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EAスクウェア、「ウルティマオンライン」5周年記念イベントを開催
最新拡張セット「正邪の大陸」の概要を発表

2003年1月11日開催

「ウルティマオンライン 正邪の大陸」
発売日:2月19日
価格:2,980円(アップグレード版:1,980円)


 株式会社エレクトロニック・アーツ・スクウェアは、本日都内でMMORPG「ウルティマオンライン(UO)」の5周年記念イベントを開催した。会場には、開発元Originから開発者2名が出席したほか、プレーヤーの代表としてプロフォトグラファーの桐島ローランド氏も出席。ケーキカットやVJ(Visual Jockey)ライブ、コスチュームデザインコンテスト表彰式、桐島ローランド氏のトークセッションなど、5周年記念にふさわしいイベント内容だった。

イベント冒頭に行なわれたケーキカット。入刀しているのは同作プロデューサー アンソニー・カストロ氏
 今回のイベントでもっとも注目が集まったのは、昨年7月に正式アナウンスされた「ウルティマオンライン」の次期拡張セット「ウルティマオンライン 正邪の大陸(原題:「Ultima Online: Age of Shadows」)」について。日本での発売日も2月19日と決定し、価格はフルパッケージ版が2,980円(30日間無料アクセス権付き)、アップグレード版が1,980円(無料アクセス権なし)と発表された。

 イベントの前半に行なわれた発表会では、同作のプロデューサー アンソニー・カストロ氏とリードデザイナー トム・チルトン氏という事実上の開発トップが壇上にあがり、「正邪の大陸」の製品説明を行なってくれた。

 同社では、「ウルティマオンライン 正邪の大陸」をUO史上最大のアップデートと位置づけ、同作の発売によって運営6年目を迎えた同シリーズのさらなるユーザー増に結びつけていく考えだ。それではさっそく、本日発表された内容を紹介していこう。

 「ウルティマオンライン 正邪の大陸」で実施されるアップデート内容は、大きくわけて以下の5項目。

・新大陸「マラス」の追加
・「ハウスデザインツール」の実装
・新職業パラディン、ネクロマンサーの追加
・新しい戦闘システムの実装
・新しいマジックアイテムシステムの実装

 以下、順を追って説明していこう。

新大陸「マラス」の全体マップ。平地も多く、家の敷地もたっぷりのようだ
ハウスデザインツールの使用例。四隅に柱を設置しないと上階が設計できないなど、細かい建築ルールが設定されているようだ
 新大陸「マラス」は、大小3つの陸地から構成された大陸で、そこにはタイトルどおり、後述する新職業パラディンとネクロマンサーの街があり、そしてUO史上最大のダンジョン「Doom」が冒険者たちを待ちかまえている。

 この「マラス」の大きな特徴のひとつとして挙げられるのは、家が建設可能なところ。建設可能なエリアの広さは全21シャードで約4万軒分にものぼり、1シャードあたり約2、000軒の土地が開放されることになる。なお、発表会で明かされた情報としては、マラスでは従来建設不可エリアだった街の中にも家を建てることが可能だという。

 「ハウスデザインツール」は、同シリーズの人気を決定づけた要素である「家」のカスタマイズを可能にするツールで、家内部のフロアプランはもちろんのこと、外壁や内壁、窓、階段、テレポーターなどを自由に設計して、自分好みの家で暮らせるようになる。

 このツールの導入により、街では既存の土地付き家の証書に加えて、土地だけの証書も販売されるようになり、一から家を設計していくことができるようになる。使用できるパーツは1,000種類以上にものぼり、「シム・ピープル」ライクなインターフェイスで、設計を進めていくことができる。

 当然すべてのパーツは有料だが、料金は設計終了後の一括後払い形式となっているので、試行錯誤を繰り返しながら設計することができる。確定後に気に入らない部分があれば、その部分のパーツの料金だけで改築が可能と言うことだ。家の面積は、従来どおり証書の面積に依存するが、新たに3階や4階を建て増しできるため、すでに家を保有しているユーザーにとっても楽しみなツールといえる。

 新職業パラディンとネクロマンサーは、「Second Age」ぐらいの頃から拡張が予定されていたもので、運営6年目にして満を持しての追加となる。ひとくちに新職業といっても、新たにジョブシステムが追加されるわけではなく、たとえば「Magery」と「Evaluating Intelligence」のスキルを上げることで、魔法使いとしての活躍が可能になるように、新スキル「Chivalry(騎士道)」と「Necromancy(黒魔術)」の追加により、新たな職業形態が追加されたというわけである。

パラディンのイメージスチル。対ネクロマンサー戦に対しては強力だが、既存の職業に対してはやや苦戦を強いられるか
 パラディンは、聖なる力を秘めた聖騎士で、専用のスペル(アビリティ)ブックをパラディンの街Lunaで購入することにより、10のパラディン専用アビリティが使用可能になる。新スキル「Chivalry(騎士道)」を上げることで、高位のアビリティが使用可能になり、スキルの効果はカルマに依存するという仕組みだ。

 アビリティの使用に、秘薬は必要としないが、その代わりTithingと呼ばれるポイントとマナが必要となる。Tithingは、神殿など神聖な場所に金を寄付することで得られ、一度に得られるTithing Pointには限りがあるということだ。

 発表会では、パラディンのアビリティの具体的な説明はなかったが、すでにUOの公式サイトには詳細が公開されている。アビリティ名と簡単な効果だけ抜き書いてみる。

・Cleanse by Fire(毒、病の浄化)
・Close Wounds(傷の治癒)
・Holy Light(Evil属性に対する全体攻撃)
・Consecrate Weapon(武器に敵の弱点属性を一時的に付加)
・Enemy of One(特定の敵タイプに対する攻撃力を一時的に増大)
・Dispel Evil(Evil属性の敵を消滅、変身中のネクロマンサーのマナとスタミナにダメージ)
・Remove Curse(呪いを除去、ネクロマンサーの呪いを含む)
・Divine Fury(防御大幅ダウン、DEX大幅アップ)
・Sacred Journey(マーク地点への移動)
・Noble Sacrifice(HP、マナ、スタミナのうち高いもの2つを1にする(=瀕死状態になる)ことで、周囲のキャラクタの蘇生、治癒、毒の浄化、呪いの回復効果)

ネクロマンサーのイメージスチル。ステータス異常や数々の変身、召喚能力が特徴。敵に回すとイヤな職業の筆頭にあがりそう
 一方のネクロマンサーは、Mageryとは別系統のEvil Spellsを得意とする邪悪な魔法使いで、こちらも「Necromancy」スキルを磨くことで16のEvil Spellsが使用可能になる。問題は、スキルを使用するたびにカルマが下がるため、カルマ依存のパラディンとの相性が最悪というよりも、どちらかひとつしかなれないところだ。関連スキルはSpirit Speakで、死体の霊的エネルギーを利用して自分や仲間のHPを回復させたりすることが可能になるという。

 Evil Spellsの使用は、専用のスペルブックと専用の秘薬、そしてマナが必要で、秘薬は、ネクロマンサーの街「Umbra」で購入できる。秘薬の種類は全部で5つ。以下、Evil Spellsを簡単に紹介しておこう。

・Poison Strike(毒雲による攻撃)
・Wither(悪雲を召喚し、聖属性にダメージ)
・Pain Spike(敵に激痛の衝撃を与える)
・Curse Wepon(武器にライフドレイン属性を付加)
・Blood Oath(敵から受けたダメージを第3者に与える)
・Evil Omen(武器や魔法のダメージを増大)
・Mind Rot(呪いにより、対象のマナ消費を増大化)
・Strangle(毒により、対象の戦闘時のスタミナ消費を増大化)
・Corpse Skin(対象の皮膚を壊死させ、毒と冷気に対する抵抗力を得る)
・Wraith Form(レイスに変身する、物理ダメージに強く、魔法に弱い)
・Lich Form(リッチに変身する、高い魔力を得る)
・Vampiric Embrace(ヴァンパイアに変身して、強力な体を得る、ニンニク使用不可)
・Horrific Beast(巨大な体と力を持った獣に変身する、Int大幅ダウン)
・Summon Familiar(Spirit Wisp、Dark Wolf、Death Adder、Vampire Bat、Horde Minionをランダムで召喚する)
・Animate Dead(死者をアンデッドとして甦らせる)
・Vengeful Spirit(レブナントを召喚する)

 さてさて、新しい戦闘システムとマジックアイテムシステムも見逃せない要素のひとつだ。このふたつの要素はシステムの面で互いに密接に絡み合っており、これらの実装により既存の戦闘スタイルが劇的な変貌を遂げる。

 新戦闘システムの軸となっているのはSpecial Movesと名付けられた新スキルの実装にある。このシステムは、純戦士に無駄にあるマナを有効活用させることで、戦闘をより多彩なものにするためのもので、プレーヤーは使用武器に応じて適切なSpecial Movesを選択し、使用することが可能になる。

 Special Movesは全部で13種類あり、Paralyzing Blow、Crushing Blow、Disarmといった既存の特殊攻撃に加え、新武器ランスを使って相手を馬から突き落とすDismount、移動しながら矢を撃つことを可能にするMoving Shotなどなど、「戦士のままでもいいかも」と思わせる魅力的なSpecial Movesが盛りだくさんだ。

 また戦闘時に発生するダメージすべてに対し、新たにダメージ属性が付与される点も見逃せない。ダメージ属性は毒、エネルギー、炎、氷の4種類で、これにノーマルウェポンによる物理属性の全5種類となる。これらの属性は、ファイヤーボルトは炎といった具合に魔法に対して付加されるだけでなく、武器と防具に対しても特定の属性効果や耐属性効果が付加されることになる。

 一方、新しいマジックアイテムシステムもこれまた多彩かつ重厚なシステムだ。簡単にまとめると、マジックアイテムの自作、改良が可能になるほか、高価なマジックアイテムを消失のリスク無くいつでも戦闘で使えるように、アイテムに対して保険が掛けられる「アイテム保障」システムの実装など。

 このシステムは、あらかじめ特定のアイテムに対して保険金を払うことで、死亡した際にそのアイテムを所持したまま復活できるというもので、一度払えば、死ぬまで保障されるというありがたいシステムだ。ダンジョンの奥地で死亡したり、PKに殺されるとそのアイテムは無くなったも同然、というUOならではといえた厳しいペナルティシステムは、もはや完全に過去のものとなった印象だ。

 なお、今回から新しくアイテムに付加された特性のうち、上記のダメージ属性効果は、ほんの一部で、使用マナの軽減やLuck(アイテムドロップ率アップ)のステータスアップ、ポーションの効果アップなど、数十種類の特性が用意されている。公式サイトではいくつかスクリーンショットが公開されているが、アイテムの能力リストはまるで「Diablo」シリーズのようだ。

 これほど大きな拡張が施されると、中にはとまどうユーザーもいるかもしれないが、既存のユーザーにはもちろん、すでに引退した初期のユーザーにも強い吸引力を備えたアップデートであることは間違いない。発売まであと1カ月。急に具体性を帯びた魅力的なアップデートの発売が待ち遠しいばかりだ。

【桐島ローランド氏】
桐島ローランド氏のトークセッションでは、主にハウスデザインツールに関した内容になった。詳細は後日お伝えする予定だが、購入者を対象とした桐島氏デザインの家プレゼントキャンペーンも実施される

【コスチュームデザインコンテスト表彰式】
5周年記念の一環として行なわれたコスチュームデザインコンテスト優秀者の表彰式の模様。右のイラストは最優秀賞の狼のマント。入選作品はすべて「正邪の大陸」に収録される

【新大陸マラス】
新大陸マラスのスクリーンショット。石造りの建物のほか、モンスターの巣窟となっている砦などもあるようだ

【新モンスター】
「正邪の大陸」で追加されるモンスターは全20種類。ここに描かれているモンスターたちはすべて3Dモデルだが、既存の2Dクライアントにも対応している

(C) 2003 Electronic Arts Inc. Electronic Arts, Ultima, Ultima Online, Age of Shadows, the UO logo, ORIGIN, the ORIGIN logo, EA GAMES and the EA GAMES logo are trademarks or registered trademarks of Electronic Arts Inc. in the U.S. and/or other countries. All Rights Reserved. All other trademarks are the property of their respective owners. ORIGIN and EA GAMES? are Electronic Arts brands.

□エレクトロニック・アーツ・スクウェアのホームページ
http://www.japan.ea.com/
□「ウルティマオンライン 正邪の大陸」の公式ページ
http://www.jp.uo.com/ageofshadows/
□関連情報
【2002年7月18日】Origin、「Ultima Online: Age of Shadows」を正式アナウンス
自由なデザインで家の増築・改築が可能に
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020718/uoaos.htm
【2002年2月20日】西尾ゆきの海外ゲームレポート
「ウルティマオンライン -ブラックソンの復讐-」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020220/yuki15.htm

(2003年1月11日)

[Reported by 中村聖司]


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