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Korea Amuse World Game Expo 2003が開催 |
会場:COEX
韓国最大規模のゲームショウKorea Amuse World Game Expo(KAMEX)が、今年もソウル市江南区にあるコンベンションセンターCOEXを会場に本日より開幕した。今年は全日一般公開日とし、初日のテープカット前から、会場前には学生や業界関係者を中心に長い行列ができていた。ショウは24日まで開催される。
■ 大手2社不参加ながら、例年どおりの規模を維持
オープン前には通路脇をぐるりと1周するぐらいの長い行列ができた。授業で参加している学生も多い |
テープカットにはガンホーの森下氏も出席 |
テープカットを終えるとKAMMAのKim会長がVIPを引き連れて、各出展ブースを練り歩く |
これは、KAMMA会長であり、同時にGravityの会長も務め、アーケード産業にも幅広い人脈を持つJung Ryool Kim氏の推進力によるところが大きい。が、その一方で、そうした我田引水的なやり方を良しとしないメーカーも増えてきている。
Soft MaxやHanbit Softといったパッケージソフトの販売を行なうメーカーは、毎年参加を見送っているが、今年は韓国を代表する大手オンラインメーカーであるNC SoftとNEXONまでが不参加となった。両社とも多くのデベロッパーおよびユーザーを擁するメーカーだけにその影響力は絶大といっていい。
不参加の理由については「費用対効果が見込めない」、「オンラインゲームの紹介は別のアプローチで取り組みたい」などとしているが、NC SoftやSoft Maxは、毎年メーカー単独でのイベントを主催し、NEXONは今年の夏に初開催されたゲームイベント「ソウルゲームショウ」を強力にバックアップするなど、ヨーロッパゲーム市場における各国の主導権争いにも似た混乱の様相を呈している。
それでは、今年のKAMEXはガタガタだったかというとそうでもなかった。昨年に比べ、ややパブリックスペースは増えたものの、COEXの4ホールを確保し、実質的なコマ数は微減に抑え、例年と変わらない雰囲気を保っていた。それではさっそく今年のKAMEXの模様をお伝えしていきたい。
■ ゲームポータル系メーカーが元気 Gravityは例年どおり「ラグナ」一色
オープン1時間後の会場の様子。東京ゲームショウや台北ゲームショウに比べ、ゲームを楽しむにはちょうどいいほどの人口密度を保っている唯一のショウといえる |
今年も最大のコマを確保したGravityブース。ブースで配布しているグッズ入りの紙袋をもらうために長蛇の列ができる |
ブース内ではカプラ職員がお出迎え。写真を撮られてばかりで、仕事がおろそかになりっぱなしなところがポイントである |
NetmarbleとNeowizは、多くの傘下子会社を持つ強みを活かして、それぞれ個性的なタイトルラインナップで、総合ゲームメーカーとしてのブランドイメージをアピール。一方、NHNは、フル3DMMORPG「ARCHLORD」を発表し、オンラインゲームパブリッシャーとしてのイメージを強く来場者にアピールしていた。
それでもなお、もっとも集客力のあるメーカーはやはりGravityだった。例年どおり、「ラグナロクオンライン」のプロモーションを中心に据え、1時間ごとに頻繁に行なわれる、自分のIDを使って楽しめるフリープレイコーナーやオリジナルグッズの即売コーナーといつもと変わらぬ展示内容だった。
中でも今回は、「ラグナロクサポーターズ」なる「ラグナロク」ファンのみで構成されたスタッフの姿が目に付いた。彼らは、入場者の整理や案内だけでなく、イベントの準備、同人誌やオフィシャルグッズの即売、ハンドアートのスタッフなどなど、ブース各所で大活躍。もともとエンドユーザー志向の強かった同社は、これを機にますますエンドユーザーと直結したメーカーという位置づけを深めた印象だ。ブースでは明日以降、「ラグナロクオンライン」の今後の展開をユーザーに向けて公開する予定だ。
また、今回Gravityのイメージを覆してくれたのが、初公開された新作MMORPG「レクイエム」。18歳以上を対象にしたダークファンタジーMMORPGという、「ラグナロクオンライン」とはまったくの対局に位置する作品で、今回は人数限定の暗い個室の中でオープニング映像の一部と、イメージイラストをクローズドに公開した。韓国では12月中旬以降よりクローズドβテストを開始し、来年度内に正式サービス開始を予定している。
【ゲームポータル系メーカー】 | ||
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左から順にNeowiz、NHN、Netmarble。ゲームポータルサービスは、日本ではまだまだといった印象だが、韓国ではすでにそれぞれ数百万単位をユーザー数を擁し、抜群の知名度を誇る。いまやポータルサービスのみならず、パブリッシング事業やライセンス事業も幅広く手がけるゲーム総合メーカーになりつつある |
■ MicrosoftとSCEKの初参加 アーケードは相変わらず体感機が主流
Microsoftブースでは、絶えずクイズ大会などのイベントが開催されていた |
SCEKブースでは、日本や欧米と違って特に目立った催しは行なっていなかったが、私が見た限りでは来場者の反応は韓国がもっともいい。「Eye Toy」が韓国市場の起爆剤になるかもしれない |
Microsoftは、日本同様苦戦しているXboxがメインで、PCタイトルは「Age of Mythology: The Titans Expansion」のみだった。屋外プロモーション用の大型トレーラーをブースに配置し、トレーラーをメインステージにしてのタイトル紹介を行なっていた。
一方のSCEKはEye Toyのみと割り切った展示内容。韓国では体感機がアーケードで高い人気を集めているが、その影響もあるのだろう。場内での食いつきの良さを見る限りでは、意外にヒットしそうな感じだ。いずれもトレーラー乗り込み型で、ブースサイズも2台分ほどと、会社の規模からすればおとなしめの出展だったが、両社の出展は、ゲームショウとしての進化を感じさせてくれる。
さて、毎年ホールの1/3ほどの領域を占めて大々的に出展されるアーケードゲームは、今年もテクノロジーレベルではほとんど進化は見られず、日本のメーカーのライセンス製品や真似た製品、新作の体感機などに人がぼちぼちと集まるといった光景が見られた。これは毎年感じていることだが、毎年同じラインナップ、スタッフのやる気のなさから見ても、「出してやってる」的な印象がありありと伺える。世界を見渡しても、韓国のアーケードゲーム市場ほど、進化が見られない市場も珍しい。
そうした中で、特異な存在だったのが、PAPERIYAGIというボードゲームメーカーの出展。ブースには来場者がその場でプレイできるテーブルを複数台設け、思い思いのゲームを自由にプレイさせていた。日本の東京ゲームショウでも、ホビージャパンブースやブロッコリーブースで似た光景を見ることができるが、Amigoのライセンス製品である「Halli Galli」や「Bohnanza」といった手堅いボードゲームを遊ばせるという試みはユニークだ。明日以降は、各メーカーの注目タイトルの詳細をお届けする予定だ。
【アーケードゲーム】 | ||
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アーケード分野はまったく進化が見られない。毎年同じスロットマシンを皮切りに、地べた座り型筐体やソファー型筐体といったアイデア製品、あとは体感機のたぐいばかりだ。既存の格闘ゲームやスポーツゲームを足と手でプレイできる筐体はなかなかおもしろかったが、こうしたアイデア製品をソウル市内のゲームセンターで見ることはまずない |
【PAPERIYAGI】 | ||
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今回収穫のひとつだったのがボードゲームメーカーPAPERIYAGIの出展。韓国はもともとプレーヤー人口が多いのかどうか、ブースでは熱心にプレイする来場者で常に満席だった。右の女性は、あまりの綺麗さにうっかり撮影してしまった魔女のコスプレをした受付担当のコンパニオンさん |
□KAMEXのホームページ
http://www.kamex.or.kr/
□関連情報
【2002年12月13日】「KAMEX2002」が開幕 続々と登場するPC向けMMORPG
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20021213/kamex2.htm
(2003年11月21日)
[Reported by 中村聖司]
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