ウェストサイド、テクモとの訴訟について声明文を発表

2001年11月9日 発表

 株式会社ウエストサイドは、11月7日に発表されたテクモ株式会社の提訴を受けて、自社のホームページにおいて「テクモ株式会社との訴訟について」と題した声明文を同社社長と弁護士の連名で発表した。

 その中で、「訴状が当社に到達していないため、テクモ側の請求の詳細はわかりません」としながらも、テクモの主張に対し以下のように反論している。

1.テクモの「デッド オア アライブ2(以下DOA2)」に登場する女性キャラクターのコスチューム制御データを改変し、裸体のキャラクタでゲームプレイを可能としたことが著作権侵害行為にあたる。
【ウェストサイドの主張】
 登場する女性キャラクターの裸体画像データは、テクモにおいて制作され、「デッド オア アライブ 2」の CD-ROM(編集部注:声明文中の表記に準じるが、PS2版「DOA2」はDVD-ROMで供給されている)に収録したもの。裸体のキャラクタを表示することが「極めて低俗かつ悪質」なら、なぜ、わざわざ裸体のキャラクタ画像を制作し、CD-ROMに収録していたのか、当社としては理解に苦しむ。

 また、当社がCD-ROMマガジンに収録したのは、各ユーザーがメモリーカードにセーブしたデータのほんの一部分(14バイト程度)を編集するソフトウェアであり、結果、「DOA2」に元から収録されている裸体コスチュームを含む全コスチュームを格闘モードの際に選択することを可能にするもの。「DOA2」のデータを改変するようなソフトウェアではない。

2.テクモの「デッド オア アライブ 2」というタイトル名を無断で冒用したことが著作権侵害行為にあたる。
【ウェストサイドの主張】
 著作物のタイトルは「著作物」に含まれませんので、タイトルを表示するのに、その著作物の著作者・著作権者の許諾を要しないことは明らか。

 そして、いわゆる私的改変について、「これを違法に著作者人格権(同一性保持権)を侵害する行為とは捉えない」という考えが学会の多数説であると述べている。
 したがって、「当社のCD-ROM マガジンに収録されているデータによって、個々のユーザーが、『DOA2』を新しい方法により楽しむことになったとしても、当社が、テクモの著作権ないし著作者人格権を侵害したことにはならない」と主張。

 また、テクモのプレスリリースで触れられていたコナミの「ときめきメモリアル」事件に関しては、「少なくとも判決文を読む限りにおいては、被告が「私的改変については、同一性保持権侵害とはならない」という主張をしなかったために、この点に関する裁判所の判断が未だなされておりません」としており、ウェストサイド側としては「この機会に、少なくとも大量に複製・頒布された著作物についてユーザーが自由に使用できることを明らかにしていく」としている。

□ウェストサイドのホームページ
http://www.westside.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.westside.co.jp/otacd/statement.htm
□関連情報
【11月7日】テクモ、「デッド オア アライブ2」の著作権侵害で
データ改変ソフト製造業者を提訴
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20011107/doa2.htm

(2001年11月9日)

[Reported by 佐伯憲司]

I
【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2001 impress corporation All rights reserved.