFにボールを取らせにいくのがいいだろう。以下に、具体的なプレスの押し離しの例を紹介していこう。
攻めていて、相手にボール奪取された瞬間からプレスをかけるのは、意味のない場合が多い。もちろん取れれば決定的なチャンスになるが、近くに味方の選手がいない場合はまず取れない。こういうときにプレスをかけていると、押し上げた最終ラインがそのままの高さをキープするので、背後にスルーパスを通されたり単独突破されやすい。特にカウンターを駆使する戦術のチームには危険だ。ここでプレスを切ればディフェンダーは下がるので、守備ラインを再び構築できる。 《2》中盤でボールを奪うときは、取りに行く瞬間にプレスを押す 中盤でのボール奪取は、プレスを押す判断力が問われるところ。まだディフェンダーが下がりきっていないときにプレスを押すと、前述したようにディフェンダーがおびき出され、ラインが崩される要因となる。ここでは、ボールが取れそうな近い場所に選手がいた場合のみ、プレスを押して奪取するようにしよう。ボールを奪取する高さを決めておき、そのゾーンに入るまではプレスを切って静観、エリアに入った瞬間に押して取りに行くのが理想だ。 《3》最終ライン付近ではプレスは必ず押す 最終ラインにボールを持った選手が近づいてきたときは、必ずプレスを押すこと。プレスを押すとディフェンダーが上がっていき、ラインを押し上げる効果が生まれる。押し続ければ一人が素早くチェックに行き、抜かれてもディレイに成功すれば次のディフェンダーが再度チェックに行ってくれる。プレスを押すのを忘れると、低いラインの場合はミドルシュートをくらってしまうので要注意だ。 《4》サイドの攻防におけるプレスの押し離し 相手選手にサイドを突破されそうになったらプレスを押し続け、ディフェンダーにアタックさせるようにしよう。しかしそれもうまくいかない場合は、クロスを上げられる前にプレスをオフにすること。するとラインが完全に一方に振られずにすむ。クロスが上がったらその直後からプレスを押し始めれば、残ったディフェンダーがクリアーしてくれることがある。前バージョンではあまり意味のなかったクロスに対するプレスの押し離しは、今バージョンではかなり重要度が増していると言える。 しかし、これだけでクロスは防げるわけではない。ディフェンダーがサイドでひとりでも抜かれると、ラインが崩れて一気に失点の可能性が高まる。状況によっては、早めのカード移動で逆サイドに人を増やしたり、キーパーの飛び出しでフォローしたいところだ。 《5》意図的なラインの上げ下げ 前述したように、プレスボタンを押すと最終ラインを押し上げる効果が生まれる。そこで、プレスを押して意図的にオフサイドを狙うことも可能だ。もっとも重要なのは、相手の攻撃をいったんクリアーしてボールが前方にフィードされたとき。このときにプレスを離さず押し続けていれば、ラインが上がるので再び放り込まれてもオフサイドを取りやすい。無意識にやっている人も多いと思うが、有効な戦術だ。 またカウンターで速攻をかけられたときはいったんプレスを切ってラインを下げるのが基本だが、スルーパスを出されそうなときはあえてラインを上げてオフサイドを狙うこともできる。この判断は難しいが、慣れてくれば意図的にプレスボタンを押してオフサイドを狙うことも可能になる。
以上のようなプレスの押し離しのテクニックは、低いディフェンスラインを引くプレーヤーほど重要になってくる。いっぽう高いラインを引く場合は、常にプレスを押し続けてボール奪取するくらいがいい。今バージョンでは低いラインがやや有利になったため、これらのテクニックの重要度が増したといえるだろう。しかしやや高めのライン戦術もまったく駄目になったわけではないので、自分の好みに応じてプレスボタンの押し方を考えていってほしい。
■ 新規選手カード、ATLEの選手紹介その1 ここでは、新たに追加されたATLEカードに選ばれた選手の簡単な経歴と、プレイしたときの使用感を紹介していこう。筆者は学生の頃ジーコ、ソクラテス、ファルカン、トニーニョ・セレーゾというあのブラジルの黄金カルテットをワールドカップで見て、初めてサッカーの面白さに目覚めたオヤジである。しかし長いブランクがあったため海外サッカー通というほどではなく、今回カード化された選手についてすべて知っているわけではない。だが、「この選手使えねえ」などと言う前に、最低限選手の経歴、ポジションなどを知っておきたいものだ。そう思い、使用感とともに経歴も調べて載せることにした。 ATLE選手は、選手によって能力の差や個性が激しい。またこれらの選手を多く抱えると、恐ろしいほど大量の賞金を稼いでいかないと財政難に陥ってしまう。強いチームを作るには必要不可欠だが、それ以上に思い入れを持って使っていてもらいたいものだ。
それではさっそく、選手の紹介をしていこう。今回はジョージ・ウェア、フランコ・バレージ、ディディエ・デシャン、レオナルドの4選手をとりあげる。
欧州以外の選手では初めてバロンドール(欧州最優秀選手賞)を獲得したリベリアの怪人。13歳の時に地元チームに入団。当時はGKだった。その後アフリカの名門トネーレ・オブ・ヤウンデを経て、ASモナコに移籍する。ASモナコではアーセン・ベンゲルらに育てられ、4シーズンで47ゴールを決める。さらにパリ・サンジェルマンに移籍したウェアは、94年のチャンピオンズリーグで大活躍し、翌年バロンドールを獲得することとなった。 '95~'96シーズンからは鳴り物入りでACミランに移籍。サビチェビッチ、バッジョと組んで、スクデッドの獲得に貢献。翌年の開幕戦、対ヴェローナ戦での4人抜き、90メートル独走ドリブルシュートのゴールは語りぐさになっている。 《プレイしての感想》
単独でのドリブル突破が得意。その突破能力は全選手中トップといっても過言ではないだろう。単にスピード、パワーに優れているというだけでなく、ディフェンダーをかわすテクニックもあり、総合的に能力が高い印象だ。ハイボールに対してはジャンピングボレーを敢行し、これも決定力が高い。あらゆるシュートが最高レベルだが、どちらかといえばヘディングとミドルシュートは微妙に劣る。スタミナに関しては、他の有力FWとさほどの違いはない。
14歳でミランユースに入団。18歳の'77~'78シーズンにはトップチームへと昇格し、リベロと呼ばれるディフェンスのスタイルを徐々に自分のものとしていく。しかしその道のりは決して順風満帆ではなかった。80年1月の八百長事件で、ミランはセリエBに降格させられてしまう。しかしバレージはチームを見捨てることなく、若干22歳にしてキャプテンとなり、チームを牽引していくこととなる。 ミランが黄金期を迎えるのは、'87~'88年にグーリット、ファン・バステンといったオランダ人ストライカーを獲得してからである。バレージらが築いた鉄壁のDFラインに攻撃力が加わり、9年ぶりにスクデッドを獲得。年を重ねるごとに動きの切れは失われたが、卓越した戦術眼はさらに冴え渡り、現役中にスクデッド6回獲得、トヨタカップ2回制覇など輝かしい経歴を重ねた。'97年に引退したが、その背番号6はミランの永久欠番となっている。 《プレイしての感想》
危機察知能力が高く、非常に速い出足で相手フォワードをチェックに行くのが印象的。もちろん守備能力は最高クラスで、早め早めに攻撃の芽を摘み取っていく。ただしチェックが早すぎるため、突出し過ぎてドリブルの巧みな選手にかわされることもある。身長は低いがヘッドにも強く、バックヘッドで流して巧みに危険を回避するテクニックも持ちあわせる。ライン統率に優れ、強いリーダーシップを持つのでキャプテンに指名するといいだろう。プロ意識が高く、そのモチベーションは滅多に下がることはない。
17歳のときFCナントでデビューし、'89~'90シーズンにはマルセイユへ移籍。派手なテクニックを持たない彼に疑問の声を投げかける人もあったが、人一倍の努力でそのスキルと戦術眼を向上させていった。その努力が実を結んだのはマルセイユでの'92~'93シーズンで、デサイー、ボクシッチらとともに、チャンピオンズリーグの制覇に貢献する。しかし八百長疑惑でチームは有罪になり、トヨタカップへの出場は取り消されてしまう。チームは罰則で2部降格となり、デサイーはミランへ、ボクシッチはラツィオへ放出。デシャンはユベントスへと移籍することとなる。 移籍当初こそ怪我で出遅れたが、'96~'97シーズンにチームはデルピエロとボクシッチ、同郷のジダンを補強。この華やかなスター選手を強いキャプテンシーでまとめ、闘志溢れるプレイで'96年のチャンピオンズリーグ制覇に貢献。そして因縁のトヨタカップも制することとなる。 フランス代表としての代表歴も長く、ジダンとともに戦った'98フランスワールドカップでは見事にチームを優勝に導く。引退してからも、監督としてモナコをチャンピオンズリーグ準優勝に導いた活躍は記憶に新しいところだ。 《プレイしての感想》
泥臭く献身的にボールを追いかける姿勢は、トンマージらとかぶる印象がある。ボール奪取能力が高く、中盤の底で広いゾーンをカバーしてくれる。しかしただの守備的な選手とは違い、ミドルシュートが非常に強烈で精度が高い。攻守にバランスがとれており、使いやすく非常に役立つ選手のひとり。中盤の底に置くのが基本だが、高めの位置でも十分に通用するだろう。長所と欠点を合わせ持つタイプの多いATLE選手の中にあって、攻守に奮闘し運動量が多いデシャンは好感のもてる選手である。
17歳のときにジーコの推薦でフラメンゴのトップチームに昇格。当初は左サイドバックで活躍し、その華麗なテクニックは注目を集めていた。'93年にはサンパウロFCでトヨタカップを獲得し、世界チャンピオンの座まで昇りつめる。その後'94年にはジーコの招聘で鹿島アントラーズと契約。'96年にパリ・サンジェルマンに移籍するまでJリーグで華麗なプレーを見せ続け、ファンの記憶に永く残ることになる。 この直後の'94年アメリカワールドカップでは、ブラジル代表のレギュラーとして出場。しかし決勝リーグのアメリカ戦で、ひじ打ちが故意の反則と取られ4試合の出場停止となり、以降の試合の出場はかなわなかった。しかし4年後の'98年フランスワールドカップでは、リヴァウド、ロナウドと組んで右サイドを中心に全7試合に出場、準優勝の栄誉を勝ち取った。 ミランには'97~'98シーズンから加入。低迷するミランを立て直し、翌'98~'99シーズンはスクデッドを獲得。自身も12得点を上げる活躍を見せた。いったんミランを離れるが、引退間近の2002~2003シーズンにはミランに復帰、そしてフロント入り。以降はミランの南米選手の獲得に大きな役目を果たしている。 《プレイしての感想》
テクニックに非常に優れており、絶妙なパスを供給する繊細な足技を持つ。それと同時に、しつこく追いかけてボールを奪い返すという守備意識も持ちあわせる。しかし競り合いにはさほど強くなく、スタミナにもやや問題がある。そこで守備的に使うより、トップ下などの攻撃的な位置で使ったほうがいいだろう。ミドルシュート、ダイレクトシュートの決定力は高く、2列目からも得点を狙うことが可能だ。スピードはさほどでもないので、サイドに置くなら突破よりもゲームメイクやラストパスに期待して使うといい。
【参考書籍】
(C)SEGA,2002,2004
□セガのホームページ (2004年7月9日) [Reported by 石井ぜんじ]
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