【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

エキサイト、「Shot Online」プレス発表会を開催
明日より運営開始、7月下旬に総額100万円のトーナメントを実施

6月24日開催

会場:ウェスティンホテル東京

 エキサイト株式会社は、本日都内で、オンラインゴルフゲーム「Shot Online」の日本展開に関する説明会を開催した。明日6月25日より、オープンβテストに相当する無料サービスが開始され、7月下旬には全ユーザーを対象に総額100万円をかけて入賞を競うエキサイトカップ(仮)が開催される予定となっている。正式サービスは8月中旬を予定。

挨拶を行なうエキサイト代表取締役社長山村幸広氏
発表会開始前に自らデモを行なっていた山村氏。相当のゴルフ好きのようだ
ゴルフバッグの中には洋服や予備のゴルフクラブが入っている。街用のおしゃれ着もあるようだ
街の中の様子。中央の噴水には全日空トーナメントの垂れ幕がかけられている
 「Shot Online」は、大学卒業後、韓国サムソンのインターン制度を利用してビジネスを学んだ若手クリエイターたちが興したゲームベンチャーOnNetが開発したオンラインゴルフゲーム。13名のスタッフが、2年半、総開発費1億円をかけて開発した新しいタイプのオンラインゲームだ。

 同作の日本運営を手がけるエキサイト代表取締役社長山村幸広氏は、挨拶の中で「Shot Online」について「本格的なオンラインゴルフゲームであり、エキサイトとしては初のパブリッシングまで手がけるタイトルになる」と紹介した。ここで補足しておくと、同社はすでに「プリストンテール」や「シールオンライン」といったオンラインゲームコンテンツを展開しているが、運営そのものにはノータッチで、同社が手がけているのはプロモーションと課金徴収の代行ビジネスに過ぎない。サーバーの運営から、マーケティング、ユーザーサービスまで一括して行なうのは今回が初めてのケースとなる。

 山村社長自身、大のゴルフ好きであり、すでにゲームに熱中していることを告白したあと、日本展開に関して「日本の有名なコースや著名なゴルフトーナメントとリンクした展開を行なっていく」と語った。

 収益モデルについては、従来の月額課金決済を軸としたビジネスモデルではなく、ゴルフトーナメントに特定のメーカーの名前を入れたり、特定のメーカーのロゴ入りアイテムを採用するなど、同社が得意としてきた広告による収益モデルのゲーム内への取り込みを狙っていく方針を明らかにした。

 つまり、B to CビジネスからB to Bビジネスへの転換を狙うというわけで、国内のオンラインゲーム市場でこれと似たビジネスモデルとしてはガンホーの「ゲットアンプド」などが挙げられるが、商用サービスでの成功例はまだない。オンラインゲームの新たなビジネスモデルの提案として大いに注目されるところだ。

 続いて挨拶を行なったのは、開発元OnNetのCTO Kim Kyung Man氏。Kim氏はまず現在の韓国のオンラインゲーム市場について、「700億円規模で、そのうちの80%をMMORPGが占めている」と報告。最近のトレンドとして、20%に過ぎないスポーツやレースゲームのジャンルを開発するメーカーが増えており、その中のひとつに「Shot Online」があると紹介した。

 ゴルフに着目した理由として、「MMORPGはモンスターが出て、それを倒すゲームだが、プレーヤーは常に緊張を強いられる。もっとリラックスしてゲームを楽しむために選択したジャンルがゴルフだった」と説明。MMORPGはあくまでRPGの1ジャンルであり、ロールプレイの過程で緊張を強いられるのは当たり前の話だが、ひょっとするとオンラインゲームで当たり前のルールになっている死亡時のアイテム/経験値ロストのことを言っているのかもしれない。いずれにしても、ゲーム=MMORPGとなっている韓国ならではの実感のこもったエピソードといえる。

 「Shot Online」の基本的なゲームデザインは、日本における「マリオゴルフ」や「みんなのゴルフ」といった全年齢層をターゲットにしたデフォルメタイプではなく、どちらかというと「Links」シリーズに代表されるリアル系のゴルフシミュレータに近い。発表会後、OnNetのCEOに直接話を聞いてみたが、参考にしたゲームとしてEAの「Tiger Woods」とSCEの「みんなのゴルフ」を挙げていた。

 同作はMMOタイプのオンラインゴルフゲームになっていて、「みんなのゴルフ Online」のように単純にマッチングロビーでチャットしながら対戦相手を探すというのではなく、MMORPGでいう街が存在し、全プレーヤーは分身であるアバターを作成して、その街で好みの服装に着替えて、通常チャットやエモーション機能を利用してコミュニケーションを楽しみながら、一緒にコースを回る相手を探すことができる。

 ユニークなのは、基本的な設計がMMORPGにそっくりになっているところで、たとえば、キャラクタにはレベルの概念があり、ラウンドを経るたびに経験値を獲得し、一定の値になるとレベルが上がり、ゴルファーとしての能力が向上する。ソロでもコースを回ることができるが、一緒に回るメンバーが多いほど、獲得できる経験値が多くなる。まさにMMORPGでいうパーティーボーナスの概念と一緒だ。

 そのほか、ゴルフクラブやゴルフウェアといったアイテムも、能力値やボーナス効果が細かく設定されており、高レベル品ほど高い効果が期待できる。さらにコースを回るたびに疲労度が蓄積される仕組みになっており、これによりショットの精度や飛距離に影響が出てくるという。つまり、疲労度を軽減できるウェアを身につける必要があるわけだ。まさにMMORPGの感覚で楽しめるゴルフゲームというわけである。

 今後の展開については、まず明日6月25日より無料サービスを開始し、7月下旬に賞金総額100万円のエキサイトカップが開催される。決勝大会はネットカフェで開催するとしている。そして、日本オリジナルコースとなる札幌ゴルフクラブの輪厚コースの実装に合わせて正式サービスを開始する。

 正式サービスは、原則無料プレイを維持し、輪厚コースなどコンテストが行なわれるコースのプレイのみ有料となる。料金については未定としているが、月額固定制でかなり安い設定を目指しているという。その後、輪厚コースを舞台に、全日空オープントーナメントがオンライン上で開催される。後日、実際に開かれる全日空オープンの観戦チケットなどを賞品として用意するなど、現実世界のイベントとリンクした催しを定期的に行なっていくという。

 さらに12月以降に、グランディ浜名湖ゴルフクラブを実装し、来春までにさらに1~2カ所のコースを実装。実装にあわせてこれらを舞台にしたトーナメントも実施していくという。ゴルフファンのみならず、オンラインコミュニティに興味のある幅広い層にアピールできるオンラインゲームといえる。MMOモノとしては久々に高年齢層にもアピールできるタイトルでもある。興味を覚えた方は、まずは明日より開催される無料テストに参加してみてはいかがだろうか。

【スクリーンショット】
現在開発中のスクリーンショット。完全日本語仕様となっており、チャットも当然日本語で行なえる。操作はすべてマウス。「Links」や「Tiger Woods」シリーズの経験者なら迷わずプレイできるだろう

(c) 1997-2004 Excite Japan Co., Ltd. All Rights Reserved.
(C) 2003-2004 OnNet Co.,Ltd.All Rights reserved.

□エキサイトのホームページ
http://www.excite.co.jp/
□「Shot Online」のページ
http://www.shotonline.excite.co.jp/
□関連情報
【4月12日】エキサイト、新たに韓国のゲーム会社3社と提携
2004年に3つのオンラインゲームを開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040412/excite.htm

(2004年6月24日)

[Reported by 中村聖司]


Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の無許諾での転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2004 Impress Corporation All rights reserved.