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【Electronic Entertainment Expo 2004現地レポート】

スクウェア・エニックスブースレポート
「FINAL FANTASY XII」の新しい戦闘システムに迫る

会期:5月12日~14日

会場:Los Angeles Convention Center

 今年も「FINAL FANTASY XII」他、話題作を多数そろえたスクウェア・エニックス。同社のブースはスクウェア・エニックスのロゴが輝く大きなクローズドスペースの建物を中心に体験台をぐるりと設置。気になるこの建物の正体はなんと新作タイトルのトレーラーを上映する特設劇場。上映は30分に1度、50名程度が鑑賞でき、先着順でパスとなるバッジをもらって入場する仕組みだった。

 このトレーラー上映が大変な人気で、その日の午前中には当日の鑑賞パスがすべてなくなってしまうほど。実は筆者も同社ブースにゆっくり向かってしまいパスがもらえなかった口で、次の日慌てて一番に駆けつけゲットした。

 気になる映像の内容は、「FRONT MISSION 4」、先日発表された「武蔵伝」の続編「MUSASHI SAMURAI LEGEND」、「STAR OCEAN Till the End of Time」、「FULLMETAL ALCHEMIST」(邦題:鋼の錬金術師)、同社一押しの「FINAL FANTASY XII」、ディズニーとのコラボが人気を博した「キングダムハーツ」の続編2本「KINGDOM HEARTS CHAIN OF MEMORIES」と「KINGDOM HEARTS II」、「FFXI」の追加拡張パック「FINAL FANTASY XI プロマシアの呪縛」、モバイルの「BEFORE CRISIS FINAL FANTASY VII」、そして最後に「FFVII」の続編CGムービー「FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN」の10本。

 トレーラーは劇場内の円形の壁四方に投影。床がぐるぐると周りながら、四方に投影された映像を見るというアトラクションのような仕掛けがあった。上映された映像の中では「FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN」がやはり大変な人気。観客から歓声があがったり、「FFVII」のすごさを改めて再認識した次第だ。映像のスクリーンショットがこちらに掲載されているのでまだ見ていない方はご覧いただきたい。


■「FINAL FANTASY XII」(PS2)

「FFXII」の体験版コーナー。全部で20台ちかく用意されていたがプレイする人が途切れることはなかった
 ついに公開された「FFXII」のプレイアブル版を時間の許す限りプレイした。そのインプレッションをお届けしよう。

 用意されていた体験版のコースは6種類。チュートリアルを含むオープニングから楽しめるニューゲームコース、監獄から脱出するダンジョンコース、その他フリーバトルモードなどが用意されていた。プレイしてすぐ目につくのはやはり美しい映像美。CGムービーの美しさはもちろんだが、ゲームプレイ中のリアルタイムムービーには、PS2の発売から5年、まだこれだけの表現力があったのかと驚きを隠せない。特に顔の表情がテクスチャの質感だろうか、とてもやわらかくて良い演出がされていたと思う。また、背景に映し出されるイヴァリース世界の造詣が凄い。広さも相当なもので、冒頭お使いを頼まれる簡単なクエストがあるのだが、興味津々でうろちょろしていたら(やっぱり)迷ってしまった。

 それでは早くも噂になっている戦闘システムを解説しよう。ただ、今回のバージョンはE3のためのプレイアブル版であるため、製品版では変わることも考えられることを了承いただきたい。

 パーティのメンバーは3人。フリーバトルモードでは6人のメンバーのうち、入れ替えで3人を選んでパーティを構成していた。敵はマップ上に点在しており、敵をターゲットして攻撃を指示、あるいは攻撃意思を持つ敵に見つかれば、その場でシームレスに戦闘に入ることになる。

 各キャラごとに行動に移るまでの時間を示すバーがあり、これが一杯になれば自動的に入力した戦闘コマンドを行なう。例えば、ATTACKコマンドを選べばバーが一杯になるタイミングで攻撃を自動的に繰り返すわけだ。また、何時でも自由にコマンドを操作し魔法やアイテムを使うこともできる。ただ、これも同じですぐに魔法を使うわけではなく、バーが一杯になったときに魔法を詠唱するといった具合だ。

 触ってみた印象では、「FFXII」の戦闘システムは「FFXI」を始めとするMMORPGのそれに近い。「FFXI」を1人で3人パーティ分操作することをイメージしていただくと良いかと思う。とはいえ煩雑なわけでもない。リーダーを移動させれば、他のメンバーは後に続くし、攻撃もワンコマンドで全員がATTACKするALL ATTACKコマンドもある。

 敵の行動について言えば、いわゆるリンク行動が見られた。攻撃を加えた敵のそばに敵の仲間がいると、気付いて戦闘に参加するわけだ。こうなると戦闘にも幅がでる。各個に撃破するのか、メンバーの攻撃目標を分散させるのか、さらには敵を足止めしておくのか等……。筆者がフリーバトルモードで複数の敵を対峙したときは、ReneloのTIME MAGICからSTOPを詠唱して敵を固めたり、AsheのGREEN MAGIC(!)からSLEEPを詠唱して敵を眠らせたりと、ただ剣で斬りつけるだけでない戦闘を楽しむことができた。

 また、戦闘中も自由に移動し位置取りをかえることができる。限られた時間であったため確認はできなかったが、背後からのスペシャルアタックや地形を利用した戦略性も期待できるのではないだろうか。

【スクリーンショット】
ゲームの移動画面。キャラクタは左アナログキーで操作、視点は右アナログキーで自由に変更できる 空賊BaltherとそのパートナーFran。ゲーム内ではBaltherは銃を、Franは弓矢をメインに使っていた ゲーム冒頭、VaanとPaneloのリアルタイムデモより



■ 「MUSASHI Samurai Legend」(PS2)

 発表されたばかりの「ブレイブフェンサー武蔵伝」の続編である「MUSASHI SAMURAI LEGEND」がスクウェア・エニックスブースで早くも体験できた。先日の同社プレスカンファレンスの記事にもあったとおり、「マンガシェーダー」と呼ばれるトゥーンシェードで描かれた武蔵のキャラクタ造詣が特徴の作品だ。

 実際に触ってみた印象は、これでもかというほどに良く動く。キャラクタを動かしているだけで楽しさがある。刀のアクションも取りまわしが良いが、1点だけ、敵を斬り倒したときのエフェクトの発生が遅いのか、倒せてるのかどうかわからず斬りつづけてしまうといったことが何回かあった。敵を倒すときのエフェクトは、固まってから砂が崩れるように消えていくというエフェクトで、例えるなら映画「ブレイド」で主人公のブレイドが吸血鬼を倒したときのビジュアルだ。このエフェクトはとてもカッコイイのだが、流れが止まってしまう感じがして少し気になってしまった。

 アクションで楽しそうなのはやはりお姫様だっこ。女の子を抱えると移動が遅くなりジャンプも思うようにできない。プレイ中はよくわからず足かせなのかな、と感じていたが、デモ映像では女の子を上に投げ飛ばし、その間に敵を切り倒すなどというテクニックを見せていた。

 北米での発売予定は2004年冬。日本での発売は残念ながら未定とのこと。今年のE3はスクウェア・エニックスに限らず、海外のみという作品が多かったのだが、再検討していただきたいものだ。

【スクリーンショット】
敵にmusashiの太刀筋が残っているのが確認できる 右手の刀と背中に背負う大刀の2本を使って進んでいく 残念ながらプレイアブル版ではボス戦はなかった


「KINGDOM HEARTS CHAIN OF MEMORIES」の体験コーナー。主人公キャラのソラの大きな造詣が目立っていた
 この他新作タイトルでは、「KINGDOM HEARTS CHAIN OF MEMORIES」 (GBA)や「FINAL FANTASY XI プロマシアの呪縛」(PS2)などがプレイアブル版で用意されていた他、「鋼の錬金術師」や「FFVII」のキャラクタフィギュアが展示されていた。特に「FFVII」のクラウドのフィギュアはとても出来が良かったのだが、残念ながら撮影禁止。続報を待とう。

(C) 2004 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN: Akihiko Yoshida. FINAL FANTASY is a registered trademark of Square Enix Co., Ltd.
(C) SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA. MUSASHI is a registered trademark of Square Enix Co., Ltd. SAMURAI LEGEND is a trademark of Square Enix Co., Ltd.

□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.co.jp/
□関連情報
【5月11日】Electronic Entertainment Expo 2004 記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040511/e3link.htm

(2004年5月15日)

[Reported by 山内智和]


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