★ GCゲームレビュー ★
ニンテンドウ64で初登場し、多くのファンを熱中させたアクションゲームが、ついにゲームキューブに登場となった。歴代任天堂キャラが一斉に集い、マリオvs.ピカチュウといったドリームマッチが楽しめる作品だけに、見た目からくるインパクトはかなりのものだ。だが、「ただのドツキ合い」と思うなかれ。やり込むと様々なワザを駆使して、いかに相手を倒すか、地形やアイテム類をどうやって利用するかなどなど、戦法の豊富さにびっくりする。豪快なワザでド派手に闘うのもいいし、相手の攻撃を紙一重でかわして反撃していくといったテクニカルな闘いも可能という、楽しみ方の間口の広い作りに仕上がっているのだ。このゲームの魅力を、ここで改めてレビューという形で紹介しよう。
■煩雑さは一切なし。統一された操作ですんなり遊べる 格闘ゲームの要素を取り入れた対戦アクションと聞いて、キャラクタごとに特殊なコマンドが用意されているのが普通。しかし、このゲームではキャラクタ特有のワザは存在するものの、それを繰り出すためのコマンドは全キャラ共通となっている。 例えば、キャラクタの持っている必殺ワザは4種類あり、それらはスティックの方向(上下か相手方向へ倒す)+Bボタンとなっている。同様に、通常攻撃もスティックの方向とAボタンで変化するようになっているのだ。よって、ひとつのキャラクタで操作方法をマスターすれば、後はワザの特徴を覚えるだけでよく、覚えるべきことが少なくて済む。キャラクタの数が非常に多いだけあって、操作を個別に覚えていてはたまらないわけで、このコマンド共通という仕様はゲームへの取っつきやすさを増している。 さて、操作をさらに掘り下げて解説していくことにしよう。基本的な移動はコントロールスティックを使用して行ない、これを倒した角度や強さによって歩きから走り、ダッシュと変化。コントロールスティックの微妙な動きを要求されるので、初めのうちは思うように操作できないと思う。最悪の場合、自分から場外へ飛び出すなんてコトもあるだろう。移動以外にもジャンプもあり、スティックを上に入れるか、X・Yボタンを押すだけでOK。ジャンプ中にさらにジャンプ行動を行えば、2段ジャンプ(空中ジャンプ)となる。
移動をマスターしたら次は、このゲームのポイントとなる攻撃だ。Aボタンで繰り出す「通常攻撃」は、連打することによって連続攻撃となることを覚えておこう。 さらに、スティックをはじくように素早く倒すと同時にAボタンを押せば、「スマッシュ攻撃」と呼ばれる強威力の攻撃が可能となる。このスマッシュ攻撃は“溜める”ことができ、スマッシュ攻撃のコマンド入力時にAボタンを押し続ければパワーを溜め始める。一定時間が経過するかAボタンを放すことで攻撃を繰り出し、溜めたパワーだけ威力が増すという寸法だ。 この攻撃は、当たれば相手を大きく吹き飛ばすという特性を持っている。相手を場外に叩き出すことが勝利のカギとなるため、基本的にここ一番というところでスマッシュ攻撃を利用し、勝ちを狙っていくことになるだろう。だが、相手もこの攻撃を警戒して溜め時間中などに反撃や逃走をするので、そうならないよう通常ワザで相手の動きを止めながら隙をついて叩き込む、といった使い方が基本となる。通常攻撃とスマッシュ攻撃の使い分けが闘いの重要なポイントとなるのだ。 また、通常ワザやスマッシュ攻撃以外に「必殺ワザ」という攻撃手段もある。これも通常攻撃と同様にスティックの方向でワザが変化するようになっており、同時に入力するボタンはBとなる。必殺ワザは通常ワザよりも破壊力があり、攻撃判定も広いという魅力がある。また、必殺ワザの大半は、そのモーション中、攻撃判定が発生し続けているものが多く、その間、何度も相手に攻撃がヒットすることもある。このようにメリットが目立つワザだが、当然デメリットもある。まずは攻撃後の隙が非常に大きいこと。攻撃をかわされた時に反撃されやすいため、乱発は逆に自分を追い込む結果となる。また、通常ワザのようにボタンの連打で 連続ワザには変化せず、単発のワザとしてしか使用できないので、見切られたら反撃を甘んじて受けるしかない。 いずれの攻撃も移動と同様、操作方法が統一されている。ただし、リーチや攻撃範囲といった能力部分はキャラクタによって違ってくるため、その特性を理解して使いこなす醍醐味がキャラクタの違いといえるだろう。
移動や攻撃以外に防御も用意されており、L・Rトリガーでシールドを張って相手の攻撃から身を守る。このシールドは次第にしぼんでいき、消滅するまで防御姿勢をとっていると行動不能状態に陥る。これはそれほど長くはないが、無防備な状態になるのは変わりないので、シールドを張り続けるのは危険だ。唯一「投げ」だけはかわせない。この辺りは、打撃にはシールド、シールドには投げといった対処が可能という、既存の格闘ゲームと同じような仕組みだ。 これら以外にも、そのば緊急回避だけでなく、前方回避や後方回避といった特殊動作もでき、キャラクタの行動は多岐に渡る。前方回避で相手の攻撃をかわしつつ接近して必殺ワザで攻撃と、複数の行動を流れるようにつなげていくテクニックも重要になってくる。
■対戦ルールはいろいろ。ひとりでもちゃんと遊べるモード群 実際にゲームをプレイする場合、ひとりゲームでは「レギュラー戦」「イベント戦」「競技場」などなど、多彩なモードが用意されている。レギュラー戦の中の「シンプル」は1ステージごとに敵と戦って勝利すればいいという、バトル重視のモード。とにかく闘いたい人向けのモードだ。「アドベンチャー」は、あの「スーパーマリオ」のような横スクロールアクションが楽しめ、各ステージを転戦しながら、これまでとは違った「スマブラ」を体験できる。他にも、使用キャラクタや対戦条件などが決められている「イベント戦」、ターゲットを壊したり、100人のキャラクタと闘ったりできる「競技場」など、モードによって戦う舞台が異なる多彩なプレイを楽しめる。これで操作や戦い方をマスターして、人との対戦を楽しむといいだろう。 もちろん、必殺ワザや連続ワザなどの練習ができる「トレーニング」モードもあるので、キャラクタを徹底的に研究することだってできる。
■やはり盛り上がるのは友達との対戦!! 対戦モードでは、最高4人同時に対戦できる。画面は分割されず、キャラクタ同士の距離に応じてフィールドが拡大縮小される方式。1試合のみの対戦を楽しむこともできれば、CPUキャラも交えてのトーナメント戦もできる。 また、通常の対戦に加えて、特定の条件を付けた「スペシャル乱闘」もできるなど、様々なシチュエーションで楽しめるのはおもしろい。 2人でも楽しめるが、やはり4人で対戦するとそのおもしろさも倍になる。2対2のチームバトルにしたり、強すぎる友達を3人がかりで倒してみたりと、「友達との関係を壊さない程度に」楽しめる。まぁ、あまり酷いことをしても友達が怒るだけでつまらないとは思うが……。
■対戦以外でも楽しめる要素がいっぱい!! パーティーゲームとしても十分!! アクションゲームなので当たり前だが、やはり戦う楽しさがしっかりと伝わるゲームに仕上がっているのはさすが、といったところ。アイテムを利用してキャラクタの弱点を補ったりできるし、4人対戦ともなれば全員が敵であるため戦い方も変わってくる。目立たないように移動して、他のプレーヤーがつぶし合うのを待つ。最後に、ボロボロになって残ったひとりをスマッシュ攻撃でぶっとばす……といった、戦略的要素(?)を考える楽しみもある。さらに、自分の戦い方がそのままスコアに反映される「評価制バトル」というのもある。たくさんの加点&減点行動が用意されており、ただ相手をぶっとばしているだけでは良いスコア(=勝利)には結びつかない。加点を考慮に入れての芸術的な闘いを目指す楽しみもある(体操競技のような感覚で闘う……そんな気分で)。
対戦だけに目を奪われがちだが、「DX」になってそれ以外のモードも充実し、それぞれがちょっとしたひねりがあって面白い。例えば、ゲーム中で手に入れたコインを使って、「ガチャポン」を遊べ、これでフィギュアをゲットできる。手に入れたフィギュアを配置して眺めたりできる。このように、ひとりでも、そして多人数でも楽しめるのでお正月の親戚一同で楽しむのもいい……。いや、楽しんでもらいたい。
(C) 2001 NINTENDO / HAL Laboratory,Inc. Characters (C) NINTENDO / HAL Laboratory,Inc. /Creatures Inc. / GAME FREAK inc. / APE inc. / INTELLIGENT SYSTEMS
□任天堂のホームページ (2001年12月18日) [Reported by 渡辺洋二]
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