Blizzard、アジア方面でもいよいよβテストスタート!
「Warcraft III: Reign of Chaos」Beta Testレポート

6月25日発売予定

価格:未定

 米Blizzard Entertainmentは、2月7日より北米で開始された「Warcraft III: Reign of Chaos」Battle.net Beta Testを、アジア方面でもスタートした。北米のように一般公募は行なわず、報道関係者のみを対象としたクローズドなものだが、韓国にある同社のゲームサーバー「Battle.net」ではすでに「Warcraft III: Reign of Chaos」専用ロビーも稼働し、良好なネットワーク環境でβテストに参加できる環境が整っている。
 ゲームの概要については、以前掲載したインタビューレポートイベントレポートなどを参照いただき、詳しいβテストレポートについては来週掲載予定の「西尾ゆきの海外ゲームレポート」をお待ちいただくとして、本稿では取り急ぎβテストの模様について最新画像とともにお伝えしていきたい。


■ 革新的なマッチング機能「Anonymous Matchmaking」

「Play Game」を押すだけで同じ希望のユーザーを自動検索し、手軽に対戦が始められる「Anonymous Matchmaking」機能。目をぎょろぎょろさせるアニメーションが秀逸
 現在、Blizzardが行なっているβテストはBattle.net Beta Test、つまり、ネットワークプレイまわりのバグを潰していく目的で行なわれているβテストだ。ゲームモードは「Multiplay」の「Battle.net」のみで、シングルプレイやLAN接続による対戦などは一切できない仕様になっている。すべてのβテスターは、北米のLordaeronサーバーか韓国のKalimdorサーバーに繋いで、随時パッチを当てながら、対戦プレイを楽しむことになるわけである。

 そのBattle.netも現時点では利用可能な機能がひどく限られており、ロビーでのチャットやチャンネル移動などは「Diablo II」と同じ感覚で行なえるが、ラダーやフレンドリスト機能、メッセージのフィルタリングなどのオプションはすべて無効となっている。利用できるのは「Standard Game」と「Custom Game」の2モード、つまり通常対戦のみとなっている。

 しかし、本作ではこの2モードの扱いが特殊かつユニークだ。「Custom Game」は、ゲーム名、ゲームスピード、マップ、対戦人数などを決めて参加者が定員になるまで待つという、ごく一般的な対戦モード。一方の「Standard Game」が実に革新的だ。

 Battle.netのWarcraft IIIロビー左上に、大きな「Play Game」ボタンが用意されている。これが「Standard Game」の入り口で、中にはいるとRace(種族)、Game Type(1対1~3対3)、Map List(使用マップ)のメニューが用意されている。革新的なのは、画面右下の「Play Game」を押すと、同じGame Typeとマップを選択し、かつ実力が同程度のユーザー(βではラダーシステムが未実装のため無効)を自動的に検索してくれるところだ。

 デフォルトでは、RaceはRandom、Game TypeはOne vs. One、MapはRandom(希望マップなし)になっており、いきなりボタンを押してゲームの検索を始めることも可能となっている。これにより従来のRTSのように、プレーヤー参加待ち状態のゲームリストを眺めてあれこれ迷ったり、入ろうと思っていたゲームが満員になって悔しい思いをすることはまったくない。サーバーに接続したあとはすぐに対戦を始められる。

 対戦相手はゲームがロードされてみるまでわからないという匿名性、また特にアメリカ人が好きな社交辞令的挨拶を抜きにしていきなりゲームが始められるダイレクトさが素晴らしい。現時点では、この便利さが災いして、Custom Gameでゲームを建ててもほとんど人が集まらず、多人数プレイがなかなかできない。

 もっとも、現状、サーバーにアクセスしている人間は時間帯にもよるが数百人程度でしかない。製品版が発売され、昼夜を問わず常時数万人がアクセスするようになれば、文字どおり、自分の好きなゲームモードで即座に対戦できるようになるのではないだろうか。

「Battle.net」を選択するとまずパッチサーバーにアクセスし、バージョンが古ければ自動的にアップデートが行なわれる。そのあとはアカウント名とパスワードを入力すればロビーに直行できる

ロビーではチャンネルを選択してチャットが行なえる。画面上部にあるアイコンが各ゲームモードで、現状では「Play Game(Standard Game)」と「Custom Game」の2モードが選択できる


■ Blizzard初のフル3DRTSのオプション機能は?

Wyvernの大軍に総攻撃させつつ、後方からLevel5アビリティ「Starfall」を敵本拠に降らせるNightelfのヒロインPristess of The Moon(画面下のポートレートが彼女)。この程度のパーティクル処理でもたついていては話にならない。最低でもGeForce3クラスのビデオカードを用意したい
 「Warcraft III: Reign of Chaos」は、Blizzardの十八番ジャンルであるリアルタイムストラテジー最新作であり、かつ同社初のフル3Dのゲームタイトルということはすでに触れたとおりだが、そのオプション機能はどんなものだろうか。このβ版でもほとんどが有効になっているので、さっそく紹介しておこう。

 「Warcraft III: Reign of Chaos」のオプションメニューは「Gameplay」「Video」「Sound」3種類。このうちもっとも充実しているのがVideoで、ガンマ値、解像度、モデルディテール、アニメーションクオリティ、テクスチャクオリティ、パーティクル、ライト、ポートレート、シャドウと実に9つもの項目が用意されている。

 Blizzardらしいこだわりの部分といえばやはりアニメーション部分で、「アニメーションクオリティ」で全ユニットのアニメーションパターンのボリュームを変更できる。またこれはβ版では未実装だが、「ポートレート」でポートレートの3Dアニメーションのオンオフを選択できる。現在は静止画のままだが、「Starcraft」のように高精細の3Dモデルがぐりぐり動くかと思うとわくわくする。

 解像度は上限なしでモニタ性能の限界まで上げられる。1,024×768ドットで十分美しいグラフィックが堪能できるが、対戦では解像度の違いによる情報量の関係から1,280×1,024ドットあたりが標準で、GeForce4 Tiの購入を早速決め込んでいるハイエンドゲーマーは1,600×1,200ドットを選択するだろう。3DRTSのマルチプレイは、FPSを上げるためにグラフィッククオリティを落としまくることが多いアクションシューティングのそれとは異なり、下げるどころか逆に上げる必要がある。この傾向は「Empire Earth」ですでに見られていたことだが、「Warcraft III: Reign of Chaos」でいっそう顕著になりそうだ。

残る「Gameplay」ではスクロールスピードの調整など、「Sound」ではボリューム調整やヒーローを含む各ユニットが発する音声の有無を選択できる。サウンドフォーマントはCreativeのEAX2やDolby Surroundなどが対応している

体系化して細かく紹介できなくて大変申し訳ないが、プレイ中に押さえた最新画像を掲載。暗い夜の画面が多いのはなぜかというと、夜戦に強いNightelfでばかりプレイしていたため

(C) 2002 Blizzard Entertainment. All rights reserved.

□Blizzard Entertainmentのホームページ
http://www.blizzard.com/
□「「Warcraft III: Reign of Chaos」のホームページ
http://www.blizzard.com/war3/
□関連情報
【9月7日】練り尽くされたゲームデザインで独自のファンタジー世界を創造する 3Dリアルタイムストラテジー「Warcraft III:Reign of Chaos」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20011014/warcraft.htm
【9月5日】ECTSレポート 「WarCraft III:Reign of Chaos」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010905/ects06.htm

(2002年2月18日)

[Reported by 中村聖司]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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