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ボーステック、「銀河英雄伝説 VII」を正式発表
シリーズ最新作はMMORPGとして日韓中3カ国展開

9月24日発表



 ボーステック株式会社は、「銀河英雄伝説」シリーズ最新作となる「銀河英雄伝説 VII」の発表会を本日都内で開催した。会場にはボーステックの関係者のほか、今年5月に業務提携をした中国の大手パブリッシャーである盛大ネットワークと、韓国でゲームポータルサイトを手がけるプレナスの代表がそれぞれ出席し、アジア規模でのお披露目となった。製品の発売時期は2004年春を予定し、パッケージの価格、月額料金などは未定としている。

「銀河英雄伝説 VII」のメイン画面。この画面でミッションを受けたり、上司や部下に命令や意見を伝達したりできる
大きく映っているのが旗艦。両陣営に複数のデザインが用意されている。右下にあるのが艦隊に命令を与えるアクションアイコンだ
ボーステック代表取締役社長八巻龍一氏。「1サーバーあたり2,000人を想定している」とコメント。1,000対1,000の戦いを想定しているようだ
プレナス代表取締役社長 盧炳烈氏。「韓国有数のポータルを運営している強みを活かして強力なPRを展開していく」という
盛大ネットワーク日本事務所代表 黄哲氏。「中国では『銀河英雄伝説』は抜群の知名度があり、成功を確信している」とコメント
 「銀河英雄伝説」シリーズは、作家の田中芳樹氏が'82年に発表した小説「銀河英雄伝説」を題材にしたSFストラテジーゲーム。'89年に発売された「銀河英雄伝説」から、2000年に発売された「銀河英雄伝説 VI」までにワールドワイドで累計50万本以上のヒットを飛ばしており、いまや同社の代表作となっている。

 発表会では、まずボーステック代表取締役社長八巻龍一氏が、「銀河英雄伝説 VII」の概要を紹介した。「銀河英雄伝説 VII」のこれまでのシリーズとの最大の違いは、ストラテジーゲームではなく、MMORPGになっているところで、1サーバーあたり2,000人規模での同時プレイを実現するという。

 開発元は、同シリーズにおけるプリレンダーのオープニングムービーの制作やシリーズ初のフル3Dゲームとなった「銀河英雄伝説 VS」などの開発を担当してきたテックウェイで、国産ながらフル3D、フルインタラクティブのシステムを実現している。グラフィックエンジンはオリジナルで、ネットワーク周りは「マルチターム」システムを採用。同システムの実装例としては元気の「首都高バトルオンライン」がある。

 さて、基本的なゲームデザインは、シリーズの中でももっともヒットした「銀河英雄伝説 IV」をベースとし、1ユーザー1キャラに扮して、帝国、同盟いずれかの勢力に所属して、敵勢力の撃滅を狙うことになる。いずれかの首都が制圧されればその時点で決着が付き、また最初から再スタートとなる。逆に戦線が膠着状態に陥った場合でも、4カ月過ぎるとセッション終了となり同じく再スタートとなるようだ。

 「終わりと始まり」があるMMORPGはバンダイの「ガンダム・ネットワーク・オペレーション」などいくつか前例があるが、「銀河英雄伝説 IV」はそれ以外にも非常にユニークなゲームデザインを数多く採用している。

 もっともユニークなのは、原作の魅力のひとつとなっている組織にまつわる要素をゲームに深く取り込んでいるところだ。基本的なゲームデザインは艦隊戦を主体としたストラテジーゲームながら、役職には貴族や政治家といった同作ならではのものが数多く用意され、その役職に就いた人間は思い通りの権勢をふるうことができる。

 プレーヤーはアカウント作成時に、名前と年齢を設定する。年齢は18歳から50歳あたりまであり、この年齢によって自動的に階級や役職が決まる。役職への着き方については「βテスト次第」と未確定ながら、高齢キャラでアカウントを作成してログインしたらいきなり最高評議会議長や最高軍司令官に就任していることもあるようだ。

 こうした高官になると、予算配分や人事も思うがままで、友人のプレーヤーをいきなり高官にしたり、都合に合わせて部隊に配備する艦船の数までも指定できたりする。だが、18歳でキャラクタを作成し、組織の末端として常に最前線に送られるユーザーとしては、後ろでそういうことが行なわれるのはおもしろくないわけで、度が過ぎるとクーデター画策、実行という運びになる。同作はどうもそのあたりの内部紛争をゲームプレイのひとつとして容認しているような雰囲気がある。

 以上、とりとめもなく同作の特徴を挙げてみたが、もちろん同作は権力闘争ばかりのゲームではない。基本は、旗艦と国家から支給される従属艦(階級に応じて2隻から60隻)を指揮して、さまざまなミッションに挑戦し、ポイントを稼いでいく。ミッションの内容には、輸送船の護衛や海賊艦隊の撃破などで、得たポイントで、ゲーム内における唯一の「私物」である旗艦を強化していくことができるという仕組みだ。

 これが階級の高い軍人になると、行動がややグローバルになる。たとえば、作戦を立案して、多くのユーザーを指揮し、補給基地となる惑星の制圧や要塞砲の設置、移動要塞の建造といった戦略的な行動を採ることができる。階級や役職に応じて、プレイスタイルが異なるというところが同作の大きな魅力のひとつといえそうだ。

 宇宙マップはグリッド(10光年の空間)単位で形成され、100グリッド×50グリッドの広大な空間が戦場となる。宇宙の端から端まで航行すると、最高速度でも実時間で1日半かかるということだ。ただし、立体空間ではなく、平面になっているため、「Homeworld」的なリアルな宇宙決戦は楽しめないようだ。この点はやや残念だ。

 同社によれば、βテストは来年1月よりクローズドな形でスタートし、4月より日本、韓国、中国の3カ国で正式サービスをスタートさせる。東京ゲームショウでは、インテルブースでプレイアブル出展するということなので、興味のある人は一度ブースを覗いてみてはいかがだろうか。

艦隊戦の様子。勝利するとそのグリッドを制圧したことになり、逆に敗北すると旗艦と一緒に出身地の惑星に戻される。戦死という概念はなく、従属艦はすぐ国から再支給される。戦場までの移動がネックとはいえ、再挑戦しやすいシステムだ

(C)2004 田中芳樹・TW (C)2004 BOTHTEC
 ORIGINAL MECHANIC DESIGN 加藤直之

□ボーステックのホームページ
http://www.bothtec.co.jp/
□「銀河英雄伝説 VII」のホームページ
http://www.gineiden.com/

(2003年9月24日)

[Reported by 中村聖司]


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