Electronic Entertainment Expo 2002現地レポート「Super Mario Sunshine」(マリオサンシャイン)インプレッション |
会場:Los Angeles Convention Center
■ マリオの気持ちのいいアクションは「ポンプ」の使い方がカギ
試遊機でゲームを始めると、任意のシナリオを選択する画面が表示される。E3への出展バージョンで遊べるのは「1.WEEDING AT THE WINDMIL」、「2.PIRANHA PERIL」、「3.MUDDY PORT MISTERY」、「4.PESKYPEST AND THE SHAKY MIRROR」、「5.WIGGLER'S RETURN」、「6.JUNIOR'S PLAYING ROOM」の六本。最後のひとつはミニゲームになっている。宮本茂氏がミーティングの席で紹介したように、いずれのシナリオにも自然環境や登場するオブジェクトが個性的。マリオの操作は基本的に同じだが、シナリオが変わるとその戦略性や必要なアクションが大きく異なってくるという仕組みだ。
シナリオを選択してまず最初にすることは、島民と話をすること。これでだいたい何をすべきかわかってくるので、あとはマリオを自在に操って、ステージ中を自由に走り回ればいい。もちろん泳いだり、綱渡りをしたりと、さまざまなアクションも重要だ。「スーパーマリオ64」をプレイしたユーザーには言わずもがなという感じもするが、基本的なアクションは走ることとジャンプ。そして今回もっとも重要なアクションが背中にしょった「ポンプ」の使い方である。ポンプのなかには水が充填してあって(使えばもちろん減る)、これが様々な目的に使える。ノズルを前方に向け噴射すれば、敵(や島民)に水を浴びせたり、島の汚れをキレイにすることに使える。変わった使い方では、水に浮かんだ大きな葉の上でこのポンプを噴射することで、推進装置として葉を船のように使えたりもするなど、ゲームが進めば進むほど多彩な使い方が見えてくるはずだ。
また、ポンプのノズルを背中に回して下に向けると、ホバリングによる移動もできる。場所によっては、ジャンプと、このホバリングを併用しないとたどり着けない場所もある模様。ちなみにこの状態では、左右の噴射状態を調整することで(L・Rボタンで操作する)、浮いた状態での姿勢や位置制御もできるようになっている。今回試せるポンプのノズルはこの二種類だが、宮本氏によれば他のノズルも存在するようで、どんな使い方ができるのか楽しみだ。ちなみにポンプのノズルは、Xボタンでトグル式に切り換わる。
今回のマリオはシナリオをクリアしながら“シャイン”を集めていくことになる。そのためには、さまざまなステージに挑むわけだが、こうしたステージの環境マッピングには、ゲームキューブの高スペックが存分に生かされている。流れる水の表現や海の様子はかなりすごい。サンシャインの名のとおり、光源処理などもみどころだ。また、いったん汚れを踏んでしまうと、マリオの足跡すらも汚れのひとつになってしまったりするなど、プレイによる環境の変化もきちんと再現されている。ゲームの基本的なコンセプトは「スーパーマリオ64」譲りだが、十分なパワーアップが施され、正常進化を遂げたタイトルである。
■ FPSへと新たな進化を遂げた「メトロイド プライム」
これまでは横移動とジャンプを中心としたシューティング・アクションゲームだったメトロイドシリーズだが、今回の「Metroid Prime」(メトロイド プライム)では、FPSと称される一人称視点のシューティングゲームへと大幅な転換が図られた。開発会社であるレトロスタジオとの出会いで「彼ら(レトロスタジオ)のアートワークや、スタッフの力を知ってメトロイドを作ってみたくなった」という宮本氏のコメントが印象的である。また、「メトロイドの真髄は冒険。宇宙船のなかといった狭くてリアルな空間を冒険するのに、主観で状況をとらえる一人称視点が適している」とその理由が説明されている。
もうひとつ、球体になっての移動もメトロイドのメトロイドたるところ。この部分についても、「“サムス”(プレーヤーキャラクター)がボールになるためにどうした構造になっているのか。リアルなメトロイドでもこれを自然に表現している」と、宮本氏も十分に納得している出来映えのようだ。ちなみに、“モーフ・ボール”(球体になる)したときは、視点は自動的に後方からプレイヤーキャラクターを見る視点に変わる。確かにこの時も一人称視点では、プレイ時に目が回って仕方がない……というのは冗談としても、十分にプレイのしやすさを考えた設定といえる。
実際にFPSの部分と船内の移動シーンをプレイしてみた。FPSでの照準はLボタンを押して照準近くの対象へのロックオンと、自由照準のRボタンの使い分けができる。移動やアクションなどは、他の同社製タイトルとよく似た操作性となっているので、FPSがはじめてのユーザーもそれほど違和感なく馴染むことができそうだ。攻略のポイントになるのは、視界のなかにさまざまな情報を伝える“バイザー”と武器。試遊機では使えるアイテムにまだ制限があるが、製品版ではそれぞれ四つを上手に使い分けてプレイを進めていくようになるという。米国ではホリデーシーズンにあたる11月18日の発売を予定している。
■ スターフォックスはアクションアドベンチャーゲームから登場
また、NINTENDO64向けに開発が行なわれながら中断したと言われている「DINASOR PLANET」を、ゲームキューブ対応へと昇華させた格好になっているタイトルとしてもいわくつきであることは事実だ。ちなみにスターフォックスをテーマとしたタイトルのアドベンチャー作品はレアの開発によるこの「STAR FOX ADVENTURE」だが、シューティング作品はナムコが開発を担当することが先日発表されている。
「STAR FOX ADVENTURE」試遊機では、オープニングからのシナリオをはじめ、途中のICE STAGEなどを選択して遊ぶことができるようになっている。基本的には後方視点による探索を中心としたアクションアドベンチャーだが、戦闘シーンや謎解きの要素など総合的に楽しむことができる内容となっている。
「マリオサンシャイン」とは異なる、レアの技術による水面の表現や光源処理、そしてファーレンダリングなど、ゲームキューブの能力を推し量るという点でもみどころがありそうだ。米国では9月30日の発売が予定されている。
□E3のホームページ
http://www.e3expo.com/
□任天堂のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/
□関連情報
【5月22日】任天堂の誇る巨人達をラインナップしたE3出展作を公開
「マリオ」と「ゼルダ」は宮本氏がみずからデモプレイ
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020522/ninten.htm
(2002年5月24日)
[Reported by 矢作晃]
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