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コーエー、“日本”と“爽快感”にこだわった |
価格:6,800円
イメージソングを歌うのはBoA。エンディングに流れるということで「がんばってクリアして!」とコメント |
「戦国無双」は、戦国を舞台に歴史上の武将となり、戦場を駆け抜けていくアクションゲーム。バッサバッサと敵をなぎ倒していく爽快感がウケ、「真・三國無双」シリーズは3作目まで制作され、アペンドディスクも発売されている。プロデューサーの杉山芳樹氏によれば全世界累計500万枚ということで人気シリーズに成長した。これまでは“三国志”の世界観で繰り広げられてきた戦いが、日本人にとってより身近な戦国の時代で描かれることで、まさに待ちに待ったタイトルとして注目を集めていた。
基本的には「真・三國無双」のエンジンが使用されているが、数々のこだわりをもとに制作されている。プロデューサーの杉山氏は「無双シリーズの秘密は、簡単、お手軽、爽快の3つのファクターからなる」と説明。今回もそれらをふまえた上で、特に爽快感にこだわったという。「真・三國無双」では敵を吹っ飛ばしていく爽快感があったが、「戦国無双」ではそれに加えて、“殺陣”シーンの爽快感にこだわったという。殺陣シーンを見慣れている日本人だけに、美しさ、爽快感にはこだわりをもって制作されているようだ。
また、ビジュアルは全体的に渋いトーンの色彩となっている。特に背景は、渋めのグラフィックで落ち着いた仕上がりだ。もちろん、エフェクト類は美しいが、派手と言うよりは美しくみせる工夫がされているよう感じた。「真・三國無双」ではフォグで遠景が見渡せない状態だったが、「戦国無双」では遠景まで見渡せるようになっており、遠くまで見渡すことができる。発表会場では実機によるデモが行なわれたが、天守閣での戦いでは遠く海まで見渡すことができるグラフィックが印象的だった。
さらにグラフィック的に言えば、春になれば桜が舞い、秋になればススキが揺れる。季節だけでなく、時間経過や天候なども描かれるという。例えば出陣の時はまだ暗がりだが、戦闘に突入する頃に夜が明け……といったことが史実に忠実に描かれるのだという。
城内での戦闘もこれまでにない要素のひとつだろう。城内は毎回構造が変わる自動生成システムとなっている。あちらこちらにトラップやギミックが用意されており、その中を進んでいかなければならない。槍が出てくる床や鉄砲が仕掛けられていたり、油断がならない。
各キャラクタの個性を際だたせることにも注力されているという。刀や苦無 (くない) 、手裏剣など使いこなしていくのだが、例えば2段ジャンプは服部半蔵しか使うことはできないという。これらキャラクタ特有のアクションを使い分けることで、色々と楽しめる要素が用意されているようだ。
さらに、これまでは国や勢力ごとにストーリーの流れがあったが、「戦国無双」ではキャラクタごとにストーリーがあり、それぞれの行動で分岐していく複雑なものとなっている。ストーリーとは別に用意され、戦闘時に常に発生するミッション (ホラ貝の音色とともにミッションが発生し、クリアしなくてもストーリーをクリアすることはできる) も豊富で、500以上だという。取り上げればきりがないやりこみ要素が凄まじく、杉山氏曰く「1ステージのプレイ時間は『真・三國無双』と同じ程度で、1プレイでクリアするには30分から40分程度で終わるが、やりこみ要素をやり込んでいけば70時間以上かかるだろうし、色々な要素をコレクションしていけばそれ以上」だという。
そのやりこみ要素の中には「武将エディット」として、オリジナルキャラで武将を育てていくことができるモードもある。このほかにもまだ発表できないとされる「ずっと遊べるモードが最初から遊べる」としか公言されていないモードの存在も明らかになっている。
発表会にあわせて公開された武将は真田幸村、前田慶次、服部半蔵、明智光秀、そして「戦国無双」オリジナルの“くのいち”となっている。これですべてではないようで、今後、順次公開されていくという。特にくのいちは「エンディングの出来がいい。どのようにシナリオに絡んでいくのか注目して欲しい」と杉山氏がコメント。印象的なオープニングムービーも流されていたので、そのストーリー展開が楽しみなところだ。
【スクリーンショット】 | ||
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「真・三國無双」シリーズではフォグで遠景をぼかしていたが、「戦国無双」では渋めの配色で遠景まで描いている。また、城内での戦闘が目新しい。ちなみに城内は毎回内容が変わるダンジョンのような構造となっている。一番右下の写真はムービーシーンで真田幸村が活躍するシーン | ||
【キャラクタ】 | ||
真田幸村 | 前田慶次 | 服部半蔵 |
明智光秀 | オリジナルキャラ くのいち |
発表会の冒頭で襟川恵子代表取締役会長は「世界中で日本が舞台の映画なども公開され、今まさに日本ブームだ。『戦国無双』は『真・三國無双』のユーザーが最も欲しいと思っているタイトル。日本の美学にこだわって作っている。日本では2月、海外でも3月に発売し、国内外でそれぞれ100万本は売りたい」と意気込みを語った。
会場には株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントの佐伯雅司氏も姿を見せ挨拶を行なった。同氏は「コーエーさんとのつきあいは弊社がスタートしたときから。プレイステーションをスタートさせるにあたり、PC系のタイトルを取り込むためにはどうしてもコーエーさんしかなかった。プレイステーション 2の時もいち早く『決戦』を発表され参入していただいた。『戦国無双』は定評のあるエンジンで世界観も新しく、SCEJとしても重要なタイトルと位置づけている」と語った。
また同氏は「最近はゲーム業界は元気がないと言われるが、この機会にニュースをお伝えしたい。13日に2万円を切るプレイステーション 2を発売したが、発売週とその次の週で実売が前年同期比193%で、13万台となった。年末のソフトも昨年より充実している。来年は女性をターゲットにして、ゲーム業界を活性化させたい」とコメントしている。
発表会の最後にはエイベックス株式会社の松浦真在人専務取締役が登壇し、タイアップとして同作品のイメージソングをBoAさんが歌うことを明らかにした。BoAさんはビデオレターの中で「ゲームのイメージソングということでワクワクしています。エンディングに流れるので、みんながんばってクリアしてください」とアピールした。
発売日はいまだ2004年2月中旬と確定していないが、実機デモの雰囲気では、開発度はかなりの進行度のようだ。ボリュームはあるが、単純に楽しめるアクションゲームとして注目のタイトルだろう。
□コーエーのホームページ
http://www.gamecity.ne.jp/
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(2003年11月26日)
[Reported by 船津稔]
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