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スクウェア・エニックス、E3 2004に先立ちプレス向け説明会を開催
会場:Walt Disney Concert Hall
■ スクウェア・エニックスだからできる「ポリモーフィック・コンテンツ」戦略 カンファレンス冒頭で登壇した和田洋一社長は、具体的なゲームタイトルの紹介に先立ち、現在のテレビゲームビジネスをとりまく環境と、今後の自社戦略について説明。スクウェア・エニックスだからできる「ポリモーフィック・コンテンツ」が今後の成長における鍵だと解説した。これはゲームから派生した商品群を、小説や音楽CDなど他のメディアに向けて次々に展開していくなど、1つのコンテンツから派生した商品を二次利用的に活用するのではなく、当初から1つのコンテンツを軸に複数のメディア展開を指向し、最大限の相乗効果を狙うというもの。 こうした戦略の背景として、ネットワーク時代の到来と共に、インターネット上に巨大なエンタテイメント市場が誕生したこと。またPCやテレビゲーム機、携帯電話などの進化によって、ユーザーがいつでも、どこからでもコンテンツにアクセスできる環境が整いつつあること。これらにより従来のゲームビジネスのルールが大きく変わりつつある現状が示された。また同戦略はゲーム、出版、映像作品など複数のメディア事業を同時に展開しているスクウェア・エニックスだから可能であるという。
実際に北米市場では「Enter The MATRIX」をはじめ、ハリウッドとゲーム業界が急接近をしており、複数のメディアにおける創造性をフルに活かした作品制作が顕著である。「ポリモーフィック・コンテンツ」自体は、本年2月に同社が行なった戦略説明会で登場した戦略だが、今回の和田社長の発言は、この戦略をワールドワイド、特に版権ビジネスで日本より一歩先を行く北米市場で、ネットワーク時代に即した新しいレベルのコンテンツビジネスを進めていく意思表明になったといえるだろう。 ■ 「キングダムハーツ」の続編はマルチプラットフォーム展開 こうした基本戦略を具体的に表現したものが今回紹介された北米向けタイトル群だといえる。中でも注目を集めたのが、2003年に発売され、ディズニーとのコラボレーションで話題を呼んだアクションRPG「キングダムハーツ」の続編、「KINGDOM HEARTS CHAIN OF MEMORIES」と「KINGDOM HEARTS II」である。両作品とも昨年9月の東京ゲームショウで発表以後、沈黙を保ってきた同タイトル。しかし今回会場でバトルシーンやイベントシーンを含む映像ムービーが多数発表されたことで、両ゲームへの期待感は一気に高まった。
「CHAIN OF MEMORIES」はゲームボーイアドバンス向け、「II」はプレイステーション 2向けのタイトルで、マルチプラットフォームで展開されるのは既報の通りだが、一方で今回発表されたのは、「CHAIN OF MEMORIES」が前作の終了直後から始まる純粋な続編で、失われた記憶を巡る新たな冒険が始まること。戦闘システムにも新たにカードバトルシステムが採用され、携帯ゲーム機ならではのキビキビした操作感覚が楽しめるという。また「II」では前作から1年後の物語となり、前作同様のセミ・リアルタイム的な戦闘シーンや美麗なCG映像はそのままに、さらなる新たな敵や謎が登場する。ストーリー面での両者の関連性なども期待できそうだ。「CHAIN OF MEMORIES」の北米発売は2004年秋、「II」は未定。
【KINGDOM HEARTS CHAIN OF MEMORIES】 ■ 「マンガシェーダー」に期待の「MUSASHI SAMURAI LEGEND」
また通常の3Dアクションゲームとは異なり、「敵キャラクタを攻撃した部位によって切断されるパーツ部位が異なるなど、ゲーム表現においても新しい試みを行なっている」(吉本氏談)とのことだ。
(C)SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. ■ 今E3で注目の「あの」新ハード対応も……
特に「BEFORE CRISIS」は「VII」の世界の6年前の世界が、「ADVENT CHILDREN」は2年後の世界がそれぞれ題材になるとのことで、こうした1つの世界観を軸に複数のメディア展開を行なうというのも、同社ならではの仕掛けだろう。
さらにカンファレンスの最後に、同社は任天堂の新型携帯ゲーム機「ニンテンドー・ディーエス(仮称)」についても、発売と同時に新作タイトルをリリースする旨が発表された。実際のタイトルについてはE3 2004会場でプレイアブルなバージョンが出展されるというので、追って続報をお届けしたい。
□スクウェア・エニックスのホームページ (2004年5月11日) [Reported by 小野憲史]
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