Microsoft International Games Festival
初公開タイトルを含めて、10作品を展示・デモ

開催日:2月27日(現地時間)

会場:Las Vegas Seven Nigit Life

バーカウンターの上に用意されたデモ用PC。このエリアでは「Dungeon Siege」をプレイすることができた
 昨日、関係者を集めたカクテル・パーティからスタートした「Microsoft International Games Festival」だが、本日、メインイベントとも言える新作タイトルの公開と展示そしてデモが行なわれて、実質的な開催を迎えた。

 会場は昨日お伝えしたとおり、ラスベガスのメインストリートであるストリップ通りに面したレストラン「Seven」。お洒落なレストランバーの内装を活かしたまま店内に総数40台ほどのPCを配置。1タイトルあたり2~5台程度のデモ機材を用意して、世界中から訪れたプレス関係者へ公開された。

「Age of Mythology」のデモエリア。別室になっており、通常営業時はVIPルームとして使われている模様。壁にはクレオパトラなどの肖像画も
 今回展示されたのは全部で10タイトル。Microsoftの「Combat Flight Simulator 3」をはじめ、Ensemble Studiosの「Age of Mythology」など、いずれも北米ではMicrosoftブランドで販売されることになるファーストそしてセカンドパーティの作品である。デモンストレーションは、各社のプロダクトマネージャーや開発者自身が個別に丁寧な解説を行なってくれるが、こうしたなかにはBluce Shelly氏(ご存じ「Age of Empires」シリーズのリードデザイナー)のような大物も混じっていて、その場でデモプレイをしながら即席のインタビューなどを試みることができるのも、Microsoft International Games Festivalの醍醐味である。

 イベント名称こそ昨年までの「GameStock」から「Microsoft International Games Festival」へと改められているものの、実質的なイベント内容は変わらない。Microsoftが主催するゲーム系のイベントは、Direct Xを中心とする開発者向け会議「MELTDOWN」など、少し捻ったものが多いが、GameStockは言うまでもなくWoodStockをもじった名称。しかし、そのWoodStockもいまや伝説のイベントとして語られるようになっており、新たな試みを続けるGameという世界にミスマッチしているという考えから、名称を変更したというのが真相のようだ。

クリエイティビティをユーザーに委ねるゲーム制作の構造改革

オープニングスピーチを行なう、Microsoft Game StudiosのGeneral Manager、Stuart Moulder氏
 トークセッションは、Microsoft Game StudiosのGeneral Manager、Stuart Moulder氏によるオープニングスピーチと、サードパーティのゲームを統括するDirector、Ted Hase氏によるスピーチが行なわれた。昨年まではメインステージを使ったセッションで各タイトルの紹介が行なわれていたが、今回は実際のプレイに重点を置くということで、スクリーンは各タイトルのスポット映像が繰り返し上映されるにどどまった。

 Stuart Moulder氏のオープニングスピーチとTed Hase氏の「Windows Gaming Ecosystem」と題したスピーチは、ほぼ同様のテーマでゲーム制作における来たるべき姿を訴えた。流行の言葉をあてはめるなら「ゲーム制作の構造改革」を重視する内容が例えなどに差異こそあれ繰り返し述べられている。Stuart Moulder氏は「Old Media Rules」と「New Media Rules」という言葉を用い、これから3年をメドにゲーム制作の古い考え方から、新しい考え方への転換が起こると予測している。また、その転換こそがさらなるPCゲームの発展の重要なカギと位置付けている。

Windows Third Party GamingのDirector、Ted Hase氏。「Windows Gaming Ecosystem」と題してスピーチ
 もともとゲーム制作ではクリエイティビティ、そしてその実行力、さらにスポンサーシップが伴わないとゲームという結果に結びつかない。この部分は、古いルールであっても新しいルールであっても変わらない。大きな転換が必要となるのはクリエイティビティの内容というのが彼らの考え方だ。「Old Media Rules」つまりいままでのゲーム制作では、ユーザーがクリエイターの意志に従ってプレイしていくものをゲームとして作り上げていた。クリエイティブな要素はすべて制作者側が握ってきたわけである。しかしこれからは、ユーザーも参加して作り上げていくという要素を加える必要がある。ユーザー自身が自分だけしか体験できないことをゲームのなかで楽しむことができるゲームこそ「New Media Rules」というわけだ。つまり、古いルールは作り手側だけのルール。これからは、ユーザーもクリエイティブになる新ルールというわけだ。

 極端な話、これまでは開発用ツールとして制作されてきた各種のゲームエンジンやゲーム制作で利用するエディタのようなツールまでユーザーに委ね、新しいゲームを作り上げていく原動力にしようと言うことだ。そこには、知的財産権などさまざまな解決すべき問題も存在するが、PCゲームの他のメディアとの違い、それはメディアを取り巻く人々自身が、そのメディアに参加できるかどうかということだという。それができるメディアだからこそ、「Old Media Rules」から「New Media Rules」への転換が可能で、また必要になると締めくくられている。

展示、デモンストレーションの行われた10作品

●Combat Flight Simulator 3
初公開されたコンバット・フライト・シミュレータの最新バージョン。マルチプレイでは複座の航空機でパイロットとガンナー(射撃手)を分担して受け持つことできるなど数々の新要素がある。
発売時期:2002年秋
 今回、会場内で公開されたタイトルは全部で10本。以下にまとめて掲載する。なお掲載している発売予定時期は、すべて北米における現時点でのスケジュールとなる。日本での発売予定タイトルや発売予定などは、追って掲載する個々のタイトル毎の詳細レポートのなかで紹介していく。

●Age of Mythology●Asherons Call 2●Dungeon Siege
リアルタイムシミュレーションの人気シリーズ「Age of Empires」の最新作。ギリシャ、エジプト、北欧の神話がモチーフ。
開発スタジオ:Ensemble Studios
発売時期:2002年9月
前作からグラフィックエンジンを一新した、次年度もっとも躍進が期待されるMMORPG。
開発スタジオ:Turbine Entertainment Software
発売時期:2002年冬
フル3DのアクションRPG。同ジャンルの大ヒット作「Diablo2」の後継タイトルとしてファンの期待を集めている。パーティー制などさまざまな新要素を導入。
開発スタジオ:Gas Powered Games
発売時期:2002年4月

●Freelancer●Impossible Creatures●Links 2003
宇宙船のパイロットである主人公が、運び屋稼業、戦闘などを重ねて宇宙空間で生活していくスペースアドベンチャー。戦闘は3Dのスペースシューティング。
開発スタジオ:Digital Anvil
発売時期:2002年秋
2001年のE3で、Sigma(仮)として出展されたリアルタイムシミュレーション。登場するユニットが、二体の生物を組み合わせたユニークなCreatureなのが最大の特徴。数千種にも及ぶCreature制作が勝負の鍵を握る。
開発スタジオ:Relic Entertainment
発売時期:2002年夏
北米におけるゴルフシミュレーションゲームの定番タイトル。最新バージョンとなる今作は、このMicrosoft International Games Festivalで初公開
開発スタジオ:Microsoft Game Studios
発売時期:2002年ホリデーシーズン

●MechWarrior 4 Inner Sphere Mech Pak●Rise of Nations●Zoo Tycoon: Dinosaur Digs
「Battle Mech」と呼ばれる巨大ロボットに搭乗して対戦するロボットアクションシューティング。「MechWarrior 4」のアドオンとして発売される。
開発スタジオ:Cyberlore Studios
発売時期:2002年春
今回初公開となるリアルタイムシミュレーションの期待作。タイトルのとおり、国家、国力の興亡に重点が置かれているが、経済の概念の導入など新要素が豊富に盛り込まれている
開発スタジオ:Big Huge Games
発売時期:2003年春
動物園経営シミュレーションのヒット作「Zoo Tycoon」のアドオン。今度は恐竜を擁するテーマパークの経営に奮闘する。
開発スタジオ:Blue Fang Games
発売時期:2002年5月

□Microsoftのホームページ
http://www.microsoft.com/games/
□「Microsoft International Game Festival」のホームページ
http://www.microsoft.com/games/gamesfestival/
□関連情報
【2月28日】RISE OF NATIONS~ポストAGE OF EMPIRES!
18文明が繰り広げる軍事、経済、技術戦争
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020228/migf02.htm
【2月27日】Microsoft、次世代PCゲームを一堂に集めたイベント「International Game Festival」をラスベガスにて開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020227/igf.htm

(2002年2月28日)

[Reported by 矢作 晃 (akira@yahagi.net)] ]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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