タイトー、PS2「ガラクタ名作劇場 ラクガキ王国」Necca秋葉原店で
トーナメントを開催 ~6月2日に全国大会を行なうと発表~

5月5日 開催

会場:Necca秋葉原店



会場はトーナメント参加者と見物人でいっぱい! ファミリーを中心としたグループが多かった
 株式会社タイトーは、インターネットカフェ「Necca秋葉原店」にて、プレイステーション 2用ソフト「ガラクタ名作劇場 ラクガキ王国(ラクガキ王国)」のイベント「ラクガキトーナメント大会」を5月5日に開催した。

 PS2「ラクガキ王国」は“ラクガキ”を育てながらストーリーを進めるRPG。今回のイベントは、そんな“Myラクガキ”のデータが入ったメモリーカードを持ち寄って戦うトーナメント大会からスタート。参加には電話による事前登録が必要だったが、当日はキャンセル枠について追加で受付が行なわれたほか、司会者が「裏トーナメント」と称する、当日参加希望者のみで構成されたトーナメントの開催が急遽決定された。
 どちらも「ラクガキ王国」をやりこんだ猛者たちが顔を連ねる、実力伯仲の激しい戦いが繰り広げられた。

 「Necca秋葉原店」店内は、開始直前から参加者と見学者でいっぱい。印象としては、家族や友達など、グループ参加者が多いように見受けられた。GW連休という事情を差し引いても、その比率は他のゲームイベントの比ではなかったように思われる

 また、イベントには各地で開催されたトーナメントの「大会常連」ともいうべき“名物クロッカー”たちも何人か参加していた模様。特に子供たちは元気一杯で、司会者と顔なじみの子は、戦いの一部始終を常に解説をするといったふう。スクリーンにとあるラクガキが登場するやいなや「あっ、●■さんの△×(ラクガキの名前)! あれ、すっっっごく強いんだよ!!」とその能力から特徴まで諳んじてしまうほどで、事情を知らない人が見たら「へぇ、あれは何か有名なキャラクタなのかな」と錯覚しかねない勢いで声をあげる。

 ここで重要なのは、そのラクガキが“ゲーム中に登場する固有のラクガキ”ではなく、トーナメント常連による「Only One」のラクガキだということ。また、強い弱いとかではなく“とっても上手なラクガキを描く人”として認知されている参加者もいた。これらは、「ラクガキ王国」の持つ魅力をもっともよく表しているエピソードといえそうだ。

 トーナメントのルールは、互いに3つのラクガキを持ち寄る勝ち抜き戦形式。「自信がある人は、一体だけでもいいですよ(司会者)」とのことだったが、さすがに一体だけで参加する人はいなかった。仮にいたとしても、HP400台が当然のようにゴロゴロと存在するトーナメントでは淘汰の対象にすぎないことは想像に難くない。
 なかにはHP514という驚異的な能力値を誇るラクガキまでおり「そりゃぁ、ラクガキともども名前も覚えられるわなぁ」と、妙に感心してしまうこともあった。

プロデューサーの渡辺氏が登場して司会者とともに進行を担当 トーナメントの全国キャラバンで名をはせた常連クロッカーも参加 首飾りは勝者の証。2回戦以降は負けた人が対戦相手に首飾りを渡す


 弊誌のゲームレビューでも触れているとおり、本作の戦闘は「ジャンケン」のような3すくみのシステムに「チャージ」や「同じ技は2度続けて出せない」などの独自ルールを加えることで、シンプルさを損なうことなく戦略性を強調することに成功している。

 ゆえに、戦闘の火蓋を切る技は無難な「バリア」が一番人気。もっとも、無難というだけでベストチョイスではなく、開幕バリアは必ずしも正解ではないのが本作の戦闘におけるポイントのひとつ。また、常連クロッカーたちともなれば、そこからさらに「ラクガキスタイル(司会者)」と呼ばれる“コントローラーを背後に隠して押したボタンを相手に悟らせない操作方法”も当然の有様といった様子。相手のコントローラーを見ながら戦うこと自体が如何なるものかと思われるし、そこまでする人はほとんどいないだろうが、要は「念には念を」ということなのだろう。

 また、読み合いの熱い戦闘とともに、クロッカーたちが手塩にかけた“個性的なラクガキ”の姿も、会場のボルテージをアップさせていた。「ラクガキ王国」では「絵が上手い=強いラクガキ」という公式は成り立たない。外見がショボくてもメチャクチャ強いラクガキは描けるし、やり方によっては両立させることも可能だからだ。

 とはいえ、今回のトーナメントにおいて「ぞんざいに描かれただけの強いラクガキ」は(少なくとも記者の目には)ひとつも見られなかった。それどころか「笑いをとりに来た」としか思えないネタ系のラクガキも少なくなかったほど。某社の版権キャラクタが3連発で登場したときは、トーナメントの解説をしていた本作のプロデューサーの渡部氏が(色々な意味で)悶絶してしまうほど。
 そのいずれもが、見た目もさることながら動きに至るまで、実に芸が細かい。やりこみも重要だが、なにより「ラクガキ王国」を楽しんでプレイしていることがうかがえる出来栄えであり、それは見る人(クロッカー)たちにも十二分に伝わるようで、職人的力作がスクリーンに映るたびに、会場全体が笑いに包まれながら盛り上がっていく様子は、ある種アットホームな感さえあった。

 トーナメントを制したのは、HP514を誇る脅威のラクガキ「シンちぃ→せん」を擁する「P-tan@w」さん。「P-tan@w」さんには、佐藤好春氏の直筆イラスト入りサイン色紙など、豪華プレゼントが進呈された。

背中でコントローラーを操作するのが「ラクガキスタイル」。戦略がモノをいうだけに、不安要素は可能な限り少ないほうがいいといったところか 強豪クロッカーが出揃ったベスト4。手塩にかけたラクガキと、劣勢でも決して勝負を捨てない精神力の持ち主ばかり。誰が勝ってもおかしくない 優勝したのは「P-tan@w」さん。勝利のコメントは「魚くってりゃ勝てたかもしんねぇなぁ」。いついかなる時もネタをふることは忘れない模様


 トーナメント終了後は、本作の開発に初期から協力していたことでも知られる漫画家の長谷川裕一氏が登場して、文字どおり“プロの手によるラクガキ”を披露。メモリーカードの総プレイ時間が[99:59]と上限を振り切っていた点をプロデューサーの渡辺氏にツッコまれるなど、長谷川氏が「ラクガキ王国」に注ぎ込んだ時間と情熱たるや相当なもの(長谷川氏いわく“連載もちゃんとやっています”とのこと)。
 そんな長谷川氏が描く“ラクガキ”の出来が、悪かろうはずがない。スクリーンに映し出されるたびに、笑いあり、感嘆のため息あり、羨望のまなざしありといったふう。具体的なパーツの構成を見せて欲しいという声があがるなど、そのいずれも熱い注目を集めていた。

 なお、当日の会場では、参加者が自慢のラクガキを披露する「ラクガキコンテスト in Necca秋葉原」が行なわれ、長谷川氏が上位3位をチョイスして表彰した。今回集められた作品は、すべて全国大会に自動的にエントリーされるという。

漫画家の長谷川裕一氏が登場。総プレイ時間にツッコミが入り、ちょっとあわてる一幕もあった 長谷川氏のラクガキは、ディティールの細かさやコンセプトなど、さすがはプロ! という完成度の高さ ラクガキコンテストもトーナメントに負けず劣らずの力作ばかり。なかには長谷川氏が唸る凝った作品も


■ 「全国トーナメント大会 名クロッカー戦」の開催が決定!!

6月2日にNecca秋葉原で、クロッカーたちの熱き戦いが再び行なわれる
 上の見出しにもあるとおり、本イベント会場で「全国トーナメント大会 名クロッカー戦」を6月2日に「Necca秋葉原店」で開催することが決定したと発表された。予選は、6日の秋葉原「Hey!(Necca秋葉原店と同じビルのゲームセンター)」と、そのはす向かいにある石丸電気を皮切りに、順次行なう予定。詳細は後日発表するという。

 今回のトーナメントには参加できなかったけど、機会があれば是非! と臍をかんでいたクロッカーがいれば、次の機会は是非参加してみてほしい。自分と同等か、もしくはそれ以上に情熱を注いだ“ラクガキ”たちを見るのは、勝ち負けを抜きにしても楽しいし、ひたすら面白い。さまざまな(もしくはノー)コンセプトで描かれた落書きが一同に会する様子だけでも、クロッカーにとって一見の価値があることは間違いない。

(C)TAITO CORP.2001 PRESENTED BY GARAKUTA STUDIO

□タイトーのホームページ
http://www.taito.co.jp/
□「ガラクタ名作劇場 ラクガキ王国」のページ
http://www.impress.co.jp/
□「Necca秋葉原店」のページ
http://www.necca.ne.jp/~akihabara/
□製品情報
http://www.garakuta-studio.com/f_set2.html
□関連情報
【4月19日】タイトー、PS2「ガラクタ名作劇場 ラクガキ王国」
Necca秋葉原店にて5月5日にトーナメント大会を開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020419/rakugaki.htm
【4月2日】PS2ゲームレビュー「ガラクタ名作劇場 ラクガキ王国」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020402/raku.htm
【2001年7月16日】タイトー、プレーヤーの描いたラクガキが成長する、新感覚RPG「ガラクタ名作劇場 ラクガキ王国」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010716/taito.htm

(2002年5月5日)

[Reported by 北村孝和]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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