独占インタビュー |
質問に答えてくれた米MicrosoftのSeamus Blackley氏 |
開催地:ロサンゼルス Universal City Walk
Xbox Unleashedは順調にゲームが消化され、イベント開始から約15時間ほど経過した段階でトップのプレーヤーは41ポイントを稼いでいる。また、それだけ時間が経過しても、米国のゲーマー達はまだまだ元気にプレーを続けており、改めて米国のパワーを思い知ったような気がした。これぞタコスパワーのなせる技なのか!?
ところで、米国のゲーマー達が白熱の対戦プレーを繰り広げている中、米Microsoft、Xbox Technology OfficerのSeamus Blackley氏に、Xbox発売日に向けての意気込みや同時発売タイトル、Xboxの詳細仕様などに関してインタビューできたので、その模様についてお伝えしよう。
質問にはひとつひとつ丁寧に答えてくれたBlackley氏 |
Blackley氏 映画や音楽などと同じように、実際にふたを開けるまではどうなるかわかりません。今のところ15~20本のタイトルを予定していますが、おそらく20本に近くになると思います。ただ、同時発売のタイトルは限定していません。
同時発売タイトルの中で、イチオシはどれですか?
Blackley氏 非常に難しい質問ですね。毎日新しいタイトルが届くたびに、「これがベストだ!」という印象を受けますので、どれがイチオシだとはなかなか特定できません。ただ、ゲーム雑誌やWebサイトを見ると、「DEAD OR ALIVE 3 (テクモ)」や「Project Gotham Racing (Microsoft)」、スポーツゲームなど、様々なタイトルの名前が挙げられています。もちろん編集者の好みもあると思いますが、それだけ様々なタイトルが挙げられるということは、Xboxの同時発売タイトルがベストなラインナップとなっている証拠だと考えていますし、これだけのタイトルがそろえられてラッキーだと考えています。
Xboxの米国での予約状況はどのような感じですか?
Blackley氏 米国のあるオンラインサイトでは予約開始後22分間で全て売り切れたそうです。ただ、発売日にはもちろん店頭に製品は並びます。発売日に何台ぐらい出荷されるのかということをよく聞かれるのですが、発売初日に何台用意できるのかということよりも、発売後に毎週何台ずつ用意できるのかということの方が重要です。これは、昨年プレイステーション 2が発売されたときに学びました。ですから、私たちは、北米向けのXboxはメキシコで、ヨーロッパ向けはハンガリーで、日本向けはシンガポールで製造して、毎週潤沢な量を供給する体制を作りました。
15日の発売日にXbox本体を購入する人がどの程度のソフトを同時に購入するとお考えですか?
Blackley氏 ソフトの購入本数に関してはまだあまり考えていません。ただ、予約状況を見ると、平均で3本ほどとなっています。これは、今までに発売されたゲームコンソールの中で最も多い数字です。Xboxは本体と同時にたくさんのタイトルが用意され、ユーザーが多数のタイトルが用意されているということを好意的に考えてくれているという点に感激しています。これこそXboxが優れていることを示すいい例だと思います。
Xboxでメインターゲットとするユーザーの年齢層はどのあたりですか?
Blackley氏 16~26歳の男性をメインターゲットとしています。この年齢層の男性は、新しいテクノロジーにすぐに飛びつくからです。そのため、彼らが喜ぶようなタイトルをそろえています。ただ、映画を題材とした「Shrek (TDK Mediactive)」や「NFL Fever 2002 (Microsoft)」などのように、メインターゲットとは異なるユーザー層のタイトルが用意されている点も、Xboxが優れている部分だと思います。
キャラクタものなどで低年齢層を開拓しようという考えはありますか?
Blackley氏 もちろん、そういったタイトルもいずれXbox向けに用意されることになるとは思いますが、当初は先ほど言ったメインターゲットに対して注力しますので、今のところは低年齢層に対する特定のアクションは考えていません。
Xboxのラインナップには若い女性層をターゲットとするものが抜けているように思いますが、そういった層へのアプローチは考えていますか?
Blackley氏 16~26歳の男性というターゲット層は、あくまでもローンチ時のターゲットです。Xboxには高度な描画能力や音声再生能力が搭載されていますので、非常に高い可能性があると思います。もちろん、ノンゲーマー層にアピールするようなタイトルも今後多数登場してくると思います。ゲームをプレイしない人たちは、テレビを見たり映画を見たりしています。つまり、そういう人たちにゲームをアピールするには、これまでとは異なるアプローチが必要となります。ただ、Xboxの技術があれば、テレビや映画のようなレベルでゲームを開発できますので、将来ユーザー層が大きく広がるのではないかと考えています。
DVD再生キットは本体と同時発売ですか?
Blackley氏 はい、本体と同時発売です。プレイステーション 2と同じように、リモートコントローラとレシーバーが29.95ドルで発売されます。XboxのDVD再生機能は、ハイエンドDVDプレーヤーを凌ぐほど、非常に高いクオリティが実現されています。プログレッシブ再生に対応し5.1チャンネルサラウンドサウンドにも対応しています。
でもXboxはあくまでもゲーム機ですよね?
Blackley氏 そのとおりです。私は、ゲームは映画よりもすばらしいと考えています。またそれはXbox開発チームのメンバーも同様です。ただ、私たち以外の人たち、例えばあまりゲームに興味のない一般消費者に対してその考えを証明しなければなりません。そのため、テクモの板垣さん (「DEAD OR ALIVE 3」のプロデューサー) のような優れたゲームクリエイターに対して、スピルバーグの映画に匹敵するクオリティが実現できる環境を提供したかったのです。例えば、「NFL Fever 2002」を作っているチームの人にゲームのライバルを聞いてみると、プレイステーション 2用のフットボールゲームではなく、本物のABCのNFL中継だと言います。しかも、テレビの中継は見るだけですが、ゲームなら実際にプレーに参加できるのです。これはすごいことですよね。
「Xbox Unleashed」の会場“CAGE”をバックに写真撮影 |
Blackley氏 一応来年を予定しています。ただオンラインゲームは、DVDプレーヤーで映画を見るように、特殊なケーブルの接続やオンラインサインアップなどの難しい作業を必要としないような仕組みを作り上げるのが非常に難しいのです。もちろんそれは、米国や日本、ヨーロッパできちんと動作する仕組みでなければなりません。しかし、まだそのレベルに達していないので、オンラインゲームのローンチに関しては、まだ正式にコメントしたくありません。
日本でオンラインゲームに関して聞いたときにはボイスチャットが重要だと伺ったのですが?
Blackley氏 そのとおりです。ただ、米国は日本ほどブロードバンド環境が浸透していないので、ボイスチャットの楽しさを伝えるのは非常に難しいのです。日本の人なら、一言で楽しさがわかってもらえるのですが。ですから、ブロードバンドに対応するXboxを利用して、米国でボイスチャットのムーブメントを作りたいと思います。
ところで、米国のXboxで日本のソフトは動作しますか?
Blackley氏 いいえ、動作しません。本当なら、日本やヨーロッパのゲームが米国のXboxで、また日本のXboxでも米国やヨーロッパのゲームが動作するというのが一番いいのですが、流通などの関係から、ソフトにリージョンコードを入れるということになりました。
最後になりますが、15日にXboxが発売され、18日にゲームキューブが発売されます。これが最初の戦いだと思いますが、それに対する意気込みを聞かせてください
Blackley氏 私たちは、Xboxは生産すればするだけ売れると考えています。Electronic Gamingという米国最大のゲーム雑誌なども「Xboxを買え」と推薦していますし。ただ、ゲームキューブを買おうと思っている人は18日にゲームキューブを買うはずです。なので、今年はまだ戦いにはならないはずです。本当の戦いは2002年のクリスマスになると思います。なぜなら、その頃には第2世代、第3世代のXbox向けタイトルが登場して、Xboxの底力がより発揮されることになるからです。
□Xboxのホームページ (英文)
http://www.xbox.com/
□Xboxのホームページ (和文)
http://xbox.jp/
□関連情報
【11月2日】究極の48時間耐久ゲーム大会「Xbox Unleashed」ついに開幕
http://game.watch.impress.co.jp/doc/20011102/xbox01.htm
(2001年11月3日)
[Reported by 平澤寿康]
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