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コーエー、「三國志 X」を今春発売
ストーリーに着目したシリーズ第10弾

今春発売予定

価格:未定

 株式会社コーエーは、「三国志」をモチーフにした歴史シミュレーションゲームのシリーズ10作目となる最新作「三國志 X」を今春発売する。対応OS、価格ともに未定となっている。

「三國志 X」のメイン画面。都市は長沙。しっかり区画整理されており、奥には水墨画のような美しい風景が広がる
こちらは移動画面。前作「三國志 IX」の全体マップを少し粗くしたような感じだ
 記念すべきシリーズ10作目となる「三國志 X」は、「三國志」シリーズ集大成ということで、「三國志」の魅力の源泉である、武将ひとりひとりにスポットを当てた濃厚なストーリーを描くことを基本コンセプトに原点回帰を図っている。

 実は「原点回帰」という言葉は、前作「三國志 IX」でも使われていたが、こちらのニュアンスは、武将担当制を採用した「三國志 VII」、「三國志 VIII」に対する、君主制への原点回帰というもの。今回の場合は、そもそものモチーフである「三国志演義」という原点(原典)に回帰する、という記念作らしい懐の深い考えが基礎になっている。

 「三國志 X」では、武将ひとりひとりのストーリーを描くため、基本システムも「三國志 VII」、「三國志 VIII」で好評を博した武将担当制を採用し、豊富なイベントを軸に群雄達の物語を描くという。

 同社ではこの新しいチャレンジを「ダイナミックヒストリカル・システム」と読んでいる。このシステムは具体的には、「コンビネーションイベント」、「舌戦」、「各都市の地方色の再現」という3つの要素で構成されている。

 中でも中心となるのが「コンビネーションイベント」で、以下の3パターンのイベントを連鎖的に発動させることにより、ゲームの展開を劇的に変えていく、というシリーズ初の試みとなっている。

・時流イベント:歴史の流れを再現。汎用性が高く、担当した武将に関わらず見られる
・各勢力イベント:担当武将が所属する勢力固有のイベント。所属勢力により内容が異なる
・個人イベント:特定の担当武将を選択した時のみ発生するイベント

 従来からあったイベントをより細分化してその数を増やした感じだが、このシステムのユニークな点はイベントそのものではなく、「その後」にある。これらイベントが発生することにより、「武将アルゴリズムの変更」、「攻略目標の変更」、「戦争の発生」、「一騎討ちの発生」、「舌戦(後述)の発生」、「勢力分布の変更」といったありとあらゆる不測の事態が発生するという。

 これまでのゲーム展開では、イベント後に他国と交戦状態になったり、一騎討ちが発生するようなことはありえなかったが、「三國志 X」ではイベントはゲーム展開に直結したと存在して、常にユーザーをハラハラドキドキさせる要素になるようだ。

【イベントシーン】
「三國志」シリーズお馴染みのイベントである「三顧の礼」を再現したイベントシーン。気になるのはイベントの内容よりその後どうなるかだ。諸葛亮を迎え入れたあと、どう世界は変化するのだろうか

 さて、先ほどちらりと出た「舌戦システム」。これもシリーズ初の新要素となるが、扱いとしては「三國志演義」でたびたび繰り広げられる“知将同士の一騎討ち”を再現するというもので、主に他国と外交を行なう際に行なわれる。

 舌戦は細かい仕様については不明だが、基本的に、外交の際にこちらの要求を押し通すあるいは、関係を悪化させずに穏便にはねのける目的で実行するもので、たとえば諸葛亮を派遣して敵勢力の有力武将を引き抜くとか、劉備を使って市民を怒らせずに税金を上げるとか、なんでもかんでも舌戦で処理できるような便利システムではないようだ。

 舌戦になると、橋の上で論戦を展開し、その結果如何で、外交の結果を軌道修正させることができるという。従来の外交システムでは外交官タイプの武将の能力を活かすことが難しかったが、このシステムでは存分に活躍させられそうだ。一騎討ちのようなインタラクティブ要素はあるのか、一発逆転は可能なのか、やはり周瑜は諸葛亮に負けてしまうのか、などなど興味は尽きないが、非常に楽しみなシステムといえる。

【舌戦】
舌戦は、武将の知力と魅力のほか、「論客」、「強弁家」、「説客」、「縦横家」といった特殊能力の有無が勝敗を分けるようだ。画面には道理、情義、威圧、反論といった複数の選択肢が確認できる

 最後の「各都市の地方色の再現」は、「三國志 VI」等で盛り込まれていた、都市別に編成可能な兵科や兵器を設定したシステムを発展・進化させたものだ。具体的には、各都市で異なる条件を満たすことによって、特殊な建設物が利用可能になる。特殊な建設物の詳細は不明ながら、特殊兵科が編成可能になったり、支配勢力に特別な効果をもたらしたりなどの恩恵を受けることができる。

 おおむね「三國志 VI」と似たシステムだが、「三國志 X」ではメイン画面で都市の全容が表示されるため、固有の建物が建設されると一発でわかる。都市画面も、複数のバリエーションが用意されており、この点も楽しみだ。

【施設】
左上から順に病院、工房、市場、造船所、観星亭。それぞれ異なるコマンドが用意されているのがわかる。中でも観星亭のハードルは高そう。占トによって何がわかるのだろうか

 さて、常に内政と対の存在として語られる戦闘システム。「三國志 X」の戦闘システムは、局地戦を表現した「戦闘」と、より大規模な戦闘を表現した「戦役」の2段階にわけられている。「戦闘」は、「三國志 VIII」以前のターンベースを基本に、ヘックスマップを舞台にした、従来規模の戦いが展開される。これには従来型の野戦や攻城戦が含まれる。

 新要素である「戦役」では、「州」規模の広範囲をカバーした巨大なマップが戦場となる。戦場には複数の都市と中継拠点があり、それらは街道によって結ばれている。街道はその太さによって通過可能な軍団数に制限が設けられ、兵站維持の概念はもちろんのこと、間道を使った回り込み、兵站戦の切断などなど、戦略性に富んだ戦いが可能なようだ。

 ちなみにこの「戦役」を実施できるのは大勢力のみで、大勢力同士の戦いを実現すると同時に、中盤から後半にかけての弱小勢力の掃討戦をやりやすくするという意味合いがある。ゲーム展開がよりスピーディーになるという点でも歓迎できる新システムだ。

 戦闘中には、「三國志」シリーズの醍醐味である一騎討ちのほか、「戦争中イベント」というものも発生するなど、従来作以上にドラマ性に富んだ戦いが展開されるという。武将固有の技や兵科などまだ不明な点は多い。新しい情報が届き次第、続報としてお伝えしたい。

【野戦シーン】
野戦、攻城戦ともにターンベース・ヘックス式の戦闘になっている。特に目新しさはないが、「三國志」シリーズが培ってきたオーソドックスながら味わい深い戦いが楽しめそうだ

【在野勢力】
嬉しい人には嬉しい在野勢力の戦闘シーン。移動しながらのゲリラ戦や、市街戦など、なかなかおもしろそうだ

(C)KOEI Co.,Ltd.

□コーエーのホームページ
http://www.gamecity.ne.jp/
□関連情報
【2003年3月26日】PCゲームレビュー「三國志 IX」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030326/san9.htm

(2004年2月3日)

[Reported by 中村聖司]


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ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

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