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ナムコ、「ゼノサーガ」制作発表会開催! |
価格:未定
7月8日、恵比寿ガーデンホールにおいて、株式会社ナムコと株式会社モノリスソフトの手によるRPG「ゼノサーガ エピソードI 力への意志(以下ゼノサーガ)」の制作発表会が行なわれた。全国から1万人以上の応募があった一般招待客は600人。マスコミ、流通関係者など多数が訪れた。会場では、パンフレットとサウンドトラックのプレビュー版が配布された。
まず壇上に上がったのは、ナムコ社長・中村雅哉氏。中村氏は、冒頭「この物語は、『ゼノギアス』、この『ゼノサーガ』でも語り尽くせないものと聞いている。この先、ファンの強いご支持があるなら、私どもはさらなる続編を発表していくべく、努力していきたい」となみなみならぬ思い入れを語った。また、氏は、「今日まで、『ゼノサーガ エピソードI 力への意志』に関して一切の情報を聞いていなかった。それは会場に集まってくれたファンと一緒に、この場所で喜びをわかち合いたい、という思いからだ」と語った。
映画会社日活社長も兼任する氏は、「映画はその国の文化である、と言い続けてきたが、ゲームも同様だ」と続けた。「『映画、音楽、ゲームは日本の優れた文化である』と認識を強く持っていただきたい」とあいさつを締めくくった。
続いて、東京ゲームショウ2001 春において上映された「ゼノサーガ」のプロモーション映像が流された。改めて少しずつ提供されてきた情報を含めながら見てみると、この物語における重要なキーワードが次から次へと浮かんでは消え、ア・カペラのBGMとともにとても印象づよく残る映像であることを認識させられた。
ナムコ社長・中村氏のあいさつからイベントはスタート | 東京ゲームショウ2001 春において上映されたプロモーション映像が再び上映 |
そして、本日の最初のゲストとなる、高橋監督が登場。動いている映像としては初めての公開となる、高橋監督によるゲーム実機映像を見ながらのプロモーションを行なった。「ゼノサーガ」は、「クエストパート」、「バトルパート」、「イベントパート」の3つで構成されていることが紹介された。クエストパートでは、通常のRPG同様、マップ上にいる人物に話しかけて情報を収集したり、設置されたアイテムボックスなどを破壊し、アイテムを入手するシーンなどが公開された。
また、既報のバトルパートへいたるプロセスも公開。人物と同じ比率で描かれた敵が、音、視界など様々な要因でプレーヤーへと接触しようとするさまと、それをどう回避するかを実演。トラップボックスを破壊すると起こる電撃などの特殊な効果を利用して、敵をかく乱させることなども可能であることが解説された。敵の特性の裏をかいて背後をとったり壊す対象物を変えたり、工夫することによりバトルが有利に進められるなど、戦略性についてもアピール。アイテムをとりたいがためにボックスを壊しつづけていると、敵が出現するなどのワナも用意されているようだ。また、クエストパートでは、「バトルポイント」と呼ばれるキャラクタの成長に影響を与える数値を獲得できるようだ。
バトルパートは3人パーティが基本。それぞれのキャラは「A.G.W.S.(エイグス)」と呼ばれるロボットを入手すれば、1回の戦闘中に1度だけ乗降が可能。直接攻撃はボタンの組み合わせによる通常技と、キャラクタが成長することによって獲得できる必殺技による攻撃が基本となる。「A.G.W.S.」は他人から呼び出すことができ、体の各部に設置されたハードポイント(8箇所)が用意され、武器を装備できる。また、機体によって、格闘専用、射撃専用などの特性の違いがある。
解説する高橋監督。イベントパートでは工夫して敵との接触を避ける方法などが解説された | ||
バトルパートは3人パーティ。武器などを使って攻撃するキャラの動きなどが紹介された |
「クロノ・トリガー」、「ガンハザード」、「ゼノギアス」などの作曲を担当した光田氏が手がける「ゼノサーガ」のサウンド。メインBGMはロンドンフィルハーモニー管弦楽団の演奏によるものであることが明らかにされ、光田氏のビデオインタビュー、そしてロンドンフィルハーモニー管弦楽団の演奏風景などが上映された。
「『ゼノギアス』よりもさらに宗教色を強く」したと言われるその曲の数々がしばらく会場を包んだが、とてもスケールの大きな作品であると同時に、本作に対する期待を抱かせるに十分な出来栄えであった。
光田氏のビデオインタビュー | ロンドンフィルハーモニーの演奏風景 | 高橋監督と光田氏への質問コーナー |
--今回のオーケストラアレンジへのトライはどうだったか?
光田「思った以上に苦戦した。自分が思い描いていた以上の音がなかなか作れなくて四苦八苦した」
--どのへんが苦労したか?
光田「オーケストラをやったことがなかったので、一から勉強して時間を相当ロスし、スケジュールが厳しかった」
--ロンドンフィルハーモニー交響楽団の起用理由は?
光田「いろいろな候補が出ていたが、どうせやるなら一番有名なロンドンフィルを使おうと」
--光田氏を起用した理由は?
高橋「今まで一緒に仕事をしてきたということもあって、彼の作る曲が気に入っていたから」
--曲に対するリクエストは?
高橋「シナリオを説明して、使用するシーンと長さを伝えた。それから、自分が持っているクラシックや洋画のサウンドトラックなどを聞いてもらって参考にしてもらうという漠然とした仕事の進め方をしているので、制作には苦労したのではないか」
--光田氏の印象は?
高橋「とにかく外を見つめている人だという印象をまず感じる。ずっとゲーム業界で仕事をしている自分たちはとかく業界内で自己完結してしまいがちだが、彼はずっと外の世界を求めているところに自分たちも刺激を受けている。ロンドンフィルハーモニーの起用についても、同様に外の世界で新たな刺激を受けたいという思いから。外の世界を知ることで、世界を広げて自分たちにフィードバックし、作品を高めたい」
--今回の音作りに関して注文はあったか?
光田「とくにない。どうせやるなら誰もやったことのない規模の大きなものをやろうということぐらい」
--全部で何曲ぐらい作曲したのか? 今作の世界観は自分とマッチしているか? ファンの期待についてはどう受け止めている?
光田「全体で40~50曲で、これから作曲するものも多い。宗教色の強い曲が好きなので、グレゴリア聖歌を使えるということで、世界観の違いは感じなかった。ファンの期待を絶対裏切らないように、作業を続けていきたい。がんばります」
--監督がイメージする今作の音楽の世界観とは?
高橋「宗教的なものはモチーフとして必ず入れたかった。光田氏自身が常に新しいことに挑戦する、一度やったことはやらないというスタンスなので、『好きにやっていいよ』ということで全面的に任せている」
--ズバリ、今作に対する手応えは?
光田「たぶん、これを超えるのは自分自身かなり難しいかな、というレベルになりつつある。自分も自分に期待しているところもあるし、ファンのみなさんに対して裏切らないよう、いいものをつくろうと思っている」
高橋「スタッフにも恵まれ、かなり自信のあるものができてきていると感じている。反面、目の前に積まれた物量にクラクラしているのが現状。発売まで皆さんもう少しお待ちください」
この後、未公開最新オープニングシーン、イベントシーンを編集した予告編も上映された。
200X年、ケニアのトゥルカナ湖で発掘された謎の遺跡にプレートをはめこんだとたん、大きな地震が起こり、謎の島が出現。そして宇宙に向け光を放つ……といったシーンからスタートした特別映像。詳しい内容はまだ正式に公開されていない |
限定版発売を発表したモノリスソフトの杉浦氏 |
そして、会場に来てもらったファンへのおみやげとして、限定版の発売が決定したことを報告。価格は未定。この限定版には、1/10のフィギュアが付属する(キャラクタは後日公開)。キャラクタデザイナーの田中久仁彦氏も絶賛のデキとのことで、ほかにもグッズを多数制作するという。さらに、本日公開された映像もDVDフォーマットでゆっくりファンに見てもらえるような方法を検討中ということらしい。会場に来られなかったファンにも、発売前にまだいろいろ仕掛けてくれそうな予感とともにイベントは終了となった。
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□ナムコのホームページ
http://www.namco.co.jp/
□モノリスソフトのホームページ
http://www.monolithsoft.co.jp/
□製品情報
http://www.namco.co.jp/home/cs/ps2/xenosaga/index.html
□関連情報
【6月2日】ナムコとモノリスソフトの新RPG「ゼノサーガ エピソードI 力への意志」公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010602/namco.htm
【3月30日】モノリスソフト、ナムコより2001年にPS2用タイトル「ゼノサーガ」の発売を予告
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010330/monolith.htm
(2001年7月8日)
[Reported by 佐伯憲司]
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