★ PCゲームレビュー ★

ネット対戦に完全対応した
PC版パワプロついに開幕!

実況パワフルプロ野球
オンライン対戦版

  • ジャンル:野球ゲーム
  • 開発/発売元:コナミ
  • 価格:7,800円
  • 対応OS:Windows 95/98/Me/2000
  • プレイ人数:1~2人
  • 発売日:7月19日(発売中)


 パワプロ好きのパソコンユーザーが「出来たらいいのになー」と思っていたことがついに現実のものとなった。というと少し大げさかもしれないが、名実共に国内最高峰の野球ゲームがネットワーク対戦で遊べるのだから、この喜びはちょっと隠しがたいものがある。それではさっそくPC版が実現する魅惑のゲーム内容をたっぷり紹介していこう。


■ マウス1つでOK! 単純明快なインターフェイス

三振とホームラン。この快感がPCで味わえる
 「パワフルプロ野球」シリーズの魅力といえば、それはなんといってもアナログスティックによるバッティング/ピッチング操作だ。ミートカーソルの小さい強振モードで、ボールをジャストミートしたときの爽快感。直球勝負でストライクゾーンの隅の隅をついて、見送り三振させたときの爽快感。これらは柔軟で細かい操作が行なえるアナログスティックなればこそ実現できた楽しさだ。

 PC版は、このアナログ操作の楽しさを受け継ぎ、マウス操作だけで基本的な操作はすべて行なえるようになっている。バッティングは、マウス操作でバッティングカーソルの操作、左クリックでスイング、右クリックで通常と強振の切り替えといった具合。ピッチングは最初にマウスを6方向のいずれかに動かして球種を定め(ex.上に移動すればストレート)、左クリックで投球モーションに入る。そのあと、マウスを素早く動かしてボールの位置を決める、といった具合だ。バッティングはともかくピッチングは多少難しそうに思えたかも知れないが、遊んでみれば一発で覚えられる直感的な操作体系だ。

 走塁や返球操作は、キーボードを併用することになるが、PC版ではデフォルトはCPUによるオート操作になっているので、実はマウス操作だけでゲームが楽しめる。使う必要がありそうなのは、ポーズ(SPACE)とバント(D)、1塁への牽制球(D)ぐらいのもの。慣れてくると肩肘つきながらプレイすることも可能で、片手でプレイできる心地よさに浸りつつゲームを楽しむことができる。

 ちなみに、PC版はSideWinderゲームパッドをサポートし、コンシューマ版に近い感覚でプレイすることも可能となっている。ただ、この場合、すべての操作はデジタル入力となり、ちょうどコンシューマ版の十字キー操作のような感じになる。アナログ入力がうまく操作できない初心者向けの配慮といえそうだ。

【オープニングムービー】
オープニングムービーも気合いが入っている。モノトーン版とカラー版の2部構成


■ まずはオフラインでしっかり練習! マウスの操作感覚をキッチリ掴もう

起動直後のメニュー画面
 PC版は「オンライン対戦版」と銘打たれてはいるものの、オフライン(シングルプレイ)でもしっかり遊ぶことができる。サクセスモードが無い点とオフライン対戦ができないことを除けば、ほとんどコンシューマ版と変わらない充実したプレイモードが用意されている。選べるモードは、「ひとりで遊ぶ」「キャンプ」「ホームラン競争」の3つで、このほか「アレンジ(チーム自作)」「公式戦記録」「サウンド」といったオプション機能も利用できる。

 オンライン対戦に挑戦する前に特にプレイしておきたいのはキャンプ。マウスによるアナログ操作は、アナログスティックによるそれとは微妙に感覚が異なるので、「マウスの移動距離とカーソルの移動距離」がぴったりリンクするようになるまで練習しておきたい。特にPC版では、4隅(アウトロー、インロー、アウトハイ、インハイ)に140km超のストレートを投げられると、打つのがかなり厳しい(マウスを高速で動かさないと間に合わない)ので、重点的に投げ込んでおきたい(バッティングについても同じことがいえる)。

PC版用にカスタマイズされた投球練習。みっちり投げ込め
 一方、中には「パワプロはこれが始めて」というPCゲームファンもいるかもしれない。そういうユーザーは、「ホームラン競争」からプレイしてみるといい。ピッチャーはど真ん中にゆるめのスローボールばかり投げてくるので、超初心者でもラクにミートできる。これでホームランを打つ快感を覚えてから、順番にステップを踏んでいくといいだろう。

 最後の「ひとりで遊ぶ」は、コンピュータを相手に対戦できるモードで、12球団から好きな組み合わせで対戦が楽しめる。CPUの強さが固定というのが少し残念なところだが、CPUはあまり強くないので、本番前の手慣らしとしては十分活用できる。

【ホームラン競争】
初めのうちはなかなかいい感じにボールが浮いてくれない。10球中5本ぐらいホームランが打てるようになれば上出来だろう

【公式戦記録】
見逃せないのが「公式戦記録」。2000年度のあらゆるプロ野球データを網羅した一大デジタルデータベースだ。お父さんも大満足である


■ いざオンライン対戦! ホームランをかっ飛ばすと気分最高なのだ

まずはどちらのモードで対戦するのか選択する
 PC版のメインモードであるオンライン対戦は、KONAMI Onlineの専用サーバーを介して行なう。サーバーへの接続にはKONAMI OnlineのユーザーIDと製品に付属しているシリアルナンバーが必要で、製品には3カ月間(入会月+2カ月)の無料接続権が付属しているため、IDさえ取得すればすぐ対戦ロビーに入ることができる(その後の料金体系は近々公式サイトで発表される予定)。ロビーに入ると現在サーバーに接続しているユーザー名がずらりと表示され、チャットルームに入ると不特定多数のユーザーとチャットを楽しむことができる。

 サーバーでは、「ネット対戦」「出会いリーグ」「ペナント」の3つのモードが用意されている。ネット対戦は、ユーザー同士で9イニングをフルに戦う通常対戦モードで、プレイ時間はだいたい30分前後。出会いリーグは、3イニング限定でおためし対戦ができる。対戦後は自動的に対戦相手の名前が「友達リスト」の中に書き加えられるという仕組みで、ネット上の知り合いをどんどん増やすことができる。出会いリーグは初心者が多いので、まずはここで数回プレイしておくといいだろう。

 ペナントは、6人で1リーグを編成し、1カ月掛けて(月、水、金、土の4回×4週)リーグ優勝を狙うという大がかりなモードで、これのみ事前申し込みが必要となる。現時点ではまだ機能しておらず、来月から本格スタートする模様だ。参加料などは一切無料で、リーグ優勝者には、優勝者のみを集めて全国1位を決定する「頂上リーグ」への参加資格が与えられるという。ワクワクさせるモードだ。

 さて、製品発売初日に実際にサーバーに接続してもりもり遊んでみた。予想どおり、ユーザーは熱烈なパワプロファンばかりで、次から次に対戦相手を求めてプレイしている人が多いためか、ロビーのチャットルームはガラガラだった。が、逆に言えばサーバー接続後はすぐ遊べるというところにPC版の魅力があるといえそうだ。

【ロビー画面】
ネット対戦用のロビーに接続したところ。明るい色のユーザーに対戦を申し込み、相手が了解すればチャットウィンドウが開き、いざプレイボールとなる

ピッチャー側だと投げた直後、バッター側だと投げる前の状態で一時停止する
 ところで、買おうかどうしようか迷っている人の中には、「ラグでまともに打てないんじゃないの?」と思っている人がいるかも知れない。しかし、PC版のオンライン対戦は、このラグの問題を実にうまい方法で解決している。具体的には、ピッチャーが球種を定め、球筋を決めた直後に、システム側がゲームを一時ストップさせるのだ。その数秒の間に、ボールの球種、位置といった情報をバッター側に送り、データ転送が終了すると、ゲームが再開される。こういった一時停止処理を行なうことにより、ラグの問題の一切ない公平なゲーム展開を実現しているわけである。

 オンライン対戦では、このほかにもラグのもととなる無駄なデータ転送をできるだけ省いており、たとえばピッチャーが投球モーションに入るまでの間、ミートカーソルをぐるぐる回したり、ぶんぶん素振りをしてみたり、といった遊び的情報はピッチャー側には送られない。ピッチャーの首振り動作なども同じで、実に割り切ったオンライン対戦システムといえる。なお、対戦中のチャットは、キーボード入力方式ではなく(これも同じ理由からだろう)、サーバー接続前に好きな文字列をファンクションキーに割り当てておいて、投球時に1キー入力でその文字列を表示させる、という仕組みになっている。

 初回プレイ時は、投球時のワンクッションに多少の違和感を覚えたが、2度目以降はオンライン対戦にも関わらず、ラグ無しでスムーズに流れてくるボールを打てることの感激のほうが大きくなった。好きな配球で相手を空振り三振させたり、読みが当たってホームランが打てたときなどは気分最高で、ローカル対戦とは比べものにならないぐらいの嬉しさがある。ちなみに要求スペックがPentium III 600MHzとやや高めに設定されているが、GeForce 2クラスのビデオカードであれば、Pentium IIクラスのCPUでもラクラク動作したことを付け加えておきたい。野球ファン、パワプロファン、ネット対戦ファンのみんなに楽しんでもらいたい、末永く楽しめる対戦型野球ゲームの傑作である。

【オンライン対戦】
対戦中の模様。歴戦のパワプラーな方と対戦。試合は負けたが、清原が2本もホームランを打ったりして充実した内容。ちなみにゲーム終了後はそのまま連戦することもできる

【ゲーム設定】
対戦前に簡単なユーザー情報の入力と各種設定、チャットメッセージの入力などを行なう。画面はいずれもデフォルト時の設定

(C) 2001 Konami Computer Entertainment Osaka


【動作環境】
  • CPU:Pentium III 600MHz以上を推奨
  • メモリ:64MB以上を推奨
  • HDD:270MB以上(470MB以上を推奨)
  • CD-ROMドライブ:4倍速以上 (起動時不要)
  • 解像度:640×480ドット固定


□コナミのホームページ
http://www.konami.co.jp/
□KONAMI Onlineのホームページ
http://www.konamionline.com/
□「実況パワフルプロ野球 オンライン対戦版」の公式ページ
http://www.konamiosa.com/pawaonline/
□関連情報
【5月8日】コナミ、PC向け「実況パワフルプロ野球 オンライン対戦版」を6月28日に発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010508/pawapuro.htm

(2001年7月23日)

[Reported by 中村聖司]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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