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Electronic Entertainment Expo 2002現地レポートMicrosoftブース Xbox関連レポート
会場:Los Angeles Convention Center
今年のMicrosoftブースは、規模的には昨年とほぼ同じだが、とにかく展示されているタイトル数と、Xbox試遊機の台数が半端ではない。昨年秋の東京ゲームショウ2001秋では150台の試遊機が設置され、試遊機だらけという印象を受けたが、今年のE3のMicrosoftブースでは、それをはるかに上回る、実に250台もの試遊機が設置されている。とにかく、ブース内が試遊機で埋め尽くされていると言ってもいいほどで、場所によっては来場者が集まって身動きできないような所もあったほどだ。 また、新作の展示タイトルは、ファーストパーティタイトルだけでなく、サードパーティのものも含め150以上と、こちらも圧倒的な数字となっている。数で勝負、というわけではないと思うが、発売からまだ半年ほどのゲーム機でこれだけの数の新作ソフトが展示できるということは、Xbox用ソフトの開発が他のハードに比べて簡単であるということの証明でもあるだろう。 ただ、これだけの数の新作ソフトが展示されていると、E3の開催期間中に全てのソフトをプレイすることすら難しいと言ってもいいほどで、個人的には、もう少し数を厳選してくれた方がよかったのでは、と感じた。ちなみに、タイトルごとの試遊機の数は、期待のタイトルでは4~8台が用意されているものの、タイトル数が多い関係上、1~2台の試遊機しか用意されていないものも少なくなかった。
とは言っても、圧倒的な展示タイトル数と、北米市場での比較的好調なセールスを背景に、Microsoftブースは昨年にも増して多数の来場者が詰めかけ、終日大混雑といった雰囲気であった。
■ 2タイトルを利用してXbox Liveのネットワークプレイデモを実施 今回のE3でXbox関連の最大のトピックと言えば、オンラインサービスの「Xbox Live」。20日に開催されたメディアカンファレンスで概要が発表されたが、E3の会場ではXbox Live対応ソフトが展示され、実際にネットワークプレイを体験できるようになっていた。 Xbox Live対応ソフトとして、実際にネットワークプレイが体験できる状態で展示されていたのは、一人称視点シューティング(FPS)の最新作である「Unreal Championship」と、アメリカンフットボールを題材としたスポーツゲーム「NFL Fever 2003」だ。 Unreal Championshipは、FPSの人気タイトルであるUnrealシリーズのXbox向けオリジナルタイトルだ。PC版の「Unreal Tournament」同様、シナリオモードは用意されず、対戦プレイ部分のみに特化した内容となっている。「NFL Fever 2003」は、Xboxローンチタイトルである「NFL Fever 2002」の続編である。そして、「Unreal Championship」は6人によるデスマッチが、「NFL Fever 2003」は2人対戦が、それぞれ体験できるようになっていた。このうち、「Unreal Tournament」はアメリカではかなり期待度の高いタイトルであり、常にプレイ待ちの行列ができていた。 設置されている試遊機はそれぞれが個室になっており、他のプレーヤーが視野に入ったり、他のプレーヤーの音が聞こえない状況がきちんと確保され、実際にオンラインプレイを行なう場合に近い環境が整っていた。もちろん、各試遊機には全てXboxボイスコミュニケータが取り付けられ、音声チャットも可能になっていた。さらに、各個室はサラウンドシステムが完備され、まさにXboxの最強のゲーム環境が整った個室となっていた。 実際に「Unreal Tournament」のネットワークプレイを体験してみたが、対戦プレイ中にラグを感じるといったことはなく、全くストレスなくプレイ可能だった。もちろん、音声チャット中でもラグが発生することはなかった。このブースでのネットワークプレイのデモは、Xbox Liveをエミュレートした環境に、6台のみのXboxを接続した状況で行なわれているため、ラグが発生しなくて当然だが、実際に各家庭でADSLなどのブロードバンド環境に接続した状態でも、今回同様のプレイ感が得られることを期待したい。
ちなみに音声チャットだが、今回プレイしたのが「Unreal Championship」であり、しかもゲームモードがデスマッチモードだったということもあってか、それほど活用されることはなかった。FPSのデスマッチモードは、とにかくひたすら目の前のキャラクタを倒すことに集中するため、会話を楽しみながらプレイするようなものではない。それでも、倒されたプレーヤーから聞こえてくる悲鳴のような声などが聞こえてきて、それなりに臨場感を楽しむことができた。もちろん、他のプレーヤーと協力しながらシナリオを攻略したり、チーム戦などの場合には、音声チャットの威力が十二分に発揮されることになるはずだ。
■ 全ての試遊機に日本仕様のコントローラが接続されていた 今回Microsoftブースに設置されているXboxの試遊機は、なぜか全て日本仕様のコントローラが接続されていた。実は、日本仕様のコントローラは、4月30日に「Xbox Controller S」という名称で北米市場で発売が開始されており、今回のE3ではそのお披露目と、実際に北米市場のユーザーに触ってもらって、その使用感などをリサーチする目的で採用されたそうだ。 北米仕様のコントローラは、日本仕様のものよりも一回りほど大きくなっている。もちろんアメリカ人の成人の体格から考えると手に余るということはないと思うが、アメリカ人の子供にとってはやはり大きいようで、床に置いた状態で操作している子供も少なくないそうだ。そこで急遽サイズの小さなコントローラとして、日本仕様のコントローラを北米市場でも発売することになったのだろう。
北米仕様のコントローラと日本仕様のコントローラは、サイズの違いだけでなく、一部のボタンの位置も変更されているため、アメリカ人にとっては操作時に若干の違和感を感じる可能性もあるだろう。ただ、試遊機でプレイしているアメリカ人を見ていると、操作に戸惑っているようなことはなく、ほとんどコントローラの違いを意識していないように感じた。ブースでの様子を見ている限り、近い将来、北米市場で発売されるXboxに日本仕様のコントローラが標準で付属する可能性も結構高いかもしれない。
■ 洋ゲージャンルが中心だが、日本でもヒットしそうなタイトルもあり Microsoftブースには、ファーストパーティタイトル、サードパーティタイトルを合わせ、全部で150を超える新作ソフトが展示されている。その多くは、いわゆる「洋ゲー」ジャンルが中心ではあったが、日本でも十分ヒットが期待できるタイトルもいくつか存在していた。 ファーストパーティタイトルの中では「Blinx: The Time Sweeper」が最も期待できる。日本のメーカーであるアートゥーンが制作を担当しており、かなり日本人好みのアクションゲームに仕上がっている。 サードパーティタイトルでは、「Panzer Dragoon ORTA」や「Sega GT 2002」、「Phantasy Star Online (仮称)」などのセガのタイトルや、巨大な専用コントローラを利用するカプコンの意欲作「STEEL BATTALION(鉄騎)」など、やはり日本メーカーのタイトルが要注目だ。中でも鉄騎は、ブース内でも1、2を争う人だかりが常にできており、日本だけでなく北米市場でもかなり注目されることになると思われる。また、海外メーカーのタイトルでも、LucasArts Entertainment Companyが開発中の、Star Warsの世界をモチーフとしたRPG「Star Wars: King of the Old Republic」も、Star Warsの人気を考えると、日本でも十分ヒットする可能性がある。
これら注目タイトルについては、別途詳しく紹介することにする。
□E3のホームページ (2001年5月22日)
[Reported by 平澤寿康] |
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