Electronic Entertainment Expo 2002現地レポート任天堂の誇る巨人達をラインナップしたE3出展作を公開 |
会場:Biltmore Hotel
E3開幕を翌日に控え、任天堂の米国法人「Nintendo of America(NOA)」のメディア向けブリーフィングが、昨年と同じBiltmore Hotelで開催された。メディア向けとはいえ、Xbox、プレイステーション 2という他のコンソールのブリーフィングに比べて、来場者の熱狂度が優に1ランクは高いのが特徴。昨年と同様に、メトロイド、マリオ、そしてゼルダという人気キャラクタがスクリーンに登場するたび、歓声が飛び交う活気あふれるブリーフィングとなった。
■ 注目の「スーパーマリオサンシャイン」と「ゼルダの伝説」を公開
ワイヤレスコントローラ「WaveBird(ウェーブバード)」を手にして登場した任天堂の宮本茂情報開発本部長 |
「スーパーマリオサンシャイン(Super Mario Sunshine)」のデモプレイは、そのまま宮本氏が行なった。背中の「ポンプ(仮称)」とジャンプで、自由自在にマリオを操る。ポンプは、今回の目的のひとつでもある島の汚れをキレイにする用途のほかにマリオ自身の移動にも使えるようで、水流を使って宙に飛び上がったりホバリングしてみたり、池に浮かんだ大きな葉の上に乗った時は、水平に噴射して葉ごと動かすなど推進装置のような使い方もされていた。また、腹這いで島の汚れにのってしまったマリオが起きあがると服が汚れているなどハイスペック機ならではの要素も多分に含まれているようである。
宮本氏によれば、世界の広さとしては前作にあたるニンテンドウ64対応の「スーパーマリオ64」とほぼ同等だが、マリオができることが格段に増えている(自由度が高い、アクションが多い)ので、プレーヤーにとってのゲームの規模は何倍にも大きく感じるという。
続いて「今日は皆さんがいつも話題にしてくれる僕の小さな友だちも紹介します」とコメントして「ゼルダの伝説(The Legend of Zelda)」のビデオ映像を公開。さらにデモプレイを披露した。映像では、トゥーンシェーディングされたリンクが、段差を乗り越えるときに「よっ!」というように小さな声を上げるたび、会場内でも小さなどよめきがあがった。宮本氏のプレイはタイマツを使った謎解きや、戦闘、樽の移動などをコメントを交えながら行なわれたが、うっかり先に進むために必要な剣を取るのを忘れてしまったようで、「ホントはここで剣をとらなくちゃいけないんですけど、見あたりませんねぇ」と苦笑混じりにデモプレイの終了となった。
なお米国における「Super Mario Sunshine」の発売日は8月26日(日本国内はすでに7月19日と発表済み)、「The Legend of Zelda」は、2003年の2月を予定しているという(日本では2002年後半)。米国での価格はいずれも49.95ドルで、国内価格は6,800円となっている。
なおこれら2タイトルは、展示会場の任天堂ブースがオープン次第、実際にプレイをしてインプレッションを掲載する予定である。
【スーパーマリオサンシャイン (Super Mario Sunshine) 】 | ||
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【ゼルダの伝説 (The Legend of Zelda) 】 | ||
■ オンラインゲームは「コネクティビティの一形態に過ぎない」
岩田氏はコネクティビティの楽しさを強調するとともに、オンラインゲームはその一形態に過ぎないと、過熱するオンラインゲーム指向を懸念した |
同氏によれば「ここしばらくは“繋がる”ということにおいて、その一形態についてだけ熱心に話されていると思っている。それはオンラインというテーマだ。任天堂としても可能性があるという点には同感する」とのこと。そのうえで、初代ファミコン向けのモデムを'88年から提供するなど、14年ものあいださまざまなアプローチを続けていることを例にあげ、大きな課題を乗り越える努力を惜しまなかったと述べた。
その大きな課題のひとつは「オンラインは、今すぐ誰にでもゲームを楽しめる環境にあるのかということ」。そしてもうひとつが、「実際に利益が出せるものなのか」ということになる。先日発表のあったとおり、任天堂はゲームキューブ向けにブロードバンドアダプタとモデムアダプタを発売。サードパーティのオンラインゲーム開発のサポートを開始した。サードパーティが発売するソフトで、オンラインから得られる利益については、ライセンス料をとらない方針にするという。
しかし、一部のゲーマーにしか手の届かないところにあるオンラインより、すべてのゲーマーに手の届くコネクティビティを優先するという姿勢は崩さない。昨年はその概念だけを説明したが、今年「どうぶつの森+」というソフトでその成果を紹介した。今後はセガ、スクウェアからこうしたコネクティビティを持つソフトが登場し、さらにElectoronic Artsから“ハリーポッター”をテーマにした同様のソフトも登場予定という。
こうしたコネクティビティの楽しさを実証するように、宮本氏が言うところの世界で最も小さいネットワークゲーム、ゲームボーイアドバンス版の「The Legend of Zelda GBA」を使ったデモプレイも披露された。デモプレイに参加したのは宮本氏に加えて、カプコンの岡本吉起氏、アミューズメントビジョンの名越稔洋氏、ナムコの原口洋一氏という面々である。
今回こうした形ではあるが、E3のブリーフィングでサードパーティのクリエイターをステージへと招き入れられることは任天堂としては極めて珍しい。このプレイの後、名越氏のコメントとともに「F-ZERO」のビデオ映像が初めて公開された。また同様にサードパーティのタイトルとして、「Resident Evil 0(Biohazzard 0)も、ゲームキューブで動作しているビデオ映像が初めて公開された。
【F-ZERO ビデオ映像】 | ||
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【Resident Evil 0 ビデオ映像】 | ||
■ ハイティーン層にもアピールできる「メトロイド プライム」
北米における任天堂マーケティングの新しい顔、ピーター・マクドゥガル副社長 |
同氏は、今回のラインナップをE3で考え得る最高のものと自賛。すべてが、100万本単位の出荷を期待できる“ゲーム界の巨人達”と表現した。また、今月の上旬に行なわれたナムコとの提携や、トライフォース・ボードの共同開発におけるセガ、ナムコとの関係などサードパーティ各社との関係強化を強調。
さらに、弱いと言われていたハイティーン層に対象を絞ったファーストパーティのタイトルとして、レトロスタジオの開発による「メトロイド プライム(Metroid Prime)」、レアによる「スターフォックス・アドベンチャー(Star Fox Adventures)」などを投入し、すべてのユーザーを対象に戦略を組み立てていくことになる。
なおQ&Aセッションでは、重要なセカンドパーティであるレアとの関係が微妙になっているのではないかという質問が出たが「スターフォックス・アドベンチャー」が順調に進んでいることを例にあげ、これを否定した。また、マリオやゼルダと並ぶ、トップキャラクタ「ポケモン」については、ゲームボーイアドバンス版を、日本では2002年後半に、北米では来年に発売を予定しているという従来通りのコメントにとどまり、なんら新しい情報は公開されなかった。
【メトロイド プライム(Metroid Prime)】 | ||
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【スターフォックス・アドベンチャー(Star Fox Adventure)】 | ||
(C) Nintendo
□E3のホームページ
http://www.e3expo.com/
(2002年5月22日)
[Reported by Reported by 矢作 晃 / Photo by 平澤康寿 佐伯憲司]
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