カプコン、東京国際ファンタスティック映画祭で |
松田優作氏の写真の前で、「鬼武者2」プロデューサーの稲船敬二氏 |
10月27日に東京の渋谷で開催された「東京国際ファンタスティック映画祭 蘇える最も危険な男 松田優作13回忌」において、「鬼武者2」のプロデューサーを務めるカプコンの稲船敬二氏がトークショウに登場し、松田優作氏を主役にした理由や、特別映像を公開した。
27日の深夜から28日の早朝にかけてオールナイトで行なわれたこの上映会では、俳優の松田優作氏が出演したTV版の「探偵物語」や「蘇る金狼」、「ブラックレイン」といった作品が上映され、その合間に松田優作氏に縁のある方たちのトークショウと、松田優作氏関連の作品を現在手がけている人達のトークショウがそれぞれ行なわれた。稲船氏は第2部の松田優作氏関連の作品を制作中の人達に混じってトークショウに登場した。
稲船氏は「鬼武者2」に松田優作氏を採用した経緯について「我々は松田優作氏の作品をリアルタイムに観てきたが、20歳前後の人はリアルタイムでは体験していない。そういった人達にも松田優作氏を見て欲しい」としながらも、一方で「チャンバラとしてのゲーム部分は面白く仕上がってきているから良いが、デモシーンなどで松田優作氏をきちんと表現できているか不安。みんなに“松田優作”としてみてもらえるかが心配ではある。しかし日々スタッフががんばっているので大丈夫です」と強く語った。もちろん松田優作夫人の美由紀さんにいろいろとチェックしてもらいながら作業は進められている。
その難しい松田氏の演技のなかでも特に気を遣っているところとしては「微妙な表情で表わす」ところで、ビデオを何度も見て演技については研究しているのだという。
今回は、オールナイト上映会の表題にもなっているとおり、松田優作氏の13回忌に当たるが、それがきっかけで松田優作氏を起用したわけではないと言う。「1作目が金城武氏だったので、それを超える人は生きている人の中にいなかった。そこでもうすこし幅を広げて探してみたら、日本人としては松田優作氏しかいなかった。13回忌だったのは全くの偶然。松田優作氏に引き寄せられた様な感じだ」と説明した。
トークショウの最後に稲船氏は「東京国際ファンタスティック映画祭に来た人に楽しんで欲しいと思って特別映像を公開します」というわけで公開されたのが、なんと「鬼武者2」の「探偵物語」バージョン。ゲームステージは「鬼武者2」なのだが、登場する主役の松田優作氏はこれまで公開されている衣装ではなく黒いスーツに目深に帽子を被りサングラスをしている。もちろんというか細かいというか、セリフ回しもわざわざ探偵物語風のセリフを別録音であてており、会場は大ウケとなった。
稲船氏は「今回公開した映像は作り込みは甘いが、我々もゲーム制作者として遊び心を忘れてはならないと思い、楽しんで貰う意味からも作ってみました。自分としては一番『探偵物語』が印象深いので、そのころの松田優作氏をモチーフとしている」と語った。
残念ながら今回のバージョンが「鬼武者2」に収録されるかは微妙なところのようだが、このまま埋もれてしまうのは惜しいほどの衝撃度なので、ぜひとも実現にむけて前向きにがんばって欲しいところだ。
ステージ上の稲船氏。松田優作氏への想いを語った | ステージには稲船氏以外にも多くのゲストが松田優作氏について語った |
(2001年10月29日)
[Reported by 船津稔]
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