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エーエムスリー、スマートメディアに映像を収録し |
株式会社エーエムスリー (am3) は、ゲームボーイアドバンスで動画を再生する事業を開始すると発表した。媒体はスマートメディアで、am3アダプターに差し込みゲームと同様にゲームボーイアドバンスにセットすると動画や音楽の再生を行なうことができる。
まずは5月下旬にテストマーケティングとして販売を開始。10月以降に本格的に市場参入を果たす予定だという。価格はアダプタが2,800円を予定。同社社長の吉田氏は「2,800円以上にはならない」と席上で断言している。また、ブランクam3用スマートメディアは2,000円、キャラクタなどが描かれたブランクam3用スマートメディアは2,300円。コンテンツは200円から500円を予定しており、アニメ30分番組を26話 (つまりシリーズ全話) 収録したコンテンツCD-ROMの販売なども検討している (リリースによれば6,000円を予定)。
今回の事業は、アニメーションや映画の予告編、音楽などのコンテンツをゲームボーイアドバンスのプロセッサ「ARM7」でのみ再生が可能となるコーデックにより圧縮。ファイルをam3用スマートメディアに収め販売する。利用者はam3アダプターにスマートメディアを挿入し、ゲームボーイアドバンスにセットすることで、動画などのコンテンツを楽しむことができる。
スマートメディアはam3用スマートメディアで、現在販売されているスマートメディアは使用することができない。しかし、逆にam3用スマートメディアはデジタルカメラなどで使用することができるという。スマートメディアの容量は現在予定されているものとしては32MBのみ。32MBで、映像であれば約24分、音楽であればMP3程度の音質で5時間ほど収録できるという。
アダプタは単なるスマートメディアのリーダーにすぎない。このため、収録されるコンテンツは映像だけでなく、JPEGなどの画像データ、e-Book等の新たなデジタルコンテンツをam3用スマートメディアに収録しゲームボーイアドバンスで再生させることが可能だという。同社によれば「ゲームボーイアドバンスのターゲットは子供だが、半数が高校生以上となっている。このため幅広いコンテンツの配信を目指す」としている。会場で公開されたムービーでは、音楽のプロモーションムービーのほか、アルクの英会話なども考えられているようだ。一方、米国や欧州での展開も考えられているため、子供に対する安全基準もクリアしているという。
販売については当初は玩具店、家電量販店、コンビニなどでアダプタとムービーを収録したam3用スマートメディアをセットで販売することを考えているという。次の段階として、コンビニなどに設置したキオスク端末によりダウンロード販売を行ない、最終的にはインターネットによるダウンロード販売ができればとしている。ただし、ユーザーが自由にコンテンツのエンコードを行ない編集し、am3用スマートメディアに書き込み楽しむことはできない。これは著作権保護を目的としたことで、コンテンツメーカーへの配慮とも言える。
今後の展望としてはより大容量メディアの登場が考えられるが、現状では32MBが最もコストパフォーマンスがいいため、32MBしか考えていないという。ただし、状況によって128MBなどのメディアのコストが下がれば、もちろん対応メディアとして登場する事も考えられるという。また、ARM7はPalmでも使用されていることから、同様のビジネスをPalm市場で展開することも考えているという。
発表会場では2月14日に発売されるゲームボーイアドバンスSPによるデモが行なわれた。実にスムーズに、また残像もなくアニメーションムービーが再生されていた。モックアップによる再生であったため、今回は再生しか行なえなかったが、今後は早送りや巻き戻しなども行なえるようになるという。ただし、インデックス画面などは作るが、ゲームへの転用は任天堂との契約内容に含まれていないため、複雑なインタラクティブ要素を収録する予定はないという。
スマートメディアといえば、端子部がむき出しになっていることもあり、データの消失などの点で不安点もあるが、同社社長の吉田氏によれば「書き込み時の事故以外でのデータの消失は99%あり得ない。しかし万が一データが消失すればデータの復旧は行なう」とコメントしている。
am3用のスマートメディアカードをアダプタに差し込みゲームボーイアドバンスのカートリッジに差し込む。スマートメディアの大きさもあるので、若干外にはみ出してしまう | |
am3アダプターの外観。カートリッジの端子とスマートメディアの差し込み口がある | am3用スマートメディア。透明で、キャラクタなどの印刷も可能となっている |
(2003年2月4日)
[Reported by 船津稔]
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