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★ピックアップ アーケード★
連載第3回目は、前回紹介したディフェンス重視のフォーメーションをもとに“攻撃”について考えてみたい。トップクラスのフォワード(FW)やミッドフィルダー(MF)は適当に並べてもワンマン・アーミーと化すが、スターターから始めたばかりで選手カードに選択肢がないときや、能力を度外視して好きな選手カードだけで戦うなら、監督が効果的なフォーメーションを模索する必要がある。 なお、今回から記事を読み始めた人がいたら、まずは連載第2回目に目を通していただきたい。ここで紹介するのは、スターターや趣味チームで銀河系選抜と互角に組するための基本フォーメーションがベースになっているからだ。
そして……前回からの繰り返しになってしまうが“記事内容を鵜呑みにして形だけ踏襲しても意味がない”ことを、あらためて強調しておきたい。「こうしたやり方もあるんだな」程度に考えて、自分(監督)なりのアプローチやタイミングを練り上げてほしい。
※注 …… 本記事の内容は、あくまでも筆者自身がプレイして感じたことに基づいて記述しているものです。状況やカードなどさまざまな要因により、記事どおりにすべてが機能するわけではないことを、あらかじめお断りしておきます。
■ 攻撃時の基本チェックポイント ポイント【1】 最終ラインの高さ ディフェンスラインの構築パターンは人によってさまざまだが、「最終ライン」の位置は、すべてに共通する事柄。筆者は、高ければカウンターからスルーパスを狙い、低ければ左右のクロスかセンタリング、あるいは正面からドリブルで切り込ませ、なるべくゴールに近い位置からシュートを狙うようにしている。 「2002-2003」はオフサイドが頻発するようになったこともあり、それを狙ってやたらと最終ラインを高く設定している人を多く見かけるが、常に高いだけの最終ラインは、カウンターのスルーパスを狙ってくれと宣言しているようなもの。相手がプレスをかけっぱなしにしているようなら、動きが極端になるぶんを踏まえてボールを受ける選手の位置を調整すれば、成功率はさらに上がる。
また(ほとんどいないとは思うが)最終ラインの高さを調節しながら守る相手には、サイドから仕掛けるのが無難。相手の反応が遅れたらアーリークロスを狙い、クロスがカットされそうなら、そのままサイドを駆け上がる。ペナルティアークの前後でラインを維持する気配が見えたら、切り込んでシュート。徹底的に下げてカバーリングしてくるようなら、ファーへのクロスかセンタリングで勝負をかける。
ポイント【2】 DF・DHの間隔 「WCCF」では、敵のポジション以上に、味方のフォーメーションが個々の選手の動きに対して大きく影響する部分が見受けられる。この傾向はDFで特に顕著で、どれだけ隙間なく詰めたつもりでも、左右にゆさぶられることで必ずどこかに隙ができる。近くにボールを持った相手選手がいるなら、状況はさらに極端になる。
たとえば、自陣の左下でボールを奪い取った場合、ピッチの左側ほど選手の密度が高く、右側にいくほど選手同士の間隔が大きくなる。「インターセプトされて前線にボールがうまくフィードできない」という人は、サイドチェンジを試みるのが無難。ただし、相手の中盤が厚い場合は、そのまま上がらせて突破を試みるか、もしくは戦術ボタンをすべてOFFにしていったんボールを後ろに回し、そこから攻撃ルートを修正して再構築していくといい。
■ 「クワガタ」ってナンデスカ? 筆者なりの基本チェックポイントをご紹介したあとは、前回の続きである「攻撃」にスポットを当ててみたい。当初は基本形をいくつか簡単にまとめて掲載する予定だったが、とある経緯から「まずはコレ」というスタイルを詳しくご紹介することにした。その顛末とは、以下のとおりである。
知人:最近、ゲーセンいってる?
筆者:見てきたけど、あれって最終ラインが異常に高い変則4-4-2でしょ。別に驚くほどではなかったけどなぁ。
このフォーメーションのポイントは、クワガタの“アゴ”にあたる2トップではなく、高く押し上げられた最終ラインと、中央に配置された4人のMFにある。連載第2回でも説明したように「WCCF」はフォーメーションの一部が独立して動くことはなく、ボールの高さに連動して全体が動く。つまり、最終ラインが高ければ、それだけピッチ前方の密度が高まり、必然的にボールの奪取力が向上する。 さらには、FWと中央4人のMFがほぼ等間隔で配置されるため(戦術ボタンにもよるが)パス回しが活発になる。ボール回しは主にピッチ中央部で行なわれるため、攻撃側の人数が瞬間的に守備側の人数を上回り、そのぶんラインを突破しやすく、パスやこぼれ玉に対しても先にチェックにいける機会が増える。さらには、FWが左右に開いていることから、中央部のオフェンシブハーフ(OH)ふたりがペナルティエリア内のこぼれ玉に即反応できる。 要は、中盤から相手ゴール前までの選手密度を高めることでボールの奪い合いに勝つ“攻めダルマ”的なフォーメーションで、2トップは、江戸火消しの“纏(まとい)”のようなもの。ラヴァネッリ、アンリ、クライフェルト、ボクシッチなどなど、スピードとパワーを兼ね備えたFWを配置すれば、それはもう恐ろしい勢いでペナルティエリアを侵食するはずだ。
ただし、最終ラインを上げたぶんの「リスク」は、常に背負っていることになる。相手がそれを突けないと「クワガタ」フォーメーションは無利子無返済で借金をし続けるように、審判の笛が鳴るまで敵陣を圧迫する。ボールを奪ったら、カウンターからの「スルーパス」で、きちんと利息をつけて返してもらおう。
■ 基本はスルーパス狙い ~カブトムシの“ツノ”が肝~
「WCCF」では、相手チームがボールを持って攻めてきているとき、こちらのFWが緑色で表示された相手DFよりも前にポジションを取ることはない。これは、両チームがよほど変則的なフォーメーションを取らない限り、常にこの原則が保たれる。 ところが、こちらがボールを奪って反撃に転じるときから、話は少々変わってくる。押し上げてきたぶん、相手のフォーメーションはボールの動きに連動して下がるが、中盤から前線の選手にパスを出すとき、初めてオフサイドが生じるようなポジショニングが発生する。 ここでボールを前方にフィードする際、相手の最終ラインが高いと、その影響でトップ下や2列目ではなく「FW」が下がってきてボールを受けてしまう。「WCCF」のFWはやたらと守備意識が高いこともあるが、これが足枷になって「なんでオマエが下がってボールを受けるんだよ!」という事態が頻発する。 なぜ、こんな状況が発生するのか。それは、ボールを持たないFWが相手の最終ラインを超えないようポジションをキープしており、なおかつ相手のフォーメーション全体がボールの動きに連動して下がるため、結果として「スペース的に、今もっとも安全にパスが出せる相手はFW」とCPUが判断するからではないか、と筆者は推測している。 普通なら困ってしまうところだが、「カブトムシ」フォーメーションは、これを逆に利用する。下がってボールを受けたFWにDHやDFが詰めてくるぶん、相手のフォーメーションに偏りが生じる。さらには、下がって受けたFWとは別に、もうひとりのFWが適当な距離をおいて前に走り込む。相手の最終ラインがフラットであれば、これ以上ないくらいに適当な間合いが生じる。 オフサイドを頻繁に取られたり、あるいはキーパーにキャッチされるほど前にボールを出してしまうようなら、FWやトップ下の選手カード位置や間隔を調節するか、ボールを奪ってから仕掛けるタイミングを変えてみる。微調整を繰り返すことで、少しずつ感覚がつかめてくるはずだ。
スルーパスを狙うときは、基本的に戦術ボタンはすべて消しておくのがポイント。前やカウンターを点灯させておくと、無理なシチュエーションでも強引にボールを出してしまうため、結果としてオフサイドを取られやすくなってしまう。 ただし、スルーパス狙いに相手が気付いてプレスを押さず最終ラインを下げてくるようなら、中央またはカウンター戦術ボタンで早めにスルーパスを狙うか、消灯したままドリブルで持ち込んでもいい。中央をガチガチに固められた場合は、左右の戦術ボタンを活用して切り込むか、あるいは戦術ボタンを消して背後のSHにバックパスを出し、そこからサイドチェンジを狙うなど臨機応変に対応していきたい。
最初から最終ライン下げて対応してくる相手がいたら、そんなときこそ「トップ下」の選手が活躍する。よく「WCCFはトップ下が機能しない」といわれるが、それは最終ラインが高めのチームが多いからではないかと思われる。自分のチームも最終ラインが高ければ、なおさらだ。
■ 「カブトムシ」を退治するには?
なお、今回の記事は「スターターで戦えるフォーメーション」が基本にあるが、目を通していただいた方々に、そのもう一歩先にある「選手の動かし方を考える」ことのキッカケになれば、これ以上嬉しいことはない。動かし方のコツを何となくでもつかめば「こんなチームを作りたい」と思ったときに、必ず役に立ってくれるだろう。自分の好きなチームの動きを再現したり、あるいはそれをモチーフに発展させてみたりと、楽しみ方はたくさんあるはず。
目を血走らせて「レジェンド!」、「ICC!」、「任期延長!」、「黄金連携!」、「レア称号!」などと欲望を丸出しにするのもいいが、ゲームなのだから、たまには原点に返って「遊ぶ」ことも大切なのではないだろうか。ふと、そんなことを考える今日この頃である。
(C)Hitmaker/SEGA,2002,2003
□セガのホームページ (2003年11月22日) [Reported by 北村孝和]
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