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★ピックアップ アーケード★

ワールドクラブ チャンピオンフットボール
セリエA 2002-2003

連載:第3回

  • ジャンル:スポーツ(サッカーゲーム)
  • 発売元:セガ
  • 開発元:ヒットメーカー
  • 操作デバイス:カード移動、戦術ボタン×5、データ表示ボタン、シュートボタン、キーパーボタン
  • 構成:サテライト席8席+メインモニター
  • 料金:1プレイ300円、2プレイ500円
  • 稼動日:稼動中

【ゲームの内容】

 イタリアのサッカーリーグ「セリエA」を題材にしたサッカーゲーム。ジョイスティックなどで選手を直接操作するのではなく、フィールド上に“実在する選手のカード”を配置して、それを動かしたり、戦術ボタンで指示を与えながらプレイする。練習と試合を繰り返しながらチーム経験を積み重ねていき、チームを強化してカップ戦での勝利を狙う。試合後には選手カードが1枚排出される。



 連載第3回目は、前回紹介したディフェンス重視のフォーメーションをもとに“攻撃”について考えてみたい。トップクラスのフォワード(FW)やミッドフィルダー(MF)は適当に並べてもワンマン・アーミーと化すが、スターターから始めたばかりで選手カードに選択肢がないときや、能力を度外視して好きな選手カードだけで戦うなら、監督が効果的なフォーメーションを模索する必要がある。

 なお、今回から記事を読み始めた人がいたら、まずは連載第2回目に目を通していただきたい。ここで紹介するのは、スターターや趣味チームで銀河系選抜と互角に組するための基本フォーメーションがベースになっているからだ。

選手の配置にはそれぞれ意味がある。詳細は連載第2回を参照のこと
 第2回目で紹介したディフェンス重視のフォーメーションは、左右サイドハーフ(SH)が攻防の要になっている。FWの配置によってはオーバーラップも可能だが、空いたスペースを突かれると引きずられてフォーメーション全体が大きく歪んでしまう。よって、攻撃を3人で成立させながら、少しずつ「WCCF」における選手の動きを把握していこう、というのが今回の趣旨だ。

 そして……前回からの繰り返しになってしまうが“記事内容を鵜呑みにして形だけ踏襲しても意味がない”ことを、あらためて強調しておきたい。「こうしたやり方もあるんだな」程度に考えて、自分(監督)なりのアプローチやタイミングを練り上げてほしい。

※注 …… 本記事の内容は、あくまでも筆者自身がプレイして感じたことに基づいて記述しているものです。状況やカードなどさまざまな要因により、記事どおりにすべてが機能するわけではないことを、あらかじめお断りしておきます。


■ 攻撃時の基本チェックポイント

ポイント【1】 最終ラインの高さ

 ディフェンスラインの構築パターンは人によってさまざまだが、「最終ライン」の位置は、すべてに共通する事柄。筆者は、高ければカウンターからスルーパスを狙い、低ければ左右のクロスかセンタリング、あるいは正面からドリブルで切り込ませ、なるべくゴールに近い位置からシュートを狙うようにしている。

 「2002-2003」はオフサイドが頻発するようになったこともあり、それを狙ってやたらと最終ラインを高く設定している人を多く見かけるが、常に高いだけの最終ラインは、カウンターのスルーパスを狙ってくれと宣言しているようなもの。相手がプレスをかけっぱなしにしているようなら、動きが極端になるぶんを踏まえてボールを受ける選手の位置を調整すれば、成功率はさらに上がる。

 また(ほとんどいないとは思うが)最終ラインの高さを調節しながら守る相手には、サイドから仕掛けるのが無難。相手の反応が遅れたらアーリークロスを狙い、クロスがカットされそうなら、そのままサイドを駆け上がる。ペナルティアークの前後でラインを維持する気配が見えたら、切り込んでシュート。徹底的に下げてカバーリングしてくるようなら、ファーへのクロスかセンタリングで勝負をかける。

ポイント【2】 DF・DHの間隔

 「WCCF」では、敵のポジション以上に、味方のフォーメーションが個々の選手の動きに対して大きく影響する部分が見受けられる。この傾向はDFで特に顕著で、どれだけ隙間なく詰めたつもりでも、左右にゆさぶられることで必ずどこかに隙ができる。近くにボールを持った相手選手がいるなら、状況はさらに極端になる。

 たとえば、自陣の左下でボールを奪い取った場合、ピッチの左側ほど選手の密度が高く、右側にいくほど選手同士の間隔が大きくなる。「インターセプトされて前線にボールがうまくフィードできない」という人は、サイドチェンジを試みるのが無難。ただし、相手の中盤が厚い場合は、そのまま上がらせて突破を試みるか、もしくは戦術ボタンをすべてOFFにしていったんボールを後ろに回し、そこから攻撃ルートを修正して再構築していくといい。


■ 「クワガタ」ってナンデスカ?

 筆者なりの基本チェックポイントをご紹介したあとは、前回の続きである「攻撃」にスポットを当ててみたい。当初は基本形をいくつか簡単にまとめて掲載する予定だったが、とある経緯から「まずはコレ」というスタイルを詳しくご紹介することにした。その顛末とは、以下のとおりである。

~~~ 某日 ~~~

知人:最近、ゲーセンいってる?
筆者:前ほどじゃないかなぁ。うちの地元、相変わらず荒んでるし。何かあったの?
知人:最近、○×とか△□辺りで「クワガタ」ってのが流行ってんのよ。俺は「カニ」に見えたけど、世間的には「クワガタ」っていうらしいよ
筆者:何それ。「ムシキング」の「クワガタ」カード置いたら誤認識するとか、そういう話?
知人:違うって。フォーメーションの話。要は2トップが開き気味に突出してて、中盤キツキツでボール奪われまくり。マジ驚くから
筆者:う~ん、実際見てみないと何とも言えないなぁ。まぁ、今度ちょっと見てきますわ

~~~ 数日後 ~~~

筆者:見てきたけど、あれって最終ラインが異常に高い変則4-4-2でしょ。別に驚くほどではなかったけどなぁ。
知人:うそだろ~。実際に相手したうえで言ってる?
筆者:カップ戦で当たったけど、狙いが明白だからスルーパスだけで点取れたし。んじゃ、逆に訊くけど「クワガタ」相手に勝てない理由はなんじゃろね?
知人:なんか、ボール取り合っててやたら負けんのよ。押されまくり
筆者:そりゃそうでしょ。理解してやってるかどうかは別として、方向性を明確に打ち出したフォーメーションには違いないもの。対策しなきゃ一方的にボコられても仕方ないわなぁ
知人:つーかさー、あんなリアルじゃありえないフォーメーションに負けるのが、凄ぇ納得いかねー! あーっ!!
筆者:そこまで悔しがるほどキツいかぁ? って、もしかして、今世間では「クワガタ」が勝ちまくりですか?
知人:勝率見たべ。カップ戦とりまくりだったろ
筆者:……そっかぁ。いまだに高いだけの最終ラインが通用するのかぁ。やっぱソレ先にやらんとマズイかなぁ、とか思えてきたよ
知人:うわっ、上からモノを見るような嫌な言い方! つーかさー、オマエ本当に勝てたわけ? ふかしてねぇ?
筆者:んー、そういえば、次の連載は3人で攻撃する話だったから、丁度いい機会だし。世間が「クワガタ」なら、こっちは「カブトムシ」で説明するとしますか。いいネタふってくれてありがとねぇ

~~~ 以上 ~~~

 そんなわけで、「スターターでも戦えるフォーメーション」の攻撃編は、高いだけの最終ラインを打ち砕くのに最適で、なおかつ攻撃要員が少人数でも十分に狙える“スルーパス”にスポットをあててみたい……が。その前に、話の行きがかり上「クワガタ」フォーメーションについて言及せねばなるまい。

 このフォーメーションのポイントは、クワガタの“アゴ”にあたる2トップではなく、高く押し上げられた最終ラインと、中央に配置された4人のMFにある。連載第2回でも説明したように「WCCF」はフォーメーションの一部が独立して動くことはなく、ボールの高さに連動して全体が動く。つまり、最終ラインが高ければ、それだけピッチ前方の密度が高まり、必然的にボールの奪取力が向上する。

 さらには、FWと中央4人のMFがほぼ等間隔で配置されるため(戦術ボタンにもよるが)パス回しが活発になる。ボール回しは主にピッチ中央部で行なわれるため、攻撃側の人数が瞬間的に守備側の人数を上回り、そのぶんラインを突破しやすく、パスやこぼれ玉に対しても先にチェックにいける機会が増える。さらには、FWが左右に開いていることから、中央部のオフェンシブハーフ(OH)ふたりがペナルティエリア内のこぼれ玉に即反応できる。

 要は、中盤から相手ゴール前までの選手密度を高めることでボールの奪い合いに勝つ“攻めダルマ”的なフォーメーションで、2トップは、江戸火消しの“纏(まとい)”のようなもの。ラヴァネッリ、アンリ、クライフェルト、ボクシッチなどなど、スピードとパワーを兼ね備えたFWを配置すれば、それはもう恐ろしい勢いでペナルティエリアを侵食するはずだ。

全体の押し上げが強烈。奪ったボールはすぐフリーの味方に出すこと。さもないとすぐにボールを奪い返されてしまう


 ただし、最終ラインを上げたぶんの「リスク」は、常に背負っていることになる。相手がそれを突けないと「クワガタ」フォーメーションは無利子無返済で借金をし続けるように、審判の笛が鳴るまで敵陣を圧迫する。ボールを奪ったら、カウンターからの「スルーパス」で、きちんと利息をつけて返してもらおう。


■ 基本はスルーパス狙い ~カブトムシの“ツノ”が肝~

 まずは、右にあるフォーメーションをご覧頂きたい。最前線のFWが2枚、ペアで配置されているのがわかるはずだ。一見すると無駄にしか思えないこの配置から、なぜスルーパスが狙えるのか。まずはその仕組みから説明しよう。

 「WCCF」では、相手チームがボールを持って攻めてきているとき、こちらのFWが緑色で表示された相手DFよりも前にポジションを取ることはない。これは、両チームがよほど変則的なフォーメーションを取らない限り、常にこの原則が保たれる。

 ところが、こちらがボールを奪って反撃に転じるときから、話は少々変わってくる。押し上げてきたぶん、相手のフォーメーションはボールの動きに連動して下がるが、中盤から前線の選手にパスを出すとき、初めてオフサイドが生じるようなポジショニングが発生する。

 ここでボールを前方にフィードする際、相手の最終ラインが高いと、その影響でトップ下や2列目ではなく「FW」が下がってきてボールを受けてしまう。「WCCF」のFWはやたらと守備意識が高いこともあるが、これが足枷になって「なんでオマエが下がってボールを受けるんだよ!」という事態が頻発する。

 なぜ、こんな状況が発生するのか。それは、ボールを持たないFWが相手の最終ラインを超えないようポジションをキープしており、なおかつ相手のフォーメーション全体がボールの動きに連動して下がるため、結果として「スペース的に、今もっとも安全にパスが出せる相手はFW」とCPUが判断するからではないか、と筆者は推測している。

 普通なら困ってしまうところだが、「カブトムシ」フォーメーションは、これを逆に利用する。下がってボールを受けたFWにDHやDFが詰めてくるぶん、相手のフォーメーションに偏りが生じる。さらには、下がって受けたFWとは別に、もうひとりのFWが適当な距離をおいて前に走り込む。相手の最終ラインがフラットであれば、これ以上ないくらいに適当な間合いが生じる。

 オフサイドを頻繁に取られたり、あるいはキーパーにキャッチされるほど前にボールを出してしまうようなら、FWやトップ下の選手カード位置や間隔を調節するか、ボールを奪ってから仕掛けるタイミングを変えてみる。微調整を繰り返すことで、少しずつ感覚がつかめてくるはずだ。

ボールを前線にフィード。最終ラインが高いと、適当な距離とスペースがあると判断されたFWが下がってボールを受ける ボールを受けるFW。このときDHとDFが詰めてくるが、そのぶん相手フォーメーションに偏りが生じる もうひとりのFWが、適当な間合いから前方スペースに走り込む。これなら誰にでも得点のチャンスがある


 スルーパスを狙うときは、基本的に戦術ボタンはすべて消しておくのがポイント。前やカウンターを点灯させておくと、無理なシチュエーションでも強引にボールを出してしまうため、結果としてオフサイドを取られやすくなってしまう。

 ただし、スルーパス狙いに相手が気付いてプレスを押さず最終ラインを下げてくるようなら、中央またはカウンター戦術ボタンで早めにスルーパスを狙うか、消灯したままドリブルで持ち込んでもいい。中央をガチガチに固められた場合は、左右の戦術ボタンを活用して切り込むか、あるいは戦術ボタンを消して背後のSHにバックパスを出し、そこからサイドチェンジを狙うなど臨機応変に対応していきたい。

 最初から最終ライン下げて対応してくる相手がいたら、そんなときこそ「トップ下」の選手が活躍する。よく「WCCFはトップ下が機能しない」といわれるが、それは最終ラインが高めのチームが多いからではないかと思われる。自分のチームも最終ラインが高ければ、なおさらだ。


■ 「カブトムシ」を退治するには?

 攻撃は相手に重ならないよう、防御は相手に重ねるのが、スターターで戦うときの基本原理。本連載は“考えながらプレイして楽しむ”という趣旨があるため、「カブトムシ」退治法については、あえて明言せずにおきたい。一応のヒントとしては「リーチをふまえて半端な弱いところを捕まえる」といった感じだ。

 なお、今回の記事は「スターターで戦えるフォーメーション」が基本にあるが、目を通していただいた方々に、そのもう一歩先にある「選手の動かし方を考える」ことのキッカケになれば、これ以上嬉しいことはない。動かし方のコツを何となくでもつかめば「こんなチームを作りたい」と思ったときに、必ず役に立ってくれるだろう。自分の好きなチームの動きを再現したり、あるいはそれをモチーフに発展させてみたりと、楽しみ方はたくさんあるはず。

 目を血走らせて「レジェンド!」、「ICC!」、「任期延長!」、「黄金連携!」、「レア称号!」などと欲望を丸出しにするのもいいが、ゲームなのだから、たまには原点に返って「遊ぶ」ことも大切なのではないだろうか。ふと、そんなことを考える今日この頃である。


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Su licenza di A.I.C SERVICE SRL

□セガのホームページ
http://sega.jp/
□ヒットメーカーのホームページ
http://www.hitmaker.co.jp/
□「WCCF」公式サイト
http://www.wccf.jp/
□関連情報
【11月28日】ピックアップ・アーケード:「WCCF 2002-2003」第2回
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20031125/wccf.htm
【11月7日】ピックアップ・アーケード:「WCCF 2002-2003」第1回
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20031107/wccf.htm
【10月21日】ヒットメーカー、AC「WCCF 2002-2003」第2回全国大会の店舗予選を11月15日から開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20031021/wccf.htm
【9月16日】ヒットメーカー、AC「WCCF 2002-2003」9月18日より全国で稼動開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030916/wccf.htm

(2003年11月22日)

[Reported by 北村孝和]


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