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「KAMEX2002」が開幕 |
会場:COEXセンター (韓国・ソウル)
韓国のゲームショウとも言うべき「KAMEX 2002(Korea Amuse World Game Expo 2002)」が、12日から開幕した。今年で8回目の開催を迎える。KAMEX2001の様子を伝えた昨年のニュースでは2000年から始まったと紹介してしまったが、正しくは'95年から開催されているとのことで、この場を借りて訂正させていただく。
会場となっているのは、ソウルを南北に二分する漢江の南側、新しい文化発信地区である江南にあるCOEXセンターだ。国際会議場や展示ホールなどのコンベンション施設に加え、複数のホテルや地下には大規模なショッピングモールとシネマコンプレックスなどを備える複合施設である。地下鉄駅もあり人の流れが絶えることはない。
KAMEX2002の会期は4日間で、ウィークデーにあたる12、13日はビジネスデーとして基本的に招待者のみに公開。週末の14、15日が一般公開日とされていた。とはいえ、昨年までの慣例のためか、あるいは十分な告知がなかったせいか、はやくから相当数の一般客が訪れたためにかなり柔軟な対応が行なわれたようだ。結果、午後には明らかに一般客と思われれる未成年のゲームファンの姿も数多く見られた。それでも、昨年の開幕日のような通路にあふれんばかりの人による混雑はなく、十分にビジネスデーとしての機能は果たしていたと思われる。
全体としての展示面積自体は2001年より若干拡張しているようだが、出展社数は減少している。そのため、昨年よりややゆったりとしたブース配置と通路の確保が行なわれているようだ。会場内のおよそ6割程度がPCゲームに関連する出展で、残りの4割がアーケードゲームとなる。コンソール向けのタイトルは、ほんのひと握りしか見つけられなかった。
前日レポートでもお伝えしたとおり、12月中にはゲームキューブとXboxが韓国市場に正式に投入されるわけだが、Xboxは出展を検討していたものの結果的にキャンセル。ゲームキューブのほうは、任天堂が直接進出するのではなく、現地の販売代理店を通じての販売ということで取り組みの違いもあるようだ。ちなみに、プレイステーション 2を販売するソニー・コンピュータエンタテインメント・KOREA(SCEK)は、同じCOEXセンター内にあるMEGA BOX(シネマコンプレックス)内に、常設となるプレイステーション 2ソフトのデモプレイ施設「PlayStation. ZONE」を11月9日にオープンさせている。
■ 出展タイトルのほとんどはMMORPGというPCゲーム群
定番のグッズやポスターを配るインフォメーションカウンターには、ビジネスデーだというのに、人気のブースにはいずれも長い行列ができた |
対照的なのはGravity。ブース内に試遊機はもちろんあるものの、中心になっているのは、メインステージで絶え間なく行なわれるパフォーマンス。ダンスがあるかと思えば、コンパニオンが登場して「Ragnalok Online」に関するクイズ大会を開いたり、あるいは日本語歌詞のテーマ曲(!)のライブがあったする。また、サブステージではゲームに登場するキャラのコスプレや着ぐるみと一緒にポラロイド写真を撮れるなど、ゲームの紹介と言うよりは、ファンサービスのイベントという内容になっていた。
ほかにも、PC向けのタイトルを出展している中規模のブースはいくつもある。主力タイトルとなるとほとんどがMMORPGというところは気になるが、各社それぞれに工夫を凝らした出展と、ステージイベントなどを披露していた。PC向けタイトルについては、追ってそれぞれのブースやタイトルごとのレポートを予定している。
■ 遊戯施設向けのユニークなアーケード機器
前述したPCゲーム大手3社と並んで、ブース面積では最大規模となっているのがF2SYSTEMだ。ポーカーやスロットなど、アミューズメント施設ではお馴染みのカジノゲームに加えて、「ROYAL GRANDPRIX DERBY」というメダル式の大規模競馬ゲームを出展していた。そしてここF2SYSTEMで注目なのが、音ゲーの「Mr.Jang-Go Samul-Nori Jang-Go Ver.」。韓国の伝統芸能“Samul-Nori”(W杯の開会式などにも登場していた、帽子に長い紐を付けるなどして華麗に舞いながら、太鼓などの伝統楽器を打ち鳴らすもの。技能は4種類あるとのこと)をテーマにしたものだ。ゲームになっているのは、そのなかのひとつ、太鼓である。
誤解を恐れず言ってしまえば、韓国版の「ドラムマニア」であったり韓国版の「太鼓の達人」というわけなのだが、あえて伝統楽器にしたという点で見逃せないものになった。スティックというかばちにあたる道具は、よく見ると左右で形状が異なる。一方は力強く叩けるようにするためか、先端が丸く大きくなっているが、もう一方は逆に先端にいくほど細くなっている。どうやら左右で握り方も異なっている。一応チャレンジはしてみたものの、日本人にはちょっとばかり厳しかった(伝統楽器だけあって、見ていると韓国人ですらも厳しい人も少なくなかった)。
大型筐体による体感ゲームでは、SUNIL GoodDreamの「CHAMELEON RX-1」が、注目だ。もともとは軍用のシミュレータを開発しているという同社だが、その技術をダウンサイジングして、エンターテインメント業界へ進出したという。「CHAMELEON RX-1」は筐体の名称で、前後への40度の傾きに加えて水平方向には360度、自在に回転するのが特徴。もちろんこの動きはレバー操作に連動している。
デモされていたタイトルは「Star Fall」という、米国製戦闘ヘリの“Cobra”を操作して、地上施設などを殲滅するゲーム。このゲーム自体も自社開発だという。資料によればほかにも、「B-17 SHOOTING CRAFT」、「TANK HUNTER」、「VALCAN CANON」といった対応タイトルが開発中ということだ。これらはいずれもPC互換のボードを使ったタイトルになっているが、技術的にはプレイステーションやXboxといったコンシューマ向けタイトルを素材とすることも可能だという。
同社は現在日本向けの販売を計画し、パートナーを探している段階だという。日本向けの出荷価格は130万円程度になる見込みだ。ただ販売方法については、リースでの対応などさまざまな検討を加えているそうだ。
他のアーケードゲーム機の注目品を加えて、写真を中心に紹介しよう。
(2002年12月13日)
[Reported by 矢作晃]
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